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2022.09.15

愛知に開校した全寮制「ボーディングスクール」は、子どもの何を育てるのか?【最新教育】

日本で徐々に増えている「ボーディングスクール」という形態の学校をご存じですか? 勉強だけではなく、日常生活全てを学校内で行う全寮制の学校のことを言います。世界ではイギリスのイートン校などが有名ですが、その系列校や、日本独自のボーディングスクールが今年から来年にかけていくつも開校するのです。
興味はあるけれどどんな学校か分からない、どんな教育方針なのか、通うメリットは何か、そして気になる費用のことを学校に直接お聞きします。今回は、9月に愛知県日進市に開校したばかりの「国際高等学校」を取材しました。

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ボーディングスクールとは?

国内で少しずつ増えているとはいえ、まだまだ聞きなじみのない「ボーディングスクール」という学校形態。全寮制の学校であり、海外では上流階級の子息がいく学校、次世代のリーダー育成など、さまざまな趣旨のものがあります(ファンタジーではありますが、ハリーポッターシリーズの「ホグワーツ魔法魔術学校」もボーディングスクールなのだそうですよ)。

海外からも生徒が集まってくるため、多国籍な交流ができるところや、24時間体制で子どもをバックアップしてくれるところも人気のポイント。学費は平均的な私立の高校より高い傾向はあるものの、将来の選択肢を広げる進路として、じわじわと人気になりつつあります。

ボーディングスクールなのに、英語が話せなくても大丈夫!?

今回は、国際高等学校の広報、大山さんにお話をうかがいました。

「本校は2022年9月1日に開校いたしました。愛知県内にある名古屋商科大学を母体としており、組織としては80年以上の歴史を誇ります。

2022年9月入学の一期生のみなさん(PR TIMES)

ボーディングスクールと一言で言っても、イギリスのエリート教育、スイスのリーダー教育など、国や学校によって目指す教育理念が異なります。本校では、世界中からさまざまなバックグラウンドを持つ子どもを集めて、ダイバーシティ社会の中でリーダーシップを取れるような人材を育成したいと考えています。

リーダーシップを取れるということは、自分自身をしっかり管理できるということにもつながります。そのため本校では全寮制を導入し、食事以外の生活面全般、勉強スケジュール、自由時間の過ごし方などを自ら計画・遂行できるようにすることも、教育の一環として捉えています。

ボーディングスクールというと『英語がネイティブレベルにできなくてはならない』と思う方も多いかもしれませんが、我々は完璧な英語力を最初から求めてはいません。もちろん英語に対する意欲は必要で、今年入学する生徒は少なくとも英検2級以上の英語力をもっていますが、ネイティブレベルの英語が入学条件なわけではありません。

入学が決まった方には、入学前の3ヶ月間で『入学準備コース』という準備期間を用意しています(入学のタイミングによっては受けられない場合あり)。そこでは、英語力をブラッシュアップしたり、国際バカロレアの教育について理解を深めるなどの時間をとっています」

国際バカロレアの資格が取れる数少ない学校

「本校の一番の特色はデュアルディプロマ・プログラムです。文字通り、二つの卒業資格の習得が可能です。

取得できる卒業資格のうち、一つは日本の通常の高等学校と同じ、国の学習指導要領に沿った教育課程の修了資格、もう一つは国際標準高校課程(国際バカロレア)の修了資格です。この二つの教育課程を両立した学習を行っていくため、卒業時に、日本の高校卒業資格と国際バカロレアの修了資格を取得することができます。

また、『ケースメソッド』という授業スタイルも本校の大きな特長です。国際バカロレアという教育プログラムは、探求的な学びを重要視しており、暗記型の授業ではなく、生徒自身が課題や仮説をもって協力しながら学習していくことに重きをおいています。いわゆる「アクティブラーニング」ですね。

その中で『ケースメソッド』は非常に実践的な学習方法として認知されており、アメリカにおいてもリーダー育成に有効と考えられ、ハーバード大学などでも取り入れられています。

具体的には、教師が『実社会で実際にあった出来事』を教材として提示して、生徒にその課題解決に向けて考えさせるという方法で授業を行います。

歴史の授業などはイメージしやすいかもしれませんが、理科や数学、さらには音楽の授業にもこの手法を用います。

生徒はその『出来事(ケース)』の主人公になって考えます。その場で自分だったらどうするかという視点から考えるとともに、『決断する力』を養うこともねらいとしています。多面的に考える力と決断する力はリーダーに求められる重要な素質の一つです。我々はそこをしっかりと育てていくカリキュラムを用意しています」

広くて開放的な校舎内(PR TIMES)

受験生自身を見る入学試験と、国際色豊かな教育環境

「本校の入学試験は、一般的な学力テストは行わず、課題エッセイと適正テスト、そして面接の大きく分けて3段階で行います。本校では、生徒自身が本校に入学するまでにどんなことに取り組み、努力してきたのかを見ているので、一般的な受験対策というものは必要ありません。

受験に向けてやっておいてほしいことがあるとすれば、『今の学校生活を充実させること』『できる限り英語力を鍛えること』ですね。そうした活動や勉強を通して、本校に入学して何を学び、将来どんな人間になっていきたいかを考えておいてほしいなと思います」

「入学後は全寮制ということで不安も多いかと思いますが、併設している名古屋商科大学の留学生がメンターとして同じ敷地内に住んでいます。彼らが国際バカロレアについて分からないことや、学校生活で不安なことについてアドバイスをくれる環境です。年齢の近い生徒と学生が互いに協力しあって絆を深めることができる環境は、将来のリーダー育成にとても役立つと考えています。

生活面については、学校が24時間体制でサポートしていきます」

年間にかかる学費は?

「ボーディングスクールへの入学を検討されている方にとって気になる点の一つに、学費があると思います。

本校では、授業費、寮費、学習環境費として、2022年度は年間約350万円の学費が必要になります(入学金や教材費は除く)。この中には、寮での3食の食費も含まれています。これは、ボーディングスクールの平均的な学費に比べて、比較的安く抑えられているものだと思います。

そのほか各種奨学金も揃えていますので、金銭的な理由でボーディングスクールに入るのは難しいと考えているご家庭でも、ぜひ検討していただきたいなと思います」

ボーディングスクールにいけるほど英語ができるわけでもない……と思っている方にとって、必ずしもネイティブレベルの英語力を求めているわけではないというところは、かなり魅力的に感じるのではないでしょうか。

インタビューにお答えいただいた大山さんが特におっしゃっていたのは「本校での生活では、誰かからの指示を待ったり、言われたことだけをやるのではなく、何事にも熱意をもって自主的に考えたり行動したりしてほしい」ということ。

食事以外「自分のことは自分でやる」という厳しい環境に身を置くことで、普通の学校生活では得られない経験や力をつけることができそうですね。

国際高等学校(PR TIMES)

国際高等学校

男女共学によるボーディングスクール。国内外から広く生徒を受け入れ、多様性に富んだ環境で早期からのリーダー教育を実践。約74万平米の校地を有する名古屋商科大学日進キャンパス内に設置された充実した施設と自然豊かな環境で、世界に通用するリーダー教育を実現していく。
・国際高等学校HP…https://ic.nucba.ac.jp/jp/

<参考資料>
学校法人栗本学園 国際高等学校《全寮制》ボーディングスクール7カ国から一期生を迎え開校(PR TIMES)

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