反抗期の自分の子どもをかわいいと思えない。「ストレスでもう限界」なママの心がスーッと楽になる方法
自分の子どもなのに反抗期でかわいくない。反抗期が早く終わってほしい。そんなふうに感じている保護者もいるのでは? 今回はSNSでも話題の教育評論家、親野智可等さんの著書『反抗期まるごと解決BOOK』の中から、「高3になっても反抗期が終わらない」「子どもをかわいいと思えない」という保護者の2つの悩みの声をピックアップ。多くの反抗期に向き合ってきた親野智可等さんの回答は?
反抗期はいつになったら終わりますか?
お悩み
うちの子は高3だけどまだまだ反抗期。全く言うことを聞いてくれません。一体いつになったら終わるんでしょうか?(高校1年男子の母)
子どもを一人の大人として〝敬う〞ことです。
「思春期・反抗期がいつ始まり、いつ終わるか」は、この時期の子を持つ親にとっては最大の関心事だと思います。
早い子なら女の子で小学4年生くらいから、男の子はその2年後くらいから思春期前期に入ります。本格的な反抗期は中学1年生の半ばくらいからが多いようです。さほど激しくなく短期間で終わってしまう子もいれば、相談者さんのお子さんのように高校3年生になっても、さらには大学生になっても激しい反抗期が続いているという子もいます。
長引く反抗期にはいくつかの要因があります。学校や友人関係など子どもが置かれている環境、また子どもの持つ性格や資質などもその一つです。そして子どもに対する親の対応も大きな要因となります。
思春期・反抗期の子をいつまでも「子ども扱い」して、その言動にいちいち切れて感情的に言い争ったり、細かいことでガミガミ叱ったりしていると反抗期が無駄に長引きます。
一人の人間として敬って「大人扱い」している方が反抗期を順調に通過します。そのためには、大人が一歩引いたところで、大きくドンと構えて見守ることが大事です。もちろん、これは引けないということ、ちゃんと正対して冷静かつ穏やかな言葉で伝えることも大事です。その際は、子どもへの愛情とリスペクトを込めて伝えましょう。
子どもをかわいいと思えなくなっています……
お悩み
子どもをかわいいと思えなくなっています。反抗期の子どもと接するたびに苛立ちを感じ、溜まったストレスに心が限界です。(高校1年男子の母)
自分を楽にする方法を見つけてコントロールを
とにかく、心に留めておいてほしいのは、仕事についてもストレスや悩みについても、一人で抱え込むのは良くないということです。
絶対に一人で抱え込まないでくださいね。心にできるだけゆとりを持ち、ストレスをうまくコントロールしながら、辛くもかけがえのないこの時期を過ごしていってもらえたらと願います。
まずは、今抱えているお子さんのストレスから逃れる方法を探しましょう。ここで大事なのはこのストレスの捌け口を子どもにしないことです。
もし子どもに当たってしまいそうになったら、深〜く深呼吸をして落ち着きましょう。冷静さを取り戻すことが大事です。深呼吸はシンプルなリラックス方法ですが、とても効果があります。
ストレス発散にはいろいろな方法があります。例えば友人、ママ友、カウンセラー、専門家などに愚痴を聞いてもらいましょう。
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他にもヨガ・ストレッチ・瞑想・運動・散歩・ジョギング・水泳・昼寝・音楽・掃除・アロマ・読書など、好きになれるものを探して趣味を持ってみてください。趣味に没頭している間はストレスを忘れられます。日頃から自分がゆっくりできる時間の確保に努めましょう。
仕事や家事などでやることが多い場合や、忙しすぎる場合はタスクの断捨離もしましょう。「手抜き家事」で検索するとさまざまな手抜きの工夫が見つかります。また、ワンオペ家事になっている場合は家族や夫婦で分担することも考えましょう。家族だけでは手が足りない場合は有料サービスを取り入れるのも一つの方法です。
心が限界になるまで毎日お子さんと向き合っているのですね。お辛いですよね。
相談者さんはもしかしたら一日も早く、子どもの反抗期が終わることを祈っておられるかもしれません。反抗期はいつかは終わるものですが、どんなに願っても明日すぐ終わらせられるような魔法の方法はありません。親である自分を変えていくほうがはるかに効果的とも言えます。
家族の自己肯定感を高める「ほめ写」もおすすめ
もう一つの私のおすすめの方法は「ほめ写(しゃ)」です。ほめ写とは、写真を家に飾って家族を間接的に褒めることで、家族の自己肯定感を向上させる方法のことです。
スマホには良い写真がたくさん眠っています。子どもが赤ちゃんの頃のかわいい写真、赤ちゃんを抱っこして笑顔のパパとママ、七五三、入園・卒園・入学式・卒業式の写真、みんなでにっこり家族写真、笑顔の祖父母との写真、兄弟で仲良く遊ぶ姿など……。これらをプリントアウトして家の中の目につくところに貼ってみましょう。
子どもが小さかった頃の写真や、子育てを一心不乱にやっていた頃の自分の姿を改めて見てみましょう。自分も今まで結構頑張ってきたことを自覚すると思います。また、子育ての初心に返ることができるので、子どもをかわいく感じられるようにもなります。
ほめ写は子どもにも効果的です。子どもが日頃から家族の心温まる写真を目にしていると、自分が親や家族に愛されていると実感できるようになります。無理のない範囲でぜひ試してみてください。
『反抗期まるごと解決BOOK』には、他にも子どものダラダラや自己中な態度、シカト、暴言・暴力、非行など、悩んだときの対処法がたくさん紹介されています。「あの頃の息子・娘はどこに行ったの?」と嘆いている方、お子さんの反抗期に手をやている方は、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
※本記事は、『反抗期まるごと解決BOOK』(日東書院本社)の本文を出版社の許可を得て、転載しております。
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教育評論家。本名、杉山桂一。長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても著名。Twitter、Instagram、YouTube、Blog、メールマガジンなどで発信中。全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。オンライン講演も経験豊富。