わずか1週間で子どもの意識に変化が! 勉強ができる子になる手帳の作り方
学習塾で指導をしていてに常々感じていたのは、現代の子どもたちはとにかく忙しいという点です。勉強への意欲はあるのに、日々の予定に追われて落ち着きのある生活を送ることができなくなっている小・中学生が非常に多いのです。そこで、スケジュール管理をするために塾生に使わせてみたのが手帳です。手帳を活用することで成績アップ、学習効率アップに効果があった方法をシェアします。
手作りでもOK! 子どもが24時間軸で記入できる手帳を
最初に私が始めたのは、24時間軸が書かれた手帳を渡して子ども自身に時間の使い方を書かせることでした。手帳のタイプは、私は手作りのものを渡していましたが、24時間軸で時間の使い方が書き込むことができれば市販品で大丈夫です。
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気軽に始めてみるならネット上で無料配布されているエクセルのテンプレートを使ってみるのもおすすめです。
なかには、手帳を勧めても嫌がる子もいるかもしれません。私が手帳への記入を始めた当初も、子どもたちが嫌々取り組んでいるのが明らかでした。しかし、1か月もしないうちに成績が伸び、提出物を忘れることや忘れ物が減り、生活に落ち着きがみられるようになっていったのです。
はじめは担当科目の生徒数人に個人的に渡して指導していたのですが、次第に塾全体で採用することになりました。
1週目は未来の予定ではなく過去の生活を書く
ここまで読んで「さては、1日の予定を子どもに立てさせるのだな」と思われた人もいるのではないでしょうか。確かに、手帳は“先の予定を書き込むもの”というイメージがあると思います。しかし、私が実践した手帳活用法は違います。
未来の予定ではなく、“何時に何をやったのか”という過去の生活を記入する、いわゆる“生活記録”を付けてもらうことから始めたのです。
まずは1週間、生活記録を付けてもらいました。朝起きた時間、朝ご飯は何時から何時まで、通学にかかる時間、勉強時間には勉強した科目も30分単位で書き込みます。
すると、携帯をそんなに触っていないつもりだったのに、合計すると1日で2時間も使っていたということが判明したり、何をしていたかどうしても思い出せない空白の時間が出てきたりするのです。
一般的に、成績がいい生徒は時間の管理が上手で、無意識のうちに息抜きをする時間を上手に管理できる傾向があります。一方、成績が悪い生徒は、学習意欲はあっても行動が伴わないことが多く、机に向かっているものの、ぼんやりしていることが多いもの。さらに、時間の使い方について子どもに言葉で伝えても行動を変えられる子は多くありません。
しかし、手帳にすべて記録を書き込むと時間の使い方の問題点が明確になります。また、手帳に書かなくてはいけないと意識しながら生活することで、わずか1週間で自分を自然と律するようになっていったのです。
まず、1週間の記録をしっかりと取らせてみてください。そこから多くのことが見えてくるはずです。
2週目からは先取りの予定を書く
2週目以降は、一般的な手帳と同じように先の予定を書かせていきました。予定を立てていく際のポイントは、はじめの1週間のように30分単位で細かく予定を決めるという点。
起床時間、夕食の時間、何時から何時まで何を勉強するかなどをしっかり決めて記入。そして、「この30分は携帯を自由に見る」「この1時間半は好きなことをする」など、余暇時間もしっかり確保させます。オフに何をするのかまで書かせることで生活にメリハリがつきやすくなっていくのです。
また、1週間の予定を一気に決めさせるのもポイントです。
塾講師時代には、学校や部活や塾などの予定に追われてばかりで、先が見通せず生活に落ち着きがなくなっている子どもたちをたくさん見てきました。しかし、手帳があると1週間の予定が決まっているので安心して目の前のことに集中できるようです。
慣れるまでは大人がアドバイスを
子どもがまだ手帳に慣れないうちは、親がチェックしてアドバイスをしてあげるといいでしょう。一週間の流れのパターンが分かってくると、あとは子どもだけでも運用できるようになっていくはずです。
また、夏休みなどの長期休暇期間中は平常時と一日の流れが変わりがちです。しかし、起床と就寝時間は変えず、学校にいる時間帯を自宅学習に当てるなど、できるだけ変化のないスケジュールを組むのが手帳での時間管理が続くコツです。
能力と成績が結び付いていない生徒に対して何かできないかと考えたのが手帳を使った指導でした。すぐに始められる方法なので、ぜひ今日からスタートしてみてはいかがでしょうか。
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教育・受験指導専門家の西村創が主宰する「西村教育研究チーム」のメンバー。外国語学部日本語学科卒。中学と高校の国語免許を持つ塾講師、日本語講師として海外で15年以上の指導経験を持つ。一番得意とするのは成績が上がりにくいとされる受験国語の指導で日本トップクラスの高校への多数の合格実績あり。また、日本語講師とのしてのキャリアを生かし、日本語力が不十分な海外帰国生徒の指導も得意とする。現在はカナダ在住。翻訳家としても活躍中。一児の母。