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2023.07.23

親子関係が悪化!中学受験をするのに勉強しない娘にイライラ・後編【専門家が回答】

中学受験をすると決めた子どもの教育費に月8万円かけているのに、子どもが勉強している気配がない……。子どもを見るたびに不満がたまり、次第には親子関係がギクシャク。子どもへのイライラがとまらない母親の気持ちを、専門家である安永吉光さんに相談してみました。

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今回の相談者

  • 野村さん(30代/静岡県在住)
  • 家族構成:夫、小5の娘、小4の息子

  • 今回の相談
  • 中学受験を考えている小5の娘について相談です。塾で算数の授業についていけず、娘が家庭学習をしないことにまいっています。勉強をしないなら、塾や受験をやめてもらいたいと伝えていますが、娘は「やる」の一点張り。塾でわからない内容をキャッチアップするために、オンラインの家庭教師を始めたので、塾代に月に35000円、オンライン家庭教師に月に44000円。お金もかかるので、やる気がないなら塾はやめてほしいというのが本音です。最近では娘を見るたびにイライラし、親子関係もギクシャクしています。

相談に答えているのは…

安永吉光さん

東京都内や岡山県内の進学塾・予備校で20年の経歴を持つ塾講師。現在は、岡山県倉敷市に「能力開発塾 自学道場」を開校しているほか、通信制高校サポート校「安永教育学院」、保護者のための子育て講座「自学道子育てラボ」も運営している。

教育費は「環境を買う」と割り切る

野村:私自身、つねにギリギリのラインで娘と関わっています。本音を言うと「早く勉強しなよ」って思うんですが、それはダメだって抑えていて……。でも、抑える以外の方法で娘を信じたほうがいいって頭ではわかっていても、難しくて。ただ自分が我慢している状態です。

安永先生:それはしんどいですよね。勉強以外のところに目を向ける必要があるかなと思います。中学受験を考えると、どうしてもそこが中心になってしまうので、普段の子どものいいところに目が向かなくなります。所詮、中学受験です。

塾や家庭教師をつけている以上、親は期待をしてしまうし、成績が伸びないのにやっていても意味がないって思ってしまうかもしれません。だから、環境を買っていると思ったほうがいいです。中学受験の結果ではなくて、塾や家庭教師と過ごす時間という環境を買っている。

受験の結果以外の環境も、塾のなかにはあります。競争する環境や、学校とは違う切り口の授業を受ける環境。普通にしていたら得られない環境が塾のなかにもあるし、そこに価値があると思いますよ。

勉強以外のいいところに目を向ける

安永先生

野村:自分の部屋にこもっているので、勉強をしているのかわからない状態です。完全なブラックボックス状態なことに、むなしさや寂しさがあるのかも……。

安永先生:あと3年経てばみんなブラックボックスになります。それが普通だって思ったほうがいいです。それも子どもの成長です。本当は部屋にこもって勉強しているけど、それは親が見ていないから伝わらない。それでも子どもは「努力を認めてくれない」って思ってしまうこともあります。親子関係を良好に保ちたいのであれば、勉強以外のコミュニケーションをどのように充実するかだと思いますよ。

手伝ってくれたことに「ありがとう」と伝えたり、「こういうところがいいよね」と、勉強とは違うところで褒めていく。そうすると、少しずつ困っていることを親に伝えてくるようになります。

野村:前まで娘は、塾で習ったことを私に教えてくれていたんです。そしたら、娘も理解が深まったようで点数が伸びました。だから私も「これを続けようね」って言っていましたが、それもやらなくなって……。

安永先生親から「続けようね」って言われると、その瞬間に子どもにとってはそれが義務になってしまいます。お母さんから課せられた義務。だから塾で習ったことを教えてくれていたなら、そこは「ありがとう」でとめておいたほうがよかったですね。親の期待が本人にとってのプレッシャーになってしまいます。

子どもがだらだら過ごしても認めてあげる

安永先生

野村:家で勉強せずにだらだらしているように見えても、尊重してあげたほうがいいですか?

安永先生子どもには、中学受験が終わったときに「あれをさせてくれなかった」ではなく「ここまでさせてくれた」って思ってもらうのがいいです。これは、合格や不合格とは違う次元の話です。

受験に合格しても「友達と遊ばせてくれなかった」と不満を持つこともあります。そうなると、芋づる方式にどんどん「親にしてもらえなかったこと」を思い出して、「自分は愛されていない」と思ってしまうこともあるので、思春期は大変ですよ。

野村:勉強のことでイライラしていて、娘が可愛くないと思ってしまっているときもありました

安永先生:思春期に向けて今は大切な時期です。だから子どもがだらだらしていても認めてあげる。今日も無事に学校に行って帰ってきて、だらだらしていてもなんとなく満足そうに過ごしていたらOKだと思ってあげてください。

思春期になると、親の言うことをいちいち聞かなくなるので、外に子どもの師匠を見つけるといいと思います。先輩でもいいし、外に憧れる人をつくってあげてください。「この人の言うことなら聞ける」という人をつくってもらって、親はその人と相談すればいいですよ。

野村:そうですね。子どもの姿をみて自分を改めないとなって思います。子どもが生まれてきてよかったという気持ちを忘れていました。

安永先生:私の知り合いに、保護者面談をやるときに必ずお子さんの赤ちゃんのときの写真を持ってきてくださいって伝えている人がいるんです。そうすると、今の課題がどうでもよくなるって。(笑) 産まれてきて、元気でいてくれるだけで十分だって思い出すみたいです。そうやって立ち返ることも大事ですよね。

野村:本当にそうですね。今日無事に生きて帰ってきた子どもを認めてあげるのって大切ですよね。

カウンセリングから1ヶ月後

――カウンセリングから1ヶ月経った今、お子さんの状況を教えてください

野村:今はオンライン家庭教師と塾の両方を続けています。塾の夏期講習や合宿には参加せず、オンライン家庭教師を増やしてわからないところを重点的に補填するつもりです。どちらも続けるのは出費も多いので、3か月後を目安に子どもにどちらかを選んでほしいと伝えています

ちなみに子どもに「そんなに勉強していて疲れない?」と聞いてみましたが、「まったく苦ではないし、自分で選んでいるから問題ない」と言っていました。

――カウンセリング後に何か心境の変化はありましたか?

カウンセリング語は、親としての心構えや、子ども本人に選択させること、勉強以外の子どもとのコミュニケーションを増やすことを大切にしていて、今では親子関係は良好です。子どもに対しても積極的に感謝の気持ちも伝え、会話も増えました。すごく望んでいたことなので嬉しいです!

子どもの受験・勉強の悩みを安永吉光さんに相談してみませんか?

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