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2023.06.26

「スマホにフィルタをかけるより…」「将来パートナーといい関係を築けるように」保護者が学校の“性教育”に期待していること

2023年度から全国の小中高校で、子どもを性被害から守るための「生命(いのち)の安全教育」が始まりました。この取り組みについて「ソクラテスのたまご」が小中学生の子どもを持つ子育て世代101人にアンケートを実施したところ、「賛成」意見が9割という結果に。その回答の中から、保護者がこの取り組みに期待を寄せる理由を3つ紹介します。

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「生命(いのち)の安全教育」とは

「生命(いのち)の安全教育」とは、性暴力の加害者、被害者、傍観者を生まないよう、全国の小中高校において2023年度からスタートしている学習です。

発達の段階ごとに「生命(いのち)の大切さ」、「自分や相手を尊重し、大事にすること」、「性暴力の被害にあったときの適切な対応の仕方」などを学んでいきます。具体的には、水着で隠れるプライベートゾーンは勝手に見たり触ったりしてはいけないということ、人との適切な距離感、インターネットやSNS等の出会いにおける注意点、デートDVなどについて学びます。

文部科学省は、子どもの性暴力被害防止のため、「生命(いのち)の安全教育」についての手引きを作成。全国の保護者に「各家庭においても参考にしてほしい」と呼びかけています。

「生命(いのち)の安全教育」どう思う? アンケート結果

この取り組みについて子育て世代はどう思っているのでしょうか。

「ソクラテスのたまご」は全国の小中学生の子どもを持つ子育て世代101人に独自のアンケートを実施しました。その結果、賛成は90%、反対は2%、どちらでもないは8%となりました。

賛成意見が圧倒的多数であった今回のアンケート。賛成と答えた保護者はこの取り組みにどのような期待を寄せているのでしょうか? 多かった3つの回答内容を紹介します。

1.犯罪やトラブルを防ぐきっかけになるといい

1つ目は「犯罪やトラブルを防ぐきっかけになると期待したい」という回答です。

インターネットの普及とともに増え続ける性犯罪や性暴力。子どもたちも当たり前にスマホを持つようになった昨今、親の知らないうちに有害な情報にアクセスしてしまうのではないかと不安に感じている保護者が多いのでしょう。犯罪やトラブルを未然に防ぐためにも、子どもたちへの生命(いのち)の教育は必要という声が多数あがっていました。

ネットを通じた性犯罪が多い今、必要な教育だと思います。自己防衛として、どのように対処するべきかをテキストを読むのではなく、実践的に考えるようなカリキュラムであればよりいいなと思います。また、いのちについて考え、相手への態度や対応、自身を客観的に見る視点などに気付いてくれればと思います。

(40代後半・女性・兵庫県)

正しい情報を得ることはよいことだと思います。ネットや漫画、情報誌の中の情報がすべて正しいわけではないので、間違った知識で行動されると犯罪に巻き込まれたり、命を失ったりと取り返しのつかないことになりかねません。親が伝えようとしても、なかなか素直に聞き入れてもらえないので、そういう授業が設けられるということは大変ありがたいです。

(40代後半・女性・福岡県)

親が子どものスマホにフィルタをかけていても、アダルトサイトや有害な情報を全てカットできるとは限らないので、子ども自身に判断する力を身につけさせる必要があると思います。やってはいけないこと、やられてはいけないことを知っておくことで防げる犯罪やトラブルもあると思うので、性教育には賛成です。

(30代後半・女性・神奈川県)

2.人との付き合い方や距離感を対話から学んでほしい

2つ目は「人との付き合い方や距離感を多くの人との対話の中から学んでほしい」という回答です。

心地よいと感じる人との関係性や距離感は、その人によって異なるもの。学校で多くの児童・生徒と一緒に学習するからこそ、多様な意見を聞くことができ、多様性を学べるのではないか。さまざまな価値観や感じ方があることを理解すれば、相手を尊重することができるのではないか、という意見がありました。

こういう話は、家でしようと思うとなかなかできないので。学校でして頂けるとありがたいです。それで、何か疑問に思ったことなどはディスカッションして貰えるとなおいいと思います。

(40代後半・女性・新潟県)

周囲の人たちと円滑な関係性を築いていくために。そして将来、パートナーになる人と、お互いに尊重し合い、いい関係を保って生きていくために、家庭の中だけでは学べない、色々な価値観を持つクラスメイトたちとの対話をしてもらえたらいいなと思います。

(30代後半・女性・宮崎県)

どうしても子どもと親が1対1で話すには距離が近い分、話しにくいこともあります。学校でみんなと学ぶほうが伝わりやすいこともあるのかなと感じるので、もちろん家庭ででも命や自分の身体について教えることも大切ですが、学校からも後押しがあると助かります。

(30代後半・女性・愛知県)

親だけではフォローしきれないので、学校でもそのような時間があることはいい事だと思う。親子間でOKだと思っていた人との距離感が他人はダメだと感じることもあることを知る機会は必要だと思う。

(30代後半・女性・埼玉県)

3.家庭で伝えるのは難しいのでありがたい

3つ目は「家庭で伝えることが難しいテーマなのでありがたい」という回答です。

今の親世代は性教育を受けてきていません。自分が学んでこなかったことを子どもに伝えるのは難しいので、学校で学んでもらえるとありがたいという声が多数あがっていました。また、保護者にも開かれた形で実施してほしいという声もありました。

絶対に生きていく上で必要な知識だし、被害者にも加害者にもならないよう、全員に聴いてほしい知識なので、学校で教えてくれることは非常にありがたい。性教育に関しては、親によって持っている知識に差がありすぎると思うので、学校でもっと踏み込んで教えてほしい。

(40代後半・女性・兵庫県)

私達、親の世代にはなかったものなので、学校で指導してもらえるのはありがたいです。ただ、指導する際に、男女一緒にするのかとか、内容に応じて別々にした方がいいのか、指導者はどのような立場の人間が行うのかなどを考慮し、適切に対処をしていただきたいです。

(50代前半・女性・新潟県)

知識がないために被害者や加害者にさせることは避けなければいけない。そのために必要な教育だと思う。親から子へはこういった教育が大切なことはわかっているけど伝え方がいまいちわからず難しいので学校で教えてもらえるのならありがたいと思う。

(30代後半・女性・千葉県)

なかなか家庭で教えられない部分なので、学校で『自分の身を自分で守る』ことを教えてもらえるのは助かります。また、保護者に向けてもどのような形で性教育を行っていけば良いのか、開けた授業であるとより助かります。

(40代前半・女性・愛知県)

「反対」や「どちらでもない」と回答した人からは、「学校や教員の負担につながるのではないか」という意見や、「子どもたちが知らなかったことまで知らされ、刺激が多すぎないか」という意見があがっていました。性や命についてのセンシティブな学びだからこそ、指導の内容や伝え方を懸念する保護者も多いようです。

<参考資料>
集英社オンライン 子どもたちを性暴力の被害者・加害者・傍観者にしないための「生命の安全教育」とは?【保護者が知らない学校教育】
文部科学省 性犯罪・性暴力対策の強化について
文部科学省 生命(いのち)の安全教育について ~保護者のみなさんへ~

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