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2020.10.26

思春期・反抗期の女子への正しい接し方とは?父親はまず女の子の特徴・心理を勉強するべし!

可愛くて仕方がない娘からある日突然暴言を吐かれ拒絶されてしまう「思春期の娘に嫌われる父親問題」。この父親の悲しみを和らげるため、実際に娘から嫌われてしまい父娘関係の再構築に試行錯誤中のソクたま編集長が思春期女子の心理を4冊の書籍から学び実践したレポートです。娘に嫌われた父親の皆さん、あきらめるのはまだ早い!

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娘に嫌われている父親の皆さんへ

僕の娘は小学5年生になった頃、はっきりと「パパ、嫌い」と言うようになりました。

そんなはっきり言わなくても…と、深く傷ついたのを覚えています。


「生物学的に女の子は父親を嫌いになるようにできている」とか
「思春期・反抗期だから仕方ない。ちゃんと成長してるってことだ」とか
「嫌いとはっきり言えるくらい心を開いてくれているんだね」とか
「嫌なものは嫌だと意思表示できる人間に育ってくれて、パパは嬉しいぞ」とか

いろいろと自分に言い聞かせてみるものの、娘に嫌われた父親の心の傷はそう簡単に癒えるものではありません。


しかも、小学6年生の終わり頃には、「パパ」とも呼んでくれなくなりました。

普通ならそれも成長のひとつということで、これからは「お父さん」かなとお思いでしょうが、ウチの娘は、お父さん・親父・父上・おとん、どれも呼びたくないそう。
じゃあ何て呼ぶんだろうと思ったら、「これから“世帯主”って呼んでいい?」と言われる始末…。


たまに、ずっと仲がいいという父娘の話を聞きますが、あれは本当なんでしょうか?
本当だとしたらすごく羨ましい!

ずっと娘に好かれ続けるための何か秘策があるのか。
僕は気づかないうちに何か過ちを犯してしまっていたのか。
それとも、思春期・反抗期特有のものだから気にしなくていいのか。

僕と同じように仲良し父娘を妬んでいる哀しき父親は、きっと少なくないことでしょう。


小学校5年生~6年生の頃といえば、我が家は中学受験の真っ只中でした。
どうして中学受験という親子の信頼関係が問われるタイミングに思春期・反抗期がやってくるんでしょうか…。

言うことは聞かない、全然勉強しない、何だかよくわからないけどとにかく不機嫌、ということで、どうすればいいものかと妻も僕も頭を抱える日々。ただその間は「嫌われたとしても親としてやらなきゃいけないことがある」などと思いつつ悩みながら接していました。

そんな悩める受験期を終え、娘も晴れて中学1年生。

ようやく落ち着いたので、しばらく棚上げにしていた「娘に嫌われる父親問題」を解決すべく、思春期・反抗期の女の子への接し方について一から勉強することにしました。


先に結論からお伝えすると、学んだことを実践した結果、娘との関係は以前よりかなり良好になってきています。

娘に嫌われている父親の皆さん、あきらめて耐え忍ばなくても大丈夫です。

まずは、思春期・反抗期の女子の特徴や心理を知ることから始めてみませんか?

思春期女子に関する4冊の本

「思春期」「女の子」に関するテーマで書かれた本の中から、今回は以下の4冊をピックアップ。
学校や施設での実践経験豊富な方、教育学者、心理学者など、専門性の高い方が執筆された特に評価の高い著書を選ばせていただきました。

『思春期の子に、本当に手を焼いたときの処方箋33』

著者は、心に傷を抱えた子どもを養育する「土井ホーム」を運営する土井高徳さん。医師や臨床心理士など専門家と連携し、国内では唯一の「治療的里親(心に傷を抱えた子どもたちとともに暮らしながら、養育を通じて自立を促し社会に送り出す取り組み)」として処遇困難な子どものケアに取り組んでおられます。男女問わず思春期の子どもへの接し方に関する実践的なノウハウが詰まった本です。

『女の子の「自己肯定感」を高める育て方: 思春期の接し方が子どもの人生を左右する!』

著者は、私立鷗友学園女子中学高等学校名誉校長の吉野明さん。鷗友学園といえば、女子の発達段階に合わせて考えられたプログラムなどにより女子生徒の自己肯定感を高める学校として評価されています。同校での事例なども交えながら思春期女子の心理を踏まえた子育てについて学ぶことができます。

『女の子の育て方~「愛され力」+「自立力」=「幸福力」。0~15歳児の親が必ずしておくべきこと。』

著者は、明治大学文学部教授、教育カウンセラー、教育学博士の諸富祥彦さん。女の子の「幸福力」を育てることをテーマとした本です。教育カウンセラーとしての20年以上の経験をもとに、女の子の発達段階に合わせた具体的な知恵と方法をたくさん紹介しています。

『パパのための娘トリセツ』

著者は、心理学博士の小野寺敦子さん。女の子の成長に合わせて複雑に変化していく心を読み解きながら、父親が適切な対応ができるように、発達心理学の観点から解説、アドバイスをしています。


これらの本には、母親と娘に関する具体的な方法も非常に多く紹介されていますが(父親と娘に関することよりもはるかに多く)、今回は、特に「思春期の娘を持つ父親」に知ってほしい情報を厳選してご紹介したいと思います。

思春期・反抗期(女の子)とは

まずは、思春期・反抗期とはそもそも何なのか、基本的なところから学んでいきましょう。

思春期・反抗期の定義

『思春期の子に、本当に手を焼いたときの処方箋33』によると、子どもは大人になるまで、次のような過程を経て成長します。

乳幼児期0歳~2歳半
小児期2歳半~小学校入学
児童期6歳~8歳半
前思春期8歳半~10歳
思春期初期10歳~13歳
思春期中期13歳~18歳
思春期後期18歳~22歳

特に劇的な変化を見せるのが、小学校4年生ごろからはじまる思春期初期。
ついこの間まで甘えてきていたかわいいわが子が突然口をきいてくれなくなったり暴言を吐くようになるので、親は戸惑ってしまいますよね。

なぜ思春期になると子どもの態度が突然変化するのでしょうか。
その時の子どもの心の状態を土井高徳さんは以下のように説明しています。

10歳から15歳は「第二次性徴期」と呼ばれ、男の子には男性ホルモンが、女の子には女性ホルモンが大量に分泌されます。男の子は肩幅が広がり、声変わりをして、ひげが生えてきます。女の子には初潮があり、胸がふくらんで、身体全体が丸みを帯びてきます。
体が急激に変化すると同時に、自我の目覚めも起こります。一体だった母親から自立しようとする「精神的乳離れ」の時期を迎える半面、反抗しても受け入れてくれる存在として母親を見ています。
親から自立しなければならないと思いつつ、甘えていたい。自立することへの不安もある。そんな矛盾した感情に子ども自身が引き裂かれているのです。親との距離感がわからないし、どうふるまっていいのかもわからない。この時期の子どもたちは、「家庭」という港から荒波に出ていく小舟のように、自分でも自己コントロールできない状態なのです。

『思春期の子に、本当に手を焼いたときの処方箋33』

特に思春期初期は、学習のつまずきなどさまざまな困難に突き当たる「9歳の壁・10歳の壁」の時期にあたります。また、小学校高学年~中学入学のころは子どもを取り巻く環境が大きく変化する時期でもあり、余計に自己をコントロールするのが難しくなるそうです。

<「9歳の壁」に関連するその他の記事はこちら>
公認心理師が解説する「9歳の壁」。わが子の”壁”を親はどうフォローする?
小学3,4年で始まるギャングエイジとは?男女の違い、理解できない行動を教育カウンセラーが解説

上記のとおり、子ども自身、自分の心のコントロールが難しい時期であるため、親に対してイライラしたり反抗的な態度をとるのは当たり前のこと。そのことで子どもを責めても仕方ありません。

それよりも子どもの揺れる心理を汲み取って適したサポートができるよう、親のほうが柔軟に対応してあげるべきなんだなと、思春期の子どもの状態を知ることで考え方も変わっていきますよね。

父親が学ぶべき思春期・反抗期の女の子の特徴と心理

次に、思春期女子の特徴や心理について、より具体的に学んでいきましょう。

僕たち父親には理解しづらい点もあるかもしれませんが、思春期女子の価値観が中年男性の価値観に合わないのは当然。自分とは価値観が異なるからこそしっかりと気持ちを理解することが大切です。

4冊の本の中で共通して述べられているものや特徴的なものを5つご紹介します。

10歳をピークに自己肯定感が下がる

株式会社ワコールがおこなった調査によると、女の子は10歳までは恥ずかしがらずに積極的に人と関わり合おうとし、自分のことが好きで満足しています(自己肯定感が高い)。
ですが、成長とともに自分には悪い点があると気づき始め「今の自分ではダメだ」という思いが強くなっていくため、10歳をピークに自己肯定感は下がっていくそうです。また人と関わり合いたいという気持ちも年齢とともに低下していきます。

引用:『パパのための娘トリセツ』
引用:『パパのための娘トリセツ』

完璧主義、失敗を怖れる

『女の子の「自己肯定感」を高める育て方』によると、女子は、完璧主義で失敗を過度に恐れる子が多い傾向にあるそうです。(それに対して男子は、行き当たりばったりな子が多い)

例えば、
・ノートがきれいに整理されている(黒板を書き写すだけでなく、色を使ったりちょっとしたイラストを加えるなど)
・テストにおいて、最初から順番に解かないと気が済まないため、前半に難しい問題があると最後まで手を付けられずに終わる
・問題を解いているとき答えに自信がなくなると、途中まで解けているにもかかわらず答えを書くのをやめてしまう
・学校のイベントなどでタイムスケジュールをしっかりと組んでその通りに進めようとする(男子はその通りに動いてくれないが、トラブルの際は臨機応変に対応する)
・朝、制服のリボンが見つからないと、「リボンがないと学校へ行けない!」と学校を休みたくなる
など
(参考:『女の子の「自己肯定感」を高める育て方』)

親や周囲の大人をよく観察している(それが自己形成モデルとなる)

通常、子どもは身近な親や学校の先生など周囲の大人をモデルとして観察、学習し、その行動や考え方を取り込んでいきます。こうした周囲の大人との確かな交流や応答を通じて、未来の指針となる「自己形成モデル」を持つようになります

思春期には、不安定な気持ちから、ときに周囲への著しい反抗や問題行動が顕在化することがあります。しかし、確かな「自己形成モデル」を持っていると時間の経過とともに内面の「回復力」が働いて、やがてそうした行動から卒業していきます。時間とともに感情統制の困難を調整し、コントロールする力が復元してくるからです。
(参考:『思春期の子に、本当に手を焼いたときの処方箋33』)

同様に、女の子は「最も身近な男性」として父親の性格やふるまいを見ることで男性像をつくりあげていきます。
ただし、父親の全てを男性像として受け入れるわけではありません。異性として一定の距離を取って観察しているので、モデルとしての父親に良いイメージを持てなかった場合、それを拒絶するようになるそうです。

女子ならではの集団形成の原理

男子は競争して切磋琢磨していくタテ(上下)の関係性に比較的落ち着きを感じます。それに対し、女子はヨコにつながった人間関係を心地よく感じる傾向にあるため、上下を決めず、それぞれの場に合わせたコミュニケーションを大切にします。 しかし、それゆえ同調圧力が生まれ、「自分自身を消して周りに合わせる。それによって、何とか自分の居場所を確保する」という緊迫した状況にさらされています

(参考:『女の子の「自己肯定感」を高める育て方』、『女の子の育て方~「愛され力」+「自立力」=「幸福力」』)

過剰に空気を読み、心の痛みを内にため込む

ヨコの関係を重視することからもわかるように、仲間外れにならないよう他人に見られていることを意識し過剰に空気を読む女の子。
それは友達関係だけでなく親や周囲の大人に対しても同様で、思春期の不安定な気持ちをうまく表現できない傾向があるそうです。

文部科学省の「児童生徒の問題行動に関する調査」にもあらわれているように、
男子は、心の痛みや不安定さを外に発散する(相手を威嚇する、暴言を吐く、暴れる、喧嘩をする、など)ことで解決しようとしますが、女子は同様の痛みを抱えていても普通の顔をして痛みを内に閉じ込めてしまいます

以上5つの特徴からわかるように、思春期の女の子はさまざまな心の傷やストレスを抱えながら、それをうまく表現できずにいます。

このように繊細な娘の心を理解せず、無神経な言葉をかけてはいませんか?
そんな父親には、娘もたまに暴言を吐きたくなるのかもしれませんね…。

娘の心の状態を知ることは嫌われないための第一歩。これを踏まえて今後どのように接していけばよいのか、さらに具体的に学んでいきましょう。

まずは父親が変わろう。思春期の女の子との正しい接し方とは

思春期女子の特徴について理解が深まったところで、
では、実際に父親は娘に対してどう向き合い、接していけばよいのでしょうか。

今回紹介している本の中から特に納得感が強かった考え方や接し方を3つピックアップし、それぞれに具体的な方法を紹介していきます。

父親と娘の関係性・コミュニケーションの取り方を「ギアチェンジ」

表現の仕方は本によって違いますが、4冊ともで述べられているのが「父娘関係のあり方」について。これまでの関係性・接し方を大きく変えたほうがいいようです。

タテの関係からヨコの関係へ

これまで手塩にかけて育ててきた娘は、大きくなったとはいえ父親にとってはまだまだ子ども。間違っていると思えば正してあげたいし、心配して手をかけたくなるし、いつまでも「パパ大好き」と言ってほしいものです。

ですが、思春期の女の子は「まだ大人ではないけれど、子ども扱いされると頭にくる」という微妙な立ち位置にいます。

小さい子どもをしつけるかのように「これはダメじゃないか!」「こうしなさい!」などと指示を出すと、娘の気持ちはスーッと引いてしまいます。指示の内容よりも「上から目線」であることに納得がいかないのです。

会社の部下に話すような口調で指示したり注意してしまうこと、ありませんか?
あの行為は、指示を聞かないばかりか気持ちも離れる、全くの逆効果というわけですね。

娘を子どもではなくこれから大人になる一人の人格として認めて、ヨコの関係を築くこと。そして、これまでのように「手をかける」のではなく、少し距離を取って「目をかける」接し方へと大幅にギアチェンジする必要があります。

娘を一人の女性として見たうえでの立ち振る舞い

例えば以下のような行為に心当たりはありませんか?

  • 下着姿、または裸にバスタオルを巻いた姿で部屋をうろつく
  • 娘の大切にしているタオルを無断で使う
  • 娘のスマホやノートをのぞき見することがある
  • 娘の部屋に勝手に入ることがある
  • 娘の体型に口を出す(「最近太ってきたね」など)

もし会社の女性社員に対して同じことをしたら、デリカシーゼロの男として一瞬で嫌われることでしょう。それは娘も同じです。

前述のとおり、我々父親は娘から「最も身近な男性」としてチェックされています。
カッコ悪い、イヤな男だと拒絶されないためには、娘も一人の女性だと認識して気遣うことはもちろん、オシャレをしたり身だしなみを整えることも大切だそうです。

父親の感情コントロール

『思春期の子に、本当に手を焼いたときの処方箋33』より、
思春期の子どもと向き合うときにしてはいけないこと、5つをご紹介します。

  1. 子どもと対等になって衝突しない
    子どもが親に暴言をぶつけてきたとき、カチンと来るのは親が子どもと同じ精神年齢になっているから。ヨコの関係をはき違えて対応に喧嘩するのではなく、あくまで親として冷静に感情をコントロールする必要があります。
  2. 子どもを傷つける言葉を使わない
    「バカだね」「何をやってもダメだね」など人格的な評価や否定は、娘の心を傷つける可能性があります。
  3. ガミガミ言わない
    長い説教はダメ。目の前のことだけに関して短く諭すようにしましょう。
  4. 子どもを追い詰めない
    親子の衝突は往々にして起こりますが、やりすぎは禁物です。もちろん体罰は論外です。
  5. 子どもを突き放さない
    「勝手にすればいい」「あんたなんか知らない」「家から出て行きなさい」などの突き放しは、娘を不安にさせ、娘との親子関係に亀裂が入る危険性があります。

これら5つの行動はいずれも怒りの感情が抑えられなくなったときについついやってしまうものではないでしょうか。

反抗的で生意気な子どもの言動にカチンと来てしまうのは誰しも経験があると思います。でもまず第一に「怒りの感情を抑えて冷静に」「子どもと同じ土俵に上がらない」ことが重要であると、今回すべての本で述べられていました。

では、怒りの感情をコントロールし冷静に子どもと向き合うにはどうすればいいのか。

それは、ソクラテスのたまごでも連載中の『アンガーマネジメント』の記事を読んでいただくのが一番かなと思いますので、よろしければこちらをご覧ください。

<「アンガーマネジメント」に関連するその他の記事はこちら>
「アンガーマネジメント」に関する記事一覧

子どもの前で夫婦喧嘩はタブー

仲の良い両親を見て育った子どもは自己肯定感や自尊感情が高いといわれます。それに対し、仲の悪い両親を見て育つと、自分には価値がないと感じる場合が多いようです。自分という存在に意味がないと感じ、自分など生まれなければよかったのではないかと思ってしまうことがあります。

『パパのための娘トリセツ』

上記のとおり、両親の関係性は子どもの心に多大な影響を及ぼすそうです。

父親が母親に対して優しく大切にしていると、最も身近な男性としての父親を尊敬し好きになり、男性や結婚に対しても肯定的なイメージを持てるようになります。
逆に母親を大切にしない父親はもちろん嫌われるのですが、母親から父親の愚痴や悪口を聞かされ続けた子どもは自分の存在価値さえ失ってしまうこともあるそう。

僕が娘に嫌われた理由の一つはこれかもしれません…。
今では随分穏やかになりましたが、以前はけっこう頻繁に夫婦喧嘩をしていました。その様を娘に見られたこともあります。
ロジカルで弁が立ち記憶力のいい妻、論破されまいと仕事以上に頭を使って頑張る僕、その二人の夫婦喧嘩はなかなか見ごたえのある激しい論争になるのですが、
たしかに今思えば、醜く言い争う両親の姿を見せられた娘はたまったもんじゃないですよね。猛烈に反省しております。

なお、「夫婦の問題」は、ある意味「父と娘の問題」よりも難しいテーマなんじゃないかなと思いますので、また別の機会により深く取り上げていきたいと思います。



以上、父親が気を付けるべきポイントを3つご紹介しましたが、
今回の4冊には、具体的な接し方のテクニックなどまだまだ多くの手法が述べられています。より深く学びたい方はぜひ読んでみてください。

父親にとって娘とは。父親が娘にできること

『パパのための娘トリセツ』にこんな記載がありました。

近ごろは、反抗期のない仲良し親子も多く見られるようになってきています。青年期平穏説といい、子どもの意見を尊重し自由な生活をさせてくれる父親が増え、葛藤する理由がなくなったからだといわれています。

ずっと娘と仲が良いなどとのたまう父親に対し、「絶対ウソだね。娘が気を使ってくれてるだけでしょ。」と思ってた僕ですが…、ホントにいるんですね。
思春期女子について学んだ今ならそれも理解できます。


今回、「娘に嫌われる父親問題」を解決するためにいろいろと学んできましたが、

結局のところ、父親が望んでいるのは
「娘に幸せに生きてほしい」という一点に尽きるのではないでしょうか。
そのために、娘が人として成長してくれることを願っているはずです。

なのに、今思えば、僕は親として(上から目線で)ついつい余計な手や言葉をかけすぎてしまっていたように思います。

品行方正な子であってほしい。
できれば勉強もがんばってほしい。
ずっと自分のことを好きでいてほしい。

どこかで自分が求めてしまっている理想の娘のイメージとのギャップを埋めようとしていないでしょうか。でもそれは親のエゴでしかなく、自立しようとしている子どもの足を引っ張る行為かもしれません。

そう考えているうちに、「もう別に嫌われててもいいんじゃないかな」と思うようになりました。
そういえば僕自身も思春期の頃、親のことは全然好きじゃなかったですしね。

それよりもまずは「この子を育てている」という認識から脱却して、適度な距離感で一人の女性の成長を見守るフェーズへと父親の意識を変えなければと、娘への接し方を「ギアチェンジ」することから始めました。

すると、まず変化があったのは「いつの間にか娘がものすごく成長していることに気づいた」ということ。
娘は、僕が中学1年生の頃と比べたら恥ずかしくなるくらい、はるかに大人でした。

その成長っぷりに心から「この子はすごいなあ」と思えるようになると、娘にかける言葉も変わり、関係性も変わっていく。
そんなふうに、僕と娘の間に横たわっていた深い溝が次第に消えていきました。

今では、一緒に出かけたり勉強を教えたり、以前のように普通に楽しくコミュニケーションが取れる関係に戻れた気がします。

娘がどう思っているかはわかりませんが、一時期のように恐ろしく冷たい態度を取らなくなり良く話しかけてくれるようになったので、少しはマシな父親になれたのではないでしょうか。


父親が娘にできることって何なのでしょう。

もちろん生活を維持したり学ぶ環境を用意することはできますが、それ以外は、嫌われてショックを受けてるくらいなもので…。成長した娘を見ても、親として子育ての手応えはまったくナシ。

結局、父親が思春期の娘にできることなんてほとんどなくて、勝手に成長していく娘を見守ることしかないのかもしれません。
でもそんな日々を楽しみつつ、これからも父親にできることとは何か考え続けていきたいと思います。

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