同じ空間にいるストレスから解放された、夫婦のその後。「家庭内別居」後の関係はどうなった?

長い結婚生活、思うようにいかないこともありますよね。配偶者と距離を置くために別居する方は少なくありませんが、中には家庭内別居を選ぶ方もいます。家庭内別居なら、夫婦の距離を取りつつ、お互いに子どもと接点を持てるのがいいところ。引越しの必要がないのも助かりますね。では、家庭内別居の実態と、夫婦の“その後”とは?
別居の形は、「別々の家」7割超、「家庭内別居」2割超
別居には、「別々の家に住む別居」と「家庭内別居」の大きく2種類あります。
確実に距離を取るなら別々の家に住むのが一番ですが、家庭内別居なら自宅でちょっと生活サイクルやルーティンを変えるだけでOK。
株式会社リライフテクノロジーは2023年9月、別居経験者(家庭内別居含む)1015人を対象におこなった「別居事情」に関するアンケート調査(ゼネラルリサーチ調査)の結果を見てみましょう。
まず、「どのような形で別居していますか(していましたか)」と質問すると、「別々の家」が74.3%、「家庭内別居」が23.3%という結果になりました。

家庭内別居を選択した方からは、その理由として、このような声が寄せられています。
- 仕事、子どもの学校など普段の生活を続けるため(40代/女性/パート・アルバイト)
- お金がかからないから(40代/女性/パート・アルバイト)
- お互い寝泊りする場所が無いので家庭内別居を選びました(50代/男性/会社員)
なるほど、どれも納得のいく理由ですね。
ちなみに、別居を経験した方は、「同居によるストレスから解放されるから」「自分の気持ちを整理したいから」「対面だと冷静に話し合いできないから」という理由で別居を選ぶことが多いようです。

別居期間(※現在も続いている方は別居開始時からの期間)については「3カ月未満」が最多の25.6%でした。続いて「半年〜1年未満」(18.7%)、「1〜3年未満」(18.6%)となっています。3年以上の割合はグッと減っています。
お互いの存在の大きさに、意外と早く気づいて元に戻るのか、それとも別居ではなく、離婚へと進んでいくのか。相手と離れてみて3年以内に決断する方が多いのかもしれません。
家庭内別居では、配偶者とどのように過ごしている?
「家庭内別居したい」と思っても、具体的にどう過ごせば良いのかイメージしにくいのではないでしょうか。
「家庭内別居では相手とどのような生活を送っていますか(送っていましたか)?」と質問すると、「会話がない、または最低限の会話しかない」(66.1%)の回答が最多でした。

“夫婦”というより、“同居人(限りなく他人寄りの)”というスタンスのようですね。顔を合わせるリスクはありますが、お互いに割り切っているなら存在をうまくスルーできるのかもしれません。
生活費については、「相手と負担を分けている」(43.3%)という方が多いようです。このあたりも、事前の話し合いが不可欠でしょう。
家庭内別居の後の関係は「変化なし」が最多
家庭内別居では、配偶者と程よく距離を置けます。お互いにクールダウンできるので、今までのことやこれからのことをしっかり考えられるでしょう。
「別居をして夫婦関係はどうなりましたか?」と聞くと、「変化なし」(37.0%)の回答が最多でした。

良くもなく悪くもなく、延々と平行線とは少しショックです。しかし「修復して以前に戻った」(22.7%)、「修復して以前より仲良くなった」(11.5%)という回答も目立ちます。
失って初めてその価値がわかることってありますよね。家庭内別居を含めて、別居を“離婚の前段階”とネガティブにとらえずに、“関係修復のためのクールダウン”とポジティブに考えると結果的にうまく事が運びそうな気がします。

家庭内別居を選んだ夫婦の、その後。関係性が変わらないことも多いですが、ヨリを戻した夫婦も少なくないようです。
「もう限界!離婚!」と早まる前に、一度クールダウンの期間を設けてはいかがでしょうか。「雨降って地固まる」ということもあるかもしれません。
<参考資料(出典)>
・ゼネラルリサーチ調査
・株式会社リライフテクノロジー

教育に関する有識者の皆さまと一緒に、子を持つお父さん・お母さんでもある「ソクラテスのたまご」編集部のメンバーが、子どものために大人が知っておきたいさまざまな情報を発信していきます。