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2019.10.28

【元教師は見た】スマホを使う子どもと使わない子の違い 小学校でどんな様子か知っていますか?

SNSや動画視聴、ゲームなど、子どもたちがスマホを使うことは当たり前の時代になってきました。便利な面がたくさんある一方で、家庭でのスマホの使用が学校生活にも大きな影響を与えています。今回は、スマホを使っている小学生の子どもたちの学校での様子や、教師が家庭にお願いしたいと思っていることなどを紹介していきます。

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スマホを使っている子どもの学校での様子

スマホを使っている子どもと使っていない子では、学校で違う様子が見受けられます。

SNS(LINEを含む)を使っている子ども

SNSを利用している子どもは、使っている同士で仲が良く、グループを作る傾向にあります。流行にとても敏感で、見た目やファッションにこだわっている子が多くいように感じます。仲の良い子どもたち同士でよく耳打ちをしたり、グループ内だけでしか分からない会話を楽しんだり、現実での交流よりスマホの中での世界を重要視しています。

ゲームや動画視聴をする子ども

ゲームをしている子は、同じゲームをしている子同士で、ゲームのキャラクターや攻略法、面白い動画の話などをします。家庭では「夜遅くまで夢中になっていて大変」「宿題をする時間が遅くなった」などあるかもしれませんが、学校ではスマホを使っていない子と比べてもそれほど目立った違いはありません。 

スマホを使う子どもへの教師の本音

もちろん全ての教師が同じ考え方ではないですが、スマホを使う子どもたちに対して教師が思っていることは、大きく分けて2つに分かれる印象です。

子どもにはスマホを持たせない、扱わせないでほしい派

「勉強や生活に支障をきたす」「いじめの原因になる」「ネットの社会に足を踏み入れるのが心配」「目が悪くなってしまう、体によくない」と思い、子どもがスマホを持つことに悪印象をもっている教師はいまだに多いものです。良好な交友関係を持ち、外でよく遊び、のびのびと育ってほしいという教育理念から小学生のうちはできるだけスマホを扱わせないで欲しいと思っています。

これからの時代に備えて色んな知識や技術を身に付けておくべき派

一方で、教育現場でもECT化がすすみ、スマホはこれからの時代に欠かせないものとなるため、「家庭と約束をきちんとしておけば問題ない」「使い方を分かっていた方が良い」という意見の教師も少なくありません。「いじめにつながらないよう家庭と学校でしっかりと指導することが大切だ」という思いもあり、スマホの使用やネット社会についての養育をしっかりしていかなければならないと考えています。

全く違う意見に見えますが、どちらにも共通した思いがあることに気づきましたか? それは、どちらも、子どもの安全を第一に考えているということです。子どもとスマホの関係を考えると「スマホを持つ、持たない」「使用は何時間のルールを」など、スマホの善悪にばかり気が取られてしまいがちですが、教師の視点は、スマホにあるのではなく、子どもが安全に生活できるかどうかという点にあります。スマホがいいか悪いかよりも、子どもが安心して私生活や学校生活が送ることを望んでいます。

スマホが与える最も大きな影響は学校での交友関係

スマホを使うことで、学校での子どもたちの交友関係に変化が見られることも多くあります。

仲の良かった子どもたち同士がさらに仲良くなることもあれば、ある子を中心にグループを作っていつも集団で行動するようになる子どもたちもいます。そのような子どもたちの中には、急にグループから外れてひとりになったり、違うグループの子どもたちと仲良くなったりするなど交友関係が不安定で、子どもたち自身も不安を抱えながら過ごしているということも珍しくありません。

反対に、今まで何の接点もなかった子どもたち同士が、男女問わず急に仲良くなることもあり、教師が想像もしなかった子どもたち同士の組み合わせができることもあります。

また、SNSの交流や連絡先を交換したりすることで、同学年の横のつながりだけでなく、学年を超えて縦のつながりができていきます。

同じ学校内でなら教師も子どもたち同士でつながっている相手が特定できますが、他校や地元以外の地域の人とのつながりとなると、教師からその相手の姿が見えず、子どもたち同士でどのような交友関係を築いているのかが分かりにくくなってしまうという場合もあります。

交友関係が分かりにくくなってしまうと、万が一トラブルに巻き込まれた場合に学校側がすぐに対応することが難しくなります。そもそも、SNS上の人間関係で悩みがあっても子どもから打ち明けてくれない限り、教師が気づくことはできません。

小学校のスマホ指導には限界がある

近年、スマホやネットを利用するにあたっての指導をする小学校が増えてきています。しかし、持たせるかどうかを決めるのは最終的に家庭の判断です。学校でいくら指導をしても、家庭で約束やルール作りができていなければ意味がありません。

私が勤めていた小学校では、以下のように子どもに指導をしていました。

小学校でのスマホ指導例

・お家の人と時間を決めてスマホやネットを利用する
・データのダウンロードやゲームの課金などはお家の人に相談する
・知らない人からのメッセージにむやみに返信をしない
・脅しの画面が出てきたら、お家の人に相談して無視をするようにする
・何か問題が生じたときは、自分や子どもたちだけで解決しようとしない
・もし友達からの返信が遅れたり来なかったりしたとしても、責めたり問い詰めたりしない

ただし、実際には、学校でいくら指導をしていても、LINEでの既読無視や、自分だけ載っていない写真をSNSで見て悲しむなど、スマホが原因で子どもが悲しい思いをしたり、いじめが起きたりして、「学校での指導はどうなっているのか」と訴えてくるということも珍しいことではありません。

しかし、教師が学校にいない時間も子どもたちの生活を管理することはできません。大切なのは、学校と家庭とが連携して子どもたちを育てていくことではないでしょうか。子どもたちが、いじめやトラブルにいつ足を踏み入れるかは分からないため、学校も家庭もともに子どもを見守っていくことが大切です。そのためには、わが子の通っている小学校でどんなスマホ指導が行われているか関心をもち、疑問や迷いがあれば教師にも相談しながらスマホルールを作っていってください。

家庭でしかできないトラブルから子どもを守る方法

では、スマホを使う子どもたちを家庭でサポートするには、どのようなことができるのでしょうか。私が、上記の学校での指導に加えて行ってほしいと各家庭に伝えていた“家庭でしかできないサポート”を紹介します。

学校での指導と一緒に実践! 家庭でのサポート

・子どものスマホをチェックできるようにしておく
・子どもが使用しているSNSやアプリなどを把握しておく
・子どものSNSをフォローをしておく
・課金システムに制限をかける
・子どもが不安を抱えたときに頼ってこられるような環境を作っておく

子どものスマホをチェックしたり、SNSをフォローすることを嫌がる子もいるかもしれませんが、保護者として把握しておくことは大切なことです。

大切なのは、友達とのやりとりを一字一句見ることではなく、どんな友達とつながっているのか、SNSをどう使っているのかなどを把握し、危険だと感じたときにストップをかけられるようにしておきましょう。また、課金システムに制限をかけることで、金銭的なトラブルは防ぐこともできます。

子どもが不安を抱えたときに頼ってこられるような環境を作っておくということも重要なポイントです。トラブルに巻き込まれたとき、子どもたちだけで解決しようとするのはとても危険です。普段からスマホに関する話題を子どもと話したり、一緒にスマホを扱ったりするなどして、スマホ内の世界を親に話すことに壁を作らないようにしておきましょう。いつでも大人に相談できる環境があるだけで、スマホトラブルは減っていくのではないでしょうか。

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短大卒業後、小学校教員を8年間経験。その8年間の経験から、自分や教育に対する様々な疑問を抱き始め、まずは自分を変えようとヨーロッパへ留学。現場では得られないたくさんの経験を積み重ねるが、留学中も教育への関心はたえず、非常勤講師として小学校に勤務中。好奇心旺盛なため、やりたいと思ったことには進んで挑戦中。

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