子どもにLINEを使わせる前に必須のセキュリティ対策15個! 使いすぎを防ぐ機能制限も紹介
今や中学生、早い子では小学生からスマートフォンを持つ時代。しかし、子どもがスマホを持つことで心配なのが、スマホ依存やSNSトラブルではないでしょうか。そこで、今回はスマホを持つ子どもの多くが利用するSNSアプリ「LINE」におけるセキュリティや機能制限についてを紹介しましょう。
目次
子どものLINE使用には、どんなトラブルがある?
実際、子どもたちはLINEでどのようなやりとりをしているのでしょうか?
大人も仕事で使うことのあるLINE、その便利さから学校生活でも有効に利用されているようです。仲の良い友達とのメッセージや通話はもちろん、文化祭や生徒会などの実行委員、部活の連絡網として使われることもあります。
スマホを持つ子どもにとって、LINEはもはや“必需品”といっても良いかもしれません。
けれど、LINEを利用することで次のようなトラブルに巻き込まれる可能性もあります。
- 「友達追加機能」で、見知らぬ相手と簡単につながってしまう。
- フィルタリングが効かず、LINEから有害なサイトにつながってしまう。
- グループ内でのいじめの被害、または加害に巻き込まれる。
- 名前も知らない人(業者など)からコンタクトをされる。
- 未成年にふさわしくない画像や動画にアクセスできてしまう。
友達追加や知らない人からのコンタクトで安易に“友達”になってしまうと、業者などにIDを収集されスパムメールを送られてしまったり、あるいは送る側に利用されたりする可能性があります。
また、住所や学校などを特定される危険性もあるでしょう。その結果、ストーカーなどの事件に発展する可能性も否定できません。
さらに、フィルタリングが効かないため、危険なサイトにアクセスしてしまい個人情報を盗まれることも考えられます。
交友関係のねじれから同じグループに入れてもらえないなど、LINEいじめの心配も…。
考えれば考えるほど、心配な点は出てきてしまいます。では、保護者として子どものLINE使用にはどのような点を気をつけるべきなのでしょうか。
子どものLINEアカウント作成前に設定しておきたい利用制限
子どものLINE使用に親が策を講じることも大切ですが、肝心なのは子どもとの意識共有。親が勝手に設定をすると、後から子どもと衝突することもあるようです。
ここでは、親子で一緒に行いたい対策1~8を紹介。なぜその設定をする必要があるのかを伝え、どのようにLINEを使用するのが良いかは親子でルールを決めておきましょう。
【対策1】本名を明かさない
大人も含め、日本人の6割近くはLINEで使用する名前(登録名)を本名に設定しているそう。
しかし、ここで設定してしまった名前は会話などで表示されます。まずは、登録名を本名にするのはやめましょう。
【対策3】顔写真や部屋の写真をアップロードしない
顔写真や部屋の写真、近所や学校などのアップロードは避けましょう。
画像から住んでいる場所を特定される可能性、全く関係のない人に顔写真を利用されることも考えられます。
アイコンはもちろん、自分のプロフィール画面でも設定しない方が安心です。
【対策4】「プロフィール」と「ひとこと」に個人情報を載せない
「プロフィール」や「ひとこと」には、個人情報が分かるようなものは載せないようにしましょう。
「プロフィール」も「ひとこと」も、特に設定する必要がない項目。設定しなくても、LINEを利用することはできます。
【対策5】親の監視下で、一緒にLINE IDを設定する
「LINE ID」とは、LINEで設定できる自分だけの識別名のこと。LINE IDはLINEのログイン時には使いません。プロフィールに表示される「表示名」とも違います。
LINE IDは、特に設定する必要のない機能です。もし設定する場合でも、誕生日など自分が特定される可能性のあるものを入力するのは控えましょう。ID名により、知らない人(主に業者)からコンタクトをされてしまう可能性が高くなります。
また設定する場合でも一度設定したIDは変更ができないため、親の監視のもと、慎重に行うことをおすすめします。
【対策6】友達の追加方法を制限する
LINEには、電話番号から自動で友達追加したりされたりといった機能があります。それを防ぐために、アカウント作成中に次の二つの設定を行いましょう。
【友達の自動追加を停止する方法】
- 「設定」から「友だち」を選ぶ。
- 表示された「友だち自動追加」と「友だちへの追加を許可」をオフにする。
これで、端末に登録されている連絡先からの友達自動追加を防ぐことができます。
次に、LINE IDを設定してしまった場合も自動で登録されないように設定しておきます。
【LINE IDから友達の自動追加を停止する方法】
- 「設定」から「プライバシー管理」を選ぶ。
- 「IDによる友だち追加を許可」をオフにする。
この二つの設定により、友達追加できるのはQRコードのみになります。“LINEで友だち”になる場合にQRコードで読み取り合う方法のみにすれば、知らない人から勝手に友だち追加されることはありません。
万が一、自分のQRコードを画像などで残してしまった場合には「設定」から「プライバシー管理」を選び、「QRコードを更新」をタップすることで新しいQRコードを取得することができます。
【対策7】VOOMへのコメントや「いいね」を控える
VOOMへのコメントや「いいね」をすると、他人に自分のLINEの名前やコメントが表示されてしまいます。
LINEの名前やコメントから本人を探し出したり、自分になりすまして行動されたりする危険性があります。コメントをした時間から、生活サイクルを推測する人もいます。
コメントや「いいね」は、できるだけ控えるのが安心です。
【対策8】「メッセージ受信拒否」をオンにする
見知らぬ相手から突然メッセージが来て、驚いたことはありませんか? この設定をしておくことで、「友だち」以外からのメッセージ受信を拒否できます。
「設定」から「プライバシー管理」を選び、「メッセージ受信拒否」をオンにするだけです。
【対策9】オープンチャットの利用制限
LINEには、匿名で誰とでも自由に会話ができる機能「オープンチャット」があります。
せっかくいろいろと対応しても、オープンな場所にアクセスができる状態ではこれまでの対策も無意味になってしまうことも…。
オープンチャット「square-api.line.me」というURLを通して利用する仕組みになっているため、そのページにアクセスできない設定にしておけばLINEの他の機能はそのままに「オープンチャット」へのアクセスのみを防げます。
設定はLINEではなく、スマホ本体で行います。
iPhoneは「設定」アプリの「スクリーンタイム」から、Androidは「保護者向け Google ファミリー リンク」アプリの「Google Chromeのフィルタ」から行えます。
子どものLINE使用で悪質・有害コンテンツの閲覧が心配!
対策1~10を行えば、全く心配がないということではありません。
アプリ内でコミュニケーションを取るLINEは、どうしても制限をかけられない状況が発生します。ここでは、その対策について解説しましょう。
【対策11】LINEニュースを通話タブに変更する
LINEから、外部のサイトにアクセスしやすいのは「LINEニュース」。LINEのコンテンツの一つであるため、常に画面下のメニューに表示されています。便利な反面、大人でもうっかり悪質なサイトへ誘導される危険性があります。
ここでできる対策は、「通話」タブに変更すること。設定から行えるので、こっそり行っておきましょう。
- 「設定」から「通話」を選ぶ。
- 下の方にある「通話ニュースタブ表示」を選択する。
「通話」を選択することで、メニューの「ニュース」が「通話」に切り替わります。
【対策12】LINEマンガを制限する
マンガ好きにとっては、つい夢中になりすぎることもある「LINEマンガ」。
これも、利用者の年齢によって制限をかけることができます。
LINEマンガの利用規約には、「未成年の利用は親権者、法定代理人の許可を得てから」と明記されています。そのため、利用者は年齢の確認を各通信キャリアの利用者情報をもとに行います。マンガの起動自体に制限をかけるためには、スマホの購入時にしっかり設定しておくことが必要です。
【対策13】LINEゲームを制限する?
マンガ同様、ゲームへの依存も親の心配するところでしょう。しかし、ゲームに関しては明確な制限をかけることはできません。ただし、使用時間を制限するアプリケーションをインストールすることである程度の使用を制限することは可能です。
iPhoneとAndroid、それぞれの方法を紹介しましょう。
【iPhoneでゲーム制限をする場合】
「ペアレンタルコントロール機能」によって制限が可能。アプリの制限から使用時間の管理、課金や購入の防止などが行えます。
まず「ファミリー共有」設定を行い、子どものApple IDを作成します。親子でIDを共有している家庭も多いと思いますが、IDにひもづくクレジットカードを使用されてしまうなどデメリットがあります。したがって、使用制限に関わらずApple IDは分けておくのが良いでしょう。
ファミリー共有設定後、「スクリーンタイム」設定を行うと安心。子どもがどのようにiPhoneを使用しているかが把握できるもので、設定しておけば子どもがiPhoneやアプリを使用できる時間帯も保護者が管理できるのです。
詳しくは、LINEモバイル【公式】ブログも参考に設定してみてくださいね。
「ペアレンタルコントロール機能」の使い方やおすすめの制限方法を解説
【Androidでゲーム制限をする場合】
Androidの場合は、google公式に似たような制限をかけられるアプリがありますが対象年齢は13歳まで。他にも時間制限をかけられるアプリはありますが、子どもがそれを削除あるいはアンインストールができてしまうため、完璧ではありません。
この点では、保護者が子どものIDを共有できるiPhoneの方が良いのかもしれません。
子どもが正しくLINEを使っているか確認したい!
対策は万全! それでもやはり「正しくLINEを使っているだろうか」と気になるのが親の性ではないでしょうか。
【対策14】PC版LINEで子どものLINEを確認する
LINEはPC上にアプリをダウンロードして使うこともできるため、子どものLINEアカウントで使用状況を確認することができます。
もちろん、わが子であっても勝手に子どものLINEをのぞくのはルール違反。子どもが気付けば、親子の信頼関係を失ってしまうこともあり得ます。
したがって、この対策は「どうしても…」という場合のみの最終手段として覚えておくに留めましょう。
【対策15】アプリ内課金に制限をかける
「子どもが知らぬ間に課金していて、数万円も支払い請求がきた!」
こういったケースも、しばしばあるようです。
iPhoneの場合は「ペアレンタルコントロール機能」を設定しておけば、安心でしょう。もし、まだ子どものアカウントを作成していない場合は
- 「設定」のアプリを開く。
- 「スクリーンタイム」の項目をタップ。
- 「コンテンツとプライバシーの制限」をタップ。
- 「コンテンツとプライバシーの制限」をオンにし、「iTunesおよびAppStoreでの購入」をタップ。
- 「App内課金」を「許可しない」に選択する。
この設定をすると、課金は自分も含めてできなくなります。
Androidの場合は
- 「Google Play」アイコンをタップし、Google Playを起動する。
- 画面左上のメニューをタップ。
- 画面をスクロール、「設定」をタップ。
- スクロールしていき、「購入時には認証を必要とする」をタップする。
- 「認証が必要な時は?」と表示されるので「この端末でGoogle Playから購入するときは常に」をタップ。
最後にパスワード設定をすることで、パスワードを知っている人しか購入できない状態になります。
LINEは、親の制限が追いつかないケースも少なくありません。
親が子どもの“転ばぬ先の杖”を用意することは必要ですが、一番大切なのは、子ども自身がLINE使用に必要な知識を理解すること。スマホの購入時、LINEの使用前には親子でルールや注意点を共有しておきましょう。
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