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2023.08.15

【東大卒・家庭教育コンサルタントが伝授】子どもの自己肯定感を高める声掛け・接し方

「ちゃんと片付けなさい!」「早く準備して!」気づけば子どもに対して怒ってばかり。子どもに幸せになってほしいと願いながら、子どもの自己肯定感を下げるような言動をしてしまった経験、親なら誰もがあるのではないでしょうか?
今回は、『お母さんの「怒りの言葉」は子どもの「やる気を引き出す言葉」に変えられる』(PHP研究所)の著書であり、東大卒業生、そして教育事業を起業・経営している多田淑恵さんが「子どもの自己肯定感を高める声掛け」について紹介します。

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記事を執筆したのは…

多田淑恵さん

合同会社テラック代表。家庭教育コンサルタント。東京大学卒、東京大学大学院修士課程修了。在学中、ドイツ ベルリン・フンボルト大学に留学。日本IBM勤務を経て、合同会社テラックを設立。これからの社会を見据え、子どもたちの問題解決力を養う教育事業を展開する。子どもを指導するだけでなく、保護者からの教育相談にも乗り、各家庭に寄り添ったオーダーメイド教育を提供している。 『小学生のためのスター・ウォーズで学ぶ はじめてのプログラミング』(学研プラス)を監修。『お母さんの「怒りの言葉」は子どもの「やる気を引き出す言葉」に変えられる』(PHP研究所)、『日本語と英語くらべてわかる中1・中2・中3英文法』(フォーラム・A)執筆。

▼多田さんの著書はこちら

そもそも「自己肯定感」って?

自己肯定感とはその名の通り、ありのままの自分を認め、肯定する感覚のこと。「このままの自分でOK」「ありのままの私に価値がある」と思えることです。

混同されやすいですが、自己肯定感と自信は異なります

自信は、自分の能力を信じることです。「良い成績を取れた」「賞をもらった」「大会で優勝した」など、何かしらの成功体験や実績に基づいています。そのため、スランプに陥ったり、失敗してしまったりすると、自信を失い、立ち直れないことがあるかもしれません。

一方で自己肯定感は、成功体験や実績に基づかない「私なら大丈夫」という感覚です。スランプに陥ったり、失敗してしまったりしても、自己肯定感が高ければ、「私なら何とかできるはず」と考え、乗り越えることができます。自己肯定感が高いと挫折を乗り越えられるので、人生が上手くいきやすいのです。

せっかくならご家庭で子どもの自己肯定感を高める声掛け・接し方をしたいですよね。ここでは、子どもの自己肯定感を下げる声掛け・接し方、自己肯定感を高めるコツなどについてご紹介します。

子どもの自己肯定感を下げてしまう声掛け

「ありのままの自分には価値がない」「他人より優れていないと愛されない」「良い子でいないとダメ」と子どもに感じさせる声掛けは、自己肯定感を下げてしまいます。具体例を見てみましょう。

「何でこんなこともできないの?」と責める

大人にとっては簡単なことも、子どもにはまだ難しいこともあります。子どもなりに頑張っているのに、大人からはそう見えないこともあります。そんな姿を見ると、つい「何でこんなこともできないの!?」と責めたくなるかもしれません。しかし、子どももどうしたら上手くいくかわからず、実は困っていることが少なくありません。

自分なりに頑張っているのに、「何でこんなこともできないの!?」と言われると、子どもはショックを受けてしまいます。そして、「こんなこともできない自分には価値がないんだ……」と考えるようになり、自己肯定感が下がってしまいます。

「他の子はできてるよ!」と脅す

子どもに危機感を持ってほしくて、「他の子はもっとできているよ!」と比較したり、「一人だけ上の学年に上がれないよ!」などと脅したりする方がいますが、このような声掛けも子どもの自己肯定感を下げてしまいます。

「他の子よりできない自分はダメなんだ」「自分は他の子より価値がないんだ……」と子どもが感じてしまうからです。

「悪い子ね!」と人格を否定する

子どもが悪いことをしたときは、行動に問題があるだけで、その子自身・人格自体が悪いわけではありません。「悪い子ね!」と叱る方がいますが、このような声掛けをすると、子どもは自分の存在や人格を否定されたように感じます。これでは、子どもの自己肯定感が下がってしまいます。

子どもの自己肯定感を高める声掛け・接し方

子育てをしていると、つい子どもの欠点ばかりが目について、自己肯定感を下げてしまう言葉をかけてしまいがちですよね。子どもの自己肯定感を高めるためにはどんな声掛けや接し方をすればいいのでしょうか?

1:子どもの話を最後まで聞く

頭ごなしに叱ったり、親の意見を伝えたりする前に、子どもの話を最後まで聞くようにしましょう。頭ごなしに叱ると、子どもの意見を聞く機会を逃してしまいます。子どもなりに頑張ったり、考えたりしているのだと意識して接しましょう。

子どもの話を最後まで聞き終えてから、「それはどういうことかな?」とわからないことを質問したり、「お父さん、お母さんはこう思うんだけど、どうかな?」と親の意見を伝えたりしましょう。そうすることで、子どもは「お父さん、お母さんは私の話を最後まで聞いてくれるんだ」「受け入れてくれるんだ」「何を話してもいいんだ」と安心します。認められている、受け入れられているという感覚が芽生えると、自己肯定感が高まります。

2:一緒に解決策を話し合う

子どもに対して、「何でできないの!?」「悪い子ね!」などと責めたり否定したりするかわりに「どうしたらできそうかな?」と、解決策について親子で一緒に話し合いましょう。

頑張っているように見えなくても、実は子ども自身「何とかしたい!」と思っています。頑張り方がわからないだけなのです。

お父さんやお母さんに怒られたい子はいません。子どもと一緒に「どうやったら問題が解決するかな?」と、今後の対策を考えましょう。対策を実行して問題が解決すれば、親も子どもを叱らずにすみます。子どもに対して自己肯定感を下げるような声掛けが減るので、結果的に子どもの自己肯定感が育つのです。

3:努力する姿勢や過程を褒める

子どもが頑張っても、なかなか成果が出ないこともあるかもしれません。そんなときは、「まだまだダメね!」「お友達はもっとできているのに」と他の子と比較するのではなく、努力する姿勢や過程を褒めるようにしましょう。

比べるなら、他人ではなく子ども自身と。過去の子ども自身と比べて成長していたら、「頑張っているね!」「前よりここができるようになったね!」と認めてあげてください。そうすることで、子どもは「お父さん、お母さんは自分のことをきちんと見ていてくれるんだ!」と安心します。

自分が認められている感覚になると、自己肯定感が高まります。「もうちょっと頑張ってみようかな!」と、子どものさらなるやる気も引き出すことができます。

4:子どもの存在を認める

「お父さん、お母さんはあなたのことが大好きだよ」「生まれてきてくれてありがとう」と、子どもの存在を無条件に認め、それを子どもに伝えましょう。テストで100点取ったから、スポーツの大会で優勝したから……と条件付きで子どもを愛しているのではなく、存在そのものが大切であること・愛しいことを子どもに伝えてください。

普段はどうしても子どもの悪いところに目が行きがちで、叱ってばかりという保護者の方も少なくないと思います。思い出したときにこのような声掛けをするだけでも効果があります。ぜひ意識してみてくださいね。

こんなときはどうする?具体的な声掛けの例

とはいえ、子育ては予想外の連続。いくら自己肯定感を高める声掛けをしたいと思っていても、ままならないのが現実です。そこでここでは、子育て中によくあるシーン別に、子どもへの声掛けの仕方や接し方を紹介します。

急いでほしいのに行動が遅い

「早くして!」という声掛けは、子どもの自己肯定感を下げる原因になります。「早くできない自分はダメなんだ」と子どもが捉えてしまうからです。また、日常的に子どもに口うるさく声掛けしていると、「うるさいなぁ、また言ってる……」と親の話を聞き流すようになる可能性もあります。本当に大事な場面でも、子どもが話を聞いてくれなくなるかもしれません。

子どもの行動が遅いときは、「何時にバスが来るからね」「だから何時にはお家を出よう」「その時間までに遊びは止めようね」と、スケジュールとその理由を前もって伝えておきましょう。

子どもには子どもなりのスケジュールやリズムがあります。いきなり「もう行くよ!」と親の都合を伝えても、「え~まだ遊びたかったのに……」「もっとゆっくりできると思ってた」と、スイッチを切り替えるのが難しいものです。事前に予定を伝えておけば、「それまでに終わろう」と子どもも心づもりができます。

それでも最初は、子どもの行動が遅いかもしれません。ですが、事前に伝えることを習慣化することで、少しずつ時間を意識して行動できるようになってきます。

宿題や勉強をしない

「早く勉強しなさい!」「まだ勉強しないの!?」というような声掛けを日常的に行うことも、子どもの自己肯定感を下げる可能性があります。「勉強しない自分には価値がない」「毎日ガミガミ言われる自分はダメな子なんだ」と子どもが考えるようになるからです。気にしないそぶりをしていても、実は傷ついている子が少なくありません。

子ども自身、どう勉強したらいいかわからず、だからやる気が出ないということもあります。子どもも苦しんでいるのです。子どもにきちんと勉強の習慣が付くまで、「わからないところはない?」「一緒にやってみようか!」と声掛けし、親子で一緒に取り組むのが効果的です。

勉強を習慣化するためには、毎日勉強する時間を決めておくといいでしょう。子どもによって集中しやすい時間帯が異なるので様子を見ながら、「朝6時30分~7時30分は勉強の時間」「夜19時~20時は宿題をやる時間」などと、勉強する時間を決めましょう。

人の話を聞かない

子どもが話を聞かないときも、「ちゃんと人の話を聞きなさい!」と頭ごなしに叱るのは良くありません。本当に話を聞いていないときもありますが、聞いていないように見えて、実はきちんと聞いているときもあります。

子どもが本当に話を聞いていないときは、他のことに気を取られていたり、その話はあまり重要でないと子どもが捉えていたりする場合です。聞いていないように見えて、実はきちんと話を聞いているときは、子どもなりに頭の中で情報を処理していたり、考えを巡らせていたりする場合です。

いずれにしても、「ちゃんと人の話を聞きなさい!」と頭ごなしに叱るのは、子どもの都合や考えを考慮せず、親の意見を押し付けています。「どうせ自分の都合・考えなんか聞いてもらえないんだ」「それは自分に価値がないからだ」と子どもは考えるようになり、自己肯定感が低下してしまいます。

「お父さん、お母さんが言ったこと、わかったかな?」「どう思うか教えてくれる?」などと、子どもの意見を聞いてみましょう。子どもが話を理解していない場合は、もう一度話しましょう。子どもに意見を聞くことで、「お父さん、お母さんは自分を尊重してくれるんだ」と考えるようになり、自己肯定感が高まります。

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自己肯定感を下げる声掛け・接し方を防ぐためにできること

「早くしなさい!」「なんでできないの!?」などと、子どもの自己肯定感を下げる声掛けが癖になってしまっていると、正しい声かけを学んでも実践が難しい場合もありますよね。子どもの自己肯定感を下げる声掛けや接し方を防ぐためにできることを挙げてみます。

1:叱らなくてすむ方法を考える

子どもが危険なことをしているときなど、本当に必要な場面で叱ることは大切ですが、日常的にガミガミ言わなくて済むように、子ども自身で考えて行動できるよう導きましょう。

前述したように、毎日口うるさく「勉強しなさい!」と言うよりも、親子で一緒に勉強に取り組んだり、勉強を生活リズムに組み込んだりする方が効果的です。「子どもが勉強しない」という問題が根本的に解決すれば、叱らなくて済むので、子どもの自己肯定感が高まります。

2:親子はチームだと考える

口うるさく言って子どもに何かをさせるのではなく、親子=チームだと考えて、「どうすればいいか一緒に考えようか」「こういう方法はどうかな?」と、共に問題の解決策を探りましょう。

親は良き理解者であり、サポーターであることが子どもに伝われば、子どもの中に「自分は認められている」「大切にされている」という感覚が芽生えます。

3:比べるなら「過去の自分」と

他の子と比べて褒めたり叱ったりするのではなく、過去の子ども自身と比較するようにしましょう。一人一人、成長のタイミングが異なるので、他の子と比べるのはあまり意味がありません。今とてもよくできる子でも、伸び悩んでしまったり、逆に今あまりできない子でも、コツコツ頑張り続けて最終的に大きく成長したりすることはよくあります。

過去のその子自身と比べて良くなった点を褒めることで、子どもの自己肯定感が高まり、「頑張りを認めてくれて嬉しい!」「もうちょっと頑張ってみようかな!」というように、さらなるやる気を引き出すことができます。

4:親がリフレッシュする

子育ては365日お休みがなく、本当に大変ですよね。親がイライラしていたり、疲れていたりすると、子どもの悪い点が目につきやすかったり、きつく叱ってしまったり、子どもの自己肯定感を下げる声掛け・接し方をしやすくなってしまいます。

趣味や仕事に没頭する時間を作ったり、家族に協力をお願いして少しの時間でも子育てから離れてみたり、意識的にリフレッシュする時間を設けましょう。そうすることで、「ちょっと言い過ぎたかな?」「あの子なりに頑張っているよね」「もっとこうした方が子どもに伝わるかな?」など、新たな視点から家庭教育について振り返ることができるはずです。

「さっきは言い過ぎてごめんね!」「お父さん、お母さんはあなたのことが大好きだよ!」と、ぜひ素直に子どもに伝えてみてください。自分自身が肯定されている、大切にされている感覚=自己肯定感が、子どもの中にきっと芽生えるはずです。

子どもにとって、親からの声掛けや接し方は、その後の人生にも大きな影響を与えます。毎日ではなくても、意識しながら子どもと接していけるといいですね。

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多田淑恵

合同会社テラック代表。家庭教育コンサルタント。東京大学卒、東京大学大学院修士課程修了。在学中、ドイツ ベルリン・フンボルト大学に留学。日本IBM勤務を経て、合同会社テラックを設立。これからの社会を見据え、子どもたちの問題解決力を養う教育事業を展開する。子どもを指導するだけでなく、保護者からの教育相談にも乗り、各家庭に寄り添ったオーダーメイド教育を提供している。 『小学生のためのスター・ウォーズで学ぶ はじめてのプログラミング』(学研プラス)を監修。『お母さんの「怒りの言葉」は子どもの「やる気を引き出す言葉」に変えられる』(PHP研究所)、『日本語と英語くらべてわかる中1・中2・中3英文法』(フォーラム・A)執筆。

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