「下着の色指定」は中学で25%、高校で11%。令和に残る「絶対おかしい」ブラック校則の実態

ランドセルの色やジェンダーレスな制服選びなど、個性が尊重され始めた昨今。しかしまだまだ「これはおかしい!」と思うような、ギチギチの校則を設けている学校もちらほら……。
スタディプラスが行った「学校のルールについての意識調査」では、“ヤバい校則”が続々と明らかになりました。
「下着の色指定」は、中学で25%、高校で11%
スタディプラスは、中高生5697名・高校職員209名を対象に「学校のルールについての意識調査」を行いました。
「以下の中で、自分の高校にある校則(近いものも含む)をチェックしてください」と質問したところ、このような結果になりました。

「下着の色」は、高校生(11.1%)よりも中学生(25.3%)のほうが規定がある学校が多いようですね(いったいどのようにチェックするのでしょうか……)。「メイク禁止」は中高生どちらも7割程度になりました。
「特定の髪型(ツーブロックやパーマなど)の禁止」も、中高生ともに高めです。頭髪はこの「特定の髪型の禁止」を含めて、「黒染めの義務化」「地毛証明書の提出」の項目とも連動している気がします。地毛証明書がどのようなものか分かりませんが、保護者が記入するのでしょうか。いずれにしても、さすがにここまでいくと“やりすぎ感”が否めません。
「これはおかしい!」と思うような校則一覧
学校によってさまざまな校則が設けられています。中には、ブラック校則と呼べるほど意味不明なものも……。
中高生や高校職員が回答した「これはおかしい!」と思うような校則が、こちら。

炎天下、通学する生徒たちは常に熱中症の危険にさらされています。それなのに「猛暑日でも制服」「腕まくり禁止」「日傘は許可制」、さらには「日焼け止め禁止」……。これらはさすがに根拠を問いたくなってきます。
学習関連でも謎な校則が続きます。「予備校禁止」って、学習を推奨していないのでしょうか。
恋愛についても同様で、「男女が2人きりで勉強してはいけない」「男女が手をつなぐこと」など、ひと昔前の香りがただよいます。「文化祭でハート禁止」も、いったいなぜなのか……。
頭髪や身だしなみにも、昭和から抜け出せていない感が。「髪の長さ(両肩より上)」「髪が長すぎると原則三つ編み」って、昭和のモノクロ写真に写っている学生そのものでは?
中高生は校則を厳しいと感じている?
各種ブラック校則に、思春期真っただ中の学生たちはいろいろ思うことがあるのでしょう。「校則を厳しいと感じているか?」の質問を地域別に集計したところ、このような結果になっています。

「厳しすぎる!」と感じている県はそれほど多くなく、どちらかというと「中の上」レベルの厳しさのようです。さまざまなブラック校則が並んでいますが、意外と学生たちも寛容なのでしょうか。
先生たちは学生だったころ、校則を守っていたのか?
ちなみに高校の先生方が学生だったころは、生徒として校則を遵守していたのかというと……

なんと半数以上が「なんの校則違反もしなかった」! 先生は生徒の手本になる存在です。まさに教師となる資質が昔から備わっているのでしょう。
しかし、ちらほらこのような意見も見受けられました。(回答ママ)
- オシャレに目覚めてパーマかけて指導されて直したことはある。
- バイク3無い運動(※)が高校1年で始まり、校長に法的根拠を示すように生徒会として質問文を書いた。生徒総会で校長は欠席し、大騒動になった。
- 生徒会執行部に入った時、白色指定だった靴下の色を紺色や黒も認めて欲しいと抗議し、総会でその案が通りました。自主的な活動が校則の変化につながると実感することができました。
※編集部注:バイク3無い運動とは、1970年代に一部の県や学校で行われていた、高校生にバイクの「免許を取らせ ない」「買わせない」「運転させない」の3つを指針とした運動のこと。
思春期だからこそ、おしゃれと校則の間で葛藤することもあるようです。また「これはおかしい!」と自主的に抗議活動をおこなった方も。
時代はもう令和ですから、先生方がつくった校則を一方的に押し付けるのではなく、あるいは創立当時の校則を遵守するのではなく、皆で話し合いながら時代に即した内容に変えていきたいものですね。

「下着の色」についての校則は、今も中学で25%、高校で11%存在しました。「黒染めの義務化」「地毛証明書の提出」なども未だ残っている学校があるようです。
ひと昔前ならある程度当たり前だったかもしれませんが、今は令和。皆で我慢したり、皆で笑い話に変えたりする方法もありますが、やっぱり一番は「先生と話し合いながら皆でルールを決める」でしょう。ブラック校則が、少しでも減ることを願っています。
<参考資料>
・PR TIMES(スタディプラス)

教育に関する有識者の皆さまと一緒に、子を持つお父さん・お母さんでもある「ソクラテスのたまご」編集部のメンバーが、子どものために大人が知っておきたいさまざまな情報を発信していきます。