「年収120万円。会社の規模が大きく、扶養から外れて手取りが減少」悲痛な声も｜「年収の壁」について主婦（夫）に聞いた

半数以上が「年収130万円以上」を希望している

株式会社ビースタイル メディアは、755名の主婦・主夫層に「年収の壁」についてのアンケート調査を行いました。

まず、「2022年のあなたの年収上限に関する希望をお教えください」という設問から。結果はこのようになりました。

年収103万円や年収130万円、年収106万円（※このアンケートでは「月収88,000円」と表記しているようです）、年収150万円など、「壁」とされる年収の枠内で働きたいと考えていた人が多いことが分かります。

「壁」を超えると、所得税がかかってきたり社会保険に加入しなければならなかったりするので、働き方を工夫しているのでしょう。上記のアンケートで「壁」を意識して働いている人は、2022年度において64.8％も就業調整していました。

働けば働くほど収入が増えるなら良いのですが、下手すると働き損になってしまうのが厄介なところ。皆、収入をしっかり計算して、ボーダーラインを超えないように注意しているのですね。

もし「年収の壁」問題が解消したら……世間の本音

2023年2月1日、岸田総理が「年収の壁について制度を見直します」と発言しました。しかし2023年5月24日現在、具体的な対策は発表されていません。昨今の値上げラッシュが家計に重くのしかかっているので、早く取りまとめてほしいものです……。

もし「年収上限撤廃！」となったら、8割近くの人が「年収130万円以上」を希望するようです。

同じように、約8割の人が、1週間あたりの勤務時間を「20時間以上」にしたいと考えていることもわかりました。週5勤務として、1日で4時間以上といったところでしょうか。皆さん、本当はバリバリ働きたいようですね。年収の壁のハードルが浮き彫りになっています。

また、年収上限が撤廃されたら、転職したいという人も半数以上。しかも今より時給の高い仕事を望んでいるようです。

アンケートには、このような声が寄せられています。

• 物価は上がる一方なのに、国は国民に働くなと言ってるようなもの。（40代：パート/アルバイト）
• 転職して年収120万なのに、会社の規模が大きいため、扶養から外れて厚生年金等支払うことになり以前より手取りが減りました。早くこの制度の見直しを希望します（50代：派遣社員）
• ややこしくて、何度聞いてもあまりよく理解できない。自分で計算して枠を超えないように気をつけるのも不満。壁や枠が厳しすぎてあともう少し働きたいのにできないのがもどかしい。主婦もバリバリ働けます。（50代：パート/アルバイト）

「時給が高い仕事に転職したい」と考える人は72.1％にも及びますが、現状の制度だと、「高時給で働く→年収のボーダーラインを超えそう→働き控え→結局年収は変わらず」……という悪循環でしょう。もう2023年が半分ほど過ぎようとしているので、1日も早く良い案を発表してほしいものです。

「年収の壁」問題が解消したら、多くの方が年収130万円を超えてバリバリ働きたいと考えていることがわかりました。

都道府県ごとの最低賃金はじわじわ上がっていますが、ボーダーラインが設けられている限り、結局トータルの年収は変わらなさそうです。

制度の見直しが提言されてから3か月が過ぎています。止まらない値上げの波に各家庭が対処できるよう、1日も早くどうにかしてほしいと筆者は願っています。

＜参考資料＞
・PR TIMES（ビースタイルグループ）

※この記事は2023年5月の情報をもとに作成されています。