不登校のカウンセリングって?親と子どもへの効果や相談事例も紹介
子どもが不登校になり、親としては心配になることもありますよね。そんな時、専門家に子どもの不登校を相談してみたい、と思うかもしれません。ただカウンセリングを受けることで具体的にどういったメリットがあるのか気になるところですよね。
そこで今回は「不登校のカウンセリング」の概要やカウンセリングによるメリットや効果、カウンセリングを受けられる場所などについて紹介します。
※不登校の原因や理由についての記事はこちら
目次
不登校のカウンセリングの受診パターンとは?
では実際に不登校でカウンセリングを受ける場合、どのようなパターンがあるのかみていきましょう。
身体症状が絡んでいる場合
不登校の初期には、子どもは気持ちの訴えよりも身体的な訴えをよくしてきます。たとえば頭痛、腹痛、吐き気、めまいなどといったことです。
この段階で「カウンセリングを受ける」ということはすぐ思いつかないかもしれませんが、病院につなげるのはさほど難しくありません。
まずはかかりつけの小児科で診てもらい(そこにカウンセリングルームも併設されていると便利です)、そこから不登校のことを相談してみるのもいいでしょう。
不登校の原因が起立性調節障害など身体症状がメインなのであれば、身体症状からカウンセリングにつなげていくのがスムーズです。不登校が長期化する前に、かかりつけ医に連れていくことをおすすめします。
精神的な症状が出ている場合
不登校の初期から精神的な症状が出ている例は少ないですが、たとえば「うつ状態」だったり「発達障害により不登校になっている」といった場合であれば、児童精神科でみてもらうという方法もあります。
そして児童精神科でカウンセリングを受ける中で、子どもが「学校に行きたい」と言ってくることがあれば、どんな配慮があれば学校でやっていけるのか、状態が悪くなったときは帰宅するのか、少し保健室にいさせてもらうのか、といった相談もできるでしょう。
またこの場合、親子別々にカウンセリングを行うこともあります。親子別々でカウンセリングを行うことによって、親子それぞれが抱えている気持ちを聞いてもらい、すれ違っているところを調整することもできます。
ストレスが強く、対処法を知りたい場合
子ども自身がストレスを自覚しており、「何とかしたい」と思っている場合は、相性の良さそうなカウンセラーが在籍するカウンセリングルームに行くのも良いでしょう。
このケースの場合、子ども自身にカウンセリングを受ける強いモチベーションがあるため、比較的スムーズにカウンセリングを受けてくれる傾向があります。
子どもにとって学校がそこまでストレスになっていない場合は校内のスクールカウンセラーと話すのも良いでしょう。ただ学校に強い拒否反応をしめしているのなら、学校とは全く関係のない外部のカウンセラーに相談した方が良いかもしれません。
カウンセリングを受けるメリットや効果とは?
カウンセリングを受けるメリットや効果はいろいろあります。ここではそれらについてみていきましょう。
親がカウンセリングを受けるメリットや効果
親がカウンセリングを受けるメリットや効果は以下の通りです。
①親自身が子どもとのかかわりのつらさを吐き出せる
②親の学校や世間からのプレッシャーをやわらげることができる
③親が子どもの不登校に対してある程度割り切ることができ、笑顔になれる
不登校の子を持つと、親も気後れしてしまい、あまり外に出なくなるケースが多いようです。周りのママ友とも交流しにくくなる、ということもあるかもしれません。そして子どもといつも2人きりで、閉塞感を感じる親もいることでしょう。
そんなとき、親が他の人と話す機会がある、ということ自体がカウンセリングのメリットになります。話を丁寧に聞いてもらうことで親も気づきを得ることができ、子どもとの関わりを見直すきっかけになるかもしれません。
さらに、親が子どものことで落ち込む姿を見せることが減ることで、子どもにとっても「お母さん、お父さんを悲しませずに済んでいるんだ」と思い、子どもも安心して家の中で過ごすことができるようになります。
子どもがカウンセリングを受けるメリットや効果
もちろん子どもにとっても、カウンセリングを受けるメリットや効果はあります。
不登校の子どもは基本的には家の中だけで生活しているため、視野がとても狭まっています。そんな時、カウンセリングを受けることで親以外の大人と信頼関係を築けるのは子どもにとってプラスに作用することでしょう。
親以外の人に相談することで、自分や親ではない人の視点が加わり、より客観的に自分を見つめられるようになります。
またカウンセラーは、学校の先生のような「指導する立場」「子どもの上にいる立場」「評価をする立場」ではなく、子どもの横で寄り添う立場にいます。そのため、子ども自身が「ありのままの自分」を出しやすく、思っていることを話しやすいのです。またカウンセラーに何度か相談するうちに、少しずつ自分の気持ちを言語化できるようになっていきます。
そして「周りとは違うかもしれないけど、自分はこれでいいんだ」という自己肯定感を、カウンセリングの中でだんだん持てるようになります。
カウンセリングを受ける前に準備しておきたいこととは?
カウンセリングを受ける前に何か準備した方がいいのか、というのも気になりますよね。そこで事前にしておいた方がいいこと、準備しておくことでカウンセリングがよりスムーズに進む、といったことについて解説します。
自分に合いそうなカウンセラーを選ぶ
カウンセリングを受けられるところはたくさんあるため、迷ってしまう方も多いと思いますが、カウンセラー選びで重視したいポイントには
①身体症状が今メインにあるのか
②学校の先生が最終的に対応することで良くなる悩みなのか
③何だか自分でも分からないけれど、混沌とした悩みなのか
④発達障害の診断がすでにはっきりあり、それに付随する悩みなのか
といったことがあります。また悩みによって、相談先が変わってきます。
①身体症状がメインの場合
児童精神科や小児科でカウンセラーのいるところが適しています。お医者さんにすぐに身体の症状を診てもらえるし、カウンセラーもお医者さんと連携しやすいためです。
②学校の先生が最終的に対応することで良くなる悩みである場合
たとえばクラス全体の環境が良くならないと解決しないいじめ問題、不登校による勉強の遅れがあって教室に行けない、などの悩みであれば、学校のスクールカウンセラーに相談してみると良いでしょう。
スクールカウンセラーは、学校以外の場所で学習の機会が得られるのか(別室登校や市区町村運営の適応指導教室など)、少しでも登校を試みたいのかなど、子どもの気持ちに合わせて話を聞いてくれますし、適切なアドバイスをもらえます。
場合によっては、進路指導の先生よりもカウンセラーの方が不登校の子に合った進路に詳しい場合もあります。
何よりも学校内のカウンセラーなので、担任や管理職との連携がとりやすいというメリットがあります。
③何だか自分でも分からないけれど、混沌とした悩みがあるという場合
民間のカウンセラーもおすすめですが、カウンセラーによって得意な分野、そうではない分野がありますので、事前にしっかり調べておくことが大切です。口コミを参考にするのも良いでしょう。
④発達障害とすでに診断を受けている場合
発達障害の子を多くサポートした経験があり、発達障害に詳しいカウンセラーがいるところに行きましょう。
もしかしたらそこで療育をすすめられるかもしれませんが、カウンセラーと2人でできる療育もありますし、集団で療育を受けた方が良いと判断されれば放課後等デイサービスを紹介されるかもしれません。
いずれにしても、発達障害があったとしても得意なところを伸ばし、苦手なところを上手にカバーする方法をカウンセラーが一緒に考えてくれるものです。
今は「発達障害者支援センター」など、公的な場でカウンセリングが受けられるところもあります。
子どもについての客観的な資料(母子手帳、通知票)などを用意する
子どもの悩みや状況についてカウンセラーが把握するために、最初は受付面談(インテーク)をします。そのときに、発達が正常だったか、学校の成績はどうだったか、などといったことが手がかりとなるので、母子手帳や通知票などを持っていきましょう。幼稚園や保育園での連絡帳も手がかりになるかもしれませんので、持参しても良いでしょう。
すでにどこかの医療機関などで知能検査や発達検査を受けているのであれば、その検査結果も役立ちます。ぜひそれらの資料をカウンセラーに見てもらってください。
カウンセラーに聞きたいことがあればメモをしておく
カウンセリングの時間は限られています。60分のところもあれば、初回は90分というところもありますが、生い立ちから聞かれることが多いので、意外と時間が過ぎるのは早いものです。
そのため、カウンセラーに聞きたいことがあれば、事前にメモをしておくことをおすすめします。特に今一番心配なこと、今後どのように相談を進めていきたいかといったことなどは、明確にしておくとカウンセラーもカウンセリングを進めやすいと思います。
ただ、話がまとまっていないから話してはいけないということではもちろんありません。カウンセラーと話しながら少しずつ自分の考えや思いをまとめていく、というのでも大丈夫ですので、リラックスしてカウンセリングに臨んでください。
子どもへのカウンセリングのすすめ方や子どもが嫌がったときにすべき対応とは?
いざカウンセリングを受けることを決めた、予約をしたけれど、場合によっては子どもが嫌がることもあるかもしれません。そんなとき、子どもに対しどのような対応をすればいいのかについて、アドバイスをお伝えします。
子どもの意思を尊重する
子どもへのカウンセリングの勧め方で、いちばん気をつけなくてはならないのは「子どもの意思を尊重する」ことです。
「不登校」という現象自体は病気ではないため、「カウンセリングに行く=病気というレッテルを貼られる」と考えている子どもも少なくありません。
まずカウンセリングに対する負のイメージから何とかしなくてはならないのですが、無理やり子どもをカウンセリングに連れて行っても、カウンセリングへの印象がますます悪くなるだけでしょう。
「カウンセラーは、お話ししながら〇〇ちゃんのいいところをたくさん見つけてくれる人だよ」「〇〇ちゃんの得意なところをたくさん見つけてもらって、自信をつけようね」といった感じで、「カウンセリングに行ったらこんな良いことがあるよ」ということを子どもに分かりやすく伝えてあげましょう。その上で、「行く」「行かない」は子どもの意思を尊重し、親は静かに待ちましょう。
もし子どもが乗り気でないようならば、「私だけ先に行って話を聞いて、どんな人か見てきてあげるよ」と伝えて、一度は親だけでカウンセリングに行ってきて、あとでカウンセラーがどんな人だったか報告しても良いですね。子どもは「親がいいと言ったんだから」と安心して、カウンセリングを受ける気になるかもしれません。
カウンセリングの目的を明確に伝える
カウンセリングの目的を明確に伝えることは、とても大事なことです。カウンセリングが「ただお話をしに行くだけのところ」だと、子どもにとってのモチベーションとしては弱いのです。
「カウンセラーは、あなたが何か困ったときに、一緒にどうしたらいいか考えてくれる人だよ」「カウンセリングは、自分の得意なところをどうやったら生かせるか考える場所なんだよ」「カウンセラーは、どうやったらあなたの人間関係がうまくいくか、話したり遊んだりする中で探ってくれる人なんだよ」など、なるべく簡潔かつ具体的にカウンセリングの目的を子どもに伝えると良いでしょう。
ポイントは「自分(子ども)にとってもメリットのある場所なんだ」と思わせることです。
それでも身体が鉛のように重かったり、起き上がるのがやっと、困難という子どももいます。そこは無理をさせず、まず親とカウンセラーがしっかり関係を築いていくことからスタートしましょう。
あと注意したいのは、「学校に復帰するためにカウンセリングに行こう」という誘い方はしないようにしましょう。
子どもにとって、学校復帰は自分のゴールではない場合が大半です。子どもは、「自分の抱えている何らかの苦しさを取ってほしい、やわらげてほしい」という思いでいます。
「学校復帰」と親が言葉にした途端、カウンセリングにつながらなくなるケースを私自身、多数みてきました。「学校に戻ってほしい」と焦る気持ちはよく分かりますが、くれぐれも注意してください。
不登校のカウンセリング・実際の事例
<事例>A君(中1男子 起立性調節障害による不登校)
両親、お兄さん(高校生)、A君の4人家族
数年前にお兄さんが中学受験をし、荒れていた時期をみているため、A君は公立中学校に進学しました。
そして中学入学後、はじめの頃は通学していましたが、だんだん朝起き上がれなくなり、不登校がちに。病院では「起立性調節障害」と診断され、最初のうちはA君は「学校に行きたいけれど行けない」とかなり葛藤していたようです。
お母さんはA君の様子を見て落胆してしまい、子どもの食事は作るけれど自分は食べられず、自室にこもってしまうことが続きました。
そんな中、私はご両親のカウンセラーとしてお会いしました。
ご両親ともに高学歴で、「学校は行くべきだ」という考えを強く持っています。
「学校に行かないと未来は真っ暗」という価値観をご両親ともに抱いていたため、
「本当にそうでしょうか?」と私から尋ねました。
「A君が外出できることはあるか」と聞くと、好きなキャラがいて、そのためなら比較的遠出も可能とのことです。そこで、私は「自分が楽しいと思うことであれば、外出できるかもしれない、ということですね」と伝えました。
ご両親と話していて分かったのは、お父さんがエリートサラリーマンで、A君はお父さんに強いコンプレックスを持っていること、お母さんは気さくだけれど子どもの教育に熱心すぎる傾向があり、感情の浮き沈みが激しいところがある、ということでした。
そして私は、以下の点についてお伝えしました。
・子どもは親とは別の人間なので、親のレールにのらないことも十分起こりうる
・子どもにとって、学校は針のむしろなのかもしれない。家だけでも笑顔で過ごせるようにしましょう
・そのためには、子どもが登校していなくても、「家で笑顔でいてくれればいい」とまずいったん割り切ろう
実際にこれらの話をして、ご両親はいくつか実践をしてくれました。お父さんは仕事だけではなく趣味を持ち、お母さんもパートに出てそれぞれ自分の世界を持とうとしました。
A君は自分にだけ焦点が当たらなくなったこともあってか、好きなキャラのことで楽しむことが増えたようです。良い変化だと思います。
すぐに登校とはいかないけれど、登校だけがゴールではないし、最終的には社会に出ていければ良いのではないか、とご両親にはお伝えしています。
まだご両親は自分の価値観とA君の価値観の違いの間で揺れてはいますが、そういった状態をカウンセラーとして支え続けていくつもりです。
不登校のカウンセリングが受けられる場所とは?
ここでは、不登校に関してカウンセリングを受けられる場所として、代表的なものを紹介します。なお、子どもや親がどういうことで主に悩んでいるかによって、カウンセリングを受ける場所は異なります。
①学校内(スクールカウンセラーが対応)
現在は公立中学校であれば、だいたいどの学校でも1名はスクールカウンセラーが配属されています。
そしてほとんどの地方自治体は、スクールカウンセラーとして臨床心理士や公認心理師の有資格者を置いています。
スクールカウンセラーに相談する最大のメリットは、児童生徒に配慮が必要な場合、カウンセラーから担任や管理職に直接伝えることができることです。また養護教諭とも連携できますし、校内の居場所(相談室登校などの別室登校)を確保できる可能性も高いです。特に受験を考えていて出席日数が必要な場合、子どもが別室に行けば出席になるという利点もあります。
デメリットとしては、スクールカウンセラーと一口に言っても様々であること(相性が良いか悪いか、経験が豊富なベテランか心理士1年目の人がどうかなど)、スクールカウンセラーは年度単位での雇用であることが多いため、年度が変わっても同じカウンセラーが担当するかは分からないということです。
※スクールカウンセラーについての記事はこちら
②児童精神科、小児科などのカウンセラー
最近は児童精神科だけではなく、小児科にもカウンセラーが在籍するケースが増えてきました。
病院でカウンセリングを受けるメリットとしては、主治医と話す時間が十分でなくても、そのぶんカウンセラーが話を聞き、主治医に伝えることができること、身体症状に異変があればすぐに主治医に診てもらえる体制が整っていることが挙げられます。また子どもだけでなく、親の相談にももちろんのってもらえます。
デメリットは「病院である」ということで、人によってはハードルが高いように感じてしまう、ということでしょうか。
児童精神科医の前田佳宏先生に相談してみませんか?
ソクラテスのたまごの姉妹サービス「ソクたま相談室」なら、オンライン上で前田先生に子育ての悩みを相談できます。
前田佳宏先生への相談ページを見てみる③民間のカウンセラー
民間のカウンセラーは個人でやっていたり、何人かのカウンセラーが共同でカウンセリングルームを運営している、という場合があります。
カウンセラーによって得意分野が異なるため、きちんと調べて選ぶ必要はありますが、相性の良いカウンセラーと出会えれば適切な助言をもらえ、心の支えとなることでしょう。
民間のカウンセラーに相談する最大のメリットは、個人または何人かのグループでやっているため、担当者がコロコロ変わる、ということがないことです。
またスクールカウンセラーのように学校を卒業したら関係が切れる、児童精神科のようにある年齢になったら通院ができなくなるということがなく、どの年齢でもみてもらえます。
ただ、資格がなくても「カウンセラー」を名乗れるので、きちんと資格を持っているかどうかはホームページなどで調べておきましょう。
※不登校の相談先についての記事はこちら
カウンセリングとあわせて行いたい子どもへの対応とは?
不登校の子がカウンセリングで得られるメリットや効果は多くありますが、カウンセリング以外で大切になってくるのが普段の子どもへの接し方です。ここでは、子どもへの接し方で気を付けたいことをまとめてみました。
子どもと話し、子どもの気持ちを理解するための時間を作る
親子が家庭でずっと顔を突き合わせていると、親としてはどうしても疲れが出たり、文句のひとつも言いたくなることはあるでしょう。
そのため、子どもと距離を置きつつで良いのですが、少しの時間でも子どもと話し、子どもの気持ちを理解するための時間を作ると良いです。
「毎回真剣勝負で話しましょう」と言っているわけではありません。たとえば、子どもが今関心を持っていることや、何をしているときが楽しいのか、どんなものにハマっているのかなど、気軽に話し合ってみましょう。
その際の注意点としては、子どもの関心のあることやハマっていることなどを否定しないことです。親として内心「自分の価値観にあわない、好みではないな」と思ったとしても、その思いはいったん脇に置いて、子どもの世界に触れてみましょう。そうすることで、親子関係が良くなっていくケースは多いものです。
家族関係の改善
「家族関係」とは、単に親子関係のことだけを言っているのではありません。たとえば夫婦についても、子どもの目の前でケンカをしていたり不穏な空気が流れていれば、それだけで子どもは不安になります。
また、子ども本人とは直接関係がない「親と子どものきょうだいの関係性」や「祖父母と親の関係性」などについても、子どもは意外とよくみているものです。
ただ中には、どうしても関係改善が難しい場合もあるでしょう。そういった場合は、上手に距離を置くことも必要になるかもしれません。
学校との連携
子どもが学校に所属している間は、学校との連携は欠かせません。子どもの心の準備が整ったときに少しでも学校に近づけるという意図もありますが、それ以前に学校を「子どものサポートチームの一員」として巻き込み支援してもらうために、学校とやり取りをすることは大事なのです。
かりに現状では学校にまったく行っていないとしても、「中学生や高校生になったら、心機一転頑張って学校に通いたい」と子どもが思っていることもあります。
そのときの可能性を潰さないために、子どもの今の調子ならどんな進路があるか、そのために親は何をしておけば良いのか、という視点で関わることが大切です。
「何が何でも登校させる」ということよりも「子どもの可能性を広げてあげる」ということに重きを置いて学校との連携を目指す必要があります。
趣味や特技を見つける
子どもの趣味や特技を見つけてあげることで、子どもを褒める糸口がつかめます。それがたとえゲームやアニメだったとしても、子どもはその中から意外と多くのことを学んでいるものです。例えばオンラインゲームで人と交流したり、共通のアニメで他の子たちと盛り上がっている、といったことでも褒めるポイントは見つかるでしょう。何かに関心を持てる、楽しんで体験できるということは、子どもにとってとても大切なことなのです。
なお趣味や特技を見つけるというのは、子どもだけではなく親自身にも言えることです。いつも子どものことばかり考えてイライラするのではなく、自分自身の趣味や特技を見つけて楽しみ、ストレスを解消する時間を作りましょう。
それが親のストレス発散につながり、子どもと接するときの余裕につながることがあり、結果的に子どものためになるのです。
まとめ
ここまで不登校についてカウンセリングを受けるメリットや、どこでカウンセリングを受けたら良いのか、また具体的な不登校の子のカウンセリングの事例、不登校の子への対応で心がけた方がいいことなどについて紹介しました。
結論として、不登校の子を持つ親だけがカウンセリングを受けても、十分メリットがあると言えます。しかし子ども自身もカウンセリングを受けることで得られるものは多いですし、自己肯定感が上がりやすくなるものです。
また親が家の中で元気に笑う姿をみたり、笑い声を聞くだけで、子どもは安心できる、ということも忘れないでください。不登校になっていることで子どもは、親が思っている以上に家族に対しても罪悪感を抱いていることが多いため、せめて家の中では心穏やかに子どもが過ごせるようにしていきたいですね。
そして子どものエネルギーが十分たまったときに、いつでも次の道に進めるよう、さりげなく準備をしておきましょう。
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