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2021.02.22

小学4~6年生|算数の文章題が苦手な原因、間違えやすい単元と理解するコツ

算数の文章題が苦手なわが子。親からすると「なぜ分からないのかが分からない!」ということはありませんか。計算問題はできるのに文章題になると解けないのはなぜなのでしょう。「どうやって教えたらいいのか分からない」という人のためにベテラン塾講師の石井知哉さんが文章題が解けない子どもの頭の中と、家庭での教え方をアドバイスします。

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なぜ文章題が解けないのか

文章題でつまずいているとき子どもの頭の中では何が起きているのでしょうか? まずは、苦手を克服するために、解けない原因について考えていきましょう。

小学生が算数の文章題ができない原因は、次の4つが考えられると思います。

文章題ができない4つの原因

【原因1】問題文を読んでいない・意味を理解できていない
【原因2】理解した内容を数式で表せない
【原因3】立てた式を正しく計算できていない
【原因4】問題に合わせて答えられていない

実は、この4つの原因は、文章題を解く際に頭の中で無意識に行っている4つのステップが関係しています。

文章題を解くための4つのステップとは

算数の文章題を解くには、次の4つのステップが必要です。

【ステップ1】「読解」:問題文を読んで意味を理解する
【ステップ2】「立式」:理解した内容から数式を立てる
【ステップ3】「計算」:立てた式を計算する
【ステップ4】「解答」:計算結果から問題に合わせて答える

この4つのステップの1つでも間違えると正解にはたどり着けません。ですから、文章題が苦手な子に対して、私たち塾講師が最初にすること、それは、どのステップでつまずいているのか発見することです。

それは、すなわち解けない原因が前述の4つのうちのどれに当てはまるのかを突き止めることになります。

具体的に次の問題を例に挙げて、4つのステップを見てみましょう。

例題

ペンが47本あります。3人で同じ数になるように分けると、1人分は何本になって、何本あまりますか?  (正解:1人分は15本になって、2本あまる)

<例題を解いていく4ステップ例>
【ステップ1】「読解」:問題文を読んで意味を理解する
日本語文を読んで、47本のペンを、3人で等しく分けている様子をイメージする。



【ステップ2】「立式」:理解した内容から数式を立てる
等分するときはわり算で表すことをふまえて、「47 ÷ 3」と式を立てる。



【ステップ3】「計算」:立てた式を計算する
2けた÷1ケタなので、筆算をして、商とあまりを求める。
47 ÷ 3 = 15 あまり 2



【ステップ4】「解答」:計算結果から問題に合わせて答える
「1人分は何本になって、何本あまりますか?」という問いに合わせて、「1人分は15本になって、2本あまる」と答える。

文章題が解ける子なら各ステップをスムーズにクリアできるので、わざわざ「ステップ1がこうなって、ステップ2で…」と細分化しませんが、もし、文章題全般を解けないのであれば、どこのステップですまづいているのかチェックすることをおすすめします。

また、各ステップの解決策は、文章題が苦手な子の保護者からよく相談される内容を解説しながら次の段落で紹介してきましょう。

【相談①】計算問題はできるのに文章題が解けない

「うちの子、文章題が苦手で…」という家庭からの相談はこれまでも非常にたくさん受けてきました。その中でも、特に多い相談内容3つを挙げて解説していきましょう。

まず1つ目が「計算はできるのに文章題になると解けないのはなぜ?」という相談です。

計算は算数の勉強で、基本中の基本となる部分です。計算問題ができるなら、基礎はしっかりしているということです。

上で紹介した4ステップに当てはめると、【ステップ3(計算)】は問題ないので、【ステップ1(問題文の理解)】、【ステップ2(数式を組み立てる)】、【ステップ4(答えに合わせる)】のどれかでつまずいていると考えられます。

では、それぞれの場合で、どう対策をしていけばよいのか解説していきます。

問題文を理解できていない場合(ステップ1)の対策

この場合、算数よりも、国語的な読解力不足が原因かもしれません。まずは問題文を声に出して読ませましょう。読みつっかえるうちは、内容も理解できていないことが多いので、何回か音読させます。読めるようになったら、

  • 何が問われているの?
  • 何がどうなったの?

ということを親から質問して、子どもに説明させるようにしましょう。

また、問題文の内容を、絵や図、表などを使って「見える化」するのも有効です。親にとっては、読めばすぐにわかるので、問題文からすぐに立式させたくなるかもしれません。

しかし、子どもにとっては、そうではありません。一見すると遠回りなようですが、子どもなりのペースで、子どもなりに理解しやすい方法を親子であみ出せると、理解が深まることでしょう。

数式を組み立てられない場合(ステップ2)の対策

この場合、数式で表す力が弱いので、そこを重点的に練習しましょう。どんなに複雑に見える問題でも、結局は、たし算・ひき算・かけ算・わり算のどれかで表せます。

  • 加える → たし算
  • 減る・差を求める → ひき算
  • 倍になる → かけ算 
  • 分ける・何倍かを求める → わり算

というように、問題文の中の日本語表現が何算で表せるのか、 “日本語から算数言語への翻訳” を練習することをおすすめします。

答え方が間違っている場合(ステップ4)の対策

ステップ3で数式を組み立てて計算をしているうちに、何が問われているのかを忘れています。

この場合は、「計算が終わったら問題文をもう1回読む」という約束事をつくるとよいでしょう。ステップ3まではクリアできているので、克服は早いと思います。

【相談②】小学4年生からできなくなった

小学校の算数は4年生から高度になります。4年生でわからなくなり、そのまま5・6年生の内容についていけなくなる子は多いのです。

実際、小学生を1年生から6年生まで見ていると、3年くらいまでは、多くの子が「算数が楽しい!」「好き!」「もっとやりたい!」と言います。しかし、そういう声は4年になると減って、5・6年にもなると「算数難しい」「わけがわからない」「嫌い」といった声が増えてきます。

4年生の学習内容は3年生までに習ったことが土台になっています。ところが、4年生になる頃には、3年生で習ったことが頭から抜け落ちることがあるのです。このため、3年生までは解けていても、4年生からできなくなる、ということも起こります。

小学4年生でできなくなった場合の対策

これを解決するため役立つのが、おさらいです。4年生内容でつまずくと、その単元にばかり目がいきがちです。しかし、土台となるのは、3年生までに学習した単元です。そこが充分に定着していない場合は、過去の単元を復習するとすんなりと解決できることが多いですよ。

【相談③】宿題は解けるのにテストだとできない

学校の授業中は解けるし、宿題でもしっかり解けている。それなのに、テストはいまひとつ…。こういう状況の場合は2つの理由が考えられます。

【理由①】大人が教え過ぎている

学校の授業中は、教師が説明し、わかりやすいヒントを与えてくれます。ヒントをもらうことに慣れてしまう子もいます。こういう子は、家で宿題を解くときも、親にヒントや説明を求める傾向があります。

この結果、自力で解く経験が少ないまま、テストを迎えることになるのでつまづいてしまうのです。

教え過ぎている場合の対策

これを解決するためには、宿題のヒントをすぐに与えないように心がけましょう。「わからなくなったら、問題文をよく読んで自分で考えてごらん」と声かけをして、自分の頭で考える方向へ導いてあげましょう。
その上で、ヒントをあげた場合には、その問題はもう1度、今度は自分の力だけで正解できるように解き直す、という習慣づけをおすすめします。

【理由②】パターンリピート演習

学校では、1回の授業であつかう単元は1つです。文章題も、同じ考え方で式を立てられるパターンを習います。宿題も授業と同じ単元からプリントやドリルの問題が出されます。似たようなパターンをくりかえすことで、身につけていくわけです。これを「パターンリピート演習」といい理解の定着には効果的です。

しかし、パターンリピート演習には、思わぬ落とし穴もあります。それは、子どもが問題ときちんと向き合わなくなることです。

「今日の授業では習ったのはこのやり方だから、宿題も同じだろう」「このページは全部このやり方で解けるだろう」という考え方になりがちなのです。

問題文の意味を考えなくても、授業や1つ前の問題で使ったのと同じ考え方に数字をあてはめれば式を立てられます。要領の良い子はこういう思考方法になっていることが多いです。

たしかに、これでも正解は出ます。誰の力も借りずに、しかも、子どもがひとりでよくできるように見えますよね。

でも、本来は、1問1問、文章の意味を理解してから式を立てるのが正しい筋道です。

テストは、ある程度広い範囲からさまざまなタイプの問題が出されます。1つ前の問題と同じ解き方である保証はどこにもありません。問題文と向き合い、読解・立式・計算を進めるしかないわけです。パターンリピート思考頼みで問題文を読まない子が、ランダムに出題するテストで点を取れないのは、こういう理由です。

解決するための「シャッフル演習」とは

市販の問題集などを使い、解き方の異なるさまざまなタイプの問題を集めて解く勉強法です。1つ1つの問題をきちんと読むトレーニングになります。学校の教科書にも単元のおわりにまとめ問題がのっていますよね。これもシャッフル演習の良い素材です。

このように、パターンリピート演習にシャッフル演習をおりまぜるのが効果的な学習法です。これによって、ランダムに出題するテストの文章題でも高得点を取る力が磨かれるのです。

小学4年生がつまずきやすい3つの単元

次に、具体的につまづきやすい単元について説明していきましょう。

小学4年生が文章題でつまずきやすい単元は、次の3つです。

倍の見方

3年生までは、倍数はかけ算で考えてきましたが、「3を何倍すると12になるか?」「12は3の何倍か?」というように、逆算してわり算を使うようになります。日本語の表現が難しくなるため、かけ算とわり算のどちらを使うのか、迷う子が多くなります。

対策

この単元が苦手なら、次の単元もおさらいすると、理解しやすいでしょう。
《3年》倍の計算

計算のきまり

たし算、ひき算、かけ算、わり算の4つが同時に登場します。カッコを含む式も必要となってくるので、式を立てるためには、問題文を正しく理解する必要があります。

対策

この単元が苦手なら、次の単元もおさらいすると、理解しやすいでしょう。
《2年》計算の工夫
《3年》計算のきまり

小数のかけ算とわり算


小数の登場によって、かけ算とわり算のどちらを使うのかの判断も難しくなってきます。式を正しく立てられても、計算ミスが出やすい単元でもあるので、速く正確な計算力も必要になってきます。

対策

この単元が苦手なら、次の単元もおさらいすると、理解しやすいでしょう。
《4年》小数のしくみ / わり算の筆算 / がい数の使い方と表し方 / 計算のきまり

小学5年生がつまずきやすいポイントと教え方のコツ

小学5年生が文章題でつまずきやすい単元は、次の3つです。

小数の倍

問題文からかけ算・わり算を区別できる読解力が求められます。小数が登場するため、大きい数を小さい数でわるだけでなく、小さい数を大きい数でわる問題も出てきます。式を正しく立てられずに間違え、式を立てられても複雑な小数の計算で間違え、算数嫌いが生まれやすい単元です。

対策

この単元が苦手なら、次の単元もおさらいすると、理解しやすいでしょう。
《4年》倍の見方 / がい数の使い方と表し方
《5年》小数のかけ算とわり算

単位量あたりの大きさ

人口密度をはじめ、「1日あたり」「1人あたり」といった単位量の考え方は、小学生が日常生活で意識することがめったにありません。それだけに、イメージしにくいようです。

また、2つの単位量を比較する問題のように、式が2、3個必要となるため、計算している途中で何を求めるかをわからなくなりがちです。計算を始める前に、どういう手順で解くのか、確認してメモにしておくと解きやすくなりますよ。

対策

この単元が苦手なら、次の単元もおさらいすると、理解しやすいでしょう。
《5年》小数のかけ算とわり算 / 平均

割合 

百分率、歩合が登場し、覚えることが増えてきます。問題文から、もとになる量、比べられる量、割合の3つを読み取り、それらの関係を式で表すという難しい作業が必要です。

中学受験をするなら、割合は避けて通れません。企業が就職試験に用いるSPI3では、この割合の考え方で解く問題が出題されるように、大人でも一筋縄ではいかない問題ばかりです。

対策

この単元が苦手なら、次の単元もおさらいすると、理解しやすいでしょう。
《5年》小数のかけ算とわり算 / 小数の倍 / 単位量あたりの大きさ

小学6年生がつまずきやすいポイントと教え方のコツ

小学6年生が文章題でつまずきやすい単元は、次の3つです。

文字と式

未知の数をxとおいて、数量の関係を文字式で表すという単元です。中学校の文字式や方程式につながる箇所なので、中学校への導入としても重要です。

数字ではなくアルファベットを使うことになじめないこともあるでしょう。その場合、まずは文字ではなく、□で表す練習をしましょう。ある程度慣れたところで、□をxに置きかえると、スムーズに理解できますよ。

対策

この単元が苦手なら、次の単元もおさらいすると、理解しやすいでしょう。
《4年》□や○を使った式

分数の倍

問題文から、かけ算かわり算かを読み取るのは、整数や小数のときと同じですが、分数の苦手意識の強い子は、分数が含まれるだけで頭がまっ白になってしまうこともあります。

そこで、問題文の中の数字が整数だったらどういう式を立てるかを考えさせましょう。算数の式は、整数、小数、分数と数字が変わっても、考え方は同じです。直感的にイメージしやすい整数で式を立てることができれば、あとは、その式の整数を問題文の分数に置き換えるだけ。これで、分数の文章題でも式は立てられます。

対策

この単元が苦手なら、次の単元もおさらいすると、理解しやすいでしょう。
《4年・5年》小数のかけ算とわり算
《5年》小数の倍
《6年》分数のかけ算 / 分数のわり算

比は割合と似た考え方なので、5年生にときに割合でつまずいた子は、ここでも理解が追いつかないおそれがあります。ただ、割合と違って比は整数で表せるので、2つの値の関係を式に表せれば、その先の計算はしやすくなります。

対策

この単元が苦手なら、次の単元もおさらいすると、理解しやすいでしょう。
《5年》割合

親が子どもに勉強を教えるときに注意したいこと

文章題の苦手克服に向けて、みずからわが子に教えるという保護者もいますよね。そこで、教えるときのアドバイスをお送りします。

「3つのきょうそう」で楽しい雰囲気づくりを

まず、子供と勉強するときは、「じょうずに教えなければ」と身がまえる必要はありません。むしろ、頭を真っ白にして、わが子と同じ年齢に戻ったと考えましょう。同じ目線に立って「一緒に勉強する」というスタンスで取り組んでみてください。

特に心がけたいのが、「3つのきょうそう」です。

  • 共走(共に走る)
    ほめたり励ましたりしながら、子供の気持ちを盛り上げる
  • 協走(協力して走る)
    同じ問題を考えながら、わからない悩みや解けた喜びをシェアする
  • 競走(競って走る)
    ゲーム感覚で取り組みながら、「勝つか負けるか」の刺激を生み出す

苦手を克服するためには、まず子ども自身の前向きな気持ちが必要です。「3つのきょうそう」の心構えと次のようなリアクションを通じて、苦手克服に挑むわが子に寄りそってあげてください。

  • 間違えたとき → 叱るのではなく励ます
  • わからないとき → 一緒に悩む
  • よくできたとき → ハイタッチをして喜ぶ

「4つのポイント」を実践して、効率良く苦手克服を

具体的な勉強の進め方としては、以下の4つのポイントをおすすめします。家庭でも簡単にできることなので試してみてください。

【1】教科書を使って、基本を固める

文章題が苦手が子に勉強を教えるときは、まずは学校の教科書を使いましょう。基本的なことからわかりやすく書いてあるからです。

【2】時間を区切って、メリハリをつける

「25分勉強したら5分休憩」を目安に、オン・オフのメリハリをつけて、集中をキープできるようにしましょう。

【3】教え過ぎずに、子どもに説明させる

文章題を解くための4ステップを攻略するためには、子どもが自分の頭で考えることが必要です。親が教えるより、子どもが自分で考えたことを説明するよう、問いかけたり引き出したりする姿勢が重要です。

【4】プロセスを重視し、小さな成長を発見する

苦手なものを克服するためには自信も大切です。たとえ正解できなくても、プロセスに目を向け、「ここがさっきよりできるようになったね」と小さな成長をほめることで、自信をもたせてあげましょう。

算数の文章題は、小学校だけでなく、中学校以降の学力を支える重要な要素です。子どもが解けない原因をつかみ、適切な対策をすれば、克服は可能です。親子で協力して、乗りこえていけるよう、応援しています。

石井知哉

石井知哉

教育・受験指導専門家の西村創が主宰する「西村教育研究チーム」のメンバー。高校受験Webサイト「School Post」(https://school-post.com)主宰。塾指導歴20年以上。小学生から大学浪人生まで、教科を問わず個々の成長を引き出す指導を得意とする。現在は、個別指導塾2校舎を統括する傍で、千代田区麹町に超少人数制個人指導道場「合格ゼミ」を開設。長年の経験と知見を記事にして発信中。アイデアと文面の大半は、こよなく愛するビーグル犬との散歩中に生まれる。

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