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2022.03.07

マンション住まいの子育て世帯。家族4人分の「災害に対する備え」を教えて!

「家族みんながムリなく続けられる片付けと心地よい暮らしづくり」をコンセプトに、「つづく暮らし」を主宰する3児(中3・中1・小5)の母で、整理収納アドバイザーのtakaさんに、「ソクラテスのたまご」読者がお悩み相談。今回は「マンション住まいの防災備蓄のコツを教えて」というNさんからの質問に答えてもらいました。

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中1&小3ママ・Nさんのお悩み

わが家は、夫婦と小学3年生と中学1年生の子どもの4人家族で、共働きです。

どこかで地震が起きるたびに、自宅で留守番する子どものためにも備えを万全にしなきゃと思うのですが、何をどのくらい備えれば良いのか分かりません。またマンション住まいのため、備蓄品の保管スペースも十分にありません。

いざというときのために、子育て家庭が備えておいたほうが良いもの、やっておいたほうが良いこと、備蓄のコツなどを教えていただけないでしょうか。

日本は地震災害大国とも言われるように、災害がいつどこで起きてもおかしくありません。特に最近は地震以外に豪雨などによる水害も増えており、防災対策の必要性を感じている方も増えているように思います。

何かしなきゃと思う反面、Nさんのように「何をどう備えればいいかわからない」「防災セットは用意したけれどまだ不安」などの理由で、防災対策を始められずにいる方もたくさんいらっしゃいます。

私自身も東日本大震災後にその気持ちが強くなりましたが、何をどう始めたら良いかわからず迷いました。

そこで、今回は防災対策するにあたりNさんが特に不安に感じている3つのことの備えについてお答えしてみます。

  • 何をどのくらい備えれば良いのか分からない
  • 保管スペースが十分にない
  • 子どもが留守番中に震災が起きる可能性がある

何をどれくらい備えれば良い?

何をどれくらい備えるかは住んでいる環境や家族構造などによって変わってきますが、どのご家庭にも備えていただきたいのが、生き延びるために必要不可欠な水・食料・トイレです。

水と食料

災害直後は人命救助が最優先されるので、支援物資が届くまでに最低3日かかることや、物流機能の停止によってスーパーやコンビニなどでは1週間ほど食料が手に入らないことが想定されています。

そのため、水や食料は最低3日〜1週間分×家族人数分の家庭備蓄が望ましいと言われています。

水は1日あたり1人3リットル(体重×15mlが目安)の飲料水があれば安心と言われています。

Nさんのご家庭なら、3リットル×4人分×7日分で合計84リットル。高層マンションに住んでいる場合は給水時の階段の上り下りが大変になるので、この量よりも気持ち多めに備えておくと安心です。

食料は1日3食として1週間だと1人あたり3×7=21食分。4人家族のNさんなら、21×4=84食分となります。

防災備蓄というとアルファ米やカップ麺など炭水化物が増えがちなので、備える際は栄養面も考慮し、野菜や海藻などの乾物、魚肉類の入ったレトルトや缶詰なども加えるようにしましょう。

また、お子さんに食物アレルギーがある場合は対応食品も備蓄しておきましょう。

たくさんの備蓄を一気に購入するのは金銭的にも負担が大きいですし、備蓄しているものが同時期に賞味期限切れになるというデメリットも。

買い換える時期の負担が大きく、備蓄を続けることが苦痛に感じる方もいらっしゃるかもしれません。

まずは3日分を目安に備蓄し、その後は時期をずらして少しずつ買い足していくのがおすすめです。

※食品備蓄については農林水産省のHPにも詳しく掲載されていますので参考にしてください。

トイレ

マンションでは停電時断水になるケースが大半。地震の場合、排水管に亀裂などがあるとトイレを流すことで他の部屋に被害が出てしまうので、トイレの利用は控える方がよいです。

災害発生後は避難所や公園のトイレでは長蛇の列ができ、数時間並ぶことも。トイレを我慢するために水分を控えた結果、脱水症状や膀胱炎、エコノミー症候群などに陥った方もいたそうです。

ですので、簡易トイレを備えておくことは必須。目安は、1日トイレに行く回数×家族分×1週間分です。乳幼児やペットのいらっしゃるご家庭ならおむつやペット用トイレなども備えておく必要があります。

また、過去の災害では、電気・ガス・水道などの復旧は災害発生から1週間以上要するケースが多いです。

上記3つ以外にも、辺りを照らす灯り(懐中電灯やランタン)、携帯を充電するモバイルバッテリーやポータブル電源、調理する際に必要なガスコンロ、暑さ・寒さ対策グッズなどもあると安心です。

保管スペースが十分にない…

防災対策をする上で、多くの方がネックになっている保管スペース。

マンションだと収納が限られる上、そのほとんどに日常で使っているものが収められているので、防災備蓄を追加することはなかなか難しいですよね。

わが家もマンション暮らしなので、以前は同じ理由で備蓄を諦め、ほぼしていませんでした。

ですが、東日本大震災で備蓄の大切さを痛感。子どもたちを守るためにも備えなくてはと家の収納を見直し、不要なものを手放して備蓄のためのスペースを捻出しました。

収納スペースに収まらないものは、無印良品のポリプロピレン頑丈収納ボックスを購入して寝室に収納。

量の多い水はウォークインクローゼットの足元の空きスペースを活用して、段ボールのまま収納しています。

奥行きがある・高すぎるなど普段使いにくい場所も防災備蓄の保管スペースとして活用。

過去のわが家も含め、収納スペースを見直してみると、普段使っているものに紛れて、長年使っていないもの・とりあえず…と残しているものがたくさん詰まっているケースが多いです。

まずは今ある収納を見直してみて、不要なものを手放すこと。その上で、収納が足りないようなら収納グッズを買い足すことをおすすめします。

また、買い物時は普段使うものと防災備蓄を分けずに、兼用できるものを選ぶとものを増やさず備えることが可能です。アウトドアをする方はそれを防災アイテムとして活用できますよ。

留守番中に震災が起きたらと心配

災害時“家族がみんな一緒”なら安心ですが、残念ながらそうとは限りません。

小学生以降は親と離れて行動する時間・範囲が年々増えるので、日ごろから出かける時はどこに行くかを家族に伝える習慣をつけておくと良いです。

家族がバラバラで被災した時のために、災害用伝言ダイヤルや災害用伝言板(web171)、SNSなど連絡手段を複数決めておきましょう。LINEなどは家族のグループを作っておくことをおすすめします。

災害用伝言ダイヤルや伝言板は毎月1・15日、防災週間などに体験利用できるので、事前に家族と練習しておくと安心です。

また、過去の地震では多くの方が倒れてきた家具が家電によって亡くなったりケガをしたりしました。

親の留守番中に子どもが安全に過ごせるよう、家具・家電の固定・転倒防止対策をし、落下するものを置かないようにすることは必須です。

災害時自宅の安全が確保できれば、長期間の避難生活も自宅で過ごすことができますので、自宅避難できるかどうか、ハザードマップで住まいの環境を調べてご確認ください。

その他、備蓄の保管場所も家族みんなで共有しておくといざというとき安心です。

自分の身は自分で守る=“自助”は防災対策の基本です。

万全に備えることは難しいかもしれませんが、子どもを連れての避難所生活は本当に大変だと聞くので、ぜひこの機会に、できる備えから始めてみてくださいね。

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taka

整理収納アドバイザー・防災共育管理士®︎1級講師 ものを整理収納するだけでなく、無理なく続けられる片付け方法や家族が片付けしやすい環境づくりを提案。整理収納サービス「つづく暮らし」を主宰し、片付けサポートやオンライン相談、レッスンなどを定期的に開催している。防災に関する知識も豊富で、暮らしの中で備えるコツに定評あり。ホームページ https://www.tsudukukurashi-taka.com

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