【2023年度版】国際バカロレアとは|全国の認定校(小中高校)やメリット、注意点を解説

世界に通じる力を子どもに身に付けさせたい。そんな保護者様に注目していただきたいのが“国際バカロレア”です。世界共通の大学受験資格を得られる国際的な教育プログラムのことで、日本でも国際バカロレアの認定校が増えてきています。国際バカロレア認定校ではどんなことを学べるのか、どんなメリットや注意点があるのか、詳しく分かりやすく解説します。
目次
国際バカロレアとは世界共通の教育計画
中学受験から高校受験、そして大学受験サイトでも目にすることの多い「国際バカロレア(IB)」。そもそも、どのような制度であり、どんなことを学ぶプログラムなのでしょうか。ここでは国際バカロレアの概要を解説します。
国際バカロレアの目的とは
国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)とは、ジュネーブに本部を置く国際バカロレア機構が提供する“国際的な教育プログラム”のことを指します。1968年にチャレンジに満ちた総合的な教育プログラムとして下記のような目的で創設されました。
国際バカロレアの創設目的
- 子どもたちが世界の複雑さを理解し、それに対処できるよう育成する。
- 未来に対して責任ある行動をとるための態度、及びスキルを、子どもたちに身に付けさせる。
- 国際的に通用する大学入学資格(国際バカロレア資格)を与え、大学進学へのルートを確保する。
日本では、主に③の大学入学資格の取得を目的で国際バカロレアに注目する人が多いのではないでしょうか。しかし、国際バカロレアは単に勉強すればいいというものではありません。高度な学習の根底には明確な教育方針や育成すべき人物像があるのです。
国際バカロレアの教育方針について
国際バカロレアの教育方針は、以下の通りです。
The International Baccalaureate® aims to develop inquiring, knowledgeable and caring young people who help to create a better and more peaceful world through intercultural understanding and respect.
To this end the organization works with schools, governments and international organizations to develop challenging programmes of international education and rigorous assessment.
These programmes encourage students across the world to become active, compassionate and lifelong learners who understand that other people, with their differences, can also be right.
(日本語訳)
国際バカロレア(IB)は、多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成を目的としています。
この目的のため、IBは、学校や政府、国際機関と協力しながら、チャレンジに満ちた国際教育プログラムと厳格な評価の仕組みの開発に取り組んでいます。
IBのプログラムは、世界各地で学ぶ児童生徒に、人がもつ違いを違いとして理解し、自分と異なる考えの人々にもそれぞれの正しさがあり得ると認めることのできる人として、積極的に、そして共感する心をもって生涯にわたって学び続けるよう働きかけています。
(出典)国際バカロレア機構ホームページ ”Our mission“(リンク先英語)
つまり、国際バカロレアは、世界各国の文化を理解し、多様な考え方を包容力をもって受け止められる人間の育成を目指しています。
また、国際バカロレアでは上記の教育方針をもって国際バカロレアでは、以下のような人物像の育成を目指しています。
- 探究する人
- 知識のある人
- 考える人
- コミュニケーションができる人
- 信念をもつ人
- 心を開く人
- 思いやりのある人
- 挑戦する人
- バランスのとれた人
- 振り返りができる人
特に日本の従来の教育との決定的な違いを表しているのが「心を開く人」という人物像です。
心を開く人
私たちは、自己の文化と個人的な経験の真価を正しく受け止めると同時に、他の人々の価値観や伝統の真価もまた正しく受け止めます。多様な視点を求め、価値を見いだし、その経験を糧 に成長しようと努めます。
(出典)国際バカロレア機構ホームページ「日本におけるIB教育について」 IBの学習者像 (PDF, 283 KB)
国際バカロレア認定校では、“奉仕活動”というプログラムがあり、世界中の恵まれない人々のために現地に赴いてボランティア活動を行います。国境を越えた教育を、実践的に行うことで世界を理解し、世界に向けて心を開く真のグローバリズムをもった人間に育つのです。
国際バカロレア認定校に向いている子どもとは?
国際バカロレア認定校に向いている子どもとはどのような特徴をもっているのでしょうか。実際に子どもを国際バカロレア認定校に通わせている保護者の口コミ情報などを見てみると、以下のような子ども像が浮かび上がってきます。
- 学習意欲が旺盛
成績が良いというより、知識を身に着けることが大好きという子ども。 - 自分を信じている
自分に自信があり、自分を愛することができている子ども。 - 将来海外で活躍したいと考えている
将来のビジョンがあり、そのために国際バカロレアの教育が必要だと理解できている子ども。 - 何でもやってみようという意欲がある
苦手なことでもとりあえずやってみたいと考えることができる子ども。 - 勉強以外に打ち込んでいるものがある
勉強だけに視点を合わせず、余裕をもって周りを見ることができ、趣味をもつことができる子ども。 - 自立心がある
常に大人の言うことに従ってばかりではなく、自分の考えをもって行動を起こせる子ども。 - ポジティブで主体性がある
すぐに「やりたくないことをやらされている」と思うのではなく、「本当はやりたくないことからでも何か吸収しよう」とする意欲がある子ども。
以上に当てはまるところが多い場合、国際バカロレア認定校での教育プログラムに、楽しみながらついていけかもしれません。

国際バカロレアの年齢別教育プログラム
そんな高い意識をもった国際バカロレアのカリキュラムは、年齢に応じて4つのプログラムに分けられています。
初等教育プログラム(PYP)3~12歳
日本の教育でいえば、幼稚園から小学生くらいの年齢の子どもに行う教育プログラム。精神と身体の両方を成長させることを目的にしています。
中等教育プログラム(MYP)11~16歳
日本の教育でいえば、中学生向けの教育プログラム。PYPで学習してきたことを、実際に社会と結ばせることを目的としています。
ディプロマプログラム(DP)16~19歳
大学進学を目指す高校生向けの教育プログラム。将来の大学進学に直結している教育プログラム。国際バカロレア教育の総決算ともいえるプログラムです。こちらのプログラムを終了して試験に合格すると国際的に認められる大学入学資格を得ることが出来ます。
キャリア関連プログラム(CP)16~19歳
卒業後に就職を目指す高校生向けのプログラム。一生涯のキャリア形成に役立つスキルを習得することを重視した、キャリアおよび職業教育プログラムが組まれています。
また、以上のプログラムを実施しているのが世界159以上の国にあるおよそ5500校の認定校。4つのプログラムのうち、いずれかを導入している学校です。次の章では、日本全国にある国際バカロレア認定校について解説します。

国際バカロレアの認定校は全国に207校
「国際バカロレア」認定校は日本にもあり、令和5年3月末時点で207校。そのうち国際的な大学入学資格を得られるDPの認定校は67校です。
ただし、日本の認定校207校のうち学校教育法第1条に規定されている学校(一条校)は73校、それ以外は文科省管轄外の教育施設という扱いになっています。
なぜ国際バカロレア認定校が増えたのか
そんな国際バカロレア認定校は現在、日本では、下記のような理由で増加傾向にあります。
理由①日本が目指す教育方針と合致する
実は、国際バカロレアの教育理念は、日本の学習指導要領が目指す教育と合致するところが多くあるため。文科省は新学習指導要領において思考力、判断力、表現力、人間性、社会や世界との関わりなどを重視しており、国際バカロレアが目指す教育目標と重なっている部分が多くあることが分かります。
理由②グローバル人材の育成に適している
日本が目指すグローバルな人材育成の一つのツールとして、国際バカロレア認定校の教育プログラムが適していると考えられているため。
さらに、日本政府が国際バカロレア認定校を、2018年までに200校にすることを目標に掲げていたことも挙げられます。
また、国際バカロレアの教育プログラムは、“英語などの外国語で行うこと”とされているものが多く、それだけの語学力を持つ教員がなかなかいないということが課題でした。ですが、現在は、一部授業で日本語が認められるようになり、認定校設置のハードルはやや下がっています。
教員不足が課題│今後解消されるか
しかし、国際バカロレア認定校の教員不足の課題は、語学力だけではありません。国際バカロレアの教育理念をしっかり理解でき、なおかつ日本の教員免許を持っている人材を探すとなるとかなり絞られてしまうのです。人材確保が日本における国際バカロレア認定校増加のカギになるのかもしれません。

日本の国際バカロレア認定校一覧
前述のとおり、2023年3月31日現在、日本にある認定校は207校*です。そのうち、文科省管轄の一条校(学校教育法第1条に規定されている学校。小学校・中学校・高校の卒業資格がもらえる学校)である73校を導入プログラム別に紹介していきましょう。
(参考・出典)文部科学省IB教育推進コンソーシアム 認定校・候補校
国際バカロレア認定校等数:207校(令和5年3月31日時点)
PYP 認定校 59校 候補校 31校
MYP 認定校 34校 候補校 11校
DP 認定校 67校 候補校 5校
*上記はIB認定校等を学校・プログラム単位で数えたものであり、IB機構が公表している校数とは異なる
PYP
宮城県
ホライゾン学園仙台小学校
茨城県
開智望小学校
東京都
町田こばと幼稚園
長野県
若草幼稚園
京都府
同志社国際学院初等部
広島県
英数学館小学校
高知県
香美市立大宮小学校
MYP
北海道
市立札幌開成中等教育学校
茨城県
開智望中等教育学校
東京都
開智日本橋学園中学校
玉川学園中学部
東京学芸大学附属国際中等教育学校
奈良県
育英西中学校
岡山県
朝日塾中等教育学校
DP
茨城県
茗渓学園高等学校
埼玉県
浦和学院高等学校
さいたま市立大宮国際中等教育学校
昌平高等学校
筑波大学附属坂戸高等学校
東京都
開智日本橋学園高等学校
玉川学園高等部
東京学芸大学附属国際中等教育学校
東京都立国際高等学校
武蔵野大学附属千代田高等学院
神奈川県
神奈川県立横浜国際高等学校
法政大学国際高等学校
三浦学苑高等学校
長野県
インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢
松本国際高等学校
岐阜県
帝京大学可児高等学校
滋賀県
滋賀県立虎姫高等学校
京都府
立命館宇治高等学校
大阪府
大阪国際高等学校
大阪女学院高等学校
大阪府立水都国際高等学校
近畿大学附属高等学校
兵庫県
AIE国際高等学校
広島県
AICJ高等学校
英数学館高等学校
広島県立広島叡智学園高等学校
鳥取県
鳥取県立倉吉東高等学校
高知県
高知県立高知国際高等学校
沖縄県
沖縄尚学高等学校
上記の学校以外のインターナショナルなども含めた全認定校は、こちらでチェックしてみてくださいね。

国際バカロレアの認定校に通うメリット
ここまで、国際バカロレアの概要や認定校について説明してきましたが、実際に国際バカロレア認定校に通うとどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
メリット①:海外の学校へ進学しやすい
最も明確なメリットが、国際バカロレア(DP)を取得すれば、海外の大学へ進学しやすくなるということです。
イギリスやシンガポールではほぼすべての大学、オーストラリア、ニュージーランド、香港では過半数の大学、カナダでも比較的多くの大学が、国際バカロレアを大学入学資格として認めています。
一方で、アメリカの大学では、国際バカロレアを高校卒業資格として認めてはいるものの、大学入学資格として認めていないところがほとんどです。そのため、国際バカロレアを取得しているだけでなく、加えてSAT、ACTなどの学力テストを受験しなければ出願することができません。
国際バカロレアは、すべての国に通用するわけではありませんが、海外への進学を考えているのであれば大きな武器の一つになるはずです。
メリット②:国内の大学入試、入学後の単位振替にも有利
国際バカロレアを取得していれば、実は、国内の大学入試でも有利に働くことがあります。
2023年3月時点、以下の大学が、国際バカロレアのスコアを利用した入学試験を実施しています。
都道府県 | 大学名 | 国公私の区別 |
北海道 | 北海道大学 | 国立 |
宮城県 | 東北大学 | 国立 |
東北福祉大学 | 私立 | |
秋田県 | 秋田大学 | 国立 |
国際教養大学 | 公立 | |
福島県 | 会津大学 | 公立 |
茨城県 | 筑波大学 | 国立 |
栃木県 | 国際医療福祉大学 | 私立 |
群馬県 | 群馬大学 | 国立 |
埼玉県 | 東京国際大学 | 私立 |
日本工業大学 | 私立 | |
武蔵野学院大学 | 私立 | |
千葉県 | 明海大学 | 私立 |
東京都 | 青山学院大学 | 私立 |
お茶の水女子大学 | 国立 | |
慶應義塾大学 | 私立 | |
工学院大学 | 私立 | |
国際基督教大学 | 私立 | |
芝浦工業大学 | 私立 | |
順天堂大学(医学部・国際教養学部) | 私立 | |
上智大学 | 私立 | |
創価大学 | 私立 | |
玉川大学 | 私立 | |
多摩美術大学 | 私立 | |
中央大学 | 私立 | |
東京医科歯科大学 | 国立 | |
東京外国語大学 | 国立 | |
東京学芸大学 | 国立 | |
東京藝術大学 | 国立 | |
東京大学 | 国立 | |
東京都市大学 | 私立 | |
東京都立大学 | 公立 | |
東京理科大学 | 私立 | |
東洋大学 | 私立 | |
日本獣医生命科学大学 | 私立 | |
日本体育大学 | 私立 | |
ビジネス・ブレークスルー大学 | 私立 | |
法政大学 | 私立 | |
武蔵野大学 | 私立 | |
武蔵野美術大学 | 私立 | |
明治学院大学 | 私立 | |
明治大学 | 私立 | |
立教大学 | 私立 | |
早稲田大学 | 私立 | |
神奈川県 | 横浜市立大学 | 公立 |
石川県 | 金沢大学 | 国立 |
山梨県 | 都留文科大学 | 公立 |
長野県 | 松本歯科大学 | 私立 |
愛知県 | 愛知医科大学 | 私立 |
中京大学 | 私立 | |
名古屋大学 | 国立 | |
京都府 | 京都外国語大学 | 私立 |
京都工芸繊維大学 | 国立 | |
京都大学 | 国立 | |
同志社大学 | 私立 | |
立命館大学 | 私立 | |
大阪府 | 大阪公立大学 | 公立 |
大阪大学 | 国立 | |
関西医科大学 | 私立 | |
関西大学 | 私立 | |
近畿大学 | 私立 | |
兵庫県 | 関西学院大学 | 私立 |
神戸女学院大学 | 私立 | |
兵庫県立大学 | 公立 | |
岡山県 | 岡山大学 | 国立 |
岡山理科大学 | 私立 | |
倉敷芸術科学大学 | 私立 | |
広島県 | 叡啓大学 | 公立 |
広島修道大学 | 私立 | |
広島大学 | 国立 | |
香川県 | 香川大学 | 国立 |
福岡県 | 九州工業大学 | 国立 |
九州大学 | 国立 | |
西南学院大学 | 私立 | |
長崎県 | 長崎大学 | 国立 |
大分県 | 立命館アジア太平洋大学 | 私立 |
鹿児島県 | 鹿児島大学 | 国立 |
沖縄県 | 琉球大学 | 国立 |
海外の大学へ留学するつもりはなく、国内大学への進学を考えていたとしても、国際バカロレアを活用することはできるということです。
メリット③:独自のプログラムで表現力が磨かれる
PYPには、日本語に訳すと “探求”となる授業があり、カリキュラムのひとつに“自己紹介をする”という内容があります。
子どもたちは、自分を表現していると思うものを家から5つ持参し、クラスメイトと見せ合い、「自分という人間がどんな人間なのかを周囲に知ってもらうためには、いったいどうしたらいいのか」と、お互いにアイデアを出し合います。
歌う・踊る・描くなど、自己表現の方法について、友だちと話し合うのです。
美術や体育、音楽の授業でも「私たちはどのように自分を表現するのか」ということを念頭に置いて、カリキュラムが進められていきます。
“自己表現術”を、様々な教科を通じて、何度も学び、創造していくことで自分の考えを人に伝える表現力が身に付いていくのです。
メリット④:グローバルな視点をもちやすい
国際バカロレア認定校で学ぶと、英語などの外国語を使った授業が多いため、当然、語学力がアップします。
ほかにも国際バカロレア認定校では、教科の枠にとらわれない学びを採用しています。教科を超えて自己、地域、国、世界の成り立ちなどについて科学的に学んでいくことで国際的な考えや視点をもつころができるようになるのです。

国際バカロレア認定校の7つの注意点
国際バカロレアの理念に基づいた学校で学べることは素晴らしいことです。しかし、認定校に入ることが必ずしもメリットになるわけではありません。日本にいながらにして国際的な人材になりたいという高い志をもつ子どもにとっては、国際バカロレアの修了資格取得を目指し、認定校に通うことはモチベーションの維持につながるかもしれませんが、実際は苦労することも多いようです。
ここでは国際バカロレア認定校を選ぶ際の注意点について解説します。
注意点①:学費が高い
現在、日本国内にある国際バカロレア認定校には、公立校もありますが、圧倒的に私立校、インターナショナルスクールが多く、学費は高額になります。
注意点②:文部科学省が定める一条校ではないものがある
国際バカロレア認定を受けている学校であっても、いわゆるインターナショナルスクールは、「日本の正規の学校(いわゆる一条校)」と認められているところが少ないため、高校卒業資格を得ることが出来ません。そのため、国内外の大学に進学するためには、新たに試験を受けて日本の高卒資格を得るか、インターナショナルスクールを通常の高卒資格と同等であると認めている大学を選ぶ必要があります。
注意点③:膨大な学習量で精神的な負担が大きい
国際バカロレア認定校での学習は、学年が上がるにつれて難しくなっていき課題も大量に課せられます。さらに、英語での授業が多いので、日本語を母国語とする子どもには理解が難しい時があります。
結果として、勉強に追われる毎日になってしまい、フラストレーションが溜まってしまうおそれもあります。
注意点④:認定校が少なく、都市部に集中している
国内の国際バカロレア認定校は、都市圏に集中している傾向があります。そのため前表のとおり、設置されていない県もあります。近隣に認定校が無いため、なかには新幹線通学をしているご家庭もあるとのこと。しかし一部のインターナショナルスクールでは、この通学にかかる定期券で学割が適用されないケースもあるようです。
注意点⑤フランスのバカロレアとは別もの
国際バカロレアと混乱しがちなのが、フランスの高等学校教育の修了を認証する国家試験「バカロレア」です。名前はほぼ一緒ですが、国際バカロレアとフランスのバカロレアは一切関係ないため注意が必要です。

注意点⑥高校でDPのみの取得は勉強がハードになる
国際バカロレア認定校に通うには、3つのパターンがあります。
- PYPから通う(小学校から高校まで)
- MYPから通う(中学校から高校まで)
- DPのみ通う(高校のみ)
勉強のハードさからいえば、③→②→①の順番になるようです。
特に、③の高校に該当するDPから受講する場合、国際バカロレアの勉強法に慣れていないため面食らってしまい、まずそのやり方に馴染むことに時間を注がなければいけません。さらに、学校の授業や課題に必死になり、通常の大学入試対策の勉強とは全く異なる内容のため国内大学の一般入試のための受験勉強時間を取ることが非常に難しいと考えていた方がよいでしょう。
国際バカロレア修了資格が入学に有効な大学を目指しているならばDPのみ受講することも有効ですが、そうではない場合、考え直したほうが良い場合もあります。
注意点⑦進路や将来については未知数
国際バカロレア認定校を卒業した人が、どのような進路に進み、社会でどう実力を生かしているのかは、まだ統計が取られていません。当然のことながら、実際に苦労して修了資格を得たとして、絶対的な成功や安定した将来像が確約されているとはいえません。「なんだかかっこいい」「将来役立って、いい会社に入れそう」など、古い価値観で安易に認定校を選ぶと、期待と違っていた…と感じてしまうかもしれません。
まとめ
この記事では、国際バカロレアとは何か、日本における国際バカロレア認定校の紹介、国際バカロレア認定校を目指す際の注意点について解説しました。
グローバル化に伴い、日本でも国際バカロレア認定校が増えています。幅広い視野を持ち、自分で考え、人生を切り開いてく力をもっている国際バカロレア修了資格取得者には、未知数の可能性が広がっているはずです。グローバル社会に貢献できる人間になりたいという意思があり、国際バカロレアの教育プログラムに共感を持てる場合は、ぜひ、進路の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。
(参考資料)文部科学省 IB教育推進コンソーシアム:IBリンク集

教育に関する有識者の皆さまと一緒に、子を持つお父さん・お母さんでもある「ソクラテスのたまご」編集部のメンバーが、子どものために大人が知っておきたいさまざまな情報を発信していきます。