子供のゲーム・動画アプリ問題! 大人のルールで縛らなくても自分でコントロールできるようになるコツ
最近の保護者を悩ませるのが、子供とゲーム、スマホ、タブレットの問題。自分が子ども時代にはなかった世界に子ども達がのめり込んでいくことに不安を感じている人は多いのではないでしょうか。どこまでが許容範囲なのか、与える時期・使用させてよい時間など、ルール作りに頭を悩ませているかもしれませんが、保護者がしなければならないのは、ルールで縛ることなのでしょうか? 家庭教育師の藤田さんが、ゲームや動画視聴を子供の成長へつなげるためのコツを教えてくれました。もうガミガミ叱る必要はなくなりそうです!
ゲームは悪という先入観を捨ててみる
そろろクリスマスプレゼントについて考え始める季節ですが、子どもが欲しいものランキングで時間や常に上位に挙がるのがゲームです。実際、さまざまな保護者の話を聞くと、子どもたちは外で遊ぶ代わりにゲームで遊ぶ時間がかなりの割合で増えているようです。
真顔で画面をひたすら見て夢中でゲームをしている子どもの姿を見ると、保護者としては「ゲーム脳になってしまう」「目が悪くなる」など、心配が尽きませんよね。
けれど、それは、あくまで親の価値観ではないでしょうか? 大人の価値観で子どものゲーム欲を締めすぎて親子ゲンカが絶えなくなるのも保護者にとってはつらいこと。結局は、ゲームの扱い方の判断が親子間で常に悩みや迷いになっているのです。
では、どうすればよいのでしょう。大人の価値観ではなく、子どもの意思も尊重した判断をするなら、まずは子どもの本音をしりましょう。
子ども目線も大切にしたい問題は、実際にゲーム大好きな子どもに教えて貰うのが1番です。そこで、かつてゲームに夢中になっていた大学生に「子ども達がゲームをなかなかやめられないのだけど、どうしたらやめられるかな?」と聞いてみました。
すると、即答で「ゲームそのものは悪くない! 問題なのは使い方」「あと、子どもがゲームしていると親が不機嫌になるのは嫌だった。悪いことをしているみたいに思うから」とのこと。そして、いかにゲームがコミュニケーションツールとして役に立っているかを話してくれました。
大学生の彼の回りには留学生も多く、お互いを知り合うツールとして、ゲームの話題が国境を越えて盛り上がるとのこと。今、ゲームは世界共通の関心事です。ということは<ゲームばかりやっている>と目くじら立ててイライラするよりは、ゲームで集中力・コミュニケーション力・やる気を高めていると考え方を変えて、気持ちよくゲームをさせてあげる方が大人も子どもも両方にとって得策 です。
ただし、好きなだけやらせていいというわけではありません。大事なのはゲームをする時間管理ができることであり、子どもの自己コントロール力がゲーム問題を解消する1番の鍵になります。
小・中学生のゲーム障害(依存症)について、より詳しく知りたい方は以下の記事も合わせてご覧ください。
子どものコントロール力を育てるコツとは
ゲームやネットの世界は、ある意味、麻薬のようかもしれません。幼いほど、自己コントロール力がないので歯止めが利かなくなる傾向にあるようです。食い止めるためには、コントロール力がつく年齢まで触れさせないのが理想ですが、そうはいかない現状があり、低年齢化しています。
そこで、早くからコントロール力をつくように保護者も誘導してみてはいかがでしょうか?
子どもにコントロール力をつけさせるコツ
①子どもと話し合い時間制限を設けて、決めた時間通りに止めることができたら、大袈裟に褒める(初めが肝心)
②何時間やっているか、具体的に知らせる
・スマホの場合は使用時間をカウントしてくれるアプリがあるのでそれを使う(スクリーンタイム)
・制限もかけられる機種もある
③時間がこないと開かないボックス(タイムロッキングコンテナ)を使用する
ナゾトレで有名な松丸亮吾さんがツイートしたことでも話題のコンテナ。設定した時間の間は開けることができないため、ついゲームをしたり、スマホを触ったりすることがなくなります。
楽しいことを止めることは大人でも大変なことです。子どもだけでなく、大人もゲームやネットをするときは、時間を制限してもいいほどかもしれません。
また、子どものコントロール力が弱い場合、厳しく叱るよりも優しい声かけを試みてください。イソップ物語の「北風と太陽」のように、冷たい風の声かけ(例:「やめなさい」「いつまでしているの」)よりも、温かな太陽の声かけ(例:「目が疲れたでしょう」「休憩入れたら」)の方が効果がある子も少なくありません。ぜひ、やってみてくださいね!
YouTubeは親子にとって有益なものになる
また、ゲームとともに子どもの歯止めが利かなくなってきているのがYouTubeなどのアプリを介した動画視聴です。夢中になると時間感覚が麻痺することや、何時間も画面から離れられないという人は、保護者の中にもいるのではないでしょうか?
世代を超えて人気のYouTuberの動画を見る時間がどんどん増えていっていっており、今後、ますます人の心を鷲づかみにするYouTuberが出てくることでしょう。
視聴することを批判するよりも、たまには子どもが夢中になっているYouTubeをのぞいて見てください。その中には良質なYouTubeもあるので、プラスに考えれば新しい世界や社会と繋がる素晴らしいツールになり、親子のコミュニケーションツールのひとつにもなるかもしれません。
では、動画視聴で気にしなければならないのは何でしょう。それは、選択の問題です。良質なものに出合うためには、親がいい・悪いを判断して制限するのではなく、自分自身で良質な動画を選択できる感性が必要です。
子どもの選択力を育てるコツ
- 自然にふれたり、美術館や博物館に出かけることは感性をみがく
- 家庭では親の言葉使いを丁寧にする。
例)「取って」よりも「取ってくれると助かるわ」
やさしく美しい言葉づかいは良質な感性によるもの。そんな言葉づかいがその子の中の基準になれば、選択するものも良質なものへ変わっていきます。
そして、ときには、子どもが気に入っているYouTuberの話題で盛り上がって、子どもが今どんなことに興味をもっているのか、また子ども達の世界はどこに向かって行っているのかを知ってください。
自分を理解し、認めてくれている大人の言葉は子どもに届くものです。共感をベースにじっくり子どもの言い分に耳を傾けると沢山の発見がありそうです。
YouTubeを通じて親子の世界が広がるのも楽しいですし、何より親が自分の好きなものを認めてくれたことは子どもの自信につながります。気になるYouTubeですが、逆手にとってSNS時代を生き抜く為に必要不可欠なものと割り切って、有益なものにしてしまいましょう!
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1961年、神戸市生まれ。日本家庭教育学会認定の家庭教育師。幼児生活団の指導者・保育士・健康体操インストラクターなどの経験があり、1991年に公益社団法人スコーレ家庭教育振興協会に入会。日本家庭教育学会第24回大会(2009年)、同32回大会(2017年)では、研究論文を発表したほか、ゲームなど、身体から心の交流をはかる「ふれあいトレーニング」や「キッズ保育者研修」のトレーナーとして活躍中。スコーレ協会の首都圏北地区のリーダーも務めている。