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2021.06.02

わが子の成績・評価で何が分かる?  小学校の通知表の活用法を現役教師が解説します

わが子の通知表を見て「先生はどんな視点で成績を付けているのだろう?」「わが子の成績は、果たして良いのか悪いのか?」など、疑問に感じたことはありませんか? 現役教師の須貝 誠さんが、小学校の通知表の活用の仕方について教えてくれました。 

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まずは通知表の見方を確認しよう

通知表が5段階評価ではなくA・B・Cあるいは◎・〇・△になってから、「わが子の成績のレベルがどのくらいなのか分からない」という保護者の声は多くあるようです。

今の通知表は、絶対評価でつけられています。絶対評価というのは、“前の学期と比べて自分がどれだけ成績が上がったのか、あるいは下がったのか”を評価する方法。周りの子たちとは比べずに、成績を出すことになっています。

しかし、そうなるとわが子の成績が良いのか悪いのか、クラスの中でどのくらいの順位なのかの判断ができませんよね。

通知表の評価の仕方については「小学校の通知表のつけ方、評価の仕方はどうなってるの?」でも解説しているので、読んでみてくださいね。

【2021年最新版】小学校の通知表のつけ方、評価の仕方はどうなってるの?
【2021年最新版】小学校の通知表のつけ方、評価の仕方はどうなってるの?
2020年度から、小学校での通知表が変更されました。どこが今までと異なるのか、今までと同じ点はあるのか。現在の評価の仕方の裏側を解説します。

通知表に関する疑問点が生じた場合は、担任に質問するのが一番早い方法です。学校や担任には、成績についての説明責任があります。

その前に、まずは今の通知表の見方について詳しく解説しましょう。

通知表の評価観点

通知表は、

  1. 知識・技能
    基本的なことが理解できているか、基本的な問題が解けているかの評価。ペーパーテストなどの点数で評価される。
  2. 思考・判断・表現
    応用問題がどのくらいできるか、一つの問題に対して答えを出す筋道を考え、それを表現できているかの評価。主にテストで判断されるが、学校や教師によっては子どものノートを加味して評価する場合もある。
  3. 主体的に学習に取り組む態度
    学習に興味や関心を抱き、取り組んでいるかの評価。テスト以外の評価で、教師の主観が入ることもある。

この3つの観点から評価されています。これをもとに、学校で各教科ごとに細かな評価の観点を決めているのです。

通知表の一部を例に挙げて、見てみましょう。

学校によって通知表の形式や評価の基準となる点数は異なりますが、一般的にはおよそ以下がその評価の点数になります。評価の基準や形式については、保護者会や学年・学級通信などで知らせる学校もあります。

A/◎/とてもよくできた…平均点が90点以上

B/〇/ふつう…平均点が70~89点

C/△/もう少し…平均点が69点以下

例えば、算数で学習のねらいの①(知識・技能)の欄に「数量や図形などについての基礎的・基本的な概念や性質を理解し、日常の事象を数理的に処理する技能を身に付けている」とあり、「とてもよくできた」に〇があれば90点以上だったことが分かります。

国語で学習のねらいの②(思考・判断・表現)の欄に「筋道立てて考える力や豊かに感じたことを想像する力を養い、日常生活における人との関りの中で伝え合う力を高め、自分の思いや考えを広げて表現している」とあり、「ふつう」に〇があれば70~89点の間ということが分かります。

社会で学習のねらいの③(主体的に学習に取り組む態度)の欄に「社会的事象について主体的に問題解決しようとしたり、よりよい社会を考え学習したことを社会生活に生かそうとしたりしている」とあり、「もう少し」に〇があれば69点以下です。

2020年度以前の通知表では学習に興味を持たせることが一番大切という観点で、最初に「興味・関心」が置かれていました。しかし、2020年度以降の新しい通知表では「知識・技能」が一番上。つまり、学習内容をしっかりと習得させることが何よりも大切だという観点に変わったのです。

教師の評価の仕方

基本的には、前章で述べた観点から「絶対評価」を行うのが今の小学校の通知表の在り方です。しかし、「小学校の通知表のつけかた、評価の仕方はどうなってるの?」で解説したように、純粋な絶対評価になっていないことが多くあります。

【2021年最新版】小学校の通知表のつけ方、評価の仕方はどうなってるの?
【2021年最新版】小学校の通知表のつけ方、評価の仕方はどうなってるの?
2020年度から、小学校での通知表が変更されました。どこが今までと異なるのか、今までと同じ点はあるのか。現在の評価の仕方の裏側を解説します。

各項目ごとに“Aはクラスで〇人まで”といったルール決めがあるのです。これは、クラス間のバランスを取るため。Aの多いクラスは先生の教え方が上手、Aの少ないクラスは先生の教え方が下手であると言われる懸念を包含しています。

また「主体的に学習に取り組む態度」については、テストのように明確な判断基準がないためどうしても教師の主観が入ることが多くなってしまいます。

例えば算数の授業中、発言しなくてもきちんとノートを取って真面目に授業を受けていれば主体的だといえるかもしれません。けれど、発言しないから主体的ではないと考える先生もいるでしょう。教師それぞれが抱く“主体的”の定義の仕方次第で、評価が変わってきてしまう可能性があるのです。

絶対評価でありながらも教師によって評価の仕方に違いがある可能性があるため、親としては通知表の成績が良いのか悪いのか分からないことは大いにあるでしょう。だからこそ、通知表に疑問を感じたときは教師に質問することも大切になります。

通知表でわが子のやる気スイッチに働きかける!

子どもが通知表を持ち帰った時、皆さんはどのようなアクションを取りますか? 子どもにどのような声掛けを行っているでしょうか?

成績がどんどん伸びる1分間刺激会話法』江川ひろし著(青春出版社)の中で、「母親の一言が子どもを傷つけている」という内容があります。

「お母さん、みてごらん。みんな1だ!」

みたら体育だけ5で、あとはみんな1。こういう時には体育の5をほめてやることです。

「あなた体育5とってきたの。すごいわね。5なんかクラスで二人か三人しかもらえないんじゃないの。体育が5とれたんだから、ほかのも頑張ってごらんなさい。きっと5とれるわよ!」と良いところをみつけてほめ、励ましてやることです。

通知表が相対評価の時代の内容ですが、5を「とてもよくできた」(A)、1を「もう少し」(C)などと置き換えて読めば今の通知表にも通用します。「5なんかクラスで二人か三人しかもらえない」の箇所は絶対評価である今とは異なりますが、先に書いたように絶対評価であっても人数を決めているのが現実と考えれば、今でも通用します。

同書では、“子どもへの声の掛け方を変えたら、わが子の成績が上がった”という例も紹介されています。

「あなた、なにしてるのよ、こんな点数じゃ教駒(※現在の筑波大学附属中学校)なんか入れるわけないでしょ!」

と叱りつけた。子どもは頑張って八十五点とってくる。今までにない最高の成績なのに、また叱られる。

「あなたはいつになったら、数学百点とれるのよ、あなたって数学のできない子ね」

数学のテストのたびに「数学ができない」「百点とれない」「数学がダメだ!」 と言われ続け、逆に成績が下がり始めたというのです。

これは典型的な否定禁止型です。成績が下がり始めてからこんどはお母さんのほうが焦りました。“子どもの接し方に、どこか間違いがあるのではないだろうか?″といろいろ考え、勉強し、肯定激励会話法に変えてみたのです。

「あなたはなんだって百点とれるじゃない。数学だってやればできないことはないわよ、頑張ってごらんなさい」こうやり始めたら八十五点が九十点、九十三点、と徐々に上がっていった。

「ほら、やればできるじゃないの、今までの最高点ね、あと七点じゃない。もう一息よ」とさらに励ます。

オドオドしていた顔も自信に満ちた顔つきに変わっていったというのです。こうして難関を突破して見事合格させたお母さんは、長い間誤った方法を取り続けていたことに恐ろしさを感じた、と語っていました。

通知表を見て下がっていたりあまり変わっていなかったりすると、つい叱咤激励したくなるかもしれません。しかし、ここで言いたいのは通知表を見ての声掛けは、一つでも良くなったところを見つけて褒めてあげるのが基本だということ。

その上で次に頑張ってもらいたいことを指摘したり、「こうするともっと良くなると思うよ」とアドバイスしたり励ましてあげればいいのです。子どもに「どう思った?」と聞いたり子ども自身にできていなかったことを分析させたりなど、目標を持たせるのも良いでしょう。子ども自身に解決策を出させる声掛けをすることも大切です。

褒め方・叱り方に関しては、以前の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてくださいね。

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小学校の通知表に納得できない! 教師に伝えるべき?

読者の中には、小学校の通知表の評価にどうしても納得できないということがあるかもしれません。こんなときは、どうすればいいのでしょうか。黙ったまま、受け入れるしかないのでしょうか。

通知表の評価にどうしても納得がいかないときには、教師に伝えても構いません。

先生と話す際に用意しておくと良いものがあります。テストやノート、学習で使ったプリントなどです。これらは、成績のもとになるもの。ノートには、教師の評価やコメントが書かれていることもあります。これらを見せながら話すのも〇。

教師に伝えるときのポイントとして、覚えておきたいことがあります。

学校と一緒に安心して子ども育てる本』多賀一郎著(小学館)には、通知表の点でも参考になることが書かれています。

×「どうして~してくれないんですか」(攻撃、非難されている感じを与えます)
〇「どうしたらいいでしょうか」(要望、相談の形にするとうまくいきます)

×「子どもが先生のことを嫌だと言っています(話し合いの余地がありません)
〇「子どもがどうも学校が楽しくないみたいで…」(話し合いのきっかけが生まれます)

×「~くんと席を離してください」(先生に考える余地を与えていません)
〇「~くんといると、トラブルが多くなようなのですが…」(先生に考えてもらえます)

×「先生の今回の対応の仕方、おかしいと思います」(断定的で、話が進みません)
〇「先生の今回の対応について、お話しさせていただきたいのですが…」(言うべきことは言うための伏線となります)

大切なのは、保護者が断定的に話すのでなく先生に“相談する・一緒に考える”こと。通知表や成績のことで相談するときに、意識してみてくださいね。

“どういった点がわが子に足りなかったのか、家庭でできることはあるのか”といったアドバイスをしてしてもらえることもあるでしょう。また、「どんなことを頑張れば成績が上がりますか」と聞いてみるのもOKです。

小学校の通知表の“コメント欄”には何を書く?

学校によっては、通知表に保護者からのコメントを求める欄がある場合があります。

保護者からのコメントは、わが子の成績を見た感想、子どもの家庭での様子などを書くのが良いでしょう。手紙の返事を書くイメージです。

具体的に説明すると、

  1. 先生へのお礼や感謝の言葉
    「いつもありがとうございます」だけでなく、具体的な一言をつけると先生に喜んでもらえます。
    例)「いつもお世話になっています。子どもが先生の授業が楽しい、よく分かると言っています。ありがとうございます」「休み時間にはいつも先生が一緒に遊んでくれると喜んでいます。ありがとうございます」
  2. コメントや成績を見た感想や意見
    成績や先生からのコメントに返事をする書き方です。
    例)「算数の成績が良くて安心しました。ありがとうございます」「授業中に先生の話をよく聞いて、きちんとをノートをとることができるようになってうれしいです」
  3. 夏休みや春休みなどの家庭での様子
    休み中の家庭での様子を書いても良いでしょう。
    例)「時間を決めて遊んだり勉強したりできるようになってきました」「毎日、お手伝いをしてくれて助かりました」
  4. これからの目標や希望
    今後、わが子がどんな風になってほしいのかを書きます。
    例)「漢字練習を自分からするようになってきたので、見守っていきたいです」「九九を全部、スラスラと言えるように頑張ってほしいです」「学校でも時間を守る取り組みを続けていただけたらうれしいです」

逆に、“書かない方が良い”という内容があります。

  • 「家で漢字の書き取りをさせているのに全く覚えなくて困っています」
  • 「家では勉強を全くしません。先生のほうから指導してください」

といったようなこと。

ネガティブなことや学校や先生に丸投げの姿勢、子どもが見て傷つくようなことは避けるのが良いでしょう。高学年であれば、子ども自身が読んでしまう可能性があるからです。親のコメントを見て、自信をなくしてしまう子もいるもしれません。

こういった内容の場合は、個人面談などで直接、先生に伝えることをおすすめします。文章では、しっかり伝えきれずに誤解されてしまう可能性もあります。

親からのコメントは、教師はしっかり読んでいます。教師同士の情報共有に活用されることもあります。希望や要望は、無理のない範囲であれば受け入れることもあります。

「コメントを書いても、意味がない」と感じる人もいるかもしれませんが、教師と親とのコミュニケーションとして、ぜひ活用してくださいね。

須貝 誠

須貝 誠

東京都小学校準常勤講師・塾講師・ライター。30校以上の教育現場で教えてきた経験があり、進学塾では主に国語を担当。教師が集まる民間教育団体であるTOSS相模原・和(のどか)会員として指導法を学んでいる。https://www.toss.or.jp/

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