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2023.02.04

子どもに怒りすぎるのをやめたい!カウンセラーが教える対処法とは

「子供を怒りすぎて後悔した…」「イライラが止まらない」という人は多いのではないでしょうか? 今回の相談者である安藤さんは、そんな自分を変えたいと思いカウンセラーに相談しました。子どもに怒りすぎてしまう原因や対処法とは?

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今回の相談

  • 今回の相談者(仮名)
  • 安藤由香さん(35歳/神奈川県在住)
  • 同居中の家族
  • 娘、夫(単身赴任中)
  • 相談内容
  • 娘(4歳)に対してついキツく叱り過ぎてしまいます。余裕がないときに子どもがミスをすると怒りが抑えられず、子どもが傷つくと分かっていながら言い過ぎてしまうことも多々あります。自分をコントロールできるようになりたいのですが、どうすればいいのでしょうか?  

相談に答えているのは…

松井幸恵さん

認定心理カウンセラー、チャイルドコーチングマイスター。チャイルドコーチングの視点で未就学児~小中学生との接し方について具体的なアドバイスしている。

イライラする自分を客観的に見る

「また言い過ぎてしまった」「私って怖い母親だな」と、叱った後は、いつも後悔ばかりが残るという安藤さん。

事情を詳しく把握するために、心理カウンセラーの松井幸恵さんが、安藤さんが”イライラしてしまいがちな状況=余裕がないとき”はどんなときか質問をしていくと、彼女の怒りが溢れ出してしまうのは、次のようなことが分かりました

  • イライラしやすいとき
  • 平日、娘の幼稚園の後
  • 安藤さんが考えるイライラしやすい理由
  • 幼稚園の時間に合わせて動かねばならないため
    幼稚園のママ友とのお付き合いがつらい

「幼稚園の後に近所の公園で毎日のように遊んで帰るのが日課になっているんですが、同じように公園で遊んで帰る親子の中に、明らかに『私たち母娘のことが嫌いなんだろうな』と思う態度を取るママがいて、そのことを考えると気が重いです」(安藤さん)

そのママは、以前から安藤さんに対しても素っ気ない態度を取っていたそうですが、最近では娘さんが話しかけても冷たい態度、キツい態度を取るようになってきたとのこと。別の公園で遊んで帰ることも娘さんが嫌がり、毎日憂鬱な気持ちで公園での時間を過ごしていると話します。

「ママ同士、お互いに苦手な相手なので一緒にいるわけではないですし、ほかに話せるママもいるのですが、公園に行くたびにメンタルが弱っていきます。でも、子ども同士は仲が良いので、私がガマンするしかなくて…」(安藤さん)

これまでの安藤さんの話を聞いて、「今、安藤さんに必要なのは怒り方を変えていくことよりも、ストレスでキャパオーバーになっている状態を変えていくことかもしれませんね」と話すカウンセラーの松井さん。

「いっぱいいっぱいの状態で怒りをコントロールしようとしてもしんどいので、『なるべくストレスが溜めずに心をフラットにもっていく方法』『子どもにイラっとしてしまったときの対処法』という両面から、どうすればいいのかを一緒に考えていきましょう」(松井さん)

「怒りの原因=ストレス」を減らす2つの方法

松井さんは苦手なママ友づきあいを乗り切る2つの方法をアドバイスします。

【方法①】存在を認識しないようにする

「苦手な人に対してのストレス軽減に最も効果的なのは『会わない』ことです。ですが、安藤さんの場合、一緒の場所にいなければなりません。それならば、できることは、なるべく相手を認識しないことです。次のような行動を心がけてみてください」(松井さん)

  • 物理的に近づかない
  • 話しかけない
  • 視界に入れない
  • 子どもだけに集中する

幼稚園でも小学校、中学校でも、進学するときに子どもの所属先が変われば、どんなママ友相手でも終わりを迎えることができます。胸が苦しくなってきたら、少しでも気持ちが楽になるように「期間限定」「今だけ(の付き合い)」と、今の辛さに終わりがあることを心の中でつぶやくのもよさそうです。

【方法②】日記やブログに書き出す

どうしてもモヤモヤしてしまうことや嫌なことがあったときは、誰かに相談するのがいいですが、誰にも話せないときは日記など自分が吐き出す場所を用意することを松井さんは勧めます。

「今回のようにオンラインカウンセリングなどを利用して、人に話すことができればいいですが、もし難しいときは、日記のようにきちんとしたものでなくても自分の手帳やノートを1冊用意して、『今日はこんな事があってムカついた』など思うままに書き出してください。

そして、自分の心が穏やかな時に見直してみて下さい。客観的に見てみると『私はこういうことを気にする傾向があるな』など、自分の癖が見えきて、『じゃあ、どうしていけば良いかな?』と、今後の自分を考えるきっかけになります」(松井さん)

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子どもにイラっとしたときにできること

いくら心をフラットにもっていこうとしていても、子どもに対してイラっとしてしまうことがあるはずです。では、怒りに飲み込まれないようにするためにはどうしたらいいのでしょう。

「怒りの裏には、子育てはこうしなければならない』『子どもはこうあるべき』という自分の考え方のクセや、怒り以外の感情が隠れています。子どもに対してイラっとしたときは、怒りの一歩奥にある感情に目を向けてみてください。実は、不安や心配、悲しみなど、いろんな感情が隠れています」(松井さん)

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イラっとしたら考えたいこと

代表的なアンガーマネジメントの方法に「6秒ルール」がありますが、ただ6秒待っていても怒りが落ち着くわけではありません。

「イラっとっしたときに『自分が何に対して怒っているのか?』『怒りの下に隠れている感情は何だろう』と考えてみてください。考えることで冷静になるのが目的なので、答えが分からなくてもいいんです。ただ、イラっとしたときに感情的な状態から、思考的な状態に切り替えるクセをつけることで、怒りに支配されて言い過ぎてしまうことが減っていくはずです」(松井さん)

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怒りの記録(アンガーログ)を書く

怒りの記録(アンガーログ)をつけてみるのもいいそう。イラっとしたときのこと(下記の4項目)を書き出すのです。

アンガーログの4項目

  1. いつ、どこで
  2. 何があったのか(事実)
  3. 欲求と感情(怒りの奥にある気持ち)
  4. 怒りのレベル(10段階で分けるなど数値化する)

イラっとしてしまったときの状況や自分の気持ちを記録することで、自分の怒りの傾向を知って、今後の対策を練ることができます。

怒りの見える化「アンガーログ」の書き方。日記とは違うフォーマットを紹介/アンガーマネジメント連載 第4回
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安藤さん自身のストレス(怒りの根本)対策や怒ったときの対処法など、さまざまな方法をアドバイスしてきた松井さんですが、「無理をしないことも大切」と最後に伝えます。

「全部を一度に試さなくてもいいんです。ひとつずつ試してみて、できたら自分をほめるということをしながら、自分が心穏やかに過ごせる環境づくりをしていってください。子育てに成功も失敗もありません。

例えば、『怒りすぎた!失敗した!』と思ったら、『お母さんもイライラしないように練習してる途中なの。上手くいかなかった。傷付けちゃったよね。ごめんね』と子どもに謝ればいいんです。失敗しても、それを乗り越えて、変わっていく姿を見せてあげることは子どもにとって重要な学びになるはずですよ」(松井さん)

カウンセリングを終えて…

「なかなか人に言えない感情を人に話すことができてよかったです。相談をしながら自分の気持ちと向き合うことができました。具体的な方法も教えて頂けたので早速試してみたいです」(安藤さん)

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