教育は未知にあふれている

ソクラテスのたまご

2019.09.20

【子供が宿題をしない/朝起きてこない】こんなとき甘えさせる親と甘やかす親の違いとは?

9月に入り、子どもたちの登下校姿が見られるようになりました。 友達に会えるのが嬉しくて「行ってきます!」の声も弾む新学期。一方で、保護者のなかには、自由気ままな夏休みモードから規則正しい学校モードへ子どもの生活スタイルを切り替えるのに躍起になっている人もいるかもしれません。そこで、今回は、親のかかわり方、特に“甘える”と“甘やかす”の違いについて家庭教育師の藤田さんに解説してもらいました。

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夏休みの宿題にどこまで関わった?

始業式が始まり、いよいよ授業再開です。マイペースな子やゆっくりリズムの子はついつい親が手を出したくなりますが、極力本人にまかせましょう。親がやってしまうと甘やかすことになります。そしてそれが習慣になり、甘やかされることに慣れてしまうのです。そうなると、やってもらって当たり前になってしまい、やらないと逆ギレすることにつながります。

 

特にトラブルになりがちなのが宿題です。宿題をしないことにイライラしてつい声を荒げてしまう、遂には業をにやして手や口を出してしまったというケースがよくあるのです。

 

しかし、原因は子どもだけにあるのでしょうか? ここで今年の夏休みを振り返ってみましょう。

 

2019年8月31日(土)朝日新聞に興味深い記事が載っていました。
「夏休みの宿題、最後の1日で片付けた?」という問いに、はい・32%/いいえ・68%と答えていたのです。

 

約7割の子どもがコツコツ型なのは、毎日やらないと終わらない種類の宿題だったこともあるかもしれません。


また、同記事によると、宿題の大物とされる工作や自由研究をこなす鍵は“親の協力”であり、夏休み明けの教室は親の作品の展示会状態になっているという話や、「親が描いた絵や工作を提出したら、自治体のコンクールで表彰された」というエピソードも寄せられていました。

 

さらに、宿題を出す教員の思いとして、宿題で学力が定着するとは思わず、生徒が規則正しい生活を送るために課しているということも掲載されていました。

 

 

 

甘えさせると甘やかすの違いで子どもの未来が変わる

子どもが夏休みの宿題で困っていれば、助けてあげたいと思うのが親子心です。しかし、子育てで迷うのが、ここは、甘えさせることなのか、あるいは、甘やかすことになるのかということですよね。

 

では、なぜ迷うかというと、二つの違いの境界線が分かりにくいからに他ならないのです。そしてその違いによって、子どのの未来が大きく変わることを知っているからこそ迷うのです。


甘えさせることが不足すると、愛情不足になるのではないか、甘やかし過ぎるとワガママになるのではないか、保護者の心は2つの不安に占められています。過保護・過干渉という間違った子育てをしたくないという強い願望があるのです。


では、改めて、甘える・甘えさせるの違いを考えてみましょう。

 

甘えると甘えさせるの違い

 

 

十分に甘えさせると、愛されているという安心感ができ自己肯定感をもつようになります。それがやる気に繋がり、少しぐらい嫌なことがあっても負けない生きる力が育つのです。

 

逆に、過度に甘やかした場合、どうしてもやりたい放題・ワガママになる傾向があります。それが過ぎると、自己中心的考えをもち、親に依存症・他力本願になることが多いのです。

 

ただ子育ての中では、甘えさせる・甘やかすをハッキリ分けることはできないでしょう。ケースバイケースということです。

 

時には、分かっていながらも甘やかしてしまう時もあるし、甘えさせてあげたくても出来ない時もあるでしょう。
大事なのは、ここぞという時に甘えさせる親の度量であり、子どものためと思っても甘やかし過ぎない態度です。

 

 

甘やかす親に考えて欲しい宿題をする意味

では、具体的には、甘えさせる・甘やかすを宿題を例に挙げて考えてみましょう。そこで、まず一緒に考えてみたいことは、宿題は何のためにするのか?なぜしないといけないのか? という問いかけです。

 

宿題をしなければならない理由

①宿題は、先生と生徒との約束事(教員が必要と判断した学習)
②宿題をすることによって、学習習慣が身につく
③復習できる(授業の内容を理解出来ていたかが分る)


まず、大事なことは先生を敬する態度であり、言われたことを素直に実行できる力を身につけることです。学ぶということは自主性が大事であり、その力こそ学習能力になり、授業が楽しくなる(分かる喜び)ことに繋がっていくものです。

 

子どもの宿題が親の宿題になってしまい、親が主体になろうとすると、子どもにとって宿題は“自主的にする”ものではなくて“親によってやらされている”ことに成りかねません。それは、子どもから好奇心や「知る喜び」を奪ってしまうことになります。

 

気をつけたいのは「いつやるの?」「早くしなさい」と子どもをせかし、段取りをつけ、手出し口出しをすることです。それはしつけているつもりでも甘やかしになります。

 

「勉強キライ」にならないためにも、子どものやる気がでる声かけを工夫しましょう。

 

例えば、怒鳴ってやらせるより、元気に機嫌良く過ごしているなら、些細なことでよいので出来たことを褒めましょう! 子どもの好きなようにさせることが大切です。ママも(気になることは横に置いといて)機嫌良く過ごしましょう。その方が子どもは居心地よく、自分から動き始めるものです。

 

一方で子どもが困っていることがあったときは、ゆっくり話しを聞きサポートしてあげる(甘えられる親子関係)。そのメリハリがとても大事なのです。

 

 

失敗させることも学習になる

親としては、自分でやってしまった方が楽らことも多いですが、やってもらって楽をした子どもは、親に依存するようになります。

 

子どもの未来を見据えたとき、

①黙って 
②見守って 
③失敗させる

という3つの忍耐をぜひ試みてください。

 

宿題をやっていかなかったり、忘れ物をして叱られる経験が学習です。そう割り切って子どもに失敗をさせてあげてください。そして叱られて、落ち込んでいる子どもが甘えてきたときに、タップリ甘えさせてあげてほしいのです。「自業自得よ」と言いたいところですが、ここは「それは辛かったね」と共感してあげてくださいね。

 

「先生にみんなの前で叱られた」「自分だけができていなかった」と聞くと、親として恥ずかしい思いやかわいそうな気持ちになるかもしれませんが、自分がしたことの後始末がきちんと出来た子どもは、自立への階段を上って行けるのです。

 

わが家の息子達が中学時代に通ったサッカークラブは、親が口出し手出しをしないように釘を刺されました。「子どもに全て任せてください。忘れ物をしたら、練習させないでグランドを走らせます」と言われ、自立していない子はプレーも伸びないと教えてもらいました。親子共々、よい学習になりました。

 

 

 

子供が起きないときも甘やかす親にならない

また、私が講師を務める家庭教育セミナーでよく質問に出てくるのが、朝の声かけについてです。「何度起こしても起きてきません。最後は怒鳴って起こすのですが、これは甘やかしですか?」こんな風に毎朝、子どもに対してイライラしている親も多いと思いますが、アドバイスは下記の3つです。

 

起きない子がいる家庭へ3つのアドバイス

①子どもと起きる時間を決める
②声かけは2回まで(1回目 提示「朝ですよ」 2回目 確認「起きたかな」)
③3回目からの声かけは、干渉になるのでしない

 

何度も声を掛けられて起きている子はそれが習慣になっているので、すぐには自分で起きてこないかもしれませんが、「お母さんは、あなたを信じて任せるから自分で起きてきてね」と根気よく伝えてください。実行することが大事です。荒療治ですが、遅刻して痛い思いをして起きられるようになったとの報告も入ってきていますが、どうでしょうか。

 

さらに、なかなか起きにくい子どもを起こすコツは下記です。

 

なかなか起きない子供を起こすコツ

①名前を呼んでから起こす(自分に言ってもらっている自覚が芽生える)
②遠くから言うではなくて耳元で言う
③優しい声で起こす
④足の裏をもむ(刺激を与えると目覚めやすい)
⑤抱きつく(思春期の子は飛び起きる確率大。特に男の子)

最後の「抱きつく」は子どものタイプにもよるので、蹴られないように気をつけて試してみてください。

 

子育てにはドンピシャな正解というものがありません。親子であっちにぶつかり、こっちにぶつかりして、程よい距離ができていくのでしょう。甘やかしすぎず、甘え上手な関係を作り上げていくことこそ、子育ての醍醐味です!

 

藤田郁子

藤田郁子

1961年、神戸市生まれ。日本家庭教育学会認定の家庭教育師。幼児生活団の指導者・保育士・健康体操インストラクターなどの経験があり、1991年に公益社団法人スコーレ家庭教育振興協会に入会。日本家庭教育学会第24回大会(2009年)、同32回大会(2017年)では、研究論文を発表したほか、ゲームなど、身体から心の交流をはかる「ふれあいトレーニング」や「キッズ保育者研修」のトレーナーとして活躍中。スコーレ協会の首都圏北地区のリーダーも務めている。

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