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2022.12.20

「生理だから体育を休みたい」頻繁に申し出る生徒にどう対応? 保健体育教師を目指す大学生に「生理の授業」

子どもたちが1日のほとんどの時間を過ごす場所は、やはり学校。小学生で初潮を迎える子どもも珍しくない現代、生理時の子どもに対する学校の対応は親としても気になりますよね。今回は、サニタリーショーツブランドが「先生の卵」に向けて行った、生理にまつわる授業をレポートします。

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生理中の女子にとって、学校は過ごしやすい場所?

2022年11月10日、帝京科学大学 教育人間科学部 学校教育学科で、保健体育の教師を目指す学生に向けに、「学校教育における生理とスポーツを考える」というテーマで授業が行われました。

当日はスピーカーとして、サニタリーショーツブランド「Bé-A」を展開する株式会社Be-A JapanのCEO髙橋くみ氏とCPO中村千春氏が登壇。37名の学生と共に生理について考えました。

Be-A Japanが行った生理にまつわるアンケートでは、「生理中、体育や部活動などのスポーツを休みたいと思ったことがあるか」という質問に対して94.8%が「はい」と回答

Be-Aが行ったアンケート調査結果(PR TIMES)

また「休みたいと思ったが休めなかった」と回答している人が87.3%いることが分かりました。

Be-Aが行ったアンケート調査結果(PR TIMES)

このように、生理中に過ごしにくさを感じている女子はいまだに多く、このような状況を打破するためには、まずは教師側の理解や適切な対応が必要です。

そこで、帝京科学大学とBe-Aがタッグを組み、産学連携型の授業が行われました。

「先生の卵」に向けたセミナーの内容

授業は、①生理についての基礎知識について、②実際に生理用品に触れる、③教育現場で起こりうる場面を想定したワークショップ、という3部構成で行われました。

参加した37名のうち28名が男子学生ということもあって、生理用品に触れる段階では、初めて知る生理用品の性能や種類の多さに驚きの声が上がっていました。そのほか、女子学生からも「タンポンの使い方を初めて知った」という声も。

授業の様子(PR TIMES)

授業の最後には、「指導者(教師)という立場で、いつか直面するであろう」シチュエーションを3つ用意し、どのように対応するべきかをグループで考え、発表を行いました。

用意された場面は、次の3つ。

  • 「体育の授業中に突然生理になってしまったという生徒」への対応
  • 「生理なので授業を休みたい」と頻繁に申し出る生徒への対応
  • 生理でプールを休んでいる女子生徒に対し、男子生徒が冷やかす場合の対応
3つのテーマに沿ってワークショップが行われた(PR TIMES)

それぞれのテーマに沿って、どのような声掛けをするべきか、個別の対応をとるべきかどうかなど、活発なやりとりが行われました。

例えば①「体育の授業中に突然生理になってしまったという生徒への対応」について、「先生から直接言われるとショックを受けることもあるから、他の生徒を介して伝えてもらうのもよいかも?」という意見や、「授業の前にトイレ大丈夫かと声をかけたり、保健室に行きたいときは声かけてと事前に伝えておく」などの具体的な意見が挙がりました。

実際にどう声をかけるのか再現しながら発表してくれる学生もおり、真剣に「いつかある場面」について考えていました。

どの場面の対応にも「一つの正解はない」とした上で、中村氏からは「生理による不調は女性自身も気づかないことがある。周りの対応で無理しすぎてしまうこともあるから、先生たちにはそれを知っておいてほしい」という話がありました。

学生からの「生理についての教育がもっと必要」というリアルな声

授業を受けた学生は、どのようなことを感じとり、何を学んだのでしょうか。授業後の感想には、次のような内容が寄せられました。

「生理が小学校高学年から来ることに大変驚いた。約40年間生理と付き合うのは大変だなと思うと同時に、生理について何も知らないなと感じた」

「男性がいかに生理について浅はかだったかを知りました。大人になって生理の女性に寄り添えるように知識をつけたい」

「男女共習で行う体育の授業では(生理中の子に対して)授業中にどのように対応していくか(もっと勉強したい)、また、日頃から生理についての教育が必要だと感じた」

多くの男子学生が、生理についてこれまでほとんど何も知らなかったこと、深く考えたことがなかったことに気付いているようでした。同時に、男女ともに「生理を学ぶことの必要性」を感じていました。

授業の様子(PR TIMES)

本授業を発案した岩沼准教授は「体育や部活動などのスポーツ場面において、生理または性周期に伴う体調不良のある女性が存在するということは知っていても、その女性への理解は乏しいと感じている。

今回の授業は、保健体育教員の卵として、生理にとどまらず、相手を理解することの大切さや周囲とのかかわり方、環境を工夫することの大切さを考えるきっかけになったと思う。本授業を行えたことは、本学が掲げる『いのちをまなぶキャンパス』の実現そのもの」と話しており、本授業が教師への一歩として、大きな意味があったことがうかがえます。

一人一人生理の過ごし方も捉え方も違う中で、大事なのは相手を思いやる気持ち。この授業のような学びを、教職を希望する全ての学生が受けられるようになってほしいですね。

<参考資料>
PR TIMES(株式会社Be-A Japan)

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