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2023.02.20

「なぜ私立に通う子だけ?」「お金がなければ公立を選べばいいだけの話」etc…|私立中の学費助成に【反対】の声

「ソクラテスのたまご」は、「都内の私立中学校に通う生徒に対し、年10万円を支給する」という東京都の新たな子育て支援策について、子育て世代80人にアンケートを実施しました。今回は最も多かった「反対」の声とその理由を紹介します。

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私立中の学費助成、36%以上が反対

東京都の小池百合子都知事は、新たな子育て支援策として、都内の私立中学校に通う生徒に対し「年間10万円の助成」を行う方向で最終調整に入っています。対象となるのは世帯年収910万円未満の家庭で、3万6000人を見込んでいるといいます。

これを受けて「ソクラテスのたまご」は、0歳~18歳までの子どもを持つ全国の子育て世代80名に「小池百合子都知事が、私立中学に通う生徒に年10万円の助成金を支給することについてどう思いますか?」というアンケート調査を行いました。

結果は、「反対」と答えた人の割合が一番多く36%、続いて「賛成」が30%、「どちらでもない」が24%、「知らない」が10%となりました。後述の通り、「どちらでもない」「知らない」回答の人のフリーコメントでも、「反対」に近い声が上がっています。

「反対」意見が一番多かった今回のアンケート。「反対」と答えた人にその理由を質問したところ、「私立中学に通う子だけに向けた支援」であることに対する不満や「他にも使い道があるのではないか」という声が多数寄せられました。その回答の一部を紹介します。

なぜ余裕のある家庭を支援するのか

反対意見の中で多かったのは、「金銭的に余裕がある家庭に、なぜ支援が必要なのか」という声です。学費が高いことを承知の上で私立に通うことを選択したのであれば、その費用は自己責任にするべきであり助成は必要ないと感じる人もいるようです。

これは意味がわからないです。なぜ私学に行く余裕のある家庭に助成金を支給するのでしょうか?不登校の子のためのフリースクールとかならまだしも…。これをやるなら公立の学校の施設をきれいにしたり、給食を豪華にしたり、または保育士さんや、学校の補助の先生を増やしたりなど、中学に限らず公立の施設を充実させてほしいです。

(30代後半女性)

学費が高いことを承知でわざわざ私立中学に通わせているのだろうから、その負担は自己責任にすべき。特定の世帯が恩恵を受ける制度は公平ではない。それよりも、公立中学の予算を増やして、その内容を充実させてそちらに生徒を呼び込む方が良いと思う。

(40代後半男性)

お金がなければ公立を選べばいいだけの話ではないでしょうか。それなのに私立を選ぶのはなぜでしょう。自分達で選んでおきながら、お金がかかるから行政からもらうのは納得できません。私立の子どもだけでなく公立の子にも助成するならわかりますが。

(40代前半女性)

まず、私立というのはお金持ちが選べるオプション的な位置づけであること。飛行機でいうファーストクラス、新幹線でいうグリーン車、ホテルでいう5つ星に該当します。そこに行ける財力がある人に助成は必要ない。どうしても低所得だけど行きたい(行かせたい)ならどうにかして収入を増やすか他の何かを諦めて捻出するべきかと。

(30代前半女性)

「私立に通う子だけ」というのは不公平

次に多かったのは、「なぜ私立に通う子だけが対象なのか」ということです。私立中学のほうが負担が大きいとはいえ、公立中学に通う子も、塾に行ったり制服や学用品を購入したりといったことにお金がかかります。私立中学に通う子だけに助成金が支給されるということを不公平だと感じている人もいました。

公立や国立に通う子供達もいっぱいいるのになぜ私立だけなのですか?それは差別だと思います。お金が掛かるのは、みんな同じだと思うしなぜ私立だけと思ったのか聞いてみたい。やはり子供たちに自由に学校を選んでもらえるよう完全無償化にするべきと思いました。

(50代前半男性)

私立は確かにお金がかかるので助成金はあった方が良いと思います。だけど、公立に通っている人は支給されないのはやはり不公平だなと感じるからです。支給する試みなら公立に通っている生徒に対しても10万とは言いませんが、支給してくれた方が親としてもありがたいのかなと思うからです。

(20代後半女性)

私立の学校に通う人だけが支援を受けられるというのは不公平であると思います。子供のころから競争社会のシステムのなかで生活させることが本当の意味で子供のためになるとは到底思えません。もっと違った教育の充実を図った方がいいと思います。

(20代後半女性)

もっと違う予算の使い道があるのでは……

「どちらでもない」「知らない」と回答した人のフリーコメントの中にも、明らかに反対している声や反対に近い声がありました。

どちらでもない

私立の方が公立よりもお金がかかるので支給するのはいいことだと思うが、私立だけというところには引っ掛かる。公立に通う子供たちにも同じ額と言わずとも5万円などと助成金の支給があればいいのではないかと思う。

(30代後半女性)

私立に行く、行かないは各家庭の方針なので、私立中学に通う生徒だけに年間10万の補助金というのは少し違う気がする。それなら教員の給料を上げて公立でも質の高い教育を受けられるようにした方が良いのではないか。

(30代後半女性)

知らない

私はこの政策は知らなかったが、なぜに公立ではなく私立中学限定なのか初見では全く理解できない。政策というのは、どの市民も理解しやすく納得のいくものであるべきだし、またそうなるように説明責任もあるだろうと感じる。

(40代後半女性)

この制度については知らなかった。私立中学に進学される方にわざわざ助成金を支給する必要があるのだろうか?私立中学に進学するのは親や本人の意思であり強制ではないため、そこまで支援するのであればもっと他のことを支援してほしい。

(20代後半男性)

現在最終調整に入っているというこの施策、多くの子育て世代が納得できるような内容となることを期待したいですね。

<参考資料>
NHK「東京都 私立中学校に10万円助成はなぜ?910万円の所得制限付き」
文部科学省「私立小中学校等に通う児童生徒 への経済的支援の充実について」

※2023年2月26日、掲載内容を一部修正しました。

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