本当は怒りたかったんじゃなくて、悲しみたかった
インスタグラムで育児にまつわる情報を発信している「ソクたまアンバサダー」。そんなアンバサダーのみなさんに、子育てや教育について、それぞれの視点で執筆してもらうコラムです。今回は、インスタグラムで日々のことを綴っている、はるさんの子育てコラムをお届けします。
結婚したての頃、私は夫にゴミ捨ても頼めないような女だった。
当時住んでいたのはアパートの2階。ゴミ捨て場がものすごく遠い訳でもなかったし、子どももまだ小さかった。出勤する夫に「ついでにゴミ捨てもお願い!」って頼めばよかったのに、その一言が言えなかったんだなぁ。
頼めなかった理由はシンプルに、「自分でできるから」だった。頼まなくても自分でできるから、頼めなかったのだ。
“自分でできることは自分ですること”
小さい頃からそう教えられて30年近く生きてきたものだから、それが当たり前だと思って「自分でできるから頼んじゃいけない」と思い込んでいた私。
学生時代を思い返してもそうだった。私が何か重たいものを持っていたとして、優しさから「(重そうだから)持つよ?」って誰かが声をかけてくれても、私はいつだって「大丈夫!」って返していたもの。(可愛げなんてなかったなぁ)
だって「自分でできるから」
本当は、甘えたかったのにね。
だけど、子どもが大きくなるにつれて目が離せなくなって、ちょっとゴミ捨てに行くのだって苦労することが増えた。今までは大抵のことが「自分が頑張ればなんとかできる!」だったけれど、子育ては一人でどう頑張ってもできるものではなかった。
ゴミ捨てに限らず、今までどうにかしてこなしていた物事を、急に夫へお願いしなくちゃいけなくなって、そこから私の「伝える(頼る)」の思考錯誤が始まったんです。
世の中には「伝え方」の本がたくさん出回っている。どんなに文明が進んでも、人と関わることは避けられないし、SNSも発達しているからこそ簡単にも難しくもなったコミュニケーション。
こう伝えたらまっすぐ伝わるとか、相手が動きたくなるとか、ノウハウはたくさん溢れている。
だけど、そういうノウハウとはまた別で、私が「伝える」うえで大事にしていることが2つある。
1つ目は、
「伝わる信頼関係ができているか」
「何を伝えるか」も「どう伝えるか」も、もちろん大切。だけどそれよりも「伝わる信頼関係」ができていたらいいと思うから。だって、関係が良くなかったらどんなに伝え方を工夫しても伝わらないよね。
私にとって夫との信頼関係の土台は、
- 「ありがとう」「ごめんね」が伝え合えていること
- 「おはよう」「おやすみ」などの挨拶がおろそかでないこと
すごく基本的なことかもしれないけれど、気を抜くと疎かになってしまうことがある。
毎朝の「おはよう」でさえ目も合わせず言わず……。その状態で「伝える」なんて上手くいくはずがない。
だから時々考えるんです。今私たちの関係は「伝わる関係かな」って。
もう1つ大事にしていることは
「怒りを怒りのままで伝えないこと」
一緒に暮らせばイラっとすることなんてそりゃぁある。「なんでできないの?」「なんで分かってくれないの?」今まで何百回思っただろう。
だけど、イラっとして「なんでやってくれないの!?」
そう相手を否定して、感情的になって、うまくいったことなんてあったかな。(残念ながら、怒りをぶつけて失敗したことしか思い出せません。。)
そんな時学んだ「怒りは第二次感情だよ」って話。
怒りは第二次感情と言われていて、その根っこには一次感情の「悲しみ」や「がっかり」といったネガティブな感情があること。
だから「怒っているんじゃなくて本当は悲しんでいるってこと」。信じられなかったし、最初はピンとこなかった。
イラっとする度に、これは”怒り”なのか考えた。
「本当は今どう思ってる?」「どうして欲しかった?」
最初は怒りしか見えてこなかった。だけど次第に、怒りの奥に「わかってもらえなくて悲しい」という気持ちがあることがわかってきた。
本当は悲しいのに、怒りを伝えても意味がない。本当に伝えたいのはそこじゃないから。だけど、いざ伝えようとしてみて思ったのは、怒りの方が伝えるのは簡単なこと。
「それは言われると悲しい」って伝えるのって、勇気がいる。
だから思うんです、「伝える」の根源は「勇気」じゃないかって。
「悲しい」を伝えることだってそうだけど、こんなことはありませんか?
「こう言ったらダメかなぁ」
「今は機嫌がよくなさそうだなぁ」
そう思って、伝えること自体をあきらめてしまうこと。
相手を想うことは大切だけど、どんなに考えたって本当のところは分からない。伝えてみなきゃ分からない。
それに、伝えたら相手がどう受け取ってくれるかは自分のコントロールできる範囲じゃない。相手次第だから。
それなら、自分ができる「伝わる関係性を自分なりに築くこと」「伝わるように伝えること」を準備して、まず伝えてみる。それでいい、考えすぎなくていい。
もし自分の望む返答じゃなかったら、その時はまた考えてみたらいい。きっともっとシンプルでいいから、少しの勇気をもって。
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