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ソクたま会議室
2021.05.27
テーマ: いい先生ってどんな先生?

今を満たすのではなく先に導いてくれる先生。そんな大人に僕もなりたい/昆虫ハンター・牧田 習

牧田 習

牧田 習

小学校時代は、学校や勉強そっちのけで昆虫採集に夢中だった牧田さん。そんな彼に対し、先生やクラスメイトから理解してもらえないことも多かったそう。転機となったのは、中学時代に出会った担任。自身の経験や現役の学生として考える「いい先生」とは? 牧田さんのお母さんにも、お話を聞きました!

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怖すぎる担任。それでも嫌いにならなかった理由は…

小学校から高校・専門学校や大学までと、僕たちは成長する過程でたくさんの先生と出会いますよね。僕の場合、私立の中高一貫校で中学1年から高校1年まで同じ担任だったので他の人より出会った先生は少ないかもしれません。

そんな中で一番、印象に残っているのはやはり中学1年から高校1年までの担任。とにかく、怖かった! 宿題を忘れると叱られましたし、英語の先生だったのですが単語テストで間違えればその単語を100回書くという過酷な宿題が出されるんです。そうすると、徹夜続きになってしまうので本当に大変でしたね。

牧田さんがニュージーランドで発見した新種の昆虫には、その当時の担任の名前が命名されています。それほど、牧田さんにとって影響力の強い先生だったのでしょう。

昆虫ハンター・牧田習/虫好きから探る将来の可能性【連載③ 好きが仕事になりました】

けれど、先生が厳しかったのでいつの間にかしっかり勉強する習慣が身に着いたんです。怒られることがマイナスに働いてしまう子もいると思いますが、僕の場合は怒られることがプラスに働いた。先生は、生徒一人ひとりの個性をしっかり観察しながら接してくれていたのではないでしょうか。

担任は、良い意味でマインドコントロールが上手な先生だったのだと感じています。

中・高時代、毎日のように先生に怒られ、泣いたことも数えきれないほど。それでも、先生を嫌いにならなかったのはやはり信頼関係が築けていたからでしょう。信頼できない上辺だけの関わりであれば、何を言われても心に響かないし反発心も生まれるのではないでしょうか。僕を含め、クラスのみんな「先生は、生徒のことをしっかり考えてくれている」と感じ取っていたのだと思います。

そして、先生が今の自分につながる“きっかけ”を与えてくれた部分は大きいと感じています。

“ラク”より“キツイ”方が、道を切り開く力になる

中学・高校生くらいの年齢は、思春期に当たる年齢ですよね。大人に反抗したり、「ちょっと悪いことをしてみたい」なんて欲求がある子も少なくないと思います。でも、僕の中学・高校では、トラブルといったものがほとんどありませんでした。

その理由は、先生がしっかり“力”を握っていたからだと思うんです。

その頃は「怒らない先生ってラクだなあ」と思っていましたが、いま考えると怒ってくれる先生の方が良いんですよね。もちろん、その前提には信頼関係が必要です。

子どもの場合、大人と違って学校と家庭、習い事といった狭い社会の中で生きているため大人よりも視野が狭いといえます。ましてや、中学生の頃は何年も先の大人になる自分の将来を考えて行動する子は多くはないでしょう。僕自身もそうで当時、強引にでも勉強させられたことが大学進学や今の自分につながったと思っています。

勉強にしろ何にしろ、自分自身のやる気が生まれなければつながりません。大人になって社会に出れば、自主的なやる気が育まれていないと難しいことがいっぱいあります。自分の力で自己責任で、道を作っていかなければならないですから…。

「いい先生」は、子どものやる気を引き出せる人!

僕の経験から考える「いい先生」とは、

  • 長い目で見て、キャリアアップにつなげてあげられる人
  • 子どもたちそれぞれに合わせたやり方で、やる気を引き出せる人

だと思います。

子どもたちに何かを教えてあげるというよりは、子どもたち自身が道を切り拓いていく力を与えてあげることが大切なのではないでしょうか。

僕の場合、中学・高校の担任の厳しさがなければ今頃、山奥で虫捕りだけをしている生活だったかも(笑)。それはそれで楽しいのかもしれませんが大学や大学院にも行かず、芸能の仕事をすることもなかったかもしれません。

また、僕らが子どもの頃よりも今の時代の子どもたちはいろんな“波”を経験していて今後どんな時代になるのか予測がつかない部分が大きいですよね。だからこそ結果を現実的に目に見えるかたちで与えてあげられる、導いてあげられるということも大切だと思います。

相手を本気にさせられる人間になりたい

僕自身あと4年、学生生活を送るので将来ビジョンが明確に決まっているわけではありません。けれど、昆虫の研究やタレント活動を続けていく中で“誰かに教える”ということはあるかもしれません。

このまま虫捕りのできる生活が送れればいいと思っていますが、食べていかなければなりません(笑)。虫捕りをすることで生活できるシステムを構築できたら面白いなと思っています。

指導者になるかならないかは別として、僕は良い意味で周りにいる人間がむきになる人、本気にさせる人になりたいです。

また、人生という長いスパンの中で、相手が一番に求めているものを与えられる人でありたい。例えば、いま相手が求めているものをあげても、そのときは満足かもしれませんが長い目で見るとそうではないことってたくさんありますよね。問題の分からない子に答えを教えてあげるのは簡単ですが、考える力が育まれないのと同じです。

相手をやる気にさせる、本気にさせることで、結果として相手が求めているものにつなげられる人でありたいですね。

息子の個性を認めてくれた先生との出会いに感謝【牧田母】

息子と娘、二人の子どもを育て、いろいろな先生と関わってきた経験から考えると、

  • 子どもとコミュニケーションがしっかり取れる人
  • 自分の考えを押し付けず、子どもの目線に立ち子どもの声に耳を傾け「こういう考えもあるんだ」と考えてくれる人

が、「いい先生」なのではないかと思います。

息子は、虫捕りばかりをしている個性の強い子どもでした。クラスの中に個性の強い子がいると浮いてしまったり、もめ事が多くなったりします。そういった意味では、先生に苦労をかけたことは多いかもしれません。

小学5年生のときには包容力のある女性のベテラン先生、小学6年生のときには若くて元気で面白い男性の先生が担任でした。息子は運動会や音楽会などの集団行事が苦手だったのですが、手取り足取り教えてくれて、なかなか友だちの輪に入れない息子がどうすれば仲間に入れるかをしっかり考えてくれました。それまで息子は、学校に“戦い”に行っている感じがありました。先生がしっかり向き合ってくれたことで、肩の力を抜いて学校に通えるようになったんです。

たとえ小学生の子どもでも、大人の“本気度”は分かるものです。先生の言っていることが上辺だけであると、子どもは感づいてしまいます。

息子に大きな良い影響を与えてくれたのは、中学1年から高校1年までの担任。子どもたち一人ひとりの個性を大切にしてくれる先生でした。それが心から思っている、態度に表れているから、子どもたちも先生を信頼していたのでしょう。

今となっては笑えるエピソードばかりですが、母として悩んだこともあります。けれど、素晴らしい先生に出会えたことで息子が道を切り開いていけたことは間違いありません。

昆虫ハンター・牧田 習/【番外編】牧田母に学ぶ! 子どもの好きを伸ばす育児のメソッド

<構成・執筆>ソクラテスのたまご編集部

牧田 習

牧田 習

昆虫ハンター。1996年、兵庫県宝塚市生まれ。オスカープロモーション所属。2015年北海道大学 総合教育部入学後、理学部に転部。特技は三線、小学5年生時に取得したダイビングのライセンス資格を所持。現在、昆虫ハンターとして「猫のひたいほどワイド」(テレビ神奈川)水曜レギュラー出演の他、テレビやラジオなど各メディアでも活躍中。2020年4月から東京大学大学院に在学中。

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