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2023.09.29

これってYouTube依存症?子どものスマホ依存の影響や3つの対策方法

テレビやタブレット、スマートフォンで手軽に動画視聴を楽しめるYoutube。子どもがずっとYoutubeを見続けることに困っている、Youtube依存では?と心配している親は多いのではないでしょうか。人には少なからず何かに頼ってしまうことがありますが、これが病的になった場合は依存症といいます。ここではそんなYouTube依存を、公認心理師・臨床心理士として活躍中の菅田瀬那さんが詳しく解説します。

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記事を執筆したのは…

菅田瀬那さん

医療・福祉・教育・産業の領域で、公認心理師・臨床心理士として活動中。心理カウンセリング、子育て・発達に関する相談、発達特性のアセスメント、幼稚園・保育園・小学校を対象とした巡回相談、認定こども園のキンダーカウンセラー、私立大学の学生相談室相談員、障害者雇用特例子会社の産業カウンセラー、子どもと発達に関する講演等を主に行っている。2022年より個人カウンセリング事務所を開業、発達や子育てに関する相談・日々の悩みについて、大人から子どもまで、幅広く相談を受け付けている。学習に困っている子どもたちを中心に学習支援のできる塾も経営中。

わが子はYouTube依存症?チェックリストで確認

1日4~5時間の視聴で依存症になりやすい

YouTubeにかぎらずゲームでもスマホでも、1日に4~5時間それらをしていると依存症になりやすい状態になると多くの研究でいわれています。長時間続けて見ていなくても、暇ができればつい見てしまったり、勉強や仕事の合間に見てしまう人は多いでしょう。

「スマホを手に持っているのが当たり前」「スマホがないと落ち着かない」そんな状態になっていたら、病的とまで言わなくても少なからず依存的になっていると考えられます。

子どものYouTube依存度チェックリスト

「もしかして、我が子はYouTubeに依存しているかも…」と思ったら、以下の項目に当てはまるものがあるかチェックしてみてください。

①視聴時間が長すぎる、制限しようと思ってもできない

1日2時間以上のYouTube視聴が習慣化している、また視聴時間を制限しようとしても守れない、または時間の管理ができない

②日常生活・健康への影響

YouTubeの視聴が原因で就寝時間が遅くなる、睡眠時間が減っている、家族との活動や会話が減っている、視力が低下している、肥満になっている

③やるべきことを後回しにする

YouTubeの視聴が原因で、宿題などやるべきことが後回しになっている

④感情が不安定になりやすい

YouTubeを視聴できないと怒り出す、イライラするなど不安定になりやすい

⑤社会生活への影響

YouTube視聴が原因で友達との遊びの時間が減っている、または社交的な活動が少なくなっている

YouTube依存による子どもへの影響や問題点

それでは、子どもがYouTube依存に陥ってしまうと、どのような影響があるのでしょうか。

集中力が低下する

前頭葉は物事を理性的に考えたり、様々な感情が湧き起こったり、見聞きした情報を処理するなど、生活するうえでとても大事な働きをしています。実は、動画視聴やゲームをしている間、前頭葉はほとんど働いていません。そのため前頭葉の機能が衰えてしまう可能性があります。前頭葉が満足に働かず、思考停止状態となればもちろん集中力は働くはずがありません。思考する時間や場面が減れば減るほど、集中する時間と場面も同時に減っていきます。思考力・集中力を働かせる機会が減ると、いざ勉強やテストという時に思考する・集中するスイッチが入りません。

やるべきことができなくなる

一度見始めると、終わりと決めていた約束の時間を超えても見てしまう、約束を破ってしまうという子はとても多いです。それが続くと適度に切り上げ、次のすべきことに向かうことが次第に難しくなっていきます。登校ギリギリまで動画を見ていて遅刻しそうになった・宿題をする時間がなくなってしまったなど、時間やすべきことを意識しにくくなります。

学校に行くことに興味がなくなる

家で楽しく動画を見て過ごせるのに、なぜ学校に行って勉強して、楽しい時間を削らないといけないのかと考える子どももいます。楽しいことだけしたい、YouTubeで勉強系を見れば勉強できる、タブレット学習で十分と考えているからです。

YouTube依存を脱却!親にできる3つの対策方法

すでに子どもがYou Tube依存に陥ってしまっている場合、どうすれば依存から脱することができるのでしょうか。

履歴の表示やおすすめの設定を変える

履歴やおすすめ動画などが表示されない設定にしましょう。おすすめが出てくるとつい見たくなるのは当たり前なので、そういった誘惑を断つことが大切です。子どもが設定を元に戻しても、根気よくすぐに変更しましょう。

スマホやタブレットの充電をすぐにさせない

充電の制限をかけることも必要です。充電は1日1回だけ、充電が切れたら今日はもうおしまいという形にすることもひとつの手です。充電器などは隠すなり親が持っておくなりしましょう。充電が切れてしまえば動画を見れませんし、スマホやタブレット自体使えません。

充電のやりくりを子どもにさせ、どれだけ見たら充電が減ってもう見れなくなるか、充電を一日保たせるにはどう使えば良いか、子ども自身に考えさせ、加減や時間調整を学んでもらうことも大切です。

見る時間やルールを決める

毎日決まった時間だけと約束し、一日のスケジュールを明確にすることが大事です。口約束だけでは簡単に破られてしまいます。約束の時間になったら子どもにスマホやタブレットを持たせない、親が肌身離さず持っておくことも場合によっては必要になります。

スケジュールは明確に表にし、壁に貼っておくなどした方が良いでしょう。スケジュールを1枚だけ貼っただけでは見ない子もいます。いくつか用意して、トイレや冷蔵庫、部屋のドアなど子どもが確実に見るであろう箇所に貼り、ふと視界に入ったスケジュールや約束事を意識させましょう。トイレの中や冷蔵庫、部屋のドアに貼っておくなど、目で見て分かるようにし、すべきことや約束に気付かせる工夫が要ります。

「宿題したらYouTubeを見て良い」というルールを作るのもひとつです。たとえば宿題の時間を30分~1時間と設定し、この時間内に宿題が終われば残った時間はYouTubeを見る時間にして良いというイメージです。

YouTubeを見るための時間を自分でつくること。先にすべきことを頑張らなければ楽しみの時間はもらえないということを意識させることが必要です。

そもそもYouTube依存になる原因とは?

YouTube(スマホ)依存=行動の依存症になっている状態です。これは「プロセス依存症」ともいいます。プロセス依存症とは、目的や結果よりも行動過程に対して依存してしまうことです。

YouTubeで特定の動画を見たいというより、何でも良いからとにかくスマホを見る・YouTubeにアクセスすることが当たり前になっている状態は、行動の依存症といえます。そして、スマホを見ないと不安になったり、イライラしたりし、スマホがやめられず依存していくのです。

このような状態になってしまう原因には、次の2つが挙げられます。

快感の記憶が依存症を招く

動画を見て「快感」を感じると、その時の記憶を心身ともに忘れられなくなりますすると、繰り返し観るようになり、依存となっていきます。普段得られないような快感を得たり、嫌な出来事や、モヤモヤした気持ちを手っ取り早く紛らわせることのできるスマホ。この快感の記憶を消すのは簡単なことではありません。

手軽に使える

最近では小さい子でも自分専用のスマホを持っていたり、学校からタブレットを支給されたりすることも多く、早いうちからスマホを手にして使える時代になりました。料金も安いプランが多くあるので、契約しやすくなっていますよね。

スマホを持たせるのは防犯目的ということがきっかけとして多いですが、実際手にすると防犯以外の用途で使わる方が圧倒的に多いでしょう。

子育てにスマホは便利

静かにしててほしい、親も自分の時間が欲しい、家事を済ませたいなどの理由で、スマホやタブレットを与える親はとても多いです。実際にYouTubeやゲームをしていると大人しく過ごしてくれたり、その間に用事を済ませられたりと、親からすると助かる時間であることも事実です。

とはいえ、スマホをやめてほしいと思った時には困ってしまうものです。食事ができたのに「あともうちょっと」となかなか終わってくれない。お風呂にすぐに入ってくれない、宿題に取り組んでくれないなどなど……。まだ欲をコントロールできない子どもにスマホを与えると、困ってしまうこともあるでしょう

YouTube依存になりやすい子どもの特徴

同じようにスマホを与えても、依存してしまう子とそうでない子がいます。YouTube依存になりやすい子どもにはどのような特徴があるのでしょうか。

新しい刺激を求める傾向が強い

「何か楽しいことをしたい」「もっと知りたい」など、興奮や刺激を求める傾向が強いと、「もっともっと」という気持ちであれこれと動画を探して観てしまう傾向があります。

時間の過ごし方がわからない

留守番する時間が長い、一人で過ごしていることが多い、遊ぶ相手がいない、話し相手がいないなど、暇つぶしの目的で観始め、観て過ごすことが当たり前となっていくこともあります。両親が仕事で忙しく家族間での交流が乏しくなっているなど、話し相手もおらず寂しいため、一人で楽しめるものにハマってしまうのです。孤独な時間の過ごし方の結果がYouTubeということも多いです。

自分に自信がない

交流する相手がいない、外に出たくない、コミュニケーションが苦手など、他者や社会との接点が乏しく、しんどいことや嫌なことからの現実逃避としてスマホを観始めるということもあります。何らかの逃げの先にYouTubeがあるのです。

それ以外にも、憧れのYouTuberを見て、その人のしている言動やおしゃれを参考にしている子どももいます。特に女の子は美容系等にハマりがちです。自分にはできないことを映像の中でやっているYouTuberに心酔してしまう子もいます。

学校生活や人間関係がうまくいっていない

外で人と会って疲れたり、苦手な勉強をするより、楽しいことに没頭したいという気持ちから、YouTubeの世界に浸ってしまうこともあります。誰にも邪魔されない時間に没頭してしまうのです。

周りに合わせないと不安になる

みんなが観ているもの・流行っているものを自分だけが知らないという状況になると不安になってしまう子も、スマホに依存してしまう傾向があります。『え?知らないの?』といわれたり、時にはからかわれたり、時代遅れ扱いされたりした子どもは傷付いてしまいます。

周りに合わせるために、「みんなが見ているから」という理由で観始めるようになることもしばしばあります。

約束を守らない、癇癪を起こす…こんなときはどうすれば?

とはいえ、すでにYouTubeの虜になっている子どもと約束しても、破られてしまうこともあるでしょう。制限をつけることで癇癪を起こしたり親子喧嘩に発展してしまうケースもあります。そんなときは次のように対策してみましょう。

子どもがルールを守らない場合

ルールを守れないことには、何かしらの理由があります。言われたルールが子どもにとってはハードルが高い、難しいから無視するということもあります

ほかにもルールを守らないのは何らかの反発や、実はそのルール自体に子どもが困っている場合があるので、まずは責めずにルールが守れないことについて、子どもの気持ちを聞くことが大事です。

そのうえで、その子にとってできそうなことなのか、ハードルが高いのか、そもそも理解していないのかを見極めてルールの修正をしましょう。

とはいえ、寄り添って話し合ったり、繰り返し伝えたりするだけでは解決しないこともあります。例えば、子どもがネットやYouTubeを通じて危険なことをしてたり、誹謗中傷しているなど、善悪の加減が分からず行き過ぎた行動をしているというときはすぐに叱りましょう。そういったことをするのであればYouTubeを見せられない・スマホを持たせられないということを伝えなければなりません。それからそうした行為をした理由と気持ちを聞き、すべきことを諭すように伝えていきましょう。

隠れてこそこそ見る場合

家族が寝静まったときに布団のなかにスマホやタブレットを持ち込んで、暗い中で見ているという子どももいます。スマホを子どもの自室に持ち込ませない、家族で寝ている場合は別室に隠すなど、まずは子どもに持たせないことが第一です。もちろん充電器もです。持たせない・充電させないことをまず徹底しましょう。

癇癪を起こす場合

癇癪を起こすとき、子どもは必死になって自分の要求を通そうとしています。どこかのタイミングでごねて思い通りになった経験をしているからです。あの時うまくいったから今回もその手段でいこうと、誤学習している子は多いです。

癇癪を止めよう、要求を通さないようにしようと大人がすると、一時的に子どもの方も必死になって怒ったり泣いたりと、ヒートアップします。親が熱くなると対抗しようと必死になるので、まずは親が落ち着くようにしましょう。相手が落ち着いて話してくれると、同じように本人も落ち着いて話そうとします。

癇癪の状態に親が耐えられない時は、別室に行き、お互いに一度クールダウンをはかりましょう。廊下やトイレに行くだけでも良いです。何も言わずに一旦離れて親も気持ちを落ち着かせましょう。意識を他のことに向け、お互いに落ち着いてから、口調に気を付けて話をするようにしてみてください。

また兄弟がいる場合、兄弟の前で叱らないようにしましょう。癇癪の原因に兄弟が絡んでいる場合は特にです。「あいつのせいで怒られた!」と、余計に癇癪がひどくなったり、理由がどうあれ、恥をかかされたと恨みを持つ場合もあったりします。癇癪を起している本人を余計に苛立たせない・傷つけないための工夫が必要です。

子どもをYouTube依存や中毒から守ろう

スマホを使用したり、YouTubeを見るのは現在の生活では当たり前のことです。やりすぎは良くないと頭では分かっていても、ついしてしまうこともあるでしょう。子どもに限らず、大人も隙あればスマホやYouTubeを見てしまうこともありますよね。

大人が我慢やコントロールもできていないのに、子どもには「やめなさい」「我慢しなさい」というのは、子どもからすると勝手な話です。大事なのは、単に「やめる」ということではありません。他の活動や生活に支障がない程度に適度に利用すしたり、スマホやYouTube以外のすべきことや楽しみを見つけることが大切です。

体をつかったり指先をを動かすことによる刺激を脳へと伝達することで活性化し、思考力や集中力などにも良い効果を与えますが、スマホが普及した現代ではそれが乏しくなるケースが見られることがあります。日常生活や勉強で困ることが増え、相談に来られる親御さんもいます。

スマホやYouTubeを見る時間を少し減らすだけで良いのです。その分体や手指を使った遊びや運動をする時間を増やし、柔軟さや器用さ、人とのふれあいの時間が増えることによる情緒的成長をしていってもらいたいと私は思います。

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菅田瀬那

医療・福祉・教育・産業の領域で、公認心理師・臨床心理士として活動中。心理カウンセリング、子育て・発達に関する相談、発達特性のアセスメント、幼稚園・保育園・小学校を対象とした巡回相談、認定こども園のキンダーカウンセラー、私立大学の学生相談室相談員、障害者雇用特例子会社の産業カウンセラー、子どもと発達に関する講演等を主に行っている。2022年より個人カウンセリング事務所を開業、発達や子育てに関する相談・日々の悩みについて、大人から子どもまで、幅広く相談を受け付けている。学習に困っている子どもたちを中心に学習支援のできる塾も経営中。

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