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2023.02.15

高校受験に失敗「人生終了」と言う子のために親ができること

がんばっていたのに志望校に落ちてしまった!「高校受験に失敗した」と感じて、「これで人生終了」と自虐的に話す子どもに親はどんな言葉がけをすればよいのでしょう。学習塾を主宰し、高校受験に挑む親子と向き合ってきた中里太一さんがアドバイスをします。

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記事を執筆したのは…

中里太一さん

「東都ゼミナール」主宰。複数の大手進学塾で講師経験を積み、2008年に独立。徹底した学習指導で毎年難関校合格毎年、徹底した学習指導で毎年難関校合格者を排出している。『中学実技の点数が面白いほどとれる一問一答』(KADOKAWA学習参考書編集部)などの書籍監修も担当。

まずは子どもの気持ちを受け入れよう

受験の失敗は、保護者にとって大きなダメージです。落ち込んでいるわが子の顔を見るとツライでしょうし、高校受験のためにかけた時間・費用・労力を考えると、たまらない気持ちになるのではないでしょうか。

また、「考えてはいけない」と思いながらも、次々と浮かんでくる不合格の原因…。「子どもが勉強を始める時期が遅かったから」や「ダラダラしている時間が長くて一生懸命勉強していなかった」など、子どもに対するネガティブな感情が出てきてしまうこともあるはずです。

しかし、忘れてはいけないのは、高校受験に失敗したことに一番傷ついているのは、子どもだということです。

子どもによって感じ方はさまざまですが、「友達が合格したのに自分だけ不合格で恥ずかしい」「ゲームもスマホも我慢して勉強してきたのに不合格だった…」「もうがんばる意味がない」と涙ながらに話す中学3年生を数多く見てきました。

もし、親が次から次へ浮かんでくるネガティブな感情をそのような状況の子どもにぶつけたら、子どもはどう感じるでしょうか。子どもを責めることだけはやめましょう。

励ましや慰めが逆効果になることもある

また、親の励ましや慰めが逆効果になってしまうケースも多いようです。

中学3年生ともなれば、受験に不合格だった理由や、自分がどうしなければいけないかを頭では理解しています。

しかし、心から出てくる感情をうまく処理できないのです。

一方的に子どもを納得させようとする励ましや慰めでは、子どもの心は整理できません。

まずは、子どもの気持ちをそのまま受け入れましょう。子どもの考えや感じていることを聞くだけで十分です

話を聞いたからといって、すぐに子どもの気持ちが晴れるわけでも前向きになることはありません。もどかしいと感じるかもしれませんが、今、子どもが思っていることをただ聞いて、子どもの心の整理に努めることが最善手です。

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親自身の気持ちを受け入れよう

親である以上、子どもの前では気丈にふるまわないといけない。大人は他人に弱さを見せてはいけないと感じがちです。

しかし、元気のないわが子を見るのは、とてもつらいですよね。

親だって子どもと同じくらい傷つき、失望感で満たされているのではないでしょうか。子どもに比べて甘えられない分、子ども以上につらいかもしれません。

周りに頼れる人がいなければ、自分の思っていることを吐き出してみましょう。例えば、ノートに書き出すことやスマホのボイスメモに録音するのもオススメです。

ひとりで整理できなければ、友人・家族・通っていた塾の講師などに話を聞いてもらうのも感情の整理の助けになるのではないでしょうか。

心にわいてくる漠然とした嫌な感情を、「何を」「なぜ」「どのように」感じているかを言語化すると、心のモヤモヤが少しずつ晴れていくのが実感できるはずです。

「人生終了」と思ったままで大丈夫?

不本意な高校に進学することになったとしても、親としては、「前向きな気持ちで高校生活を始めてほしい」と思うことでしょう。だからこそ一日でも早く前向きな気持ちになることを願うのではないでしょうか。

しかし、気持ちの整理には時間がかかるし、いつ切り替えができるかもわかりません。高校生活が始まるまでに前向きな気持ちになれる子どももいれば、なかなか切り替えられない子どももいます。

高校受験に一生懸命取り組んだ子どもほど、失望感は大きいので、気持ちを切り替えるには時間が必要かもしれません

だから、もし子どもが「人生終了」と思っているのなら、それだけ高校受験に一生懸命取り組んだ証拠です。

時間はかかるかもしれませんが、日々の生活の中で、やりがいを持てることや楽しいことに出会っていくうちに、傷は癒えていくはずです。

人生が終わりだと思えるほど一生懸命取り組めた子どもなら、次に夢中になれるものをきっと見つけられるはずです。

高校受験で人生終了と話す子への接し方

気持ちを切り替えるためには時間が必要だと分かっても、日々どう子どもと接するか悩んでしまうかもしれません。そんなときは、下記の3つのポイントを意識してください。

【ポイント①】いつも通りが基本

子どもの性格にもよりますが、受験前の親子の距離感を維持するのが基本です。子どもを不憫に思って過剰に声をかけたり心配したりすると、自分なりに気持ちの整理をつけようと思っている子どもの自尊心を傷つけることもあります。

甘えたい。だけど、弱い自分を見せたくないと思っている子どもは多いです。

【ポイント②】「人生終了ではない」と言わない

「人生終了」と話す子どもは、心の中に大きな不安を抱えています。

口では「人生終了」といいながらも、本音は「人生終了ではない」ということを実感したいはずです。ただし、注意したいのは、「人生終了ではない」という言葉が欲しいのではく、「人生終了ではない」と感じたいという点です。

だから、親から「人生終了ではない」という話を延々とするのは悪手です。まずは、子どもの話を聞いて、子どもの「今」の感情を言語化することを手伝ってあげましょう。

【ポイント③】事実を示して自信を持たせる

人は、事実ではなくイメージで語りがちです。

たとえば「いつも片づけをしない」「絶対にお母さんの言うこと聞かないわね」ということから親子ゲンカが始まった経験はありませんか?

これは、事実ではなく親が子どもに対するイメージで叱ったために、子どもが反発した例です。この例では、「いつも」と「絶対に」は事実ではなくイメージです。おそらく片づけることもあるし、親の言うことを聞くこともあります。

同じく高校受験の不合格が「人生終了」というのは、イメージであり事実ではありません。受験勉強を通じて学んだことやできるようになったことは、たくさんあるはずです。

しかし、不合格になって「人生終了」と言う子どもは、今までやってきたことを全否定している状況です。

模試の成績表、過去問のやった記録、学校の通知表、勉強したノートなどを時系列に見てください。きっと点数が上がった科目はあるし、できるようになった問題もあるし、合格点に達していなかった学校が合格点に達した学校の過去問も出てくるはずです。

それを一緒に見ながら、やったことは無駄ではないこと。がんばったことは、子どもの力になっていることを視覚を通じて共有してください。

きっと子どもは自信を持つことができて、前向きな気持ちになるきっかけになるはずです。さらに子どもの成長を実感して、親も受験失敗の傷を癒す助けになるのではないでしょうか。

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高校受験に落ちても人生は終了しない

勉強をがんばることに失敗はありません。特に高校受験は、通過点の一つでしかありません。中学での勉強やがんばった経験は、大学受験で生かせます

高校はどこに進学したかではなく、どのような経緯で進学したかが、その後の人生に影響を与えます。

以前、8校受験して合格したのは併願優遇のみの卒業生がいました。

受験のために、大好きな陸上を我慢して勉強に打ち込んでいましたが、事実上の受験校全滅という結果は、子どもの心に大きい傷となり、3月の段階で「もう勉強はしない」と涙ながらに話していました。

しかし、1年が経ち「中学のときの勉強のおかげで、学年1位を取れている」という連絡がありました。もちろん中学校では高校の数学までは教えていません。しかし、高校受験を通じて学んだ勉強の方法やテスト前の時間の使い方などは、子どもの身(力)になっていたようです。

その後、指定校推薦で中央大学に進学して、今では立派な社会人として頑張っています。

このように高校受験は、通過点でしかありません。だから高校を不合格になったからといって人生終了ということはありません。

希望の高校に不合格になったのは、何かが足らなかったのだと思います。しかし中学3年生の受験日の段階では、高校の要求する高さに届いていなかっただけです。

努力して積み上げたものは一生無駄になりませんし、今後のがんばり次第でいくらでもレベルアップは可能です。学力の高い高校に進学した全生徒が有名大学に進学できるわけではありません。

今は、まだ受験失敗の傷も癒えずつらいときなのだと思います。しかし、やってきたことに間違いはないはずです。しっかりと自分のやってきたことを振り返り、自信をもって次のステージに踏み出せるように見守ってあげてくださいね。

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中里太一

「東都ゼミナール」主宰。複数の大手進学塾で講師経験を積み、2008年に独立。徹底した学習指導で毎年難関校合格毎年、徹底した学習指導で毎年難関校合格者を排出している。『中学実技の点数が面白いほどとれる一問一答』(KADOKAWA学習参考書編集部)などの書籍監修も担当。

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