教育は未知にあふれている

ソクラテスのたまご

2019.07.26

子供にこそアンガーマネジメント! 怒りを自分で簡単にクールダウンできる方法とは

これまでに11回の記事にわたってさまざまなことをお伝えしてきましたが、アンガーマネジメントのトレーニングを続けていらっしゃいますか? 前回の記事【アンガーマネジメント11】では、イライラしている子どもへの対処法についてご紹介しました。今日は、怒っている子ども自身がとっさにできる体を使ったクールダウン法についてお伝えしたいと思います。

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上手な怒り方を学校では教えてくれない

子どもがちょっとしたことでキレる、怒ると暴言を吐く、手や足が出てしまいケンカになる、逆に気持ちを押し殺して我慢をしてしまう…。

 

そんな様子を見て心配になっている保護者もいることと思います。ですが、怒ることそのものが問題なのではありません。“話を聴いてもらえなかった”“バカにされた”“責められた”“頭ごなしに決めつけられた”“暴力を振るわれた”そんな時に怒りが込み上げてくるのはごく自然なことです。

 

問題なのは感情に支配されてしまって上手に怒れないことです。怒っていることをどう表現するかについて、なかなか家庭や学校で学ぶ機会がありません。けれども怒りの感情と上手く付き合う術は生きていく上で必要なスキルでもあります。怒りを感じたときに子ども自身で何ができるのかを知っておくことは大事なことです。

 

できることは一つではなく、いくつか持ち合わせていることで周りとのトラブルを防止することもできます。また、気持ちがねじれて卑屈になることも回避することができます。

 

怒っているときは、気持ちが高ぶり不機嫌になりがちです。子どもの怒り方のモデルとなっているのは、親や周りの大人。また自分だけがアンガーマネジメントができていても他の周りの人ができていないと元に戻ってしまうこともあります。そのため、アンガーマネジメントは家庭や学校で一緒にできるといいのです。

 

 

 

子どもでも今日からできる5つのクールダウン法

怒りを感じた直後は何かを言ってしまったり、ずっとそのことを考えたりするのはよくありません。感情のピークは6秒ということは以前の記事で紹介しましたが、今回は、子どもが自分でできる身体を使った簡単なクールダウン法についていくつか紹介していきましょう。

 

深呼吸をする

イライラしている時だけではなく気持ちをガマンしているときも息が詰まって呼吸が浅くなっています。意識的に深い呼吸をすることで気持ちが落ち着いていきます。こちらの記事ではゆっくり息を吐ききる呼吸を御紹介しましたが、子どもの場合は息を吐ききるときに、ゆっくりと1,2,3,4…と頭の中で6まで数えるといいですよ。

 

胸をトントンと叩く

よく緊張したときなどに胸のあたりをトントン叩いたりしませんか? 胸腺といわれている場所です。免疫力の司令塔とも言われています。ここを叩いたり、さすったりすることで気持ちが落ち着いていきます

 

手や腰をゆらゆらさせる

怒りを感じると身体は固まります。そこで、意図的に身体をほぐすのです。手や腰をゆっくりとユラユラさせることでリラックスしていきます。

 

手のグーパー運動をする

怒っているときは血圧が上がった状態になります。手を握ったり開いたりする動作をすると、血圧が下がると言われています。ここで注意が必要です。ひとりのときは問題がないのですが、相手がいるときに相手に向かってグーの手を出してしまうと、挑発行為と思われて新たな火種が産まれてしまいます。くれぐれもグーの手を相手に向けないように気をつけましょう。

 

手を揉む、身体をさする

身体に触れることで、“今、ここ”に意識が向きやすくなります。頭にきたときに、とっさに手を揉む、腕をさするなどすることで、切り替えができるようになります。このときに、くれぐれも爪で自分を傷つけることがないように気をつけましょう。怒ったときに自分を傷つけるのはNGです。

 

そのほか、走る、歌うなどもオススメです。イライラのエネルギーは、怒っている何かにぶつけるのではなく、健全な形で別の方向に向けることができます。よくイライラ解消法として有酸素運動が挙げられることがありますよね。ジョギングやウォーキング、水泳やカラオケなどが知られていますが、怒りを抱えて攻撃的に何かにぶつけてしまわずに済む方法を小さなうちから身につけていけるといいですね。

 

 

 

自分の機嫌は自分で直せるように

怒りを感じたときに、すぐに外に表現してしまうことはNGですが、ガマンしてしまうことも内に怒りを溜めてしまうことになるのでよくありません。24時間ずっと怒りっぱなしになることはないでしょうが、怒りを溜めることなく、また大きく育ててしまうことがないように気をつけたいものです。

 

ちなみに私の息子は年長から3年生くらいまでよく風船を活用していました。風船は、息を吐ききらないと膨らみませんから深呼吸のクールダウン法にもなります。

 

予めリビングに風船を置いておきます。そうすると何か面白くないことがあったりイライラしたりしたときに自分で風船を膨らませ始めるのです。こちらも自然と「あぁ、イヤなことがあったんだな」と察することができます。

 

気持ちが落ち着いていないときに「何があったの?話してごらん」と言っても難しいときってありませんか? 風船を膨らませている間は、あえて構いませんでしたが、自分で何度か膨らませて気持ちが落ち着いた後は決まって「ママ、風船テニスをやろう!」と言ってきて一緒に風船テニスをして遊んでいました。

 

自分から何が嫌だったのか話してくることもありましたし、すっかり水に流して本人がスッキリしていることもありました。

 

本人がスッキリしているときは感情の蒸し返しはしないようにしています。小さい頃からの積み重ねもあってか、気持ちを語るのが自然になっていった気がします。何よりも自分の機嫌は自分で直せるということを知ってくれたかなと思っています。

 

今日からできることを少しずつトレーニング。アンガーマネジメントにレッツトライ!

 

 

長縄史子

長縄 史子

一般社団法人日本アンガーマネジメント協会(東京)アンガーマネジメントシニアファシリテーター。子育てや教育・福祉・司法関係において、心に触れる実践的なアンガーマネジメントを伝え、一人一人が大切にされる教育社会を目指して怒りの連鎖を断ち切るために活動を続けている。著書に「マンガでわかる怒らない子育て」(永岡書店)「イラスト版子どものアンガーマネジメント~怒りをコントロールする43のスキル」(合同出版)などがある。 https://www.angermanagement.co.jp/

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