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2023.05.27

「壁ドン」「顎クイ」はときめくものなのか。子どもに伝えたい、性犯罪から身を守るための3つのポイント

ここ最近、親にとって気になる話題といえば性犯罪問題。芸能界を揺るがすニュースにもなり、関心を寄せている方も多いのではないでしょうか。今回は、現在国会で審議されている性犯罪の成立要件の見直しの内容をまとめるとともに、親が子に伝えたい「性犯罪から身を守るための3つのポイント」を紹介します。

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性犯罪にまつわる刑法改正案が可決。何がどう変わろうとしている?

2023年5月26日、刑法改正案が衆院法務委員会で可決されました。この改正案には、性犯罪にまつわる刑法を実態に合ったものにすべく審議されていた内容も含まれます。

今回の改正案にはさまざまな変更点が盛り込まれていますが、その中でも子どもたちに大きく関わる内容を2つご紹介します。

1.「強制性交等罪」と「準強制性交等罪」を統合し、「不同意性交等罪」に

これまで性犯罪の成立要件として示されていた内容は、何が当てはまるのか基準が曖昧で、罪が成立せず無罪となる判例が多くありました。

これまでの性犯罪成立要件

  • 強制性交等罪:暴行または脅迫を用いて性交等を強要する
  • 準強制性交等罪:心神喪失若しくは抗拒不能にさせて性交等を強要する

そこで今回は、この2つを統合して「不同意性交等罪」とし、新たに「アルコールや薬物を摂取させること」「恐怖させたり驚がくさせたりすること」「経済的・社会的関係上の地位を利用すること」など8項目が罪の構成要件として挙げられました。

最近芸能ニュースで大きく取り上げられているタレントの性被害は、まさに新設の「経済的・社会的関係上の地位を利用すること」が大きく関わっています。若者や目標を追う人の弱みにつけ込んで性的搾取するのは決して許されることではありません。

明確な要件が示されることで、性暴力がより厳密に罰せられるようになることが期待されています。

2.性交同意年齢を13歳から16歳へ引き上げ

これまで、学校での性教育が十分でなかったにも関わらず、性行為をするかどうかの判断が自分でできるのは13歳からとされており、法律と現実の矛盾が問題視されていました。今回の見直しでは、性交同意年齢を13歳から16歳へ引き上げることが盛り込まれています。

しかしこの変更には「13~15歳の場合は、年の差がプラス5歳以上の相手を処罰対象にする」という条件が加えられています。これは「恋愛による行為が考えられるから」という理由からですが、中高生にとっては1歳でも年齢差がもつ意味は大きく、はっきりと断れないことから「デートDV」などが起こる可能性もあります。

互いの同意を確認してから行為に及ぶということは恋人同士でも当然のことであり、大人の恋愛にも必要なこと。そこに目をつむってしまうのは、性教育の観点から見て疑問が残るところです。

親から子に伝えたい「性犯罪から自分を守る」3つのポイント

性犯罪や性暴力で悪いのは加害者側であることはいうまでもありませんが、こうした被害に遭わないようにするために、親ができることは何でしょうか。性教育の観点から3つのポイントをご紹介します。

1.プライベートゾーンの確認

最近では性教育の「基本のキ」としても扱われるプライベートゾーン。胸や性器、お尻、口などが当てはまります。ここは親や先生であっても勝手に触らせないこと、また、人のプライベートゾーンにも勝手に触ってはいけないことを幼児期から知らせることが重要です。

現在はプライベートゾーンに関わる絵本も多く出版されており、以前よりも親から子に教えやすくなっています。

2.自分の体のことは、自分で決めるということ

次に、自分の体をどうするかは自分で決めるということも知らせたいですね。家族でドラマを見ながら「『壁ドン』『顎クイ』は本当にステキなことなのか」を話し合ってもいいかもしれません。

ある調査では、「パートナーと性行為をしたくないときも、はっきり断れない人が約4割」という結果が出ました。「好きだから断れない」「嫌われるかも」と考えてしまうのも分かりますが、大事なのは自分の心と体。互いにどうしたいのかを言葉で伝え合い、納得できるパートナーシップを築けるようになることが重要です。

3.おかしいと思うことをされたら信頼できる大人に知らせること

子どもの性犯罪のニュースを見ていると「すぐに親に伝えたらよかったのに」と思う方もいるかもしれません。しかし、プライベートゾーンのことを教えられていなかったら? 自分の体のことは自分で決めるという意識がなかったらどうでしょうか? 被害を訴えることはもちろん、被害と認識すらできないのです。

性教育も1つの「安全教育」ととらえ、何でも相談できる親子関係を築けるといいですね。

性犯罪は、私たちが思っている以上に多様なシチュエーションで生活の中に潜んでいます。今こそ親も知識をアップデートして、子どもを守れるようにしていきませんか?

<参考資料>
朝日新聞DIGITAL 刑法改正案、衆院委で可決 「5年後見直し検討」 性犯罪規定
法制審議会刑事法(性犯罪関係)部会第10回会議配布資料
男女共同参画局 薬物やアルコールなどを使用した性犯罪・性暴力に関して
日テレNEWS 【セックスにおけるコミュニケーション調査】“セックスしたくなくても断らない”4割
日テレNEWS タレントのSHELLYさんが国会へ 「同意ない性行為は的確に処罰を」刑法改正案の審議で

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