学びの場でのジェンダー平等、進んでる? 中学生の親1200人の回答は……

「ジェンダーレス」の考え方が普及するようになった昨今。「男だから」「女だから」の括りをなくすことで、子どもたちの自由や生きやすさにつながっていくことは確かでしょう。
では今、学びの場ではどの程度ジェンダーレスな考えが浸透しているのでしょうか。ジェンダー平等やキャリア教育に関する、中学生の親のアンケート結果を見ていきましょう。
学びの場でのジェンダー平等は進んでいるか
株式会社アイデムは、中学生の保護者1200名を対象にしたアンケート「親の子供に対するキャリア観とジェンダーに関する意識調査」をおこないました。
その結果によると、【中学校等学びの場でのジェンダー平等は進んでいるか】の問いに対して「進んでいる」「どちらかといえば進んでいる」と回答した割合は68.8%にも及んだそうです。

上記のグラフから、「進んでいる」の回答について、年代が上がるごとに「ジェンダー平等が進んでいる」と感じる割合が高くなっていることがわかります。
確かに、中学校の制服がスラックスとスカートの2種類から選べるというのは、今では珍しくありません。体育着などの学用品の色も性別で分けず、男女同じ色に統一している学校もあるとか。大人たちが学生時代だった頃には考えられなかったようなジェンダー平等が、時代とともに少しずつ進んでいるのですね。
アラフォー筆者は学生時代に、「冬の寒い日にどうしてスカートで登校しなければならないんだ……」と何度も思っていました。そのせいか、学生時代から現在まで冷え性です。ジェンダーレスはもちろんですが、スカートとスラックスどちらも購入すれば、気温に合わせて柔軟に使い分けられるというメリットもありそうですね。
将来子どもが結婚した際の家事・育児や仕事に対する考え
「結婚したら女は家に入るべき」なんて価値観は、もはや過去の話。女性の社会進出にともない、結婚しても仕事を続ける方も多いでしょう。しかしその分、家事・育児の負担は大きなものに……。「女だから」ではなく、ここでも「平等」「分担」が求められます。

【将来子どもが結婚した際の家事・育児や仕事に対する考え】のアンケート結果によると、「家事・育児や仕事は平等に行うべき」という回答が約7割にも及びました。
内訳をよく見ると、年代が低いほど「平等に行うべき」と思う人の割合が高くなっています。ジェンダーレスの考え方に触れる世代は、やはり価値観も柔軟なのでしょうか。
一方、「主に夫が仕事を、主に妻が家事・育児を行うべき」の回答は、約3割でした。年代が高いほど割合が高くなっているのは、もしかしたら「結婚したら女は家に入るべき!」という父母の背中を見て育ってきた影響なのかもしれませんね。
いずれにしろ、ジェンダーレスが普及している昨今、「家事・育児や仕事は平等に行うべき」という価値観は今後ますます広まっていくでしょう。
現時点でのキャリア教育の必要性
中学2~3年生の保護者を対象に【現時点でのキャリア教育の必要性】をアンケート調査すると、思わぬ結果となりました。

「必要である」「どちらかといえば必要である」と回答したのは、全体の8割程度。性別や学年別で極端な差はみられず、多くの保護者がキャリア教育の必要性を感じていることがわかります。

中学生の親1200人を対象にしたアンケートから見えてきた、さまざまな「本音」。
年代が低いほどジェンダー平等に対する柔軟な価値観がみられるのは、とても興味深いです。今後ますます、子どもたちにとって生きやすい社会に変わっていけば良いですね。

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