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2024.07.05

WISC-Ⅴの検査結果の見方が分からない…検査結果の理解の仕方について、専門家が解説

「WISC-V(児童向けウェクスラー知能検査 第五版)」とは、子どもの知的な潜在能力を測定し、その結果をもとに個々人のニーズに合わせた教育や、支援内容を検討するための一つの手がかりとなる知能検査です。
このWISC-Vを受けたことがあるお子さんは増えてきていますが、検査を受けてIQの数値は分かったものの、「子どもの個性を結局どう理解すれば良いのか分からない」「検査結果の説明が分かりづらかった」「苦手なことは分かったけど、それについてどうアプローチすれば良いのか分からない」などといったことを、よく聞きます。
そこでこの記事では、WISC-Ⅴの検査結果ではどんなことが分かるのか、WISC-Ⅴの結果をどう理解すれば良いのかなどについて、解説していきたいと思います。

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記事を執筆したのは…

菅田瀬那さん

医療・福祉・教育・産業の領域で、公認心理師・臨床心理士として活動中。心理カウンセリング、子育て・発達に関する相談、発達特性のアセスメント、幼稚園・保育園・小学校を対象とした巡回相談、認定こども園のキンダーカウンセラー、私立大学の学生相談室相談員、障害者雇用特例子会社の産業カウンセラー、子どもと発達に関する講演等を主に行っている。2022年より個人カウンセリング事務所を開業、発達や子育てに関する相談・日々の悩みについて、大人から子どもまで、幅広く相談を受け付けている。学習に困っている子どもたちを中心に学習支援のできる塾も経営中。

WISC-Ⅴとは

WISC-Vは、ウェクスラー式児童用知能検査の最新版で、6歳から16歳11ヶ月までの子どもを対象としています。WISC-IVから改訂され、2014年に導入(日本語版は2022年に刊行)されました。

<WISC-Ⅴについて詳しい記事はこちら>
WISC(ウィスク)-Ⅴとは?WISC-Ⅳとの違いや検査内容・指標をWISC検査の専門家が解説

WISC-IVからWISC-Ⅴでの改定においては、下位検査の再構成がなされました。そこから主要な認知領域として、「言語理解」「視空間」「流動性推理」「ワーキングメモリー」「処理速度」の5つを評価します。それに加えて、補助指標という「量的推理」「聴覚ワーキングメモリー」「非言語性能力」「一般知的能力」「認知熟達度」の5つの認知領域も捉えることが可能となりました。

それぞれの領域が子どもの認知能力や全体的な知能を捉え、プロフィール化し、子どもの知的能力、認知の仕方、得意・不得意、課題への向き合い方、学習でうまくいかない要因などを理解していきます。子どもそれぞれが持つ能力や可能性を探り、その子の能力をより引き出すための、援助の可能性に関する仮説を提供してくものとして、広く活用されている検査です。

そもそも知能とは?

知能とは、実践に役立つ能力、状況を的確に判断し応用する能力、社会的に人と関わる能力、必要に応じて新しいものを生み出す創造力などのことをさします。知能は全人格的に表される能力ということになり、「性格」の一側面をも含んだものということになります。なおウェクスラー(1939)は「知能とは個人が目的に合うように活動し、合理的に思考し、自分を取り巻く環境を効果的に処理する集合的・統合的な能力である」と定義しています。

WISC-Ⅴの各指標の概要・用語の解説

検査結果の紙を受け取ると、いろいろな見慣れない言葉を目にすると思います。ここからはその言葉について解説していきます。

・主要な能力(主要指標)

全検査 (FSIQ)以下、5領域についての総合的な能力指標
言語理解指標(VCI)
言語能力を測定する指標
視空間指標(VSI)
空間にあるものを素早く正確に把握・認知していく能力、視覚的記憶を測定する指標
流動性推理指標(FRI)非言語的なものを理解・推理していく能力を測定する指標
ワーキングメモリー指標(WMI)短期記憶を測定する指標
処理速度指標(PSI)認知処理の効率を測定する指標

全検査 (FSIQ)

子どもの全般的な知的能力を示します。この得点は、言語理解、流動性推理、視空間、作動記憶、処理速度の各領域を総合的に捉え、算出されたものです。

(1)言語理解指標(VCI)

子どもがこれまでに獲得してきた言葉の知識を用いて、課題に応用していく能力をみます。これには言語概念の形成、正しい語の意味を理解しているか、言語推理、言語表現の力が必要になってきます。学んできた知識を想起して、物事の説明などをするので、長期記憶も関わってきます。

<言語理解指標(VCI)について詳しい記事はこちら>
WISC-Vの言語理解指標(VCI)とは?高い子の特徴や低い子への対応を発達の専門家が解説

【VCIの得点が低い子の特徴・支援方法】

VCIの得点が低い場合、言葉の知識が十分に発達していない、獲得してきた情報を想起することが難しい、言語表現、言葉から思考・推理すること、問題解決することが苦手という可能性があります。より基本的な、話を聞く、文章を読む・書く、自分で考えて話すことの難しさを抱えている子もいます。

そういった子には、言葉や概念の意味理解を深めるための個別指導などが必要となってきます。読み聞かせと音読、文字カードなどを用いての言葉づくり、かるた遊びなどを取り入れると良いでしょう。

(2)視空間指標(VSI)

視空間関係を理解する能力をみます。デザインを構成する力、図形を素早く捉え操作する能力、空間にある物体について位置関係を理解するなどの視空間推理の力です。また、視覚情報の部分的なところや、全体を理解し、統合していく力、視覚情報の詳細を記銘する力、視覚と運動の統合(見ながら作業するなど)する力も求められます。

<視空間指標(VSI)について詳しい記事はこちら>
ウィスク検査(WISC-V)の視空間指標とは?高い子の特徴や低い子への対応を発達の専門家が解説

【VSIの得点が低い子の特徴】

VSIの得点が低いと、空間処理や視覚的識別の難しさ、視る際の注意力の弱さ、見ながら作業することや、見て推理することの苦手さが推測されます。

(3)流動性推理指標(FRI)

視覚情報から意味やルールなど、非言語的なものを理解し、それらの特徴やパターン(規則性)を推理する力です。その理解・推理したことを応用していく能力もみていきます。見て考えるなどの同時処理や、抽象的な思考、流動性推理(非言語的な情報による推理)などを測定します。

<流動性推理指標(FRI)について詳しい記事はこちら>
知能検査WISC-Vの「流動性推理指標」とは?高い子の特徴や低い子への対応を発達の専門家が解説

【FRIの得点が低い子の特徴・支援方法】

FRIの得点が低い場合、視覚情報の処理、ルールの理解・発見、物事の見通しを持つこと、応用すること、分類やパターンの理解、図絵や地図の読み取り、数量関係の把握や数学的思考の苦手さ、状況を見て判断することの難しさなどがみられます。

VSIとFRIは、WISC-Ⅳでは「知覚推理」として評価されていたものです。この能力が苦手な場合の支援としては、視覚情報をシンプルにすることが大事です。VCI>PRIであるなら言葉による説明を追加した方が良いです。目標を明示し、見通しを持たせる、問題解決の手順や活動順序を明示することが必要です。
空間処理の力を養うために、パズルや間違い探しなど、遊びとして楽しみながら練習できる課題を選ぶと良いでしょう。

(4)ワーキングメモリー指標(WMI)

視覚や聴覚からの情報を記憶・保持・操作する力、短期記憶などをみます。記憶する際には、注意・集中力を必要としますので、それをも捉えていきます。情報に注意を向けることと、操作することの両方が求められる情報を、一時的に保持し、操作できるかどうかを捉えます。
一度のみ提示された情報を、注意深く聞き、すぐさま順番通りに想起できるか、聞いた情報を言い換えたりできるか、などをみています。

<ワーキングメモリー指標(WMI)について詳しい記事はこちら>
WISC-Vのワーキングメモリー指標(WMI)とは?高い子の特徴や低い子への対応を発達の専門家が解説

【WMIの得点が低い子の特徴・支援方法】

WMIの得点が低い場合、読み・書き、推論の弱さが考えられます。注意散漫、聞き間違えによる誤解や思い込み、複雑な算数課題への対応しにくさ、行動制御や実行(遂行)機能が弱いなどの面もみられます。

支援としては、指示は短く、簡潔に、そして繰り返し伝えることです。必要ない刺激や無駄に長くて抽象的な言葉・言い回しは可能な限り排除した方が良いです。また、注意をこちらに向けてから指示や説明をする必要があります。伝える情報量だけでなく、課題の量を小分けにして提示することも一つの配慮です。

(5)処理速度指標(PSI)

視覚的判断、意思決定、行動や作業の速さと正確さなどをみます。単純な視覚情報を素早く正確に、順番に処理したり識別したりする能力を捉えます。視覚的な短期記憶、注意力、視覚-運動の協応(目と手の動きを一致させること)などもです。
 筆記技能の弱さがあれば結果に影響します。視覚情報を判断し、その結果を書くためです。また、課題への意欲や注意・集中の持続もみていきます。作業の仕方をみることで、読み書きの困難、思考の柔軟性の困難、切り替えの困難さをも捉えることができます。微細運動の弱さがある子や、脳神経機能の障害を背景とする子の多くはPSIが低くなりやすいです。

<処理速度指標(PSI)について詳しい記事はこちら>
WISC-Vの処理速度指標(PSI)とは?高い子の特徴や低い子への対応を発達の専門家が解説

【PSIの得点が低い子の特徴・支援方法】

PSIの得点が低い場合、板書の書き取りや課題を終えるのが遅い、急かされると力を発揮できないなどの支障が出ます。

支援としては、子どもを焦らせない、課題量の負担を減らす、十分な時間を与えるなどです。手首・指先の力の使い方が不器用という場合は作業療法的なサポートも必要になります。日頃から手首を柔軟に動かす練習をしておくと良いでしょう。例えば、雑巾絞りや、粘土遊びなど、こねる・ひねる・握るといった動きを日常生活で多く取り入れ、練習することです。そうすることで、不器用さの改善となり、作業スピードが上がったり、細かい作業や字を書くことがしやすくなったりします。
 また、ワーキングメモリーや処理速度が低い子どもは、読み書きの困難や数学の問題を抱えている可能性があります。その場合、学校での通級指導でフォローしたり、療育で学習支援をしたり、言語聴覚士による読み書きのアプローチなど、本人に合ったサポート方法を検討します。

・補助的な能力(補助指標)

量的推理指標(QRI)数量に関する推理能力を測定指標
聴覚ワーキングメモリー指標(AWMI)聴覚による短期記憶を測定する指標
非言語性能力指標(NVI)新奇場面や初めてのことに柔軟に適応したり、対応したりする能力を測定する指標
一般的能力指標(GAI)どの状況においても通用する能力を測定する指標
認知熟達度指標(CPI)熟達によって自動化され、情報を流ちょうに処理する能力を測定する指標

(1)量的推理指標(QRI)

数量的なものの理解、計算など、算数と読みの学力、創造性などをみます。特異に高いQRIはギフテッド(IQ130以上の高い知能を示し、特定の分野で突出して優れた才能を発揮する人のこと)の特徴を理解する一つの参考にもなります。
また算数に関する学習障害が疑われる場合、QRIが特に弱く、適切な支援を検討する要素にもなります。

(2)聴覚ワーキングメモリー指標(AWMI)

言葉で提示された情報を記憶・保持・操作する能力をみます。聴覚情報の処理、注意力、聴覚情報をもとに思考・推理していくこと、記憶の貯蔵がどれくらいできるのか、覚えたことを頭の中だけで操作できるかなどを捉えていきます。

(3)非言語性能力指標(NVI)

絵などの視覚刺激を読み取り、言語による回答を必要としない課題を提示し、その取り組み方をみます。特別な状況や初めて見る課題に対して、どのように対応するか。視覚的な情報を柔軟に、推理したり判断したりする力を捉えることができます。
 NVIは、言葉による表現力を求められないため、聴覚障害や難聴の子どもの全体的な認知能力を捉える上でも有用です。

(4)一般知的能力指標(GAI)

抽象的推理、概念的推理、視知覚、視空間推理、言語による問題解決の力が十分に発達しているかをみます。GAIが低い場合、推理する力や、視空間の処理が苦手、言語表現の難しさ、言語障害などの可能性を検討していきます。ワーキングメモリーや処理速度も含めた包括的評価において重要な指標でもあります。
ギフテッドと言われる子どもの中にはGAIで高い得点をとり、また、GAI>FSIQの結果となる子どもがいる、という研究や考えもあります。

(5)認知熟達度指標(CPI)

学習、問題解決、高次な推理、情報処理の効率性などをみます。一度学んだことを生かして情報を操作・処理し、迅速に対応していくなどです。視覚情報の処理、注意力、応用力、同時処理、長期記憶などの力が身に付いていて、それが効率良く使えているかどうかを捉えていきます。

合成得点

下位検査の評価点合計に基づく評価得点のことです。評価得点の平均値を100、標準偏差(データの数値のばらつきや分散を定量化する統計的尺度)を15としています。

パーセンタイル順位

パーセンタイル順位とは同年齢集団の中の子どもの位置(順位)を示すもので、50パーセンタイルであれば平均の値です。同じ年齢の子どもが100人いる場合、その子の順番が後ろから数えて何番目になるかを示します。

信頼区間

信頼区間とは、子どもの真の得点が位置すると考えられる数値の幅のことです。

発達障害(グレーゾーン)の可能性がある子の検査結果と解釈の例

検査を受けて出た数値を見て、「もしかして発達障害かも…」「発達障害のグレーゾーンかも…」と心配になることがあるかもしれません。ここではそういった可能性のある子どもの検査結果から考えられる特徴や、必要な支援などについて説明します。

<グレーゾーンについて詳しい記事はこちら>
グレーゾーンとは|ほかの子と違う、育てにくい子の育て方に答えはある?

例)学習が難しい小学校1年生の子どもの場合

合成得点パーセンタイル信頼区間(90%)
全検査(FSIQ)75571-81
言語理解指標(VCI)851679-94
視空間指標(VSI)861880-95
流動性推理指標(FRI)71367-80
ワーキングメモリー指標(WMI)66162-75
処理速度指標(PSI)851679-95
合成得点パーセンタイル信頼区間(90%)
量的推理指標(QRI)63160-72
聴覚ワーキングメモリー指標(AWMI)64164-76
非言語性能力指標(NVI)74470-81
一般的能力指標(GAI)73469-80
認知熟達度指標(CPI)76571-84

結果から考えられる特徴

・図形の読み取りや空間処理は頑張っているが、視覚刺激の細部まであまり見ておらず、注目を向けて情報を捉えることが難しい。そのため、図形を再現する際に、詳細を見ていなかった部分が影響して、構成に失敗する。(視空間、流動性推理)

・相手の言葉に注意・集中を向けて聞き取ることが難しく、一旦情報を聞いたとしても、すぐに忘れてしまい、記憶保持がうまくいかない。短期記憶の難しさが目立つ。(ワーキングメモリー、聴覚ワーキングメモリー)

・文章問題や計算問題、数量を頭の中で考えながら捉えることが苦手。(ワーキングメモリー、量的推理、処理速度)

・初めての課題や慣れないことに直面した時、これまでに学んだことを応用して活かすことが苦手。(処理速度、非言語性能力、一般知的能力、認知熟達度)

・指示や言葉の意味は分かっていたとしても、それを言語表現や文章にしてまとめる際に情報整理できず、具体的な説明ができないなど。(言語理解、ワーキングメモリー、処理速度、一般知的能力、認知熟達度)

必要な支援

・指示や説明などは短く、順序立てて、繰り返し伝える。

・曖昧な表現や抽象的な言い方は控え、具体的かつ簡潔に伝える。

・聞いただけで覚えられないなら視覚情報を提示する、メモを残すなど、視覚的に補助する。

・書くことに問題がない子であれば、自分ですぐにメモするようにも伝え、習慣づける。

・細部まで見て確認することを繰り返し伝え、習慣づける。

・ソーシャルスキルトレーニング(SST)を取り入れ、ある場面に対してどう対応するかを柔軟に考え、言葉にして伝えられるよう練習していく。

・計算問題など、学んだ学習内容を今の学年より下の学年の内容から繰り返し復習し、学習の積み上げをしていく。

・数を扱うことが苦手な場合、数の並びを1~100まで、1~120まで、それ以上の大きい数を、スラスラ言ったり書いたりできるように繰り返し練習する。

・これから学ぶであろう内容を少しでも良いので予習しておき、「これ知ってるから分かる」と、安心して課題に取り組めるようにする。

・覚える際は、声に出し、読み上げる・何度も書く。

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wisc検査

ギフテッド特性について

WISC-Vは、子どもの認知機能の重要な情報を提供します。得意・不得意、発達特性、高い知能や特定の認知スキルなどの個々人の持つ可能性を検討する上で役立ちます。そして検査の結果により、「ギフテッド」である可能性が出てくることがあります。

<ギフテッドについて詳しい記事はこちら>                           ギフテッドの診断方法や特徴とは?3つの検査やどこで受けられるかを解説

発達障害と診断されてしまうことも

最近注目されている、高い知能を示すギフテッドの子の特性は、発達障害の特性と似た部分もあるため、発達障害だと思われてしまうことがあります。例えば、対人関係の維持やコミュニケーション苦手、興味関心が限定的という面などからアスペルガー症候群や自閉スペクトラム症と診断されることがあります。また、落ち着きなく多動、衝動性が強いからと、注意欠陥多動性障害(ADHD)と診断される場合もあります。

彼らは高い知能と、個性的で独特な興味関心・趣味を持ち、情緒的にも大人びている子が多いです。それゆえに同年代と興味の内容が合わず、会話が楽しめない・通じ合えないなど、コミュニケーション面で周りとうまくいかないことが多いです。ですが、彼らの抱える難しさは、発達特性からくる対人関係などの難しさとはまた別ものです。ギフテッドの子どもが皆、発達障害を抱えているとは限りませんので、見極める際に注意が必要です。

発達障害を併せ持つケースもある

一方で、発達障害を併せ持つ、2E型(twice-exceptional「二重に例外」)というタイプの子どももいます。ある分野では特異な能力を発揮しますが、苦手なこともはっきりとしています。読み・書き・計算などの困難さを持つ学習障害(LD)を併せ持つ子もあります。そういった子には個別の学習プログラムや課題内容の配慮、環境調整が必要になってきます。

数値だけではなく総合的に解釈することが大事

結果について考える時、単純に数値だけを見て捉えるのではなく、子どもの生育暦、行動観察、現在子どもの身に起きていることなど、総合的に捉えて解釈しなければなりません。

検査では認知能力だけでなく、その子どもの物事の捉え方や、情報の受け取り方がどうであるかも明らかにします。そしてそれが日常生活や学習にどのような影響を与えているのかを推察します。それらをもとに、発達面へのアプローチが必要なのか、カウンセリングなどの心理的アプローチが必要なのか、今困っていることやアプローチしたいことと照らし合わせて、手立てを考えていくことが必要です。

カウンセリングで心の成長を促すこともおすすめ

子どもの社会的スキル、問題となる言動、日常の困り感などに対し、カウンセリングをはじめとした心理支援を受けることで、能力だけでなく心の成長を促すこともできます。感情や衝動性のコントロール、ストレスのケア、自分の個性との付き合い方を学ぶことで、子どもの適応力も高めることができます。療育的支援や合理的配慮だけでなく、心理的支援も含めた包括的なアプローチで、子どもの成長をサポートできることが望ましいです。幅広い視点で検査結果を読み取り、活用していくことが大事なのです。

この記事を執筆した菅田 瀬那先生に相談してみませんか?

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菅田瀬那

医療・福祉・教育・産業の領域で、公認心理師・臨床心理士として活動中。心理カウンセリング、子育て・発達に関する相談、発達特性のアセスメント、幼稚園・保育園・小学校を対象とした巡回相談、認定こども園のキンダーカウンセラー、私立大学の学生相談室相談員、障害者雇用特例子会社の産業カウンセラー、子どもと発達に関する講演等を主に行っている。2022年より個人カウンセリング事務所を開業、発達や子育てに関する相談・日々の悩みについて、大人から子どもまで、幅広く相談を受け付けている。学習に困っている子どもたちを中心に学習支援のできる塾も経営中。

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