【調査】悩ましい「小1の壁とママのキャリア」100人の声と専門家のアドバイス
小学校入学を控える子どもを持つママにとって、大きな不安のひとつが、育児と仕事の両立が難しくなる「小1の壁」です。
下校時間の早さや長期休み、学習のフォローなど、働き方やキャリアにも影響を及ぼす変化が一気に訪れます。
そこで本記事では、現在小学生の子どもを持つワーキングマザー100名に実施したアンケートをもとに、小1の壁がママの働き方やキャリアにどのような影響を与えているのかを、専門家の解説とあわせて紹介します。
目次
小学校入学を機に約4割のママが働き方を変えていた
アンケートによると、現在の働き方は「フルタイム勤務」が50%と最も多く、次いで「パート・アルバイト」が43%を占めています。

その一方で、小学校入学をきっかけに働き方を見直した人は全体の41%。約4割のママが、子どもの入学に合わせて勤務時間や雇用形態を変える選択をしていました。

つまり、小1の壁は単なる「大変な時期」というだけでなく、ママの働き方やキャリアに実際に影響を与える転機になっていることがうかがえます。
働き方を変えたママ・変えなかったママ、その理由は?
小学校入学をきっかけに働き方を見直したママが41%いる一方で、約6割は働き方を変えずに続けています。では、それぞれどんな理由でその選択をしたのでしょうか。アンケートの自由回答をもとに見ていきます。
働き方を変えた理由
働き方を変えたママたちの声で多かったのは、時間の制約と家庭の負担増でした。
- 学童が保育園ほど遅くまで預かってくれない
- 下校時間が早く、お迎えに間に合わない
- 宿題や翌日の準備に思った以上に時間がかかる
- 家事と育児、仕事の両立が難しくなった
- 学校行事や急な対応が増えた
実際の声を見ても、その切実さが伝わってきます。
「下校時間が早く学童を予定していましたがどこも定員がいっぱいで落ちてしまい、時短に変えるしかなかったです。時短でも都合がつかずパートに切り替えました」(三重県・37歳)
「小学生と未就学児がいるので、それぞれに合わせるとなるとフルタイムで働けなくなった。(専門職のため、在宅ワーク等の対応もしてもらえる環境ではなかった。)」(兵庫県・37歳)
働き方を変えなかった理由
一方で、働き方を変えなかったママたちからは、経済的な理由や職場の事情が多く挙げられました。
- 収入が下がると困る
- フルタイムの給与が手放せない
- 物価高で収入を減らしたくない
- 人手不足で勤務形態を変えられなかった
また、サポート体制があったために変える必要がなかったケースもあります。
「学童を利用したり、近くに住む親に手伝ってもらえていたので、働き方を変える必要はありませんでした。」(長崎件・39歳)
8割以上が「両立が大変」と回答 ワーママたちの理想の働き方は?
アンケートで「仕事と子育ての両立」について聞いたところ、「とても大変だと感じる」33%、「どちらかといえば大変だと感じる」52% と、あわせて 85%のママが「大変」と感じている ことがわかりました。

つまり、小1の壁は一部の家庭だけの問題ではなく、多くの働くママにとって日常的な負担になっていることがうかがえます。
ママたちが求めているのは「働く時間と場所の自由さ」
では、どのような働き方であれば、仕事と育児を無理なく両立できると感じているのでしょうか。
自由記述の回答を見ると、キーワードとして多く挙がったのは「在宅」「時短」「柔軟な勤務時間」「休みやすさ」 でした。
- テレワークも利用できる働き方がいい(富山県・45歳)
- 子どもの帰宅時間に間に合う勤務時間で、習い事にも連れていける。テレワークできる環境が理想(神奈川県・42歳)
- 時短勤務で働く(福島県・29歳)
- 始業・終業時間を自由に決められると助かる(兵庫県・36歳)
- 育児との両立を分かってくれる職場環境(大阪府・39歳)
- 基準の労働時間そのものを短くしてほしい(愛知県・39歳)
ママたちが求めているのは、子どもの生活リズムに合わせながら、無理なく働き続けられる柔軟さだということが見えてきます。
悩ましいワーママのキャリア…頑張って正社員は続けるべき?
実際に約4割のママが働き方を変えていたように、小1の壁に直面すると、「このまま正社員で働き続けていけるか」と不安を感じるママも少なくありません。
しかし時短やパートへの切り替えを考えたときに気になるのが、「あとから正社員に戻れるのか」「キャリアが途切れてしまわないか」 という点です。
この悩ましいテーマについて、公認心理師とキャリアカウンセラーの資格を持ち、多くのワーキングマザーの相談を受けてきたかわむらゆみ先生に伺いました。
もちろん働き方をいったん変えても、あとから正社員に戻れる可能性がまったくないわけではありません。ただ現実的には個人差も大きく、簡単ではないケースも多いのが実情です。
日本では、子どもを持ちながら女性が働き続けることは以前より認められるようになってきましたが、それでもまだハードルが高い場面は少なくありません。
そのため、もし時短勤務などの選択肢があるのであれば、完全に辞めてしまうよりも、何らかの形で“つながりを保ちながら続ける”ほうが、将来の選択肢は広がりやすいと思います。
転職を考えるなら、タイミングと進め方が大切
今の職場でどうしても働き方を調整できなかったり、理解が得られなかったりする場合、転職を視野に入れるママも少なくありません。
ただ、小1の壁の時期は、子どもにとっても親にとっても環境の変化が大きいタイミング。転職の進め方や時期を誤ると、心身の負担が一気に増えてしまうこともあります。
では、働き方を変えるために転職を検討する場合、どんな点に気をつければよいのでしょうか。
まず気をつけたいのが、転職のタイミングです。とくに夏休みなどの長期休みが始まる時期に新しい仕事をスタートするのは、親子ともに負担がとても大きくなるので、できるだけ避けたほうがいいですね。
また、いったん仕事を完全に辞めてから転職活動をするよりも、在職中に次の仕事を探すほうが、現実的にはうまくいきやすいです。収入や立場の不安が少ない分、落ち着いて選ぶことができます。
小学1年生は、入学から夏休み、そして夏休み明けまで、子どもにとっても環境の変化が続く不安定な時期です。親の緊張や不安も子どもに伝わりやすいので、もし可能であれば、2学期が始まって少し落ち着いた頃に動けると、負担は少なくて済むと思います。
小1の壁は「ずっと続くもの」ではない
小学校入学後の数年間は、親にとっても子どもにとっても、大きな環境の変化が重なる時期です。下校時間の早さや学習のサポート、長期休みの対応など、負担が一気に増え、「いつまでこの状態が続くのだろう」と不安になるママも多いでしょう。
しかし、小1の壁は一時的なもの。子どもが成長し、生活リズムや学校生活に慣れていくにつれて、少しずつ手が離れ、親の負担も軽くなっていきます。だからこそ、この時期だけを理由に、これまで築いてきたキャリアや働き方をあきらめてしまう必要はありません。
“小1の壁”はたしかに大変な時期ですが、一生続くわけではありません。必ず終わりは来ます。1年生のうちはまだ保育園の延長のような部分もありますが、3〜4年生、そして5〜6年生になると、子どもは精神的にも大きく成長して、いろいろなことを一人でできるようになっていきます。
せっかく積み重ねてきたキャリアは、簡単に手放さなくていいと思います。長くても数年。今は踏ん張りどきですが、その先には必ず、今よりも楽になる時期がやってきます。
今は大変でも、ひとりで抱え込まず、頼れるものを使いながら、長い目で自分の働き方と向き合っていきましょう。
この記事を監修したかわむらゆみさんに相談してみませんか?
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