【中学受験】算数の偏差値30台から名門私立校に合格!親が行った3つの対策
「算数が苦手で受験用の塾に入ることすらできない!」そんな状態から約2年間で息子を都内の名門進学校へ逆転合格させたTさん。二人三脚で過酷な中学受験を乗り越えた彼女が教える受験対策とは。
目次
約2年間で算数20点から125点へ
中学受験について話してくれるTさんの長男Mくんは、現在、都内の私立中学に通う1年生。しかし、最初は某大手学習塾の入塾テストに落ち、再テストで入塾できたものの、小学4年生の時点では模試の偏差値が30台! 特に苦手な算数は150点満点のテストで20点を取ったこともあったとか。
しかし、小学5年生の秋ごろからは苦手だった算数も克服していき小学6年生の模試では150点中125点にまでアップ。受験した3校すべてに合格し、第一志望の中学に通っているといいます。
そんなTさんいわく「中学受験は、親が要。受験用の学習塾では、子どもの弱点を分析したり、苦手を克服させたりなどしてくれません。苦手も弱点もフォローして教えるのは家庭です。親が子どもの勉強や成績を見て分析し、スケジュールや体調を管理し、心のメンテナンスもしていかなければなりません。親も相当な覚悟をもって挑まなければ最後まで乗り切れませんよ」(Tさん、以下略)。
【対策①】論理問題で算数の文章題対策
「中学受験を制するためには、算数が肝!」と話すTさん。特に、小学校の勉強には出てこない中学受験用の算数は難解です。
「Mは計算だけは出来るのですが、文章題の条件を読み違えることが多かったので、条件整理の問題を塾の勉強と平行してやりました」
条件整理の問題とは、下記のような問題です。
問題
AさんはBさんより5cm背が高い BさんはCさんより3cm背が低い CさんとDさんの背は7cm違う Aさん、Bさん、Cさん、Dさんを背が大きい順に並べなさい。
条件整理の問題は、特別な数式が必要ないため受験勉強を本格的に始まる前でもできる勉強。今、算数の伸び悩みに悩んでいる高学年生だけでなく、中学受験用の勉強が本格的に始まる前にやっておいてもよさそうです。
特にTさんのおすすめは「算数と国語を同時に伸ばすパズル」宮本哲也(小学館)というドリルです。
「小学校低学年からできる入門編にはじまり初級編、中級編とあります。ゲーム感覚でできるので子どもも楽しめて、受験勉強に欠かせない文章の読解力や聞かれていることを整理して考える力が育ちます」
「さらに、問題を解く快感のようなものも感じてもらえれば、学習への意欲へもつながると思います。低学年から準備しておけば、もう少し算数が楽だったのではないかと思います」
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【対策②】塾の学習内容を家で解説させる
また、公立中高一貫校や御三家といわれる名門中学校の入試で重要になるのが思考力。ググればすぐに答えが見つかり、質問すれば大人がすぐに答えをくれる環境に育った子は、分からない問題に向き合ったときに考える力が弱い場合も。
「分からないことを考える練習は大切だと思います。また、解けたときは、なぜそう思ったのか説明させると、子ども自身が理解して解いているのかを把握することができます。再現できるということは、理解できているということ。塾で教えてもらったことがきちんと理解できているのかは、自宅で再現できるか否かで確認することができます」。
【対策③】問題集を手に子どもに合う塾探し
Mくんは小学5年の夏から個別指導の塾にも通っていました。算数で伸び悩んでいたとき、塾で教えてきてもらったはずの解き方を家で再現できなかったのが個別指導をプラスするきっかけになったそう。
「Mが理解できていない問題の解き方を塾講師に聞いたところ、塾では数学的な解き方をしていました。その解き方ではどうしても理解できなかったため、その問題をもって個別指導の塾へ。Mに合った教え方の個別指導を見つけて通うことにしました。すると、自宅でも再現して解けるようになり、そこから一気に算数ができるようになっていきました」
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【番外編】英検を取得するのもいい!?
また、算数以外での加点で合格を狙うのもひとつの手かもしれません。
Mくんの小学校の同級生で私立中学へ進んだ子のなかには、「あれ?受験勉強していたかな?」と思う子もいたそうで、その子が取得していたのが英検だったそう。
「帰国子女枠などとは別の制度として英検を取得していると、入試や適性検査で点数が加算されたり、合格判定で優先されたりする学校があるんです。本格的な受験勉強の前に挑戦しておくのもいいのではないでしょうか」
日本英語検定協会のサイトで2018年度の情報を見てみると、全国6校で各校が設定した級を取得していると学科試験の免除、全国37校で判定優遇・点数加点などの制度が導入されています。
新学習指導要領により小学校でも英語が教科化されることもあり、英語を学習しておくことは中学受験をするか否かに関係なく子どもにとって意義があるものになりそうです。
<英検についてはこちらの記事もチェック>
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「当時は、勉強しても成果がでないことにイライラし、精神的に追い詰められた」と話すTさん。それでも、「親子二人三脚でがんばるしかない」と子どもの日々の状況をシビアにチェックし、必要なときに適したサポートを差し出すことで苦手な算数の克服へ導きました。
また、中学受験の体験談は、下記の記事でも取り上げています。ぜひ参考にしてくださいね。
<中学受験体験談はこちら>
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エディター、ライター、環境アレルギーアドバイザー。新聞社勤務を経て、女性のライフスタイルや医療、金融、教育、福祉関連の書籍・雑誌・Webサイト記事の編集・執筆を手掛ける。プライベートでは2児の母。