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2024.05.13

登校しぶりを早期解決!原因や親が朝できる対応方法は?【教員の対応例あり】

子どもが「学校へ行きたくない」と言うことはありませんか?それは子どもからの「気づいて」のサインかもしれません。さまざまな登校しぶりの子どもたちと出会ってきた元教員が行きしぶりの理由や家庭での親の対応方法、学校での対応事例について紹介します。

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記事を執筆したのは…

萩原 真美さん

琉球大学博物館協力研究員。博士(社会科学)。専門は沖縄近現代教育史。 著書に『占領下沖縄の学校教育』(六花出版)、『つながる沖縄近現代史』(ボーダーインク社)、『ワークで学ぶ教育課程論』(ナカニシヤ出版)など。 第43回沖縄協会沖縄研究奨励賞社会科学部門受賞(2022年1月)。https://www.hagiwaramami-lab.com/

登校しぶりの原因は?

いくら学校へ行くことが好きでも、一度くらい「学校へ行きたくない」と思ったことがあるのではないでしょうか? また、子どもに「学校に行きたくない」とぐずられた経験がある保護者もいると思います。

まずは、子どもの登校しぶりの原因について見ていきましょう。

登校しぶりの原因の例

  • 学校での友達とのミスコミュニケーション
  • LINEなどで友達との関係がうまくいかず気まずい
  • 苦手な先生の授業に出たくない

人間関係のトラブル、あるいはそれに発展する前段階の状態が子どもの登校しぶりに繋がっているケースは多くあります。例えば、いじめというわけではなくても友達とのミスコミュニケーションで何となく疎遠な対応をされたといった体験も子どもが「学校に行きたくない」と思う要因になります。

学校でのリアルなやりとりだけでなく、LINE等でコミュニケーションがうまくいかなくなることも要因として挙げられます。ブロックされてしまい仲間に入れてもらえなかったり、今まで仲良くしていたのに、自分だけ入れてもらえないLINEグループができたりすると、学校で顔を合わせるのが気まずくなり、行きしぶることも考えられます。

また、苦手な先生の授業がある日は行きたくなくなることもあります。例えば、授業中に答えにくい質問をされて、クラス全体で強めに注意をされ、先生に恥をかかされたと思い込んでしまった、というようなケースです。

本人でさえ理由がわからない場合も多い

学校に行きたくない理由はその子によって、また状況によってさまざまで、実際には何が原因かは分かりづらいものです。本人すら理由がはっきり分からないという場合も少なくありません。

それは、心に何かひっかかることがあるものの本人の中で整理されないまま、いくつかの事情が重なってしまい、「行きたくない」という考えに至るからだと考えられます。

学校へ行きたくない理由が多いほど取り除いていくには、時間と労力がかかります。したがって、まわりの大人が、その子が学校へ行きしぶるような心理的状態にあることを、なるべく早く気付くことが大切です。

<関連記事>
人間関係、疲れ、勉強など、子どもが登校をしぶる原因はさまざま。小学1年生であれば、「親と離れたくない」という気持ちの場合もあります。子どもが学校に行きたくない、不登校になる原因は以下の記事でも解説しています。

登校しぶりのサインとは?

子どもの登校しぶりには、以下のようなパターンやサインが見られます。

  1. 体調不良を訴える(頭痛、腹痛、だるい、吐き気など)
  2. 朝、なかなか起きてこない。学校に行く支度が遅い
  3. 「宿題やっていないから行きたくない」など、本当ではない理由を言う
  4. 実際に体調不良になる

④の実際に体調に変化があらわれるのは、学校に行くことに対して本人が大きなストレスや負担を感じている、かなり進んでしまった状態です。こうなる前に気づいてあげることが大事です。

子どもの登校しぶりへの家庭での対応方法

朝、子どもに「学校を休みたい」と言われたら、親は家庭でどのように対応すれば良いのでしょうか。休ませてもいいのか、どう接したらいいのか、子どもや学校への対応のコツを紹介します。

1.理由を聞いてみる

「『今日は』どうして行きたくないの?」と、あくまで「今日」「今」に限定して聞いてみましょう

たとえば「お腹が痛い」と言ったら、「いつから痛いの?」と、本人が言ったことに対して質問を重ねていき、本当にお腹が痛いのであれば、薬を飲ませたり、お腹を温めたり、体に対してできることをすべてやってあげるといいでしょう。

それをしているうちに、だんだん「痛くなくなってきたかも?」と本人が言う可能性があるので、それに寄り添いながら、「最近学校で面白いことあった?」など学校の話題をしていくと何か話してくれるかもしれません。

2.朝行きしぶって遅刻しそうな時間になったら、その時点で学校にいったん連絡する

朝の時点では、学校に連絡する際に遅刻か欠席か判断に迷うところだと思います。その場合、確定していない時点では判断せず、その時のありのままを学校に伝えるのがいいでしょう。

たとえば、「今はまだ家を出られない、体調がよくなり次第向かう」ことを学校に伝えると本人に言ってから、実際に学校に連絡します。本人がやはり休むと言ったら、その時点で再度学校に欠席の連絡をするのがいいと思います。

3.体調が悪いわけではないのに休むと言い張る場合は、本音を話すことを約束する

体調が悪くないのに休むと言い張る場合は、学校に行きたくない本当の理由(本音)を話すことを約束すると良いと思います。その時に、子どもに「絶対にその理由を否定しない・怒らない」ことを約束し、必ず守るようにしてください。

約束をちゃんと守れば、絶対に子どもは親のことを信頼し、本音を話してくれます。仮に子どもの考えを訂正したいと思った場合でも、いったん子どもの言ったことに対し、「○○(子どもの名前)は、・・・が嫌だったんだね」と必ず共感し、たとえば、「言ってくれてお母さん/お父さんは安心したよ」と認めてあげる発言をすると良いでしょう。

家庭と学校の情報共有も大切

「登校しぶり」の要素を見つけるには、教員・家庭・友人などさまざまな立場からの視点と情報が必要です。

家庭で気になる事情がある場合は、家庭から学校へ、学校で気になる様子がみられたら、学校から家庭へ情報を共有するとよいでしょう。そして、場合によっては周囲の友人(生徒たち)からも情報収集をすることが効果的だといえます。

【教員の対応事例】登校しぶりに気付いたらまずは情報収集

【教員の対応事例】登校しぶりに気付いたらまずは情報収集

ここからは、私が教員をしていた頃の出来事を例に学校への登校しぶりの原因の見極め方と対応を解説したいと思います。

かつて私が担任をしていた中学1年生の男子生徒Aさんのケースです。

その日はいつもより学校に来る時間が遅くてもよい日でしたが、Aさんは集合時間近くになっても登校して来ませんでした。そこで、クラスの生徒に彼の事情を知っているかを聞きました。

すると、小学校からAさんを知っている友人が、下記のように教えてくれました。

情報1

Aは、ときどき、お腹が痛くなって遅刻することがあるよ

また、次のような背景も分かりました。

情報2

健康診断は、体操着を必ず着用しなければならないことになっており、忘れた場合は、体育科の教員に申し出なければなりません。ですが、諸事情により、Aさんの体操着の注文が遅れてしまい、前日の時点でまだ届いていませんでした。

情報から登校しぶりの理由を推察

それでは、このケースについて、学校に行きしぶった原因がどこにあるか、<情報1><情報2>に注目してみていきます。

<情報1>にあるように、Aさんは、小学校時代から、ときどきお腹が痛くなって遅刻することがあったようです。このことから、心配なことや不安なことがあると、体調不良になることがある生徒だと考えられます。

次に、健康診断には必ず体操着が必要でしたが、<情報2>にあるように、当日、どうしても用意することができないことが分かっていました。間に合わない場合、小学校時代のもので問題ないことは、本人に伝えてありましたが、不安になっている要因が“体操着が用意できないこと”にあることは予測できます

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理由をもとに不安を解消してあげる

そこで、私は、Aさんがもしかしたらまだ家にいるのではと思い家庭に連絡しました。

すると、電話に出たのはAさん本人。「どうしたの?」と聞くと「お腹が痛かったんです」とひとこと。しかし、Aさんの友達も「お腹が痛いのではないか」と心配していたことを伝え、「今からでも間に合うから、ゆっくりおいで」と話してもAさんは黙ったまま。

その反応から、Aさんが行きしぶる本当の理由は“お腹が痛いから”ではなく、体操着のことが心配という予測が確信に変わりました。

Aさんに、「体操着がないのはAさんのせいじゃないよ。待っているからとにかくおいで」と伝えると、少しためらっていましたが、「じゃあ、ゆっくり行きます」と言ってくれました。

体操着が用意できないのは、Aさんのせいではありません。しかし、Aさんが、みんなと同じ体操着を着ていないことで、体操着を忘れたと周囲に思われるのが嫌だと感じていたと推測した私は、Aさんのせいではないことをハッキリ言葉で伝えたのでした。

登校後の周囲の対応とは

登校後の周囲の対応とは

30分ほどして、Aさんは学校に登校しました。多くの生徒は、健康診断の受診のため教室にはいませんでしたが、Aさんを心配して待っていた友達が「僕、体操着を2枚持っているから貸すよ」と言ってくれたのです。

Aさんは、最初戸惑った様子でしたが、「健康診断をする先生たちも、体操着の名札はあまり良く見ていないから、大丈夫だよ」と伝えたところ、とても安心した様子で、「ありがとう」と言って、友人の体操着を借りて、健康診断を受診することになりました。

Aさんに、お腹の調子について確認したところ、もう大丈夫とのこと。「先生達には、お腹が痛かったから少し遅れてしまったけど、もう収まったから大丈夫と伝えておくね」と言って、少し不安を取り除くように声掛けをしました。Aさんを悩ませていた“体操着がない”ということも、クラスメイトの協力があって解決されたのです。

そして、Aさんは友達に借りた体操着を着て、無事健康診断を受診。下校する頃には、すっかり元気になっていました。

不安が大きく、複雑になる前に対応を

今回の事例では、A君が学校に行きしぶったのは、体操着が用意できなかったことに加え、それが本人の責任ではないのに、教員たちから本人の不注意で忘れたと思われたり、叱られたりすることに対する不安感が原因でした。

発見が遅ければ、「周りの大人は事情を分かっているのに、どうして分かってくれないのだろう」「自分のせいではないのに、なぜ叱られるのだろう」という気持ちが増し、親・教員に対する不信感を抱きかねません。

多感で繊細な思春期の子どもは、周囲に自分がどう見られるのかが気になることから、自分に対する評価が低いことが不本意だと感じると、不登校につながることがあります。

学校へ行きしぶる要因は、その発見が早ければ早いほど、少なくなると思われます。できる限りその要因に早く気づき、取り除くことが、早期解決につながると言えます。

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萩原真美

琉球大学博物館協力研究員。博士(社会科学)。専門は沖縄近現代教育史。 沖縄戦直後の沖縄が、教育によっていかに復興しようとしたかを主な研究テーマとし、沖縄独自の教科書など、沖縄戦前後に散逸した希少史料の発掘とその分析作業に取り組んでいる。 著書に『占領下沖縄の学校教育』(六花出版)、『つながる沖縄近現代史』(ボーダーインク社)、『ワークで学ぶ教育課程論』(ナカニシヤ出版)など。 第43回沖縄協会沖縄研究奨励賞社会科学部門受賞(2022年1月)。 https://www.hagiwaramami-lab.com/

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