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2022.07.04

性教育のプロが、自分の子どもにやっている4つの「おうち性教育」

一昨年、昨年と多数の性教育本が出版されており、世の中の性教育に対する意識が高まっています。おうちでも何か始めたいという方も多いのではないでしょうか。
しかし、適切なステップを踏まえず突然「教えてしまう」と、子どもが驚いてしまい、本来の効果が得られないかもしれません。
今回は、医師夫婦ユニット「アクロストン」のみさとさん、たかおさんに、おうちで実践している性教育を4つ紹介していただきました。

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性教育のプロがやっている「おうち性教育」4選

1.親子であっても互いの体に触れるときには声をかける

親子であっても「ハグしていい?」「チューしてもいい?」と声をかけてからスキンシップを取るようにしています。これは赤ちゃんの頃から、お風呂上がりには「クリーム塗るよ」、オムツを替えるときには「お尻拭くよ」と声をかけていた延長でやっています。

親からではなく、子どもからも言ってもらうようにしています。突然ハグしてきたときには、「ハグしていい?って聞いてね」と伝えてから抱きしめ返すようにしています。

これは、相手の体を尊重する気持ちをもつために重要な会話です。「自分の体をどうしたいかは、本人が決めること」ということを親子間でもはっきりとさせることで、他人のことを大事にできる人に育つと考えています。

また、自分の意思と反して体を触られそうになったときに「いつものように確認されないな。変だな」と気づけるようにもなります。

犯罪はもちろんですが、「好きな人が求めたから」と言う理由だけで、自分の意思に反して体に触れられるということを避ける意味もありますね。

2.対等な関係でいる

これは性教育に関わらず重要なことです。もちろん親子ですから立場を明確にしなければならないときもありますが、基本は1人の人間として対等な関係でいるようにしたいですね。

具体的にどのようなことかというと、

・悪いことをしたら謝る
・何かお願いがあるときは相手に許可を取る(尋ねる)
・嫌なときは嫌だとはっきり言う

などが挙げられます。とても単純なことですが、親子間となると疎かになることもあるのではないでしょうか。

親子間だけではなく、夫婦間も対等な関係でいることも大事です。どんなに言葉で伝えても、両親が対等な立場でなければ説得力がありません。まずは夫婦が対等な関係でいることが、子どもへの何よりのメッセージとなるはずです。

3.性教育に関する本を置いておく、読んでいる姿を見せる

我が家には性教育に関する本から普通の漫画まで、たくさんの本が置いてあります。本棚に置いてあると、子どもは興味を持って自然に手に取ってくれるものです。

手に取ってほしいものがある場合は、書店のディスプレイのように目につくところにおいてもいいかもしれませんね。

また、それらを親が読んでいる姿を見せることも大事です。「お母さん(お父さん)、何読んでいたのかな?」と思い、後から自分も読んでみるという行動につながります。

たとえ漫画でも、人から読みなさいと言われるよりも自分から「読んでみたい」と思う方がモチベーションが違うはずです。ぜひ、子どもが本を読みたいと感じる環境にしてみてはいかがでしょうか。

4.テレビやネットをみながら「つっこみ性教育」をする

我が家ではジェンダー問題など、性に関わる話題がテレビやネットニュースで取り上げられているのを見たときに、親がボソッとつっこみを入れることがあります。これを「つっこみ性教育」と言っています(笑)。

例えば、少し前に「壁ドン」という言葉が流行りましたが、「相手に許可を取らず距離を詰めて、キスなどをする」ことは、我が家のルールからするとルール違反です。だから、こういうのが流行るってどうなのかな、とか。

それ以外にも、「国会議員って男性ばかりだね」「ニュージーランドの首相は女性で、産休も取っているんだって」とか、ニュースを見て感じたことなどを、ぼそっとつっこんだりつぶやいたりしています。

親がこういったことに「つっこみ」を入れていると、子どもも自然とそういった視点をもつようになりますよ。あくまで教えるのではなく、疑問や違和感を感じたことをぼそっとつぶやく程度がポイントです。

親も一緒に学ぶ気持ちでおうち性教育を!

こういった日常の会話やコミュニケーションの中での性教育は、お子さんのジェンダー観を確実に育んでいるそう。

実際に、父であるたかおさんが息子さんとゲームをしていたときに、「男の子」という名前のキャラクターを見て「『男の子』って、具体的にどんな人のことを指しているんだろう」とつぶやいたところ、息子さんは「自分を男だと思っている人で、だいたい18歳くらいまでかなあ」と返したのだとか。

小学生の時点で、体の性別ではなく「本人の性自認がどうか」という立場から男の子という言葉を捉えていることが分かります。

アクロストンさんは、「親が教えるのではなく、一緒に学ぶ気持ちで楽しんでほしい」ということをおっしゃっています。ぜひ、できるところからご家庭で試してみてはいかがでしょうか。

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<取材協力>
アクロストン
夫婦ともに医師として働くかたわら、2018年から「アクロストン」としての活動をスタート。公立小学校の授業や企業主催のイベントで、性にまつわるワークショップを行っている。主な著書に「10歳からのカラダ・性・ココロのいろいろブック」(ぽるぷ出版)、「思春期の性と恋愛 子どもたちの頭の中がこんなことになってるなんて!』(主婦の友社)など

・アクロストンのHPはこちら

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