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2022.08.12

会話がない夫婦や親子のコミュニケーションで、話しかけるよりも効果的なこととは

夫婦や親子の間で会話がないことに悩んでいる家庭は少なくありません。ですが、会話がない=コミュニケーションがとれてないということになるのでしょうか。そこで、夫婦や親子がコミュニケーションを取る家に着目して、会話がない夫婦や親子はどのようにしてばいいのか解説します。

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日本人の考えるコミュニケーションとは

コミュニケーションというと、どのようなものを思い浮かべますか? やはり、たくさん会話があるというのがコミュニケーションが取れた仲良し夫婦、家族ということになるのでしょうか?

しかし、日本人ってそもそも議論し合ったり、言いたいことを言い合うようなコミュニケーションは苦手なはずですよね? では、日本人ならではのコミュニケーションとはどのようなものになるのか考えてみましょう。

夫婦や家族のコミュニケーションになる場は家です。日本の住居は、戦後に復興住宅が建ち始めた頃から、基本的なモジュールが「~LDK」となっています。

しかし、以前の日本では都市型の住居は長屋のような住まい、郊外は田の字型住居などが多く、プライバシー侵害の概念よりも家族はお互いに気遣いあって過ごすというのが日本の家庭環境でした。

それは、生活をする者同士(家族など)だけでなく、ご近所間でも動向は共有され、多くを語らずとも伝わる関係性が構築されていました。

そのような関係はわずらわしいと思う人もいることでしょう。しかし、日本人の気質的に実はこの関係性がコミュニケーション方法に大きな影響を与えていたのです。

生活しながらお互いの動向を把握しているため、多くを語る必要もなく相手を察することができ、曖昧なやり取りでも十分に通じ合うことができる関係性ができていたのです。

日本人のコミュニケーション能力は、曖昧かもしれませんが察することに長けています。それは、居住スタイルにより察することを前提としたコミュニケーションを培ってきたからなのではないでしょうか。

夫婦の会話があった時代の家のイメージ

物理的な距離、壁が人間関係に反映

察することを前提とした(曖昧な)日本人のコミュニケーションスタイルを成立させるためには、お互いのことをよく理解し合い、情報を共有できる関係性・距離感が必要です。

しかし、戦後の住居の変化で家族間やご近所との関係性や距離感は大きく変化。そのため、現代では家族間でのコミュニケーションにさまざまな歪みが出してしまっているのではないでしょうか。

戦後、同じひと間で寝起きと寝食をともにしてきた日本人の居住スタイルは、寝食分離を基本とした「~LDK」タイプの欧米風住居が主流となっていきました。

そして、これまでは襖で間仕切りして使っていた部屋の概念も変化し、壁とドアで恒常的に区切られた個室が作られ、子どもに個室を与えられることがステータスになりました。

子どもと親の間にまさに壁ができ、同じ部屋で過ごすことで当たり前に保たれてきた家族間のコミュニケーションにも変化が出てくるようになったのです。

欧米式の個室型居住で生活をしていれば、当然相手の姿や気配は感じられません。ですが、日本人のコミュニケーションスタイルは、相手を察していれば理解し合えるはずだという概念のまま。

そして、いつの間にか、誤解が生じ、理解し合えない状況になってしまっているのです。そのときになって急に意思疎通を図ろうと「話そう」「話して」としても、うまくいかないはずです。

会話がない夫婦のイメージ

日本人に合ったコミュニケーション術とは

ですが、家の間取りやつくりを急に変えることはできません。「子どもの考えていることが理解できない」「夫婦の会話が成立しない」と夫婦間や親子間のコミュニケーションギャップに悩んでいる場合、どうすればいいのでしょうか。

家族間コミュニケーションを上手にできるようにしたいと思うのであれば、話しかけ方のスキルを学んだり、無理に会話をしたりする必要はありません。まずは、同じ空間で過ごす時間を長くすることから始めてみてください。

同じ空間にいれば、会話がなくてもいいのです。むしろ、話しかけることで、同じ空間にいるのが嫌だと思われてしまうほうが危険です。夫婦間、親子間の距離を測る目安を会話の数よりも、一緒に過ごす時間の長さに変えることで、関係性が少し違うふうにみえていくかもしれませんよ。

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諸葛 正弥

大手進学塾で長年指導を行ない、2007年に「イラスト図解でわかるプロ教師力アップ術55」(明治図書)を出版。教育委員会・各種学校などで教員研修を行ないながら、私立中高一貫校の学校改革などを手掛けている。また、「ロボット教室」や「学習教室まなび-スタイル」の運営、「よい子を育む家」の監修なども行ない、教育について幅広く活動を行っている。

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