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2020.06.17

共働きの育児・家事の分担、子育てに余計な口出しをする人への対応など悩みに答えます

ひとりで何役もこなさなければならない共働きの母親。「もう無理!」「ツライ…」と弱音を吐きたくなったり、悩みを相談したくても結局ひとりで抱え込んだままになっている人も多いのではないでしょうか? そこで、家庭教育師として多くの保護者の悩みに耳を傾けてきた藤田郁子さんが、共働きママのあるあるな悩みに答えます。今回は、共働き夫婦の子育て・家事分担、子育てに口出ししてくる姑などへの対処法についてアドバイスします!

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前回の記事(下記)では、子どもとのコミュニケーションの取り方や病気になった時の対応など、さまざまな悩みに回答しました。

今回は、子育て中のママが悩む夫婦の育児・家事分担や姑などが子育てに口出しをしてくることについての悩みに答えていきます。

家事の分担どころか話すら聞いてくれない夫にもう限界!

 

お悩み1

共働きがツラくてグチりたいとき、夫に相談してもろくに話を聞いてくれません。夫婦だからこそ聞いてほしいのに! (小2女子の母)

まず、確認したいのは「なぜ夫に話したいの?」ということです。グチを言う目的が「スッキリしたい」など、ストレス発散にあるのなら、話す相手は夫じゃなくてもいいのではないでしょうか

夫婦である以上、どうしてもふたりで話さなければいけないことはあります。教育方針についてだったり、親族とのお付き合いの話であったり夫婦でしか話せないことはきちんと向き合って話さないといけません。

ですが、ちょっとしたグチなど、人に聞いてもらって発散したいときは、聞いてくれる人に話したほうが効率的です。「夫婦なんだから私の気持ちを分かってほしい」と思う気持ちはよく分かります。ですが、「聞いてくれない」「分かってくれない」と結局ストレスをもっと溜めてしまったり、夫婦ゲンカの火種になってしまうのであれば本末転倒です。

そう考えると、やっぱり女性のほうが聞いたり、話したりするのが上手ですし、思っていることも意外と同じなので、共感し合いながら話すことができます。「分かる!」「うちもそう!」なんていう風に話すうちにだんだんどうでもよくなっていく可能性が高いと思いますよ。

家族の話を聞くためにも外で吐き出していい

誰でも人の話を聞くだけの役割というのはツラくなります。自分の中に溜まっているモヤモヤを出して、スッキリした状態じゃないと人の話は聞けません。やっぱり自分の中にあるものを出さないまま夫や子どもの話を聞き続けることはすごく苦痛だと思います。

だから、家庭が家族にとって居心地のいい場所であるためにも、グチやモヤモヤはため込まないで遠慮せずに発散してくださいね。

お悩み解消のポイント

聞く気のない夫に話すより、共感してくれる女友達と話したほうが効率的。家族の話を聞ける余裕を作るためにもストレス発散をしよう!

お悩み2

育児も家事もほぼ手伝ってくれない夫。「なんで私ばっかり大変なの…」と思うと悲しくなります。どうしたら手伝ってくれるようになるでしょうか。(小3,5女子の母)

基本的には子育て中の男性が家庭のことが一切できないような仕事の仕方っていうのはどうなのかなと思いますが、残念ながら社会がそこまで男女平等になっていませんよね。だから、お父さんとしてもクタクタに疲れているときに「あれやって」「これやって」と言われてもうんざりしてしまっているんだと思うのです。

お母さんからすれば、「私は仕事も家事も育児もしてるんだから、〇〇ぐらいやって!」と言いたくなる気持ちは分かります。ですが、自分のこととして考えてみてください。「~やって!」「~して!」と要求ばかりされているとどんな気持ちですか? 「全部やってあげよう」と快く思うことはできないのではないでしょうか。

では、「~はあなたしかできないみたい。頼ったらだめかな?」「あなたの〇〇ってすごく助かるから、またお願いできないかな?」「私も娘もあなたが〇〇してくれるとすごくうれしい!」などと言われたらどうですか? 少し気持ちは違いませんか? 

単純な話ですが、人は要求されるよりもほめられたり、頼られたりするほうが動きやすいものです。それが、女性から男性に対してならなおさらのこと。

お父さんに家事や育児を任せる時は、帰宅後の疲れていそうなときではなく、余力がありそうな休日などに“要求”するのではなく”お願い”するようにしましょう。そして、やってくれたら、とりあえずほめる! 「やってくれて当たり前」というよりも「やってくれて助かった」というスタンスでほめながら次のレベルの要求をしていけば気分よく動いてくれるはずです。

本当は何もいわずに動いてくれればいいですが、現実的に難しいのであれば、「どうしたら彼は動くのか」「彼の頼られ心をくすぐるツボは何か」ということを考えてみてはいかがでしょうか。

また、誰でも得意・不得意はあり、不得意なことはできればやりたくありません。「私がやってほしい」ことよりも、「これならやってくれそう」ということにしたほうがやってくれる可能性は高くなります。お互いの大変さを競い合おうとするのではなく、分かり合おうとする姿勢をどちらかが見せないと気持ちのいい協力体制は生まれません。

やってくれそうなことから始めても、ほめているうちにお父さんも波に乗っていきます。すると気分がよくなって「あれもやってやろうか」「大変そうだから俺がやっておこうか」という風になっていくはずです。

共働き夫婦は忙しいからつい、「やって!」ということになってしまいがちですが、相手の都合や気持ちを考えず一方的に要求するのではなく夫婦がお互いに思いやりながらお願いをしていく関係が理想的だなと思います。

お悩み解消のポイント

「やってほしい!」と言うことを繰り返すよりも、どうしたら動くかを考えたほうがよさそう。まずは、やってくれそうなことをやってくれそうなタイミングに頼んでみましょう。

お悩み3

仕事も育児も手を抜けない分、家事ぐらい手を抜きたい。「便利家電だけならまだしも家事代行サービスを使うのは妻や母親としてどうなの?」と夫は言いますがダメでしょうか?(小2,5男子の母)

いいと思いますよ。頼める余裕があるのであれば頼んでもいいし、ロボットが掃除しても構わないと思います。でも、やってもらうことを当たり前にはしないでほしいですね。

なぜなら、親からすればそれなりの葛藤や決断があったうえでの導入なのに、子どもが「大変だったり、ツラかったら、モノを買ったり、誰かに頼めばいい」「お金を払って楽をするのが当たり前」という価値観になったらイヤですよね。

だから、例えば導入する前に家族会議をして、「なぜ購入(依頼)をしようと思ったのか」など、大人が何を考えてるのかということを子どもにきちんと伝えるということが大事です。「見ていればお母さんが忙しくて大変なのは分かるでしょ?」ではなく「お母さんがどれだけ大変なのか」「導入することはお母さんが楽をしたいからではなく、お母さんが体を壊さずに家族が幸せに暮らし続けるため」など、親が思っていることを語ってあげて欲しいんです。

そして、導入したら「ロボットがお掃除してくれることはありがたいね」「代行の人がキレイにしてくれると気持ちよく過ごせて助かるね」と、人(や便利家電)の手を借りられることはありがたいということを子どもと話しましょう。そもそも、そういう生活ができること自体がありがたいことで、それは、両親が一生懸命に働いてお金をもらっているからということも伝えてください。

“大変なときは便利なものを手に入れて楽をするのが当たり前”と思わせないことが大切です。なぜなら、この先子どもがどんな人生を歩んでいくのかは分かりません。もし、お金で買える便利が手に入れられない時に、子ども自身がみじめな気持ちにならないためにも一生懸命に働いて選択した便利だということ。そんな環境にいることは恵まれているし、ありがたいことだという意識をもてるように育てていければいいなと思います。

お悩み解消のポイント

便利なものを入れるのはOK。でも、子どもに対しては、便利な物やサービス自体、そして、導入できる環境に感謝する気持ちを伝えることで“大変ならお金で解決すればいい”“お金で便利を買うのが当たり前”という価値観をつけさせないようにしよう。

何もしない夫や姑に子育てへの口出しをされるのがツライ

お悩み3

毎日精いっぱいがんばっているのに、子どもにできないことがあると義母から「共働きだから子育てに目が届いていない」と言われてツライです。(小5女子の母)

子育てへの口出しは、“自分の子育てに自信がある人”ほどしてくるんですよね。

ですが、今、実際に子育てをしていない人は、結局は客席にいるのと同じなんです。実際に戦っていたり、試合をしているわけではないのに、好き放題言うだけ。野球やサッカー観戦でも観客は好き勝手に言いますが選手たちは相手にしませんよね。同じく、子育てへの口出しに関しても、観客に対して「言わないでください!」と言って戦っても仕方ありません。

例えば、不登校中の子がいる家庭に対して「あなたの子育てが悪いからこんな子になって」「お尻引っ叩いてでも連れて行かないといけない」と言う人がいますが、その場では「心配してくれてありがとうございます」と言って聞き流して、夫婦がしっかりと考えたことでやっていけばいいわけです。

残念ながら、何か言いたい人の口にチャックをするのは無理です。無理なことに能力を使うのは疲れてストレスを溜めてしまうだけです。後から、「あの時のあなた判断はえらかったわよね」「がんばってたわね」と言われれば結果オーライと思ってください。「あぁ、また言ってるわ」「後からきっと、あなたのやり方が正しかったって言うのに」と思っておけば良いんですよ。

余計なことを言いたい人には、何を言っても変わりません。そんなところに力を使っても疲れるだけなので聞き流しておきましょう。ただし、「心配してくれている」ということも分かってあげられるといいですね。

お悩み解消のポイント

部外者ほど口を出してくるもの。真に受けてストレスを抱えるよりも、「結果的にほめることになるのに」と思いながら聞き流して夫婦で決めたことを全うするようにしましょう。

お悩み4

去年、初めて子どもに虫歯ができたときに「母親がしっかり仕上げ磨きをしていないからだ」と夫に言われたのがいまだにひっかかっています。(小4女子の母)

まず言っておきたいのは、お母さんのせいでは決してありません。それだけ心にひっかかっているということは、おそらくとても気を付けていらしたからこそなのだと思います。

実は、私は歯が弱くて、だからこそ息子たちには「歯は大事だよ」ということは伝えてきました。ですが、言われたからできるのかというと違いますよね。自分を思い返してみてください。きっと子どもの頃には、「歯を磨きなさい」「テレビは離れてみるように」と大人になっても覚えているほど言われたのではないでしょうか。ですが、虫歯は無く、視力もバッチリという人は少ないはずです。

つまり、親がいくら気を配っても結局、その子の意識が大切です。

以前、こんな話を聞いたことあります。そのお母さんはすごく真面目で、息子が小学6年生になるまで仕上げ磨きをしていたそうなんです。だけど、「中学生になったらさすがに…」と思い、歯のチェックを辞めたら一気に虫歯だらけになったそうなんです。息子からすれば「お母さんが言うから見せていただけで、よく分かってなかった」そう。結局、自己判断ができないと後からその子が大変な思いをするんです。

なので、お母さんがしっかりチェックして虫歯がなければそれでいい、というものではありません。虫歯がゼロということよりも、虫歯になってしまったとしても子どもが歯の大切さを自覚できたならいいと思いますよ。

子育てに完璧はない!肩の力を抜いて

共働き家庭はもちろん、多くのお母さんに伝えたいのは「ちょっと肩の力を抜いていい」ということ。母親としての完璧なんてないですし、「ダメなところもあるけど許してね」みたいなお母さんってとっても魅力的です。ダメなところは、家族がお互いに補っていけばいいだけのことです。

お母さんたちのお話を聞いていると、どこもかしこもが点数をつけられてるような気がしているのかもしれませんね。

でも、お母さん業は点数制ではありません。学生時代のテストや会社の仕事では、「80点以上は取らないと」と言われてきたかもしれませんが、80点以上取らないとお母さんとして認めてもらえないなんてことはないんです。「子どもを産んで育ててる自分はすごい」「子育って楽しい」というスタンスでいいんですよ。

大事なのは、家庭が居心地のいい場所であること。虫歯にならないようにとカリカリしていると居心地のいい空気なんて出せませんよね。子どもはお母さんが笑顔だったり、幸せそうだったりするとうれしいものです。母親ということをプレッシャーに感じ過ぎず、親子が笑顔でいられる子育てをしていけたらいいですね。

お悩み解消のポイント

親が手を出しすぎることがいいとも限らず大事なのは子ども自身の自覚。子育てをプレッシャーにし過ぎずに自分をほめてあげて。何事もムキにならずに居心地のいい家庭づくりを優先しよう。

いかがでしたか? 下記の記事では、共働きで忙しくしているお母さんたちのあるあるな子育ての悩みにアドバイスをしています。ぜひ一緒に読んでみてくださいね。

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藤田郁子

1961年、神戸市生まれ。日本家庭教育学会認定の家庭教育師。幼児生活団の指導者・保育士・健康体操インストラクターなどの経験があり、1991年に公益社団法人スコーレ家庭教育振興協会に入会。日本家庭教育学会第24回大会(2009年)、同32回大会(2017年)では、研究論文を発表したほか、ゲームなど、身体から心の交流をはかる「ふれあいトレーニング」や「キッズ保育者研修」のトレーナーとして活躍中。スコーレ協会の首都圏北地区のリーダーも務めている。

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