子どもの「学校行きたくない」。なんで?と問う前に、親が知っておくべきこと
文部科学省の調査によると不登校の児童数は年々増加しており、小学生の不登校は全体の1%を超えると言われます。お子さんが不登校になって悩んでいる方、また、まだ不登校ではなくても「学校に行きたくない」と登校渋りを始めたお子さんに戸惑っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな不登校や登校渋りのお子さんに対する接し方や、親が知っておくべきことについてお伝えします。
「学校に行きたくない」と言われたら、まず「受けとめる」
わが子に「学校に行きたくない」と言われると、親も不安になって、つい「なんで?!」「行かなきゃだめでしょ!」などと言ってしまいがちです。
そんな動揺は本当にもっともなことです。「どうしてわが子が?」と心配になりますよね。
でも、ここは深呼吸して落ち着きましょう。
学校に行きたくない「理由」を突き止めることより大切なのは、学校に行きたくないというお子さんの「気持ち」を受けとめることです。
「行きたくない気持ちなのね」と受け入れ、寄り添う姿勢を示しましょう。理由をたずねるのはその後です。受け入れられただけで安心し、登校渋りをしなくなる子どももいます。
お子さんが、「お父さん・お母さんが気持ちをわかってくれた」「味方になってくれた」と思えば、仮に不登校がすぐには収まらなくても、解決策を探るためのコミュニケーションをとりやすくなるでしょう。
理由がはっきりしている不登校
文部科学省の調査によると、不登校の原因は、小・中学生ともに『交友関係』『親子のかかわり』『学業不振』が上位を占めています。
「友達とケンカをして口をきいていない」「もっと親に甘えたいのに怒られてばかり」「勉強が難しくて授業がつまらない」など、大人から見ればちょっとしたことでも、子どもにとってはどうしたらいいかわからず、それが引き金となって、不登校に結びつくことがあります。
大人であれば、理由がはっきりしている問題に対しては解決策を考えて行動に移せますが、子どもにとっては難しいことなのです。
「学校に行きたくない」という気持ちを受けとめたあと、お子さんが理由らしきことを口にしたら、それを糸口にして「どうしたらいいか」を一緒に考えましょう。親が一方的に「こうしなさい」と言うのではなく、お子さんの気持ちを聞きながらアイデアを出し合う、「親子の作戦会議」のような形が望ましいでしょう。
そこで出たアイデアを実行に移してみて、うまくいけば一緒に喜び、もしうまくいかなければまた一緒に考えようね、という親子関係を作っていけるとよいですね。
理由がはっきりしない不登校
一方で、これといった理由が見当たらない不登校のほうが非常に多く、文部科学省の調査では年間38,000人超というデータも出ています。
生活リズムの乱れ
理由がはっきりしない場合、まずは生活リズムに問題がないかを確認しましょう。生活リズムの乱れから自律神経のはたらきが乱れると、「やる気が起きない」「朝起きたくない」という状態に陥ることがあります。
規則正しい生活リズムを取り戻し、体をしっかり動かすことで、ホルモンバランスが整います。気持ちの切り替えもしやすくなるでしょう。
「行くべきだ。でも行きたくない」というダブルバインド
お子さん自身「学校には行くべきだ」と思っていても、「でもなんとなく行きたくない」と相反する気持ちのはざまで身動きが取れなくなっていることがあります。このような状態を「ダブルバインド(二重拘束)」と言います。
大人でも、「仕事に行かなきゃいけない」とわかっていても、「今日は気分が乗らない」という日がありますね。大人なら「まあそんな日もある」と、気分が乗らないなりに仕事をこなしたり、「今日だけしっかり休んでまたがんばろう」とうまく切り替えたりする術も身についているものです。
しかし、子どもはまだ自分の心理を客観的に把握できないため、ダブルバインドに陥ると混乱してしまいます。
その結果、明確な理由を言えず、ただ「学校に行きたくない」としか表現できないことになります。
そんな状態の時に、親から「なんで?!と問い詰められても、答えられないのは当然です。ますます追い詰められた心理状態にもなりかねません。
「行きたくないのね」と気持ちに寄り添い、「どうしたのかな?」と心を一緒にひも解いていくことで、お子さん自身が自分の気持ちに気づき、言葉にできるよう導くことが大切です。
苦しい時は抱え込まずに専門家に相談する手も
とは言え、知識としては理解しても、実際に登校しないお子さんを見るとうまく対応できない……ということもありますよね。
そんな時は、客観的な視点から個別のアドバイスをくれる専門家を頼るのもおすすめです。
子育て・教育の悩みに特化したオンライン相談室「ソクたま相談室」では、匿名で気軽に、教育の専門家への相談ができます。
登校渋りのお子さんにうまく対応できずつらい時には、このようなサービスも上手に利用して、まずは保護者自身が抱え込まず、気持ちを楽にしましょう。そうすることで、お子さんへの対応も変わってくるのではないでしょうか。
問題が起きた時こそ、親子の心の絆を結ぶチャンスです。お子さんの気持ちを受けとめ、専門家のアドバイスも参考にしながら、絡まった心を少しずつほぐしていけますように。
<参考資料>
・「令和2年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」(文部科学省)
・一般財団法人日本キッズコーチング協会 「学校へ行きたくないのね」ただその言葉で子どもの気持ちが楽になる?(PR TIMES)
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