• facebook
  • twitter
  • feedly
  • LINE
  • hatena
2020.04.03
2020.09.25

麹町中学校の改革で保護者も変化!親に求められる、子どもの自律力の伸ばし方とは|研究発表会レポート③

工藤勇一前校長を中心に、宿題、定期テスト、固定担任制など、教育の“当たり前“を覆して前代未聞の学校改革を行ってきた千代田区立麹町中学校。この2年間、「脳科学」を活用した教育環境や子どもたちへの指導法について研究を進めてきた同校が、その成果を報告する研究発表会が開催されました。レポート第3回のテーマは、「親に求められる、子どもの自律力の伸ばし方」です。

  • facebookfacebook
  • twittertwitter
  • feedlyfeedly
  • LINELINE
  • hatenahatena

連載第1回の記事(下記)では、工藤校長が感じていた学校教育への課題を踏まえた「麹町中の教育改革とねらい」にふれ、脳科学者による麹町中の取り組みの評価などを紹介しました。

麹町中学校 工藤校長が熱弁!日本の学校教育のここがヤバい|研究発表会レポート①

連載第2回(下記)は、麹町中の取り組みによる脳科学的な変化によって、教員や生徒の行動が具体的にどう変わっていったかを紹介しました。

宿題や定期テストを廃止した麹町中学校は何がスゴイのか?脳科学的に分析すると本質が見えてきた|研究発表会レポート②

そして、連載最終回となる今回は、研究発表会を通して「親として学べたこと」「親に求められる、子どもの自律力の伸ばし方」について紹介します。

私たち親にも必要な「メタ認知能力」

麹町中では、これまで取り組んできた教育改革の脳科学的視点からの研修会を、ユニークな方法で行いました。

通常なら学校関係者のみで行うところを、生徒の保護者や一般の人からも希望者を募り、2019年から約1年かけてディスカションやグループワークを行い学びを深めていったのです。

この理由について、工藤前校長はこう語ります。「教育関係者だけで議論すると、どうしても視点がかたよってしまいます。研修のあり方についても、従来の考え方や方法にとらわれず、保護者や一般の方と一緒に教育の本質を多面的に考えたかったのです」と。

自分を客観的に知る力である「メタ認知能力」と、恐怖や不安を感じることなく安心して行動できる「心理的安全状態」。

生徒と教員だけでなく、私たち保護者もこれらを知り、高めるよう意識することで、子どもの「生きる力」を伸ばすことができる、と、工藤前校長は考えています。

そこで、今回の千代田区立麹町中学校研究発表会では、研修に参加した麹町中の保護者も登壇。研修を通し、わが子との関わりがどのように変わったかについて、お話されました。

工藤前校長の著書はこちら

「見張る」でなく「見守る」「信じて待つ」

以下、発言の一部を列記します。

「これまで、自分自身のイライラを子どもたちにぶつけてしまうことがよくありました。研修でメタ認知の大切さを知り、自分の感情を俯瞰してみるよう意識するようにしました。

そこで、自分がイライラする時に『ママは今、イライラしているんだ。ちょっと落ち着きたいたら、時間をくれる?』などと声をかけるようにしたら、子どものほうも、『ぼく、今イライラしているから一人にして』などと言うようになりました。お互いに自分の気持ちを伝えていくことで、イライラすることが減りました」。

「子どもが宿題をしていて間違った答えを導こうとしている時、『あれ? 違うんじゃない』などと口出ししてしまっていました。しかし、研修会に参加して、学習がストップしてしまうことで、心理的安全性の低下を招いてしまっていたことに気付きました。『見守る』でなく、『見張る』ことをしてしまっていたのです。子どもの自律力を伸ばすためには、『見張る』でなく『見守る』ことが大切だということに気づきました」。

「超がつくくらい人見知りのわが子。学校生活でも、自分から挙手して発言したり、行動を起こしたりするのが苦手でしたが、『メタ認知』について知ることで、『わが子は自分の気持ちを整えるのに時間がかかっているだけ』と気づきました。それ以来、『信じて待つ』ことを子育てのモットーに。自分で踏み出すしかないと覚悟を決めた時のわが子は、とてもいい表情をしています」。

子どもの自律力をのばすためには、親も変わらなければいけないことに、改めて気づかされました。

その日にあったHappyなできごとを記録

この研修会では、参加者全員で「HDB」(Ignite Happy Detecting Brain!)という思考を共有しながら行われたそうです。

人間の脳は、無意識のうちにマイナス面を見てしまう傾向があるため、ポジティブな面にも意識的に注意を促すことが必要だそう。それにより、心理的安全が保ちやすくなり、メタ認知能力の向上にもつながるそうです。

研修会では、その日の参加者全員が、その日にあったハッピーなできごとを記録してからディスカッションやグループワークを始めたそうです。

その結果、
「HDBを知ったおかげで子どもにイライラしたり、どなることが減りました」
「HDBのトレーニングでメタ認知力がアップし、子どもに対してポジティブなアプローチが増えました」
「HDBをつきつめていったとき、Happyをこえたら希望(Hope)を見出していく力が自律につんがるのではないかと思いました」
など、参加者からも前向きな声がたくさん寄せられました。

発表会の内容を家庭で取り入れる

これまで学校でやっていた「あたり前」をもう一度見直し、学校のあり方や教育の本質を変えてきた麹町中学校。さまざまな取り組みについての研究発表を通して、一人の親として学べることも、たくさんありました。

レポート第2回でも紹介した

麹町中の教員が、生徒の「自律」を育てていくために意識している言葉がけ例

「今、君はどんな状態なの?」
「君はどうしたいの?」
「先生は、何を支援すればいいの?」。

これを家庭におきかえると

「今、あなたはどんな状態なの?」
「あなたはどうしたいの?」
「ママは、なにをすればいいの?」

となります。

家庭でも、このような言葉かけを心がけ、わが子が自分を客観的に見つめることができるようになる能力=メタ認知力を育んでいきたいですね。

長島 ともこ

長島 ともこ

2人の子供を持つフリーエディター、ライター。500件を超える取材経験があり、育児、妊娠&出産の分野を中心に書籍、雑誌、WEBの編集、企画、ライティング業務などに携わっている。小学校でPTA執行部・広報委員長をつとめたことをきっかけに「PTA広報誌づくりがウソのように楽しくラクになる本」(厚有出版)などの著書も出版し、全国で講演活動も行っている。

\ SNSでシェアしよう /

  • facebookfacebook
  • twittertwitter
  • feedlyfeedly
  • LINELINE
  • hatenahatena
  • ソクラテスのたまごの
    最新情報を受け取ろう

    いいね!するとfacebookに情報が届きます