教育は未知にあふれている

ソクラテスのたまご

2019.03.25

怒りの裏に隠れている本当の気持ちに気づけるようになろう

アンガーマネジメントのトレーニングを続けていらっしゃいますか? 前回の記事「アンガーマネジメント3」では、忙しい朝、子どもとバトルになりそうなときの対処術を紹介しましたが、今日は、怒りについて感情面から紐解いていきたいと思います。

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怒りの裏にある本当の気持ちとは

怒りは瞬間湯沸かし器的に、いきなりドン!とやってくるわけではありません。“怒り”が表出しているとき、その裏には本当の“気持ち”である“第一次感情(つらい、苦しい、悲しい、寂しい、恥ずかしいなど)”が隠れており、“怒り”はそれら“第一次感情”を隠して表現される“第二次感情”といわれています。

 

“怒り”をぶちまけないためのアンガーマネジメントのコツとして、“今の自分の気持ちに気づいてみる”という方法があります。

 

どのような方法なのかを説明する前にまずは、ひとつ質問です。朝起きてから今に至るまで、あなたの中でどんな気持ちがわいて消えていきましたか?出来事や様子ではなく、あくまでも“気持ち”で考えてみてください。どうでしたか?

 

次にどのような方法なのかを見てみましょう。

 

例えば…
子どもがつまらないことで兄弟げんかを始めた(→「あきれる」))

炊飯器をあけたらご飯が少なかった(→「ガッカリ」「困る」)

卵を割ったら黄身が2つだった(→「驚き」「ラッキー」)

遅刻ギリギリ(→「焦る」「心配」)

1人の時間ができてお茶を飲む(→「幸せ」「ホッとする」)

 

一例に過ぎませんが、出来事ではなく(  )にある「気持ち」に気づくことができたでしょうか?

 

 

気持ちに気づいて負の感情を溜めない

実は自分の「気持ち」がよくわからなくなると知らないうちにマイナス感情がマグマのように溜まり、ドッカン!と大爆発する…ということがあります。そして、その怒りの矛先は、言いやすいほう、弱いほうに向いてしまいます

 

子どもに八つ当たりをしてしまった、子どもから怒りをぶつけられた…そんな経験はありませんか? そして、「あぁ~またやってしまった」と罪悪感や後悔に苛まれ、その後悔や罪悪感が新たな怒りを生み出していきます。

 

是非「気持ちに気づく」トレーニングを進めてみて下さい。“気持ち”がよくわからない…という人は、言葉を増やしてみることから始めていきましょう。

 

書き出してみるのもいいですよ。しかし、“片づけて欲しい・眠たい・食べたい”などの欲求になってしまうのはNG。“片づけて欲しかったのに片付けてくれなくて「ガッカリ」”“眠くて「つらい」”“食べられず「不満」”など、気持ちを書き出すようにしてみて下さいね。

 

 

本心に気づけば前向きな行動がとれる

運動会、発表会、テストなど大きな行事の前後、子どもの気持ちが荒れることはありませんか? 

 

“不安・心配・緊張・不満・焦り”などマイナスの第一次感情が溜まり、知らないうちに身近なところへイライラをぶつけてしまうことが子どもにもあるのです。そんなときは、「本当はどんな気持ちかな?」と、子どもの気持ちを考えてみることでムダなケンカを回避することができるようになります。

 

さらに、その気持ちが“不安・心配”なら、誰に相談すれば、何をすれば安心なのか? 

“緊張”しているのであればどうすればリラックスできるか? 

“不満”であればどうなれば満足か?

“焦り”があるのであればタイムマネジメントをしてみるなど、

第一次感情がわかっていると解決に向けて策をとりやすくなります

 

息子が3年生の頃、こんなことがありました。学校から帰ってくるなり「ボク、頭にきた!あいつと二度と一緒に帰らない!」と怒り心頭の様子。話を聞いてみると「急にイヤなことを言ってきて友達とケンカになった」とのこと。

 

おやつを食べながら、息子に“怒りの裏にある気持ち”について聞いてみたら、“悔しかった”そう。「ほかには?」と聞くと「悔しいから言いたくない!」とイライラは収まりません。そこで、ほかに考えられる気持ちを私から聞いてみることにしてみたのです。

 

「嫌なことを言われ傷ついた?」

→すごく傷ついた!

 

「つらい?」

→それはない

 

「ケンカになってガッカリしている?」

→…うん

 

次に「これから一緒に帰れなくなると悲しい?」そう聞いた途端に息子の目から涙がポロポロ…。正直、意外でした。息子は怒って帰ってきましたが、本当は友達とケンカになって“悲しい”気持ちが一番大きかったのですね。

 

本当の気持ちが分かるとスッキリするだけでなく行動も前向きになれます。「仲直りするの?」なんて親から言わなくても自分で動くんですよね。

 

翌日、学校から帰ってくるなり「仲直りしたよ、ママ!」とひとこと。意地になったり頑なになったりすると、関係性は悪化して後に引けなくなったりトラブルになることもあります。気持ちをこじれさせずにその日のうちに整理できることは大切です。

 

 

人間だけができる“気持ちに寄り添う”こと

これから人工知能(AI)が広く浸透していく時代に入っていきます。AIにできなくて、人間にできること。それは、気持ちの寄り添いだと私は思っています。

 

しかし実際のところ、共感が大切といいながらも共感しきれていないことが多いのです。人が人らしく、そして怒りを誰かに当たり散らして関係性を悪化させるのではなく、より良い関係性をアンガーマネジメントを通してつくっていけるといいですね。



前回まで御紹介していた衝動的な怒りを抑えるコントロールと、怒りの裏にある本当の気持ちに気づく、そして寄り添ってみることを合わせて試みられて下さいね!

 

今日からできることを少しずつトレーニング。アンガーマネジメントにレッツトライ!

 

長縄史子

長縄 史子

一般社団法人日本アンガーマネジメント協会(東京)アンガーマネジメントシニアファシリテーター。子育てや教育・福祉・司法関係において、心に触れる実践的なアンガーマネジメントを伝え、一人一人が大切にされる教育社会を目指して怒りの連鎖を断ち切るために活動を続けている。著書に「マンガでわかる怒らない子育て」(永岡書店)「イラスト版子どものアンガーマネジメント~怒りをコントロールする43のスキル」(合同出版)などがある。 https://www.angermanagement.co.jp/

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