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2022.04.21

「友達の作り方を知りたい!」と子どもに言われたら?アドバイスの仕方を元小学校教師が教えます

「友達の作り方が分からない」「友達ができるか心配」そんな悩みを抱える小学生のわが子にアドバイスをしてあげたい。でも、何をどうやって伝えたらいいの? 友達の作り方をどうサポートしたらいいか悩む小学生ママに向けて、元小学校教師の高村ミチカさんが伝えるコツとポイントを紹介します。

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友達の作り方に悩む小学生は多い

「友達ができない…」「友達ができるか不安」「友達ってどうやって作るの?」子どもから、”友達作りが苦手”と相談されると保護者も悩んでしまいますよね。せっかくなら友達をたくさん作って、楽しい学校生活を送ってほしいと願うことでしょう。

実際に、個人面談でも「うちの子、友達と遊んでいますか?」「友達がいないんじゃないかと心配で…」と、友達関係について相談をされる保護者は少なくありませんでした。

特に年度始めは、「クラス替えで仲の良い友達と離れてしまった」「新しいクラスで、どうやって友達を作ったらいいか分からない」と悩む子どもが多くいます。小学生が「友達の作り方」に悩むことは、決して珍しいことではないのです。

友達ができないのは親のせいじゃない

中には、「私の引っ込み思案な性格が似てしまったのかも」と、子どもに友達ができないのは自分のせいではないかと責めてしまっている保護者もいるかもしれません。

ですが、子どもに友達ができないのは、親のせいではありません。親子なので、もちろん親に似ているところはあると思います。しかし、親と子は違う人間ですので、性格・考え方が全く同じということはありえません

「うちの子は、私に似て、友達作りが苦手で…」と自分を責めてしまう前に、子どもが何に悩んでいるのかに耳を傾けることが大切です。

例えば「友達の作り方を知りたい」と相談してきても、子ども自身は友達がいないことに対して寂しいと思っておらず、「今は一人になりたい気分」「友達は少なくてもいい」と考えているのかもしれません。もしくは、相談したのは友達がいないからではなく、「あまり仲良くない友達にも話しかけたい」と積極的に友達を増やそうとしている可能性もあります。

このように、子どもが考えることは親が考える範疇を超えることがあります。まずは子ども自身が「どうしたい」と思っているのかを聞いてみるようにしましょう。

また、「私にママ友がいないので、子どもの交友関係が広がらないのかも」と話すママもいますが、ママ同士が仲が良いからといって、子ども同士が仲良くなれるとは限りません。ママ同士は気が合うけれど、子ども同士は気が合わないということも。大人の関係を子どもの関係と無理矢理結びつけなくていいのです。

友達は早く・たくさんじゃなくていい

誰にでもすぐ話しかけることができて、社交的。友達を作るのが得意なタイプの子を見て、「うらやましい」と感じてしまうことはありませんか?

一方で、受け身で引っ込み思案、自分から輪に入っていけないわが子は「大丈夫だろうか?」と、不安になってしまうこともあるかもしれませんね。

不安のあまり、「友達はできた?」「今日は誰と遊んだの?」などと聞いてばかりいると、子どもも焦ってしまいます。「友達ができない自分が悪い」「みんなと仲良く慣れないのは自分のせいだ」と自分を責めてしまうことにもつながりかねません。

「そのうち気の合う友達ができればいいね」くらいのスタンスでいましょう。席替えや行事などがきっかけで、意外な子と友達になることもよくあります。

5月の面談で、「クラス替えで仲の良い子と離れてしまい、休み時間はほかのクラスに行っているって聞いて…」という相談をよく聞きました。しかし、そういう子もいつの間にかクラスで仲の良い友達ができているものです。

授業で行われるグループ活動、クラスのお楽しみ会、係活動、たてわりグループなど、学校ではいろんなコミュニティに属することになります。一緒に活動をする時間を積み重ねていくことが、気の合う友達を見つけるきっかけになるはずです。

気になる場合には、担任にこっそり相談しておくのもいいでしょう。気が合いそうな子をグループのメンバーに入れてくれたり、仲間作りのアクティビティを取り入れたりするなど配慮をしてくれる場合もあります。

また、「うちの子、友達が少なくて…」と相談される方もいらっしゃいますが、そもそも子どもの話す”友達の数”は当てになりません。同じクラスの人をみんな”友達”と呼ぶ子どももいれば、本当に気が合う人だけを”友達”と呼ぶ子どももいます。子どもによって概念が全然違うのです。

大切なのは、「友達は早くできた方がいい」「友達はたくさんいた方がいい」という大人の考えを押し付けないこと。友達はたくさんいればいいわけではないし、早くできればいいというものでもありません。

小学生の友達の作り方、4つのコツとは

では、「友達がほしいけれど、どうやって仲良くなったらいいか分からない」「声をかけたいけれど、なんて言ったらいいんだろう?」と子どもが悩んでいるときには、どんなアドバイスをしたら良いのでしょうか。小学生の友達の作り方のコツをお伝えします。

【コツ①】あいさつはきっかけを作る第一歩

明るく元気なあいさつは、友達作りの第一歩になります。

ポイントは、「〇〇さん、おはよう!」と名前を入れてあいさつすること。名前を入れることで、相手に印象を残すことができます。さらに、「次からなんて呼んだらいい?」と名前の呼び方を聞いてみると、親しみがアップします。

また、子どもは、一緒にいて安心できるか、信頼できるかを無意識のうちに判断してます。そのため、「ありがとう」や「ごめんね」を素直に言うことも大切です。

【コツ②】席の近い子、グループが一緒の子に声をかける

友達作りのパターンとして意外と多いのが、「たまたま席が近かった」「出席番号が隣だった」というもの。

一緒にいる時間が長ければ、自然と友達になりやすくなります。給食や掃除の時間、授業でのグループ活動など、話すきっかけはたくさんあります。

とにかくみんなでワイワイしたいタイプであれば、いきなり「友達になろう」と声をかけるのもいいでしょう。

一方、慎重に見極めて行動したいタイプであれば、少し様子を見るのも良いかもしれません。一緒に活動をする中で、気が合うなと感じたら、「友達になろう」と声をかけてみるといいでしょう。

【コツ③】好きなことが似ている子に声をかける

友達作りで一番多いパターンが、好きなことや趣味が似ているということ。

新学期、まずはクラスメイトの自己紹介をよく聞いてみましょう。多くの場合、「好きな◯◯は〜」と、好きなことやものを紹介すると思います。

趣味が似ていたり、習い事が一緒だったりするなど、共通項がある人に声をかけてみましょう。

また、教室に掲示されている自己紹介カードを見てみると、意外な人との共通点に気付くかもしれません。

好きなことであれば、「はじめまして」の人でも話しかけやすいはず。まずは、似ているところはないかを探してみるといいでしょう。

休み時間の過ごし方も参考になります。外に出て遊びにいくタイプか、図書室でのんびり過ごすタイプか、教室でおしゃべりするタイプなのか。自分と似ているタイプの子を探してみて、声をかけてみると、友達作りのきっかけになるはずです。

【コツ④】「すごい!」と思うところを褒める

「あの子と友達になりたい!」と思う理由の一つに、「授業中のハッキリとお話できてかっこいいな」「いつも面白いことを言って笑わせてくれる」などの憧れがあります。

この場合、自分とは違うタイプであることが多いです。なので、はじめは話しかけづらいかもしれません。

きっかけを作るには、「すごい!」と思うところを素直に褒めてみるといいでしょう。褒められたら相手も嫌な気はしないはず。もしかしたら、相手も逆にあなたのことを「いつも優しいね」などと褒めてくれるかもしれません。

また、相手が得意なことに対して「〜ってどうやるの?」と聞いてみるのもオススメです。

得意なことは誰でも話したくなるもの。話題を見つけるのが苦手な人は、まず相手が得意なことから攻めてみるといいでしょう。

ただし、このパターンの友達作りで気をつけたいのが、憧れているからといって全てを真似する必要はないということ。好きなことや得意なことは、みんな違って当然です。「あの子みたいになりたい」と過剰にアタックしてしまうと、相手から嫌がられてしまいます。適度な距離感を意識しましょう。

すぐにうまくいかなくても大丈夫

アドバイスをしても、すぐにうまくいくとは限りません。

「勇気を出して声をかけてみたけれどだめだった」「気の合う友達がなかなか見つけられない」と、なかなか成果が出ず落ち込むことがあるでしょう。

そんなとき、「あなたが恥ずかしがってばかりいるからでしょ」「もっと自分から声をかけなきゃ」と責めてしまうと、やる気や自信がどんどんなくなってしまいます

焦らず、子どもの思いを聞いてあげましょう。

友達作りがうまくいかなくても、相談にのってくれる人がいることで子どもも安心することができるはずです。

子どもが安心できる場所があるからこそ、子どもは外でがんばれるということを忘れずに見守ってあげてくださいね。

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高村ミチカ

小学校教員からライターへ転身。教員の経験を生かして、​​効果的な学習の仕方や子どもへの関わり方、教員の働き方などを発信している。またオンライン相談サービス「ソクたま会議室」では、保護者や教員の相談を受ける専門家として活躍中。1つのキャリアに縛られない働き方を目指し、本やWEBなど様々なメディアで企画や編集の仕事にも携っている。

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