【HSC】セルフチェックも紹介　敏感で繊細…5人に1人が当てはまるHSCとは

HSCとは感じる力がとても強い子どものこと

「ささいな変化なのに、ずいぶんよく気がつくなぁ」 「他の子は平気なのに、どうしてそんなに嫌がるんだろう」 「癇癪を起したり、心をしぼませたり、感情の反応がとても大きい…」 そんな子どもさんが、身近にいらっしゃいませんか？

子どもさんの反応がほかの子と比べて強いと感じられると、心配になったり、ついつい「そんなこと気にしないの」 「みんな頑張っているんだから、あなたもがんばらなきゃ」 「どうしてそんなふうに怒るの？ 泣くの？ 落ち込むの？」 といった言葉で接してしまいがちです。

でも、もしかしたらそれらの反応は、HSCという生まれ持った気質によるものかもしれません。感受性、つまり感じる力がとても強いのです。 湧き出した感情を、自然に、ありのまま表現することを否定されてしまうと自己肯定感が削がれてしまいます。

HSCについての知識、適した接し方がわかれば、子どもさんの敏感さや繊細さで悩んだり、子どもさんを否定する必要がないことがわかります。

HSCの特徴とは？

HSCとは「Highly Sensitive Child」の略で、とても敏感で、繊細で、かつ感受性の強さ･豊かさを生まれ持つ子どものことをいいます。

HSCは、アメリカの心理学者、エイレン･N･アーロン博士によって提唱された概念で、 ４年前に翻訳本「ひといちばい敏感な子」によって日本で紹介されてから、徐々に関心が広がり、約5人に1人が当てはまるといわれています。

HSCには、次のような特徴があります。 

HSCの特徴

※個人差があり、当てはまるものや、その強弱は人によって異なります

・音、におい、光、肌触りなどの刺激に敏感

・人が集まるところや騒がしいところが苦手

・細かいことや変化によく気がつく

・刺激を受けやすく、疲れやすい

・慎重で、状況をよく観察してから行動する

・突然の出来事や状況の変化が苦手

・人の気持ちにとても敏感で、共感力が高い

・場の空気を感じ取ったり、物事を深く読み取ったりする力に優れている

「ひといちばい敏感な子」には、子どもがHSCかどうかを知るためのチェックリストが載っています。 全23項目のうち、13個以上の項目に当てはまるようなら、おそらくHSCでしょう。

しかし、もし当てはまる項目が1つか2つであっても、ものすごく当てはまると感じるようであれば、HSCの可能性もあるといったものです。

同じチェックリストは、こちらのサイトでもご覧いただくことができます。 

まずは知ること～生まれ持つ気質を生き生きと伸ばせるように～

HSCは、敏感さゆえに否定されることやささいな叱責に深く傷ついたり、物事の処理に時間がかかってしまうことがあります。

また、感受性が豊かで共感性が高く人の気持ちや物事の変化によく気がつくのです。 どの子にももって生まれた気質や特性といった種があるとすれば、HSCは環境や人の影響を受けやすいといえます。

気質や感じやすい感覚が理解されないまま合わない環境に置かれたり、敏感さを否定されたりすることで本来の力を出せなかったり、警戒心が強くなって過剰に敏感になるなど生きづらさや自己否定感を抱えることになってしまいます。

大人になってHSCの概念を知った人から、「もっと早く知っていたら…」という声を聴きます。 HSCの健康で真っ直ぐな芽をそのまま伸ばしていけるように、その子の気質に合った環境を選ぶことが大切です。

例えば、干渉・押しつけ・否定的な評価のない環境。ありのままの感情や反応が否定されずに、共感的・肯定的に気持ちや意思が受け止められ、尊重してもらえることで、安心して過ごせる環境です。

ですからまずは、親だけでなく、HSCの育ちに関わる大人の人たちが、HSCの気質に関する知識や適切な接し方について「知る」こと。そして、その気質を「その子らしさ」として肯定的に受け止めてあげることがとても大切なのです。

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