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2022.12.12

【中学受験に出題】家事を押し付けられる女の子のモヤモヤ。男の子には“特権”があるのか?

「男の子なんだから、泣かないの!」「女の子らしく、おしとやかにね」。そんな言葉を耳にしたことはありませんか? 私たちは、自分でも気づかないうちに、性差別的価値観に捉われてしまっているかもしれません。

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“ジェンダーバイアス”という言葉を知っていますか?

近年、あちこちで話題になっている“ジェンダー”。テレビ番組に映る芸能人を見るだけでも、性の在り方が多様化していることを実感します。一方で、まだまだ日常に潜む“ジェンダーバイアス”に苦しめられている人々もいるようです。

“ジェンダーバイアス”とは、人や社会全体が持つ「男らしさ」「女らしさ」などの男女の役割に関する固定的な価値観や、それに基づく差別・偏見・行動などのことを指します。

古くから、「男たるもの外で働き、家庭の大黒柱となるべき」「女は家庭に入り、子を育てるものだ」という風習があった日本は、歴史的にこうした固定観念が強い国だと言えるかもしれません。

よくメディアでも話題になるのが、家事や育児。古くからの日本のしきたりの名残か、「全部女性に任せきり……」という、女性側の愚痴をしばしば見かけます。

また、子育ての中でも、ジェンダーバイアスが見受けられます。例えば、色や形、趣味嗜好。青色や緑色の服装に、電車や恐竜が好き……と聞くと、男の子をイメージしませんか? 赤色やピンク色の服装に、リボンやお人形遊び=女の子、というようにです。

私たちは、無意識的に「男らしさ」「女らしさ」とは、こういうものであるという価値観を少なからず持っているのではないでしょうか。

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男女平等と耳にはするけれど……ジェンダー意識を高めることが大切

知らず知らずのうちに抱いている「男らしさ」「女らしさ」への価値観。男女平等が叫ばれ、女性の社会進出が話題になる昨今。しかし、本当の意味での男女平等は、まだまだ縁遠いようです。

そもそも、「男女」という区分け自体に違和感を抱く人もいるのかもしれません。これからは、性に対する在り方や捉え方がますます多様化する世の中に突入していきます。性に対する色々な価値観を持つ人々と出会うことになるのです。

大切なことは、ジェンダーについての自分の価値観を見直し、アップデートしていくことにあります。ジェンダーバイアスは、風習や環境の中で、無意識的に形成されているため、自分ではなかなか気が付きにくいからです。

中学受験にも出題。SAPIX小学部の課題図書

近年では、子ども向け・大人向け共にジェンダーに関する書籍に注目が集まっています。

『いいたいことがあります!』(魚住直子)は、SAPIX小学部「さぴあ作文コンクール」課題図書に選ばれたり、中学受験でも用いられたりした書籍です。大人だけではなく、子どもたちにもジェンダーに対する考え方を学んでもらいたいという方針が感じられますね。

主人公は、小学6年生の女の子、陽菜子。兄はやらなくてもいいのに、「女だから」と言って自分ばかり家事を押し付けられることや生活のさまざまなことに対してモヤモヤしています。そんなある日、ふしぎな女の子と出会って……。「女らしさ」を強要される、言葉にしがたいモヤモヤにどう対処していくのかが見どころです。

また、2022年10月15日には、兄の颯太、男性目線からジェンダーについて書かれた姉妹編、『考えたことなかった』(魚住直子)が刊行されました。

おばあちゃんがなんでもやってくれる祖父母の家。つい、女の子におごろうとした1本のジュース。そんなふとしたきっかけに「考えたことなかった」、身近なジェンダーバイアスに気が付いていくストーリーになっています。女性目線とは、また違う視点から考えることができる1冊です。

これから、さまざまな人と出会う子どもたち。ジェンダーについて学ぶ、となると少し身構えてしまうかもしれません。同年代の子どもたちの日常が描かれた作品を読むことで、自分の考え方を見直す機会になるかもしれません。保護者の方といっしょにジェンダー意識をアップデートできる1冊です。

現代でも、「男らしさ」「女らしさ」という人々の固定観念は根強く残っています。

ジェンダーについての考え方は人それぞれです。性に捉われることなく、自分らしく生きること・他者を受け入れることができる世の中になるよう、社会全体が変わっていく必要があるのです。

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<参考資料>
株式会社偕成社 男だから女子におごらなきゃ、ってほんと? 日常の中に潜むジェンダーバイアスに気づく男の子の物語『考えたことなかった』(PR TIMES)

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