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2024.05.20

子どもの発達検査とは?検査の種類や内容、知能検査との違いを解説【専門家監修】

子どもの発達が心配で、何か検査を受けることを検討したい保護者もいることでしょう。ただ検査といってもいくつか種類があり、自分の子どもに適したものが分からない、という場合もありますよね。
そこで、この記事では、子どもの発達を知るために利用される発達検査と知能検査の特徴や違い、代表的な検査の種類、また検査を受ける上での注意点などについて、公認心理師/臨床心理士として知能検査や発達検査を多数実施し、子どもから大人まで多くの人たちの支援に携わってきた伊藤かおり先生に、お話を伺いました。ぜひ参考にしてください。

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監修者

伊藤 かおりさん

臨床心理士、公認心理師(国家資格)。カウンセリング事業などを展開しながら、行政、福祉、教育などの分野で心理的な援助を行っている。

発達検査とは?知能検査とは?2つの違いについて

発達検査とは?

発達検査とは、発達の段階や状態を調べる検査のことを指します。ADHDやASDといった発達障害かどうかを調べるための検査ではなく、あくまで子どもの発達の状態を、客観的に見るためものです。

そして発達検査を受けることで、実際の発達段階は何歳ぐらいなのか、発達が遅れていないかということが分かります。検査結果の「発達年齢」の欄に「〇歳〇か月」という記載がありますので、そちらを確認してみてください。場合によっては、発達指数(DQ)が算出されることもあります。

しかし、まだ小さい子どもの場合、発達指数は今後大きく変化していくことも多いものです。そのため発達指数を算出することを目的にせず、発達検査を実施することもあります。たとえば、今後療育を受けるかどうか、また療育の内容を決めていくにあたり、参考にするために発達検査を受ける場合などは、発達指数まで算出しないこともあります。

発達指数を算出するかどうか、また検査結果を紙面でもらえるかどうかについては、発達検査を受ける前に実施機関の方針などを確認してみることをおすすめします。
また発達検査はいったん受けると、次に受けるまで短くとも半年以上(実施機関の方針によっては1年以上)は間隔を空けるように言われることが多いものです。そのため、検査を受ける目的や受ける時期についても、専門家と相談してみてください。

知能検査とは?

一方で知能検査とは文字通り、言葉の理解力・記憶力・注意力などの知能を測定する検査のことを指します。

知能検査の代表的なものに「WISC(ウィスク)」があります。WISCの最新版であるWISC-Ⅴは、5つの主要指標(言語理解・視空間・流動性推理・ワーキングメモリー・処理速度)により構成されています。またWISCではIQの他に、パーセンタイルというものも算出されます。パーセンタイルとは当該年齢レベルの子を無作為抽出で100人集めてIQ順に並べた場合に、その子の下に何人いるのかという数字のことです。

例えばIQが82で、パーセンタイルは12という数字が出たとします。この場合、同じ年齢の子が100人いたらIQが上から88番目、10人いたら上から8番目ということを意味します。

WISC(ウィスク)は、全体の中でその子が相対的に、どこに位置しているかを把握できるだけではなく、その子自身の能力差(何が得意・苦手か)を知ることができるのです。各指標間のIQに大きな差があれば、得意と苦手の差が大きいと言えます。

IQやパーセンタイルなどの数値は「プロフィール」と呼ばれる図表として出される場合もありますし、「所見」の中に数値が記載されている場合もあります。
その子にとって得意なことと苦手なことを知ることは、今後の支援の方向性を探るうえで、とても重要です。可能であれば、臨床心理士などの検査実施者から、検査時の様子や、検査の分析や解釈まで、じっくり話を聞けるといいでしょう。またその検査結果を学校や療育機関などと共有し、今後の支援計画に活かすことが重要です。


なお、知能検査は最低でも1年以上(実施機関などの方針によっては、2年以上)間隔を空けるように言われることが多いものです。知能検査を受ける前に、検査を実施する目的やその時期について、専門家に相談することをおすすめします。

発達検査と知能検査の違いとは?

発達検査として一般的なものには新版K式発達検査があり、知能検査にはウェクスラー式知能検査、田中ビネー知能検査があります。しかし教育の現場では、これらの知能検査も含め「発達検査」と呼んでいる場合もあり、名称そのものにこだわる必要はありません。
そして、検査の目的やお子さんの発達段階によって、適切な検査を専門家から提示されることがほとんどです。繰り返しになりますが、検査の目的・実施する時期・検査結果のフィードバックをどのようにされるかなどをしっかりと専門家に確認したうえで、検査を受けるといいでしょう。また、検査前のお子さんへの声かけも、とても大切になってきます。そのあたりはぜひ、ソクたまの専門家の方に相談することをおすすめします。

発達検査や知能検査はどこで受けられる?費用は?

発達検査や知能検査は以下のような機関で受けられます。

・教育センター、児童相談所(児童相談センター)、児童家庭支援センターなどの公的機関
・児童精神科や小児科の発達外来
・公認心理師や臨床心理士が在籍する児童発達支援事業所や放課後等デイサービス
・大学や民間のカウンセリングルーム
・ソクたま相談室

教育センター、児童相談所(児童相談センター)、児童家庭支援センターなどの公的機関

教育センターとは、高校生相当の年齢までの子どもやその保護者、学校関係者を対象として、不登校やいじめ、発達障害など、教育場面での悩みを中心に相談することができる場所です。
また児童相談所(児童相談センター)、児童家庭支援センターとは、高校生相当の年齢までの子どもやその保護者、学校関係者を対象として、不登校やいじめ、発達障害など、教育場面での悩みを中心に相談することができる場所です。

これらの公的な場所で発達検査や知能検査を受ける場合には費用はかかりませんが、受けられるまでに時間がかかり、また希望者全員が検査を受けられるわけではありません。

児童精神科や小児科の発達外来

公認心理師や臨床心理士が在籍する病院でも、発達検査や知能検査を受けられます。ただ一度病院に行ってすぐに受けられるわけではなく、何回か通院する必要があります。また予約がなかなか取れない、検査自体もなかなか受けられない、ということもよくあります。

そして病院で検査を受けると結果の説明をあまりしてもらえない、という問題をよく耳にします。また、所見やプロフィールを紙面でもらえるとしても別途費用がかかる場合もありますが、検査自体は保険適用になります。

児童発達支援事業所や放課後等デイサービス、カウンセリングルームなど

未就学児を対象に、地域での発達支援を提供する「児童発達支援事業所」や、障害のある就学児の自立をサポートする福祉サービスの「放課後等デイサービス」、また大学や民間のカウンセリングルームでも、発達検査や知能検査を受けられることが多いです。

費用は施設によって異なるため、ぜひ問い合わせてみてください。

ソクたま相談室

ソクたま相談室でもWISC検査を扱う専門家が在籍しています。気になる方はチェックしてみてください

代表的な子どもの発達検査と知能検査とは?

子どもが受けられる発達検査、知能検査にはいくつか種類がありますが、ここではその代表的なものを紹介します。

代表的な発達検査…新版K式発達検査

適応年齢0歳~成人
検査所要時間30分~1時間程度
検査形式個別面接形式(1対1)
最新版新版K式発達検査2020(2020年12月)
検査で得られる情報発達年齢・発達指数
新版K式発達検査は、主に0歳~5歳ぐらいの乳幼児の発達や特性を調べるのに広く用いられている発達検査です。「姿勢・運動」「認知・運動」「言語・社会」の3領域より、発達の程度や発達のバランスを調べ、発達指数と発達年齢を出します。なおこの検査結果のみで発達障害の診断ができるわけではないものの、重要な判断材料として活用されています。

代表的な知能検査①…ウェクスラー式知能検査

適応年齢5歳0ヶ月~16歳11ヶ月(WISCの場合)※2歳6ヶ月~7歳3ヶ月を対象にした「WPPSI」(ウィプシ)、16歳0ヶ月〜90歳11ヶ月を対象にした「WAIS」(ウェイス)もあります。
検査所要時間45~90分程度(WISCの場合)
検査形式個別面接形式(1対1)
最新版WISC-Ⅴ(2022年2月)
検査で得られる情報全検査IQ・言語理解指標・視空間指標・流動性推理指標・ワーキングメモリー指標・処理速度指標(WISC-Ⅴの場合)
ウェクスラー式知能検査は、世界中で広く活用されている知能検査です。その中でも小中学生の子どもが多く受ける検査はWISC(ウィスク)と呼ばれており、最新版であるWISC-Ⅴは2022年に発売されました。
WISC-Ⅴは主要下位検査と二次下位検査に分かれており、子どもによって受ける検査の数や内容が異なります。そして検査を受けることで全検査IQの他に、言語理解指標・視空間指標・流動性推理指標・ワーキングメモリー指標・処理速度指標といった5つの指標の数値が出され、同月齢の子との知能の比較ができるだけではなく、子どもの得意なことと不得意なことが詳しく分かります。
※WISC-Ⅴの概要記事はこちら

代表的な知能検査②…田中ビネー知能検査

適応年齢2歳~成人
検査所要時間60~90分程度
検査形式個別面接形式(1対1)
最新版田中ビネー知能検査Ⅴ(2003年)
検査で得られる情報精神年齢・知能指数(2歳~13歳)、偏差知能指数(14歳以上)
あらゆる側面から、知能を総合的に判定する田中ビネー知能検査。検査は2〜13歳までは年齢に応じた内容になっていますが、14歳以上は「成人級」で統一されています。14歳以上で受ける場合は、精神年齢は算出されません。
これによりその年齢の一般的な発達段階にいる子と比べた知能の発達段階が分かりますが、個人内の能力差を知ることにはあまり長けていない検査だとも言え、こまかな分析が必要でない療育手帳の判定などで実施されることが多いです。
なお、小学校就学前の5~6歳の子を対象とした検査に、「就学児版 田中ビネー知能検査Ⅴ」があります。この検査結果によって、就学にあたり特別な配慮が必要となるか判断します。

発達検査や知能検査を受ける上での注意点

発達検査や知能検査の検査結果だけを見て、「発達障害か否か」を診断することはできません。発達障害であっても検査結果に凸凹がないケースもありますし、発達障害ではないけれど検査結果に凸凹があるケースもあります。
これらの検査の主な目的は、検査結果から分かる子どもの得意、不得意な部分を把握し、その子どもに必要なサポート方法や環境を整えるためであるということを、心に留めておいてください。

検査結果からサポートが必要そうな場合は?

検査結果によっては公的な支援を勧められたり、病院受診を勧められたりすることもあります。それに伴い、何か不安なことや気になること、質問や疑問があれば、自治体の特別支援教育課や教育相談センター、発達障害者支援センターなどに相談してみてください。電話で相談を受け付けてもらえる場合もあります。
こちらの記事を読んで、何か個別に相談したいことがある場合は、気軽にソクたま相談室を利用してみてくださいね。

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「ソクラテスのたまご」編集部

大人のための子育て・教育情報サイト「ソクラテスのたまご」で、子育て・教育の専門家150名以上の取材協力や監修のもと子育てに関する確かな情報を発信中。子育て・教育の悩みに特化した日本最大のオンライン相談サービス「ソクたま相談室」を運営。編集部員は、全員が子育て中の母親、父親です。|公式インスタグラム公式LINE

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