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2020.06.24
2020.08.22

国際バカロレアって何?全国の認定校(小中高校)やメリット・デメリットを分かりやすく解説

世界に通じる力を子どもに身に付けさせたい。そう願う保護者にこそ知ってほしい教育系キーワードが“国際バカロレア”です。中学、高校、大学入試で目にする機会も多い国際バカロレアとは、世界共通の大学受験資格を得られる国際的な教育プログラムのこと。日本でも国際バカロレアの認定校が増えてきていますが、国際バカロレアとは、どんなことを学び、どんなメリット・デメリットがあるのか詳しく解説していきます。

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国際バカロレアとは世界共通の国際教育プログラム

中学受験から高校受験、そして大学受験サイトでも目にすることの多い「国際バカロレア(IB)」。そもそも、どんなことを学ぶプログラムなのでしょうか。

国際バカロレアの目的とは

国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)とは、ジュネーブに本部を置く国際バカロレア機構が提供する“国際的な教育プログラム”のことを指します。1968年にチャレンジに満ちた総合的な教育プログラムとして下記のような目的で創設されました。

国際バカロレアの創設目的

  1. 子どもたちが世界の複雑さを理解し、それに対処できるよう育成する。
  2. 未来に対して責任ある行動をとるための態度、及びスキルを、子どもたちに身に付けさせる。
  3. 国際的に通用する大学入学資格(国際バカロレア資格)を与え、大学進学へのルートを確保する。

日本では、主に③の大学入学資格の取得を目的で国際バカロレアに注目する人が多いのではないでしょうか。しかし、国際バカロレアは単に勉強すればいいというものでもありません。高度な学習の根底には明確な教育方針や育成すべき人物像があるのです。

国際バカロレアの教育方針について

国際バカロレアの教育方針は、以下の通りです。

国際バカロレア(IB)は、多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成を目的としています。

この目的のため、IBは、学校や政府、国際機関と協力しながら、チャレンジに満ちた国際教育プログラムと厳格な評価の仕組みの開発に取り組んでいます。

IBのプログラムは、世界各地で学ぶ児童生徒に、人がもつ違いを違いとして理解し、自分と異なる考えの人々にもそれぞれの正しさがあり得ると認めることのできる人として、積極的に、そして共感する心をもって生涯にわたって学び続けるよう働きかけています。

 引用:国際バカロレア公式ガイドブック

つまり、国際バカロレアは、世界各国の文化を理解し、多様な考え方を包容力をもって受け止められる人間の育成を目指しています。

また、以上のような教育方針をもって国際バカロレアでは、以下のような人物像の育成を目指しています。

  • 探究する人
  • 知識のある人
  • 考える人
  • コミュニケーションができる人
  • 信念をもつ人
  • 心を開く人
  • 思いやりのある人
  • 挑戦する人
  • バランスのとれた人
  • 振り返りができる人

特に日本の従来の教育との決定的な違いを表しているのが「心を開く人」という人物像です。

心を開く人

私たちは、自己の文化と個人的な経験の真価を正しく受け止めると同時に、他の人々の価値観や伝統の真価もまた正しく受け止めます。多様な視点を求め、価値を見いだし、その経験を糧 に成長しようと努めます。

 引用:国際バカロレア公式ガイドブック

国際バカロレア認定校では、“奉仕活動”というプログラムがあり、世界中の恵まれない人々のために現地に赴いてボランティア活動を行うのです。国境を越えた教育を、実践的に行うことで世界を理解し、世界に向けて心を開く真のグローバリズムをもった人間に育つのです。

国際バカロレアの年齢に応じた4つの教育プログラム

 そんな高い意識をもった国際バカロレアのカリキュラムは、年齢に応じて4つのプログラムに分けられています。

初等教育プログラム(PYP)3~12歳

日本の教育でいえば、幼稚園から小学生くらいの年齢の子どもに行う教育プログラム。精神と身体の両方を成長させることを目的にしています。

中等教育プログラム(MYP)11~16歳

日本の教育でいえば、中学生向けの教育プログラム。PYPで学習してきたことを、実際に社会と結ばせることを目的としています。

ディプロマプログラム(DP)16~19歳

大学進学を目指す高校生向けの教育プログラム。将来の大学進学に直結している教育プログラム。国際バカロレア教育の総決算ともいえるプログラムである。こちらのプログラムを終了して試験に合格すると国際的に認められる大学入学資格を得ることが出来ます。

キャリア関連プログラム(CP)16~19歳

卒業後に就職を目指す高校生向けのプログラム。一生涯のキャリア形成に役立つスキルを習得することを重視した、キャリアおよび職業教育プログラムが組まれています。

また、以上のプログラムを実施しているのが世界153以上の国にあるおよそ5000校の認定校。4つのプログラムのうち、いずれかを導入している学校です。

世界水準の教育が受けられる日本の認定校は83校

「国際バカロレア」認定校は日本にもあり、令和2年4月時点で83校。そのうち国際的な大学入学資格を得られるDPの認定校は51校です。また、東京都にある「K.インターナショナルスクール東京」は、世界に約5000校ある国際バカロレア認定校の中で成績トップ50に入る優秀校なんですよ。

ただし、日本の認定校83校のうち学校教育法第1条に規定されている学校(一条校)は44校、以外は文科省管轄外の教育施設という扱いになっています。

なぜ国際バカロレア認定校が増えたのか

そんな国際バカロレア認定校ですが、日本では、下記のような理由で増加傾向にあります。

理由① 日本が目指す教育方針と合致する

実は、国際バカロレアの教育理念は、日本の学習指導要領が目指す教育と合致するところが多くあるため。文科省は新学習指導要領において思考力、判断力、表現力、人間性、社会や世界との関わりなどを重視しており、国際バカロレアが目指す教育目標と重なっている部分が多くあることが分かります。

理由② グローバル人材の育成に適している

日本が目指すグローバルな人材育成の一つのツールとして、国際バカロレア認定校の教育プログラムが適していると考えられているため。

さらに、日本政府が国際バカロレア認定校を、2018年までに200校にすることを目標を掲げていたことも挙げられます。

課題は圧倒的な教員不足

しかし、日本政府の思惑に反して令和2年現在、認定校は83校しかありません。日本政府はなぜ、認定校を増加することができなかったのでしょうか。

その理由は、圧倒的な教員不足です。

国際バカロレアの教育プログラムは、“英語などの外国語で行うこと”とされているものが多く、それだけの語学力を持つ教員がなかなかいませんでした。さらに、国際バカロレアの教育理念をしっかり理解でき、なおかつ日本の教員免許を持っている人材を探すとなるとかなり絞られてしまうのです。

現在は、一部授業で日本語が認められるようになり、認定校設置のハードルはやや下がったため、今後さらに増加していくことも考えられます。

日本の国際バカロレア認定校一覧

では、日本に83校ある認定校のうち、文科省管轄の一条校(小学校・中学校・高校)を導入プログラム別に紹介していきましょう。

PYP

茨城県
開智のぞみ小学校

神奈川県
聖ヨゼフ学園小学校

山梨県
山梨学院小学校

岐阜県
サニーサイドインターナショナルスクール

静岡県
静岡サレジオ小学校

京都府
同志社国際学院初等部

PYP・DP

広島県
英数学館小・中・高等学校

MYP

宮城県
秀光中等教育学校

大阪府
大阪教育大学附属池田中学校

DP

茨城県
茗渓学園高等学校

群馬県
ぐんま国際アカデミー

埼玉県
筑波大学附属坂戸高等学校

東京都
東京都立国際高等学校
武蔵野大学附属千代田高等学院

神奈川県
神奈川県立横浜国際高等学校
法政大学国際高等学校
三浦学苑高等学校

山梨県
山梨学院高等学校
山梨県立甲府西高等学校

長野県
ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン
松本国際高等学校

愛知県
名古屋国際中学校・高等学校
東海学園高校

滋賀県
滋賀県立虎姫高等学校

京都府
立命館宇治中学校・高等学校

大阪府
大阪女学院高等学校
大阪市立水都国際中学校・高等学校

兵庫県
AIE国際高等学校

岡山県
岡山理科大学附属高等学校

広島県
AICJ高等学校

福岡県
リンデンホールスクール中高学部
福岡第一高等学校

沖縄県
沖縄尚学高等学校

MYP・DP

北海道
市立札幌開成中等教育学校

宮城県
仙台育英学園高等学校

埼玉県
昌平中学校・高等学校

東京都
開智日本橋学園中学・高等学校
玉川学園中学部・高等部

静岡県
加藤学園暁秀中学校・高等学校

上記の学校以外にもインターナショナルなども含めた全認定校は、こちらでチェックしてみてくださいね。

国際バカロレアの認定校に通うメリット、デメリット

ここまで、国際バカロレアの概要や認定校について説明してきましたが、実際に国際バカロレア認定校に通うとどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

メリット①:海外の学校へ進学しやすい

最も明確なメリットが、国際バカロレア(DP)を取得すれば、海外の大学へ進学しやすくなるということです。

イギリスやシンガポールではほぼすべての大学、オーストラリア、ニュージーランド、香港では過半数の大学、カナダでも比較的多くの大学が、国際バカロレアを大学入学資格として認めています

一方で、アメリカの大学では、国際バカロレアを高校卒業資格として認めてはいるものの、大学入学資格として認めていないところがほとんどです。そのため、国際バカロレアを取得しても、加えてSAT、ACTなどの学力テストを受験しなければ出願することができません。

国際バカロレアは、すべての国に通用するわけではありませんが、海外への進学を考えているのであれば大きな武器の一つになるはずです。

メリット②:国内の大学入試、入学後の単位振替にも有利

国際バカロレアを取得していれば、実は、国内の大学入試でも有利に働くことがあります。

現在、以下の大学が、国際バカロレアのスコアを利用した入学試験を実施しています。

海外の大学へ留学するつもりはなく、国内大学への進学を考えていたとしても、国際バカロレアを活用することはできるということです。

メリット③:独自のプログラムで表現力が磨かれる

PYPには、日本語に訳すと “探求”となる授業があり、カリキュラムのひとつに“自己紹介をする”という内容があります。

子どもたちは、自分を表現していると思うものを家から5つ持参し、クラスメイトと見せ合い、「自分という人間がどんな人間なのかを周囲に知ってもらうためには、いったいどうしたらいいのか」と、お互いにアイデアを出し合います。

歌う・踊る・描くなど、自己表現の方法について、友だちと話し合うのです。

美術や体育、音楽の授業でも「私たちはどのように自分を表現するのか」ということを念頭に置いて、カリキュラムが進められていきます。

“自己表現術”を、様々な教科を通じて、何度も学び、創造していくことで自分の考えを人に伝える表現力が身に付いていくのです。

メリット④:グローバルな視点をもちやすい

国際バカロレア認定校で学ぶと、英語などの外国語を使った授業が多いため、当然、語学力がアップします。

ほかにも国際バカロレア認定校では、教科の枠にとらわれない学びを採用しています。教科を超えて自己、地域、国、世界の成り立ちなどについて科学的に学んでいくことで国際的な考えや視点をもつころができるようになるのです。

しかし、国際バカロレアはメリットしかないわけではありません。次はデメリットについて、紹介していきましょう。

デメリット①:学費が高い

現在、日本国内にある国際バカロレア認定校には、公立校もありますが、圧倒的に私立校、インターナショナルスクールが多く、学費は高額になります。

さらに、インターナショナルスクールは、日本の正規の学校(いわゆる1条校)と認められているところが少ないため高校卒業資格を得ることが出来ませんそのため、国内外の大学に進学するためには、新たに試験を受けて日本の高卒資格を得るか、インターナショナルスクールを通常の高卒資格と同等であると認めている大学を選ぶ必要があります。

デメリット②:膨大な学習量で精神的な負担が大きい

国際バカロレアの学習は、学年が上がるにつれて難しくなっていき課題も大量に課せられます。さらに、英語での授業が多いので、日本語を母国語とする子どもには理解が難しい時があります。

結果として、勉強に追われる毎日になってしまい、フラストレーションが溜まってしまうこともあるのだとか。

デメリット③:認定校が少ない

 国内の国際バカロレア認定校は、都市圏に集中しているため存在していない県もあります

なかには、新幹線通学をしている家庭もあるようですが、一部のインターナショナルスクールでは、定期券で学割が適用されないケースもあるようです。

中学・高校受験で認定校を選ぶなら考えたいこと

 日本にいながらにして国際的な人材になりたいという高い志をもつ子にとって国際バカロレアの取得を目指し、認定校に通うことはモチベーションの維持につながるかもしれません。しかし、実際は苦労することも多いようです。

国際バカロレア認定校に向いている子とは?

実際に子どもを国債バカロレア認定校に通わせている保護者の口コミ情報などを見てみると、以下のような子ども像が浮かび上がってきました。

  • 学習意欲が旺盛

成績が良いというより、知識を身に着けることが大好きという子ども。

  • 自分を信じている

自分に自信があり、自分を愛することができている子ども。

  •  将来海外で活躍したいと考えている

将来のビジョンがあり、そのために国際バカロレアの教育が必要だと理解できている子ども。

  • 何でもやってみようという意欲がある

苦手なことでもとりあえずやってみたいと考えることができる子ども。

  • 勉強以外に打ち込んでいるものがある

勉強だけに視点を合わせず、余裕をもって周りを見ることができ、趣味をもつことができる子ども。

  • 自立心がある

常に大人の言うことに従ってばかりではなく、自分の考えをもって行動を起こせる子ども。

  • ポジティブで主体性がある

すぐに「やりたくないことをやらされている」と思うのではなく、「本当はやりたくないことからでも何か吸収しよう」とする意欲がある子ども。

以上に当てはまるところが多い場合、国際バカロニア認定校での教育プログラムに楽しみながらついていけかもしれません。

高校でDPのみの取得は勉強がハード

国際バカロレア認定校に通うには、3つのパターンがあります。

  1. PYPから通う(小学校から高校まで)
  2.  MYPから通う(中学校から高校まで)
  3.  DPのみ通う(高校のみ)

勉強のハードさからいえば、③→②→①の順番になるようです。

特に、③の高校からDPを受講する場合、国際バカロレアの勉強法に慣れていないため面食らってしまい、まずそのやり方に馴染むことに時間を注がなければいけません。さらに、学校の授業や課題に必死になり、通常の大学入試対策の勉強とは全く異なる内容のため国内大学の一般入試のための受験勉強時間を取ることが非常に難しいと考えていた方がよさそうです。

国際バカロレアが有効な大学を目指しているならばDPのみ受講することも有効ですが、そうではない場合、考え直したほうが良い場合もあります。

進路については未知数

国際バカロレア認定校を卒業した人が、どのような進路に進み、社会でどう実力を生かしているのかは、まだ統計が取られていません。

ですが、幅広い視野を持ち、自分で考え、人生を切り開いてく力をもっている国際バカロレア取得者には、未知数の可能性が広がっているはずです。

グローバルな人間になりたい、国際バカロレアの教育に共感を持てる場合は、ぜひ、進路の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。

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