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2024.08.12

子どものSNSトラブルはどう防ぐ?炎上やいじめなどの種類や事例、親ができる対策

SNSの普及により、子どもたちがインターネットを通じて様々な経験をする機会が増えました。しかし、その一方でSNSトラブルも急増しています。この記事では、子どものSNSトラブルの種類や具体的な事例、そして親ができる対策について詳しく解説します。安全にSNSを利用するための方法を知り、子どもを守るための第一歩を踏み出しましょう。

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監修者

栗岡まゆみさん

一般財団法人いじめから子供を守ろう!ネットワーク東京代表、JAÐP認定チャイルドコーチングアドバイザー。いじめ相談の他、9000人の児童・生徒に夢を描く心の力でいじめのないクラス作り授業・親子コミュニケーションセミナー・教師向け研修・シンポジウムを行う。ラジオ教育番組パーソナリティー・ラジオ日本・エフエム三重・ラジオ大阪などの出演、新聞掲載等幅広く活動している。著書に『いじめゼロを目指して~いじめ防止授業5000人の現場から~』(文芸社)『いじめっ子・いじめられっ子にならない7つのルール』(kindle) など。 栗岡まゆみ公式サイト(https://www.kurioka-mayumi.org/)

SNSは小中学生にとって身近なもの

小さい頃からスマートフォンやタブレットを使ってYouTubeで好きな動画を見たり、遠方に住む祖父母とLINEでビデオ通話したりと、インターネットに接続することが当たり前の環境で育っている今の小、中学生たち。SNSも当たり前のように使いこなしている子が多くいます。

子ども同士の重要なコミュニケーション手段

現代の小中学生にとって、SNSは欠かせないコミュニケーションツールです。小中学生の3人に2人がSNSを利用しているというデータもあり※、その多くは友達との交流や情報共有が目的のようです。特に女子中学生の利用率が高い傾向にあるようです。

NTTドコモ モバイル社会研究所

子どもたちはSNSを通じて友達とつながり、自宅にいながらでもコミュニケーションを取ることができるため、とても便利なツールであることは確かです。しかしSNSは使い方を誤るとトラブルのきっかけになることもあります。

※参照元:小中学生のSNS利用率上昇傾向続き、3人に2人が利用(NTTドコモ モバイル社会研究所)

小中学生のSNSトラブルは増加傾向

警察庁のデータによると、SNS関連のトラブル件数は年々増加傾向にあり※、特にいじめや誹謗中傷、個人情報の漏洩が問題となっています。こういったトラブルは、時に子どもたちの心身に深刻な影響を与えてしまうことがあり、決して軽視することはできません。

なお子どもたちがSNS上でトラブルに巻き込まれる原因の大きなものとして、オンラインゲームやSNSでの友達関係があります。特にオンラインゲームでは、ゲーム内での交流が現実世界でのトラブルに発展する、というケースもあるようです。

※参照元:インターネット利用に係る子供の犯罪被害等の防止について(警察庁)

子どもに起こりやすいSNSトラブルの種類

SNSトラブルにおいては、子どもが被害者になるだけでなく、加害者になる可能性もあるので注意が必要です。ここからは、子どもに起こりやすいSNSトラブルについて具体的に紹介します。

個人情報の漏洩

SNS上での個人情報漏洩は、炎上やいじめ、誹謗中傷、さらには性的被害につながることがあります。例えば住所や電話番号、学校名などの個人情報を無防備に公開することで、不特定多数の人々に知られてしまうリスクが高まるのです。

個人情報が漏洩するとその情報が拡散され、知らない相手から嫌がらせを受ける、ということも。特に画像や動画が漏洩した場合、その拡散速度はとても速く、一度拡散された情報を完全に消すことは難しくなってしまいます。こういった被害を防ぐためには、事前にSNSの使い方について親子でよく話し合い、注意深く利用するよう伝える必要があります。

誹謗中傷

SNSでの誹謗中傷も、社会的に大きな問題となっていますよね。匿名性が高いため、相手を特定しにくく、被害者が精神的なダメージを受けるケースが多くみられます。これは大人の世界だけではなく、子どもにとっても同じこと。言葉による暴力は、繊細な子どもの心を大きく傷つけることとなります。

子どもがSNS上で誹謗中傷を受けた結果、それまでのような日常生活を送れなくなる、なんてこともあるのです。親としては、子どもがどのような内容をSNSに投稿しているのか、どのようなメッセージを受け取っているのかを定期的にチェックし、必要に応じて適切な対応をすることが求められます。

著作権の侵害

子どもたちは、インターネット上で見つけた画像や動画を無断で使用することが多々あります。しかし、こういった行為は時に著作権侵害となることがあります。特にSNS上でのシェアやリポストは、著作権者の許可なく行うことが問題視されており、法的な問題に発展することもあるため注意が必要です。

そのため、親としては子どもたちに「他人のコンテンツを無断で使用することのリスク」を理解させることが必要になってきます。

インターネット上で気を付けたいトラブル

SNSに限らず、インターネット上で気を付けたいトラブルもいくつかあります。以下に代表的な例を紹介します。

ゲームの高額課金

親の知らないうちに、オンラインゲームで子どもが大きな金額を使ってしまうケースが増えており、問題になっています。

高額課金トラブルを防ぐためには、子どもがゲームを利用する際に課金制限を設定することが重要です。また定期的にゲームの利用状況を確認し、必要に応じて対応しましょう。

犯罪被害

インターネット上で子どもたちが無防備に行動した結果、詐欺や個人情報の盗難などの被害に巻き込まれることもあります。

犯罪被害にあうのを防ぐためには、インターネット上での安全な行動方法を子どもに教える必要があります。不審なメッセージやリンクには注意を払い、個人情報を不用意に公開しないよう子どもに伝えましょう。親としても、子どもが利用するサイトやアプリの安全性を確認する、といったことが欠かせません。

不適切なサイトの閲覧

子どもが不適切なサイトにアクセスすることで、有害な情報に触れてしまうことがあります。そういったことを防ぐためにも、フィルタリング機能を活用しましょう。また、定期的に利用履歴を確認し、不適切なサイトへのアクセスがないかをチェックすることも大切です。

【アプリ別】子どもに人気のSNSで起こりがちなトラブル

では、実際に子どもたちはどんなSNSツールを使用し、そのツールによってどんなトラブルが起きる可能性があるのでしょうか。最低限、知っておきたいものを紹介します。

LINE

世代を超えて利用されている無料で通話やチャット形式でメッセージが送受信できるアプリです。
LINEではグループを作成することができるため、グループトークの中で特定の子の発言を無視する、その子を突然グループからはずすといった「いじめ」が生じています。

また、知らない人からの不審なメッセージにも注意が必要です。

最近では個人情報が十分に保護されず、トーク画面が海外に流出する事件も起きています。第三者によるアカウントのなりすまし・知らない人から友達申請やメッセージを送られたり、自動的に友だちが追加されるシステムもあるため、LINEを安全に使うためには、設定や端末の管理に注意する必要があります。

X(Twitter)

気軽に「つぶやき」を発信できるツールです。しかし、知らない人とつながるリスクも高く、警視庁が公表している「平成29年におけるSNS等に起因する被害児童の現状と対策について」によると、平成29年度中に青少年保護育成条例違反や児童ポルノなどの犯罪に巻き込まれた17歳以下の児童の約4割がTwitterを通じで出会っています。

TikTok

音楽にあわせて短い動画を作成、投稿できる動画のプラットフォームです。女子高生らがダンスやリップシンク(口パク)する動画で話題となり、中高生を中心に一大ブームとなりました。今ではTikTokに投稿する小学生も多くいます。

ただTikTokでは、子どもたちが過激な内容を投稿してしまうリスクがありますし、不適切なコメントやメッセージが問題となることが度々あります。

また、証拠や根拠のない情報などが含まれる動画が多くみられ、そのような信憑性のない情報に、億を超える総再生回数があることも問題だと言われています。

【小学生・中学生】SNSトラブルの4つの事例

【事例1:小学生】LINEでのいじめ

小学生のA君は、友達からLINEでいじめにあいました。最初は軽いからかいだったのが、次第にエスカレートし、A君は学校に行くのが怖くなってしまったのです。ただ親が早期に介入し、学校や関係機関と連携したことで事態は収束しました。

LINEいじめは違法行為です。
今回の事例では早期に解決していますが、被害者は加害者に対して、民事・刑事上の法的責任を追及できます。被害者に対し精神的損害を与えるいじめは、不法行為に該当します(民法第709条)。いじめの被害者は加害者に対し、不法行為に基づき慰謝料などの損害賠償を請求することが可能です。
また、複数の参加者がいるLINEグループでのいじめは、公然と社会的な評価を下げるような言動にあたるものは、名誉棄損罪(刑法第230条第1項)や侮辱罪(刑法第231条)が成立する可能性があります。いじめによって、深刻な精神的ダメージを負う、うつ病や急性ストレス障害を患った場合などは傷害罪(刑法第204条)が成立する場合もあります。

【LINE等のいじめ相談窓口】
24時間子供SOSダイヤル|文部科学省

文部科学省では「24時間子供SOSダイヤル」を設置し、18歳以下の子どもを対象として、いじめ被害や友達付き合いなどに関する相談を受け付けています。

【事例2:中学生】TikTokで嫌がらせを受けた

中学生のBさんは、TikTokで個人情報を公開してしまいました。その結果、知らない人からの嫌がらせメッセージが届くようになり、Bさんは精神的に大きなダメージを受けました。そして最終的にはアカウントを削除することになりました。

TikTokは13歳から利用ができます。公開されている情報や写真で、明らかに13歳未満のユーザーであることが確認できると、アカウント停止・確認の措置が取られます。
またなりすましや誹謗中傷などの書き込みに対しては、「ネットワークコ三ュティ規約」で違反行為と規定されています。なおTikTokでいじめを受けている場合は報告すると、コミュニティガイドラインに違反していると判断された場合には、適切な措置が講じられます。

【事例3:中学生】オンラインゲームで高額な課金

中学生のC君は、オンラインゲームで知り合った相手から高額な課金アイテムを購入するように強要されました。C君は親に相談することができず、多額のお金を費やすはめに。この一件以降、C君の親はゲームの利用状況を定期的にチェックするようになりました。

オンラインゲームでのトラブル対策は、消費者庁が担当しています。何かあった場合は、消費者ホットライン188番へ電話で相談してみてください。

【事例4:中学生】画像の拡散

中学生のDさんは、友達と一緒に撮った写真をSNSに投稿。しかしその画像が拡散され、不特定多数の人に知られることになったDさんは不安を感じ、学校に通うのが怖くなりました。この後Dさんは、個人情報や画像を公開する際のリスクについて考えるようになりました。

SNS・ネットトラブルの相談窓口

SNS、ネットでのトラブルで困ったときの相談先には以下があります。

東京都公式ネットスマホ相談窓口

・法務省公式相談窓口

「子供の人権110番」 0120-007-110
(フリーダイヤル・平日8時半~17時15分)

総務省相談窓口

学校もトラブル防止に動いている

いくら子どもであっても「インターネットを使わない」「デジタル機器も使わない」とすべてを遮断することは現代の世の中では難しいことです。そのため、学校でもSNSに関するトラブルやインターネットの長時間利用について考えさせる時間や資料が配付されています。

例えば、東京都では「SNS東京ノート」が配付され、イラストを見てスマートフォンやデジタル機器の利用ついて考えることができるようになっています。

このノートは、平成28年度に東京都教育委員会が、SNSについて児童・生徒が自分の身近な問題として主体的に考えることができるよう、情報モラルについて学ぶ補助教材として作成しました。児童・生徒の発達段階に合わせ、毎年、内容を見直しながら、都内公立学校の全ての児童・生徒に配布し、その活用を促しています。

実際に学校の授業の中でSNS東京ノートを使い、デジタル機器の利用について子どもに考えさせ、家庭で「スマホやゲームを使いすぎないためにはどんなルールがあるとよいか」検討させて、保護者からもSNS東京ノートにコメントを書いてもらう宿題を出す、といった取り組みもあるようです。

SNSトラブルを防ぐために保護者ができること

スマホを渡す前にフィルタリングなどの設定をする

フィルタリング機能は特定のサイトやアプリへのアクセスを制限し、子どもが不適切なコンテンツに触れるのを防ぐことができる便利な機能です。この機能を活用し、子どもが安全にインターネットを利用できるようにしましょう。また定期的にフィルタリングの設定を見直し、セキュリティ対策を万全にすることも重要です。

子どもと一緒にルールを決める

SNSの使い方に関するルールを事前に決めておくことをおすすめします。例えば、使用時間の制限や投稿内容の確認などといったことです。

ルールを決める際には子どもの意見を尊重し、親子で話し合いながら決めることがポイントです。そして、「毎日1時間までSNSを利用する」「知らない人からのメッセージには返信しない」といったできるだけ具体的なルールを設定しましょう。あらかじめ、SNSの使用目的を明確にしておくのもいいでしょう。

ルールを決める前に親がやるべきこと

情報モラルやフィルタリングについての基礎知識を得る

2018年2月に「青少年インターネット環境整備法」が施行されましたが、その目的は18歳未満の青少年が、安全に安心してインターネットを利用できるようにすることです。

この法律の中には、保護者としてしなければないこととして「青少年のインターネットの利用の状況を適切に把握する」「フィルタリングソフトウエアの利用その他の方法によりインターネットの利用を適切に管理する」「携帯電話事業者での契約にあたり、18歳未満の青少年が使うときには事業者に申告する」といったことが定められています。保護者は、携帯談話端末などからのインターネットの利用が不適切に行われた場合には、青少年の売春・犯罪の被害、いじめなど様々な問題が起こり得る、ことを知っておく必要があるのです。

親の意見押し付けず子どもの気持ちを考える

一方的に親の意見を押し付けるのではなく、子どもの気持ちも聞きながら一緒にルールをつくっていきましょう。もし、親側から意見がある場合は、なぜそのルールが必要なのかを、実際に起きたトラブルの事例も併せて説明してあげると子どもの納得度も変わってくるはずです。そして何か問題が起きた時には、一番に相談するように伝えておきましょう。事例は、こちらの資料にも載っているので参考にしてみてくださいね。

小学生がスマートフォンを利用するには必ず保護者の同意が必要になり、スマートフォンの管理責任は保護者にあります。子どもがトラブルに巻き込まれないように、「インターネットなどで若者がよく利用しているSNSを調べる」「保護者同士で利用の仕方や情報を共有する」「フィルタリングなど子どもを守るサービスについて携帯会社のホームページなどで確認する」といったように、自身の情報をアップデートしておきましょう。

まとめ

適切な対策を講じることで、子どもたちがSNSのトラブルに巻き込まれるリスクを最小限に抑えることができます。親としてできることを実践し、子どもが安全にSNSを利用できるようサポートしてあげてください。

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