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2020.02.28
2020.08.22

「モンスターペアレント」と“普通の感覚の親”の決定的な違いとは? 現役教師が解説します!

子どもが通う学校に相談したいことがある時「これを伝えたら、モンペと思われるかな」と、不安になったことはありませんか? 「モンスターペアレント」という言葉があまりにもメジャーになったがために、逆に相談や意見がしにくくなったと感じている人もいるのではないでしょうか。今回は、どういう親がモンスターペアレントと認定されてしまうのか、その線引きについてを現役教師が言及します!

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「モンスターペアレント」の定義

前回の記事では私の体験談を元に「モンスターペアレント」の実態について紹介しましたが、そもそもモンスターペアレントとはどんな親を指すのでしょうか。

前回の記事はコチラ→「現役教師が告白! モンスターペアレントの実態」

モンスターペアレントという言葉が出てきたのは今から14年ほど前。モンスターペアレントの名づけ親とも言える先生がいます。TOSS代表の向山洋一先生です。

向山先生は「担任・学校に対する不当な要求をしつこく続ける親がいる。私は、モンスターペアレントと名づけた」と言っています。

今では知らない人はいないのでは? というほど有名になったモンスターペアレントという言葉。ニュース番組で取り上げられたりテレビドラマのテーマとして描かれていたり、社会問題の一つとして取り上げられることが多くなったがために「学校や先生に対して相談やお願い事がしにくくなった」「こんなことを相談したら、モンスターペアレントだと思われるかな」と心配する親もいるようです。

モンスターペアレントとは、“理不尽な要求”をする親のこと。学校のため、子どものためになるような要求であればモンスターペアレントではありません。

今回は、モンスターペアレントと“普通の感覚を持つ親”のボーダーラインはどこなのかを具体的に考えてみましょう。

モンスターペアレントのボーダーラインはある?

「モンスターペアレント」とそうでない親の境目はどこなのでしょうか。次の3点が境目となるでしょう。

  1. 親の利益中心か、子どものためか
  2. 自分や自分の子どもだけが良い思いをするか(自分たちだけが良ければそれで良いと考えているか)、学校の子どもたち皆が良い思いをするか

具体的な例としては、下記のような内容が挙げられます。

  • “わが子が行ったことがないから”と、修学旅行の行き先を指定してくる
  • “子どもの夢はアイドルだから日に焼けたくない”と、日の当たる窓際の席にはしないでほしいと要求する
  • クラス替えは○○さんと同じ(違う)クラスにしてほしい(ただし、その子と一緒になることで何らかのメリット(デメリット)があるのであれば別。詳しくは次章で解説します。

 3.非常識か非常識でないか

 モンスターペアレントという言葉を誕生させたのが、このキーワードになります。

  • 学芸会で「うちの子がどうして主役じゃないんだ! うちの子を主役にしろ!」
  • 音楽発表会で「どうしてうちの子にピアノを弾かせてくれないんだ! うちの子にピアノを弾かせろ!」
  • 「うちの子には2年生の算数の授業をしなくていい。もっとレベルが上の数学を教えてくれ!」

上記のような要求は、どちらもわが子中心の要求です。学校全体、みんなのことを考えた要求ではありません。このような要求は、実際に私が勤めていた学校でもありました。

以上のような要求でなかったとしても親が学校に相談を投げかける際、どのように伝えるか迷うことはありますよね。また、自分の利益と全体の利益が一致しないという場合もあると思います。次章で解説しましょう。

学校や教師に要求がある時はどうすればいい?

前章に挙げたような極端な要求でなかったとしても「自分の利益と全体の利益が一致しない要求をして良いのか」「これを言ったら、自分勝手なのかもしれない」など、判断に悩む人もいるのではないでしょうか。

例えば、わが子が部活でいじめに遭っていたとします。でも「もうすぐ全国大会があるから、いま学校に報告して大事になったらみんなに迷惑をかけてしまう」と考える親もいるでしょう。

この場合“わが子のためだけの要求”ですが、いじめは非常事態。学校に言っても何の問題もありません。大会云々ではなく、いじめの問題を解決するのが最優先です。いじめを抱えたまま部活の大会に出ても、良い結果が残せないかもしれません。部活はチームワークが大切ですが、いじめがあってはチームワークも保てません。また、あってはならないことですが親からの訴えがなければ教師が気付かないということもあるかもしれません。

「わが子の成績がどうしても上がらない。まじめに勉強しているはずなのに」「わが子は学校だと無口で、クラスの仲間と話ができていないみたい」といった心配事もあるでしょう。そんな時も、学校や教師に相談して問題ありません。学校全体のためになるということではありませんが、このような要求は他の子ども、親、教師、学校に迷惑をかけることではないですよね。もちろん、モンスターペアレントではありません。

また、先に書いた「クラス替えは○○さんと同じ(あるいは違う)クラスにしてほしい」という要求。この場合、親から要求されても教師・学校側は「絶対にそうします」とは言いません。学校や教師がクラスを分けたほうがいいだろうと考えた場合、要求を受け入れることはあります。「A君とB君を一緒にするといつもけんかが起きるから別のクラスにした方が良い」「大人しいCさんでも、Dさんと同じクラスなら安心だろう」など教師・学校側が検討・判断した上で、親の要求を受け入れることはあります。

ただし、気を付けるべきことはあります。一つは“要求する時間帯”、もう一つは“電話と連絡帳のどちらで伝えるか”ということ。要求する時間帯については、朝の時間は避けるのが無難というのは「現役教師が告白! モンスターペアレントの実態」にも書いた通りです。朝の時間帯、教師はできるだけ早く子どもたちの待つ教室に行きたいと考えています。朝は教職員の打ち合わせもあるため、ゆっくり親と話をする時間が確保できないのです。

いじめなどの緊急な事情でなければ、連絡帳で知らせた方が良いでしょう。できるだけ短い文章で伝えるのもポイントです。長くなるようであれば直接、面談の時間を用意してもらうのがおすすめです。

わが子がより良い学校生活を送るために、親が考えたり悩んだりするのは当然です。学校や教師への要求が、わが子にとって本当に必要なものかどうかを冷静に判断できる姿勢がポイントとなります。モンスターペアレントという言葉に踊らされ、伝えるべき要求を我慢する必要はありません。学校と家庭のより良いコミュニケーションは、教師側も望んでいることですから。

「モンスターペアレント」についての前回の記事  現役教師が告白! モンスターペアレントの実態

須貝 誠

須貝 誠

東京都小学校準常勤講師・塾講師・ライター。30校以上の教育現場で教えてきた経験があり、進学塾では主に国語を担当。教師が集まる民間教育団体であるTOSS相模原・和(のどか)会員として指導法を学んでいる。https://www.toss.or.jp/

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