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2021.11.30

モラハラ妻チェックリスト|後悔しないための離婚・再構築の考え方、相談先を専門家が解説

「口が悪い」という言葉では済ませられない妻のモラハラじみた言動に苦しんでいる夫が最近増加しています。「彼女はモラハラ妻なの?」「なぜこんな風になってしまったのか」「男として恥ずかしい」など、さまざまな思いがめぐる中、それでも離婚という道は簡単に選べるものではありません。子どもがいればなおさらです。再構築か離婚か悩み、不安の中にいる夫に気持ちを整理する方法や父子家庭の支援について解説します。

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記事を執筆したのは…

新井寛規さん

小規模フリースクール「ろぐはうす」センター長。小学校教員、児童養護施設児童指導員、学童保育士、市家庭相談員を経て、2018年大阪府に学習生活支援センターろぐはうすを設立。現在、大学教育学部非常勤教員、保育士・教員養成専門学校の教員、保育士国家試験予備校非常勤講師、市府県放課後支援員研修講師、市府県子育て支援員研修講師、保育教育児童福祉コンサルティング、啓発活動を行っているほか、「境界に生きるー。」(UTSUWA出版)などの著書も手掛けている。

妻のモラハラ(DV)に悩む夫は増えている

モラハラやDVというと、男性から女性への行為という強いイメージがある人も多いのではないでしょうか。

しかし、最高裁場所が公表している令和2年度の司法統計の婚姻関係事件数を見てみると、男女ともに”精神的に虐待する”という理由が3位に入っていることが分かります。

さらに、男性に限ると、1位は”性格の不一致”、2位が”その他”となっているため、実質的には、”精神的な虐待”が2番目に多いといえるでしょう。また、”妻からの暴力”という理由で男性から離婚を切り出すケースも、増加傾向にあるといわれています。これもイメージとは逆かもしれません。

モラハラの定義とは

そもそもモラハラとはDVの一種で、夫婦間などの親密な関係の上で行われる精神的苦痛を伴う言動や態度のことを指します。身体的苦痛と違い、精神的苦痛は傷跡が残りません。また、加害者の自覚もないことが多いため他人から分かりづらく、当事者からの訴えがない限り外からの発見は難しいのが現状です。

妻から夫へのモラハラが見過ごされやすい理由

妻から夫へのモラハラが発見が難しい理由は、日本の文化的背景も原因かもしれません。日本は元々、家長制度があったため、「夫婦とは男性が家長となり妻はそれを支えるもの」「夫は妻より強い」といった固定概念が今も根強く残っています。

もし、妻が夫に強い態度や言動をとっても「鬼嫁」「かかあ天下」「恐妻家」などと揶揄されて見過ごされてしまうケースが多いことでしょう。実際にはモラハラや虐待に匹敵するような関係性であっても、「ケンカする程仲が良い」「男性をうまく支えている」といった夫婦の美談的なニュアンスで周囲が見るため、夫本人は苦しんでいるのに声を挙げにくいのです。その結果、モラハラ妻に恐怖を感じて帰宅恐怖症やうつ病と診断される男性が増加しています。

家長制度による固定概念は、法律にも影響を与えています。パワハラを防止する法律には「主に女性から男性」という言葉がとても多く記されています。力の弱い女性を守ることや女性の地位が改善すること自体は良いことです。しかし、男性(夫)も被害者になりうるということは覚えておいてくださいね。

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自分はモラハラを受けているのだろうか

本当はとても苦しんでいるにも関わらず、「妻はモラハラ(DV)ではない」「口が悪いだけ」「機嫌が悪いだけ」「そのうちよくなるだろう」と自分に言い聞かせて、問題を直視しない男性もいるかもしれません。

自分がモラハラを受けているのか分からないのであれば、下記を参考にしてみてください。

厚生労働省の運営するポータルサイト「心の耳」では、職場によるモラルハラスメントを下記のように定義しています。

言葉や態度、身振りや文書などによって、働く人間の人格や尊厳を傷つけたり、肉体的、精神的に傷を負わせて、その人間が職場を辞めざるを得ない状況に追い込んだり、職場の雰囲気を悪くさせることをいいます。パワハラと同様に、うつ病などのメンタルヘルス不調の原因となることもあります。

厚生労働省の運営するポータルサイト「心の耳」

上記に妻を当てはめてみましょう。

言葉や態度、身振りや文書などによって、夫の人格や尊厳を傷つけたり、肉体的、精神的に傷を負わせて、夫が正常な心身で家庭生活を送ることができない状況に追い込んだり、家庭の雰囲気を悪くさせる妻

いかがでしたか? 文章にしてみると客観的に判断しやすいのではないでしょうか。モラハラ妻と夫の関係は、「自分がモラハラを受けている」と認めることも含めて、簡単に解決できるものではありません。

ですが、放っておくと状況は悪化し、心身にダメージを受けることは明白です。まずは客観的に自分が置かれている状況と向き合ってみてください。

モラハラ妻チェックリスト

次に、自分の妻がモラハラ妻なのかを客観視できるように「モラハラ妻チェックリスト」を作成しました。「もしかして、うちの妻はモラハラ妻なのかも…」と感じている人は、自身の状況を確認してみてください。
※チェック表は、夫婦が逆転しても同じことが言えますが、今回は夫を主に作成しています。

モラハラ妻・簡易チェックリスト

  • 行動を管理、支配しようとする(飲み会禁止、外出許可がいる、自宅での行動を勝手に決めるなど)
  • 趣味や楽しみなどを否定する、または持つこと自体を禁止している
  • 許可なく高い頻度でスマートフォンをチェックしたり、盗み見たりしている
  • 常に自己正当化し、異論は認められない
  • 体調不良のときでも労わらず、家事や育児等を指示する、または無視する
  • 夫が行う家事や育児に対して、細かく監視していたり、小言や文句を言う
  • 家事や育児を独占し、参加させてくれない
  • 不機嫌なときが多く、何もしていないときでもため息や舌打ち、にらむなどの行動をする
  • 夫の実父母やその家族に否定的
  • 収入や昇進のことで嫌味を言い、ひいては会社の悪口や夫の人格否定にまで発展する
  • 外面がよく、他人に話すときや目がある場合は良い家族を演じる
  • 子どもに対して夫の悪口を言う

いかがでしたか? 1つでも思い当たる節がある場合は、モラハラ妻を疑う要素があります。

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「男性なのに恥ずかしい」とは思わないで

モラハラを受けている夫の中には、妻にモラハラを受けること自体を「恥ずかしい」「情けない」と思っていることがあります。また、モラハラを隠すために、周囲に強気にふるまったり、「仕方がない」のひと言で片づけている人も見受けられます。

しかし、そもそもハラスメントという問題の本質は、性別分ける必要がないのではないでしょうか。妻であろうと夫であろうと、理不尽な理由でつらい思いをしている人がいることが課題なのです。

男性であろうと女性であろうと、嫌なものは嫌ですし、つらいときはつらいのです。実際に、私も「あまりにひどい…」と耳を疑うようなモラハラ妻に悩む夫の相談をたくさん受けています。特別なことではありません。

また、モラハラ妻の言動が原因で、精神疾患を患ってしまった夫のケースもあります。精神疾患は、人によって治る期間がさまざまです。何年も患ってしまうこともあり、そうなると「恥ずかしい」なんて言ってられません。モラハラによるストレスを決して甘く見ないようにしてくださいね。

モラハラ妻になった原因とは

次に「モラハラ妻」になった原因について整理してみましょう。モラハラ妻の中には、なりたくてなったわけではないケースもあります。

一概にはいえませんが、これまでの経験も踏まえて、モラハラな言動を行う理由には下記のようなことが考えられます。

発達障害が隠れている

「うちの妻にそんなものはない!」と思ったら申し訳ありません。私が支援している家庭の中には、専門家が介入することで初めて家族の中に大人の発達障害やパステルゾーンに該当する人がいることが明らかになるケースが増加しています。

モラハラ妻の言動が、ASD(自閉症スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動性症)、LD(学習障害)のように、落ち着きがなく多動性が強かったり、物事の理解が遅く集中力が低い場合は疑っても良いでしょう。

モラハラ妻の気性が激しく攻撃性が強い方の場合、その怒りの原因が理解能力の低さや物事の優先順位が立てられないことに起因している可能性があるのです。

発達障害は、脳機能の問題であるため、放置しても改善する見込みはあまりありません。医療機関(精神科)に相談して、適切な投薬治療やカウンセリングなどを実施し、上手に付き合っていくべきでしょう。

気づかないうちに認知が歪んでいる

認知とは、知覚から物事を判断する能力のことです。認知症はよく知られている言葉かもしれませんが、認知が年齢を問わず”歪む”ものだということは、医療や心理のプロ以外の方々は意外と知らない方も多いかもしれません。

認知の歪みとは、認知療法の始祖であるアーロン・ベック医師の弟子にあたる、デビット・バーンズ医師が提唱している考え方です。代表的な歪みのパターンには下記のようなものがあります。

認知の歪み10項目

  • 全か無かの思考/すべてを全か無で考え、小さなミスですべてが全部がダメだと考える。
  • 行き過ぎた一般化/まれにしか起きないことをいつでも起きることのように認識する。
  • 心のフィルター/いいことを見ずに悪いこと・ところばかり見てしまう。
  • マイナス思考/すべて悪いほうへ考えてしまう。
  • 論理の飛躍/根拠なく物事や将来、人について決めつけてしまう。
  • 拡大解釈、過小解釈/小さなよくないことを最悪の事態に結び付けたり、いいことは大したことないと解釈する。
  • 感情の理由づけ/自分の感情を根拠に物事や人を決めつけてしまう。
  • ~すべき思考/「~すべき」といった理想像にとらわれてしまう。
  • レッテル貼り/自分や他人にマイナスのレッテルを貼ってしまう。
  • 誤った自己責任化(個人化)/関係がないことも自分のせいだと考えてしまう。

上記のように物事に対して歪んだ捉え方をしてしまうと不安や苛立ちを感じやすくなるなど、ネガティブな思考・感情になりやすくなります。

また、”認知の歪み”の怖いところは、本人に自覚症状がない場合がとても多く、周囲の人間を巻き込みやすいというところです。モラハラの原因が認知の歪みである場合、カウンセラーなど専門家による認知療法やカウンセリングの実施をおすすめします。

知らないうちに、精神疾患を患っている

うつ病は、今や15人に1人がかかる疾患です。また、統合失調症も100人に1人はかかる疾患であるといわれているほど精神疾患は珍しい病気ではありません。

年間の自殺者の約半数がうつ病であり、潜在的なうつ病患者は国内のうつ病患者の3〜4倍に登ると言われています。また、厚生労働省と警視庁が協同して発表した令和2年中の自殺者データによると、自殺の主な原因は、健康問題・経済・生活問題・家族問題と続き、いずれも夫婦生活に直結している問題です。

精神的な疾患にかかると、さまざまな精神的不安、身体症状、ストレス耐性の減少など、そのリスクは挙げればキリがありません。夫婦のどちらかが知らない間に精神疾患を患っている場合、正常な感覚から大きくズレてしまい、その結果、モラハラなどにつながる可能性があります。

愛着に偏りがある(愛着不全)

子どものときの家庭環境というのは、その後の人生を大きく作用します。夫婦のどちらかが愛着に何らかの偏りがある場合、夫婦間のコミュニケーションに障害が生じる場合が多いのです。

愛着に偏りがあるとは、幼少期に養育者との愛着がうまく形成されなかったため、うまく愛情を受けたり注いだりすることができない状態のことです。

自身に注目してほしいからわざと嫌がらせをしたり、相手が怒ること=愛情、相手を傷つける行為=好意等と、間違った愛情の捉え方が定着している場合もあります。

価値観の違いやコミュニケーション不足

仕事と家事は、家族を続ける上でどちらも重要であり、夫婦がバランスよくお互いの役割を担っていくことが求められます。どちらかに比重が偏り過ぎると夫婦のバランスは崩れやすくなります。

また、夫婦だからといって最低限のルールや礼儀を無視していると、関係性にヒビが入ることは往々にしてあります。特に、SNSやインターネット上の記事から新しい価値観が絶えず発信されている現在においては、知らない間に相手の価値観が変化していくことはよくあることです。

相手のことをわかっているつもりでも、知らないうちに相手を傷つけてしまうこともあることでしょう。相手を傷つけると、今度はその相手が自分を傷つけたり、相手にストレスがどんどんと溜まっていくことは明らかです。相手のことを勝手に決めつけたりせずに、理解しよう、尊重しようという姿勢を持ち続けられるようにしましょう。

原因に応じて対策は変わります。しかし、問題が混在して関係性が複雑に絡み合っているような場合、解決が望めないこともあります。

夫婦問題の解決に取り組むことは大事ですが、心身を壊し続けてまで生活を続ける必要はありません。子どもがいる場合は、親権や養育費の問題もありますが、身体や精神を患うほどのダメージは、一生引きずってしまう可能性もあるからです。

“夫としての責任”に囚われて自ら選択肢を狭めるのではなく、つらい経験を我慢しながら残りの人生を過ごしていく必要性はあるか考えてみてください。

離婚か再構築か悩んだときにすること

相手がモラハラだからと簡単に離婚を選択できる人は少ないのではないでしょうか。特に子どもがいる家庭であれば、可能ならば再構築にしていこうと思うかもしれません。どのように今後について考えていくのか、下記のような点を踏まえて判断してみてはいかがでしょう。

夫婦の状況を客観的に整理してみる

まず自身で状況を整理してみましょう。下記のようなことを紙やスマホのメモ機能に書き出してみると客観視しやすくなります

  • いつから(モラハラ)は始まったのか
  • 自身で考え得る原因は何なのか
  • どんなことをされるのか
  • モラハラを裏付ける根拠はあるのか
  • 結婚前の相手はどんな様子だったのか

もし、妻にスマホを勝手に見られてしまう場合は、専用のアカウントを増やしてクラウド上に保存しておくなど工夫してみてください。弁護士に説明したり、医療機関(精神科)などでカウンセリングを受けたりする際には、必ず行う作業です。

事実、感情を明確にする

状況を整理したら、次はその中で事実をはっきりさせましょう。具体的なエピソードなどがあるとより良いですね。“事実・私的な感情・状況”は混合しやすいため、分けて明記するようにします。

この3点を整理することで、「どんな状況下で事実としてどんなことが起こり、その時の感情がどうだったのか」が非常にわかりやすくなります。

論拠をしっかりとさせる必要がありますので、メールやLINE、手紙の文書など、他人が見ても分かるような写真、動画、音声録音なども必要であれば用意しておきましょう。

また、事実ではなく思い込みであったというケースもあります。客観的な視点を大事にしましょう。

離婚か再構築かを決めた後の行動

離婚するのか再構築をしていくのかを自身の中で決断したのであれば、次のように動くとよいでしょう。家庭の中だけで話をすすめようとしてもうまくいかないことも多いですよ。

離婚の場合=相談機関、医療機関に行く

状況を整理し、事実を明確にしたあとは、相談機関(市区町村にあるDV相談窓口や、家庭支援相談室)に行って話してみましょう。離婚を希望の場合は、相談機関(特に公的な支援センター)に行った事実が記録に残ります。この記録もモラハラを立証する上で大事なものとなります。

また、警察の生活安全課などにもDV相談窓口があります。命の危険を伴う精神的な暴力や脅迫などを感じている場合は通報しても構いません。警察への相談・通報記録も、被害を受けたという立派な証拠となります。

もし、モラハラで精神的に辛く絶えられない場合は、精神科への受診をして診断書に「精神的なつらさの原因が、家庭内のモラハラである」と書いてもらうようお願いしてみることも1つの手段です。もちろん難しい場合もありますが、診断書は非常に有力です。可能であれば、相談した方や対応した人の名刺をもらっておきましょう。

最終的には、弁護士(法テラスでも可)のもとに行きます。自分で書いた記録、相談記録、診断書、通報記録などを持っていき相談してください。

再構築する場合=第三者を交えて話し合う

再構築という選択をされた場合でも、そのまま絶え続けることは適切ではありません。再構築を望む場合は、夫婦でお互いの気持ちを確認し、「どのようにしていけば良いのか」を考えてみてください。

ただし、2人だけで話をしてみてもなかなかまとまらないことも多いので第三者をたてて話し合いをしてみましょう

第三者は、信頼できる親族や友人でもいいですし、市区町村にあるDV相談窓口や家庭支援相談室、民間のカウンセリングルームなどに一緒に行っても構いません。

とはいえ、相談機関へ妻が一緒に行ってくれないことも多いことでしょう。私も何回かクライエント夫婦の話し合いに同席したことがありますが、その際は、夫から妻へ「あなたのことを大事に思っているし、子どももかわいい。今後も人生を一緒に歩んでいきたいから話し合いがしたい。専門家の方を通して一緒に考えてほしい」と事前に伝えることで夫婦が一緒に来ることができました。

さらに、その後も”相談”という形で月1回程度、夫婦で来てもらうことで認知行動療法(※)を開始することができました。

また、相談をする場合は、どれだけ自分が大変なのかをアピールして愚痴を吐き出して終わってしまいがちですが、それでは話は前には進んでいきません。ある程度整理して話しをするためにも、状況・事実・感情を整理することは大切です。

※認知行動療法…ものの考え方や受け取り方(認知)に対して、また、何らかの行動に対して働きかけることで、気持ちを楽にしたり、ストレスを軽減させる治療方法のこと

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父子家庭が抱える悩みと受けられる支援

子育て夫婦が離婚という選択した場合、親権がどちらになるのかは非常に重要です。もし、親権を夫が得た場合は父子家庭となります。父子家庭の父は、今まで子育てを妻に任せていた方も多く、子育ての方法が分からず戸惑うケースが後を立ちません。

また、生活や家事の部分で困ることも多く、使えるサービスも母子家庭に比べると限られます。それでも父子家庭を選択したときのために、おもなサービスや相談先を紹介します。

DV相談ナビ

内閣府男女共同参画局が運営する相談サービスです。

警察署内のDV相談窓口

DV法の成立と共に、警察もDVや家庭内暴力(精神的、性的な暴力を含む)に対する保護体制を強化しました。管轄の警察署に問い合わせてみましょう。

ひとり親サービス

上記のリンクは大阪市のものですが、各都道府県、市町村のポータルサイトで同じようなものがあります。住んでいる自治体へ聞いてみると、意外なサービスや補助を受けられることもあります。

特に父子家庭は「恥ずかしい」「(父子家庭になってしまった)原因は自分にあるから後ろめたい」などの意見をたまに聞くことがありますが、離婚の原因が片方だけにあることはまれです。勇気をもって問い合わせてみましょう。

厚生労働省による取り組み

厚生労働省も、ひとり親家庭に対する施策を日々検討しています。ぜひ、サイトをチェックしてみてください。国のサービスを受ける対象にあるのかどうかがわかります。また、ページタイトルが「母子関係等」になっており、父子家庭と結びつきにくいものとなっていますが、受けられるサービスもあります

市区町村の保健福祉センター

保健師等による医療的なアドバイスを得ることができます。子どもが体調不良なときや気になる行動がある場合など、医療的な問題を受け付けています

司法書士相談

意外と知られていないのが、司法書士による相談です。経済的な悩みなどがある場合、問い合わせてもよいかもしれません。法的な観点による見解が得られるでしょう。

子育て包括支援センターや家庭児童相談室

各市町村内には、必ず家庭相談窓口を設けています。こちらも住んでいる地域に問い合わせてると専門相談員が常駐し、子育てや家庭生活における相談を実施しています。

児童相談所

児童相談所は虐待保護機関と思われがちですが、育てにくさがあるなど、子育てについての相談も多く受け付けています

民間の相談サービス

今はインターネットで検索すると、さまざまな相談サービスを受けることができます。NPO法人や民間企業等にも、相談可能なところはたくさんあります。

ただ、最近は資格や実績のないカウンセラーも増えています。ですが、認知行動療法などは、一定分野の専門知識を持っている専門家だからこそ行うことができることです。
ソクラテスのたまごの姉妹サイトである「ソクたま相談室 」のように、知識と実績がある専門家、信用できるサービスを見極めて活用していきましょう

<カウンセリングについて詳しく書いた記事はこちら>

カウンセリングとは? その意味と効果を公認心理師が解説します
カウンセリングとは? その意味と効果を公認心理師が解説します
欧米と比べ、カウンセリングを受けることへの壁がある日本。そこには“心の病気にかかった人が受けるもの”というイメージや、効果に対する疑念も関係しているとのかもしれ.....

夫も妻も子どもも幸せになるために

夫婦とは、精神的にも経済的にも良きパートナーであるべきです。しかし、それはあくまで理想論でしかありません。何年も、何十年も一緒に過ごす中で、さまざまな課題が生じます。

特に意識や気持ちの問題が大きく、捉え方や考え方を見直していくことが大切です。ですが、夫婦の力だけで変わるほどの問題であれば、すでにその問題は解決に向かっているでしょう。

自分たちの夫婦関係を見返したときに、モラハラやDVという言葉が浮かぶようであれば、乗り越えることが難しい課題を抱える人が多いかもしれません。

課題解決に向けてできることは、妻や夫の認識を変えるカウンセリングのような”内的支援”と、モラハラなどがしづらいように環境を変えたり、外部機関を活用したりする”外的支援”を同時並行で行っていく必要があります。

友人、両親、兄弟、親族、学校、市町村の相談窓口、児童相談所、医療機関、各種相談機関など、周囲のサポートや使えるサービスを活用していってくださいね。

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新井 寛規

小規模フリースクール「ろぐはうす」センター長。家庭教育師。小学校教員、児童養護施設児童指導員、学童保育士、市家庭相談員を経て、2018年大阪府に学習生活支援センターろぐはうすを設立。現在、大学教育学部非常勤教員、保育士・教員養成専門学校の教員、保育士国家試験予備校非常勤講師、市府県放課後支援員研修講師、市府県子育て支援員研修講師、保育教育児童福祉コンサルティング、啓発活動を行っているほか、「境界に生きるー。」(UTSUWA出版)などの著書も手掛けている。

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