教育は未知にあふれている

ソクラテスのたまご

2019.09.25

子どものアンガーマネジメント 子どもがどんなときに怒っているのか聞いてみよう

アンガーマネジメントのトレーニングを続けていらっしゃいますか? 前回の記事(https://soctama.jp/column/57968)では、イライラしている子どもが怒りで失敗しないために知っておきたいテクニックについて紹介しましたが、今回の記事では、子ども自身が自分の怒りに気づく方法についてお伝えしていきます。まずは、自分の怒りに気付くことで、その後の行動が変わってくいくはずです。

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どんなときにイラっとするの? 子どもの怒りを共有しよう

怒りを感じたとき、攻撃性をもって誰かにぶつけたり、モノに当たったり、自分を責めたりすることは、以前の記事で紹介した“怒るときの3つのルール”でもNGでした。しかし、怒りをガマンしてしまうことも不健全ですよね。

 

まず、自分が“怒っている”ことに気づくことが大切です。

 

(特に大人に多いのですが)怒りっぽい人ほど「自分は怒ってない!」と言ったりします(笑)。普段、子どもはどんなときに怒りを感じやすいでしょうか? 子どもの怒りの傾向を知るのは、こちらの記事で紹介した「アンガーログ」を書くことで、自分の“怒りのパターン”が見えてきます。

 

他にも、何をされたらカチンとくるか、どんな言葉を言われたらムカつくか、どんな態度が気にくわないか、書き出してみるのです。親や周りの大人が子どもに質問しながら、一緒にやるのもよいでしょう。こういう事は怒りになるというのがお互い理解しやすくなるので、兄弟姉妹や友達と一緒にやってみるのもよいですよ。

 

ただ、その時に気をつけて欲しいことがあります。書き出す作業は最近のことにするとか、短めに時間を決めておこなうということです。ガマンをしていることや未だ解決していないこと、繰り返して起きていることは、思い出すだけで怒りが湧くことがあります。日が浅かったり、すぐに思い出せるものならばクールダウンしやすいですが、根深いものだったりすると気持ちの切りかえが難しくなります

 

 

 

あくまでも目的は“怒りのパターン探し”

以前、子ども達と怒りになる事を書き出していたときのこと。15分たらずの時間でしたが、怒っているのにガマンをしていたこと、上手く伝えられずにいたことがドンドン出てきました。

 

特に高学年の子ども達は、最初、書くこと自体を躊躇していましたが、他の子達が書くのを見てせきを切ったように書き出しました。

 

中には、怒りを感じたのは、友達から「死ね」「クズ」など心無い言葉をかけられたとき、「(男の子が)女子トイレに入らせられたとき」「先生に言ったらぶっころすと言われたとき」などイジメと取れるような内容も出てきました。

 

「イヤだと言うことは相手には言えた?」「先生や誰かに話すことはできたかな?」と聞いてみると、その子達は口を揃えて「言えるわけない!」と。私は思わず「今、言えて良かったね!」と言いました。

 

嫌なことをされて怒りを感じるのは当然のことです。子ども達同士、お互いに書いたのを見ながら「あるあるだよねー」「嫌だなぁ」「頭にくる!」と話がドンドン盛り上がり、何だか頭に血がのぼってきた様子。「はい、ここまで!」と終わらせて、クールダウンのために、その時は怒りを絵にするワークをしました。

 

もしかすると中には、せっかく子ども達から出てきているのだから出せるだけ出させていいのでは? と考える人もいるかもしれませんが、私はオススメはしません。あくまでも、どんなときに怒りを感じるかという“パターン探し”が目的であって、イヤなこと許せないことを思い出して、その場にいない誰かや何かを責めるための時間ではないからです。怒りを書き出すのは、クールダウンがしやすい短時間にとどめましょう。もし、普段から感情をガマンしやすく表現しないなど気になる子どもがいるのであれば何回か取り組んでみるのがよいと思います。

 

 

 

 

怒りはエネルギー

話を先ほどの子ども達に戻しましょう。彼らには、クレヨンでグルグル描きをするなど怒りを絵で表してらったのですが、途中でクレヨンが折れる子、1枚では足りず、2枚3枚と描く子、自分の描いた絵を真っ黒に塗りつぶす子などが出てきました。

 

表現はさまざまですが、そもそも心の中に無いものは出てきません。怒りの感情が絵を通して見えてきました。上手く言えずにガマンをしていた子ども達が多かったこともあり、“書き出してみる”“口に出してみる”“絵にしてみる”など安心安全な場で表現してみることに意味があるのだろうなと思いました。

 

時間にして10分ほどでしたが、子ども達の周りだけ一気に温度が上昇していたようで、子ども達も「何だか熱くなってきた」「汗が出てきた」と言いながら、改めて怒りの感情のパワフルさにも気づいたようでした。

 

怒りは本当に熱く強いエネルギーです。「このエネルギーを攻撃的な方法やガマンするなどのような不健全な形ではなく、最適な方向にどう向けていくか」子ども達が学んで身につけていくことはとても大切なことなのだと思いました。

 

怒ったとき、そのエネルギーをどう扱うか、選択肢はいくつもあります。このとき、冷静に怒りに気付くことができれば、“どの方法を選ぶか? 最適か?”は自分で選んで決めていけるのです。次回の記事では、怒りを感じた後の行動について紹介したいと思います。

 

今日からできることを少しずつトレーニング。アンガーマネジメントにレッツトライ!

 

長縄史子

長縄 史子

一般社団法人日本アンガーマネジメント協会(東京)アンガーマネジメントシニアファシリテーター。子育てや教育・福祉・司法関係において、心に触れる実践的なアンガーマネジメントを伝え、一人一人が大切にされる教育社会を目指して怒りの連鎖を断ち切るために活動を続けている。著書に「マンガでわかる怒らない子育て」(永岡書店)「イラスト版子どものアンガーマネジメント~怒りをコントロールする43のスキル」(合同出版)などがある。 https://www.angermanagement.co.jp/

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