教育は未知にあふれている

ソクラテスのたまご

2019.10.24

子供のイライラ解消法 怒りを感じた後にとりがちな行動と解決志向を育てる方法

アンガーマネジメントのトレーニングを続けていらっしゃいますか? 前回の記事(子どもがどんなときに怒っているのか聞いてみよう https://soctama.jp/column/58205)では、子ども自身が自分の怒りに気づく方法について解説しましたが、今回は、子どもが自分の怒りに気づいた後、とりがちな行動や怒りをトラブルに変えない解決法について伝えていきたいと思います。

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怒りのエネルギーに任せて行動をしていない?

下記の記事で解説したように怒りは力強いエネルギーです。そのエネルギーがどこに向かうか人によって違いますが、何となく同じような行動に向かうことが多いのではないでしょうか。

子どものアンガーマネジメント 子どもがどんなときに怒っているのか聞いてみよう

 

例えば、あなたの子どもは、怒りを感じた後、どのような行動を取りやすいですか?

次の中から当てはまるものを選んでみましょう。

 

怒りを感じた後にとりがちな行動

①相手をにらみつける

②相手をののしる、相手に攻め寄る       

③大声をあげる

④泣く

⑤叩く・蹴るなど手や足が出る

⑥近くにあるものを投げつける

⑦ものを乱暴に扱ったり壊したりしてしまう

⑧相手を無視する

⑨何もしない、ガマンをする

⑩何とかしようと努力する

 

どうでしたか? 改めて思い返してみると、怒ったときにどのような行動を取りやすいか、具体的に見えてきたのではないでしょうか?

 

しかし、残念ながら上の1~9までの質問項目は、どれも怒りの適切な表出方法とはいえません。分かって欲しいことやして欲しいこと、理想や願望があって怒っていることが多いのに、怒りのエネルギーに任せて相手を責めたり暴力に訴えたり、あるいは逆に無視や回避をしても何も解決にはならないからです

 

“⑩何とかしようと努力する”という行動を選んでいる場合でも安心はできません。もしかしたら解決策が少なかったり、諦めなくてもいいことを諦めたり、どうしようもないことについてどうにかしようとがんばっていたりするかもしれないからです。

 

 

 

怒りから抜け出すためにどうすればいいか

怒りを感じた後、怒っていることについてどうしたいかを考えて行動してみることが大事です。怒りに身を任せず行動するということは、“怒り”から抜け出すということでもあります。ここでは、健全で建設的な解決に向けて、どのような行動をとったらいいのかを考えてみましょう。

 

選択肢はいくつかあり、何を選ぶかは自分次第ですが、まずは、考え方をどのように展開していったらよいのかを4つに分けてみていくことにしましょう。

 

怒りたくなったときの思考展開と解決行動

【選択肢1】

譲れないことでどうにかできること

解決策を考えて動いてみる

 

【選択肢2】

いやだけれど、どうしようもできないこと

他のことを選んで動いてみる

 

【選択肢3】

まぁいいかと思えるようなこと

自分の考えを押し通すのではなく譲り合う

 

【選択肢4】

どうにもできないし、たいしたことでもない

時間や労力がもったいないので深く考えずに先に進む

 

次にいくつかのケースを通して考えてみましょう。

 

<ケース1(親子間の場合)>

友達と遊びたかったのに親に宿題をしなさいと言われ、腹が立ったとします。怒ったところで何もならないので、選択肢1~4の場合の思考展開と行動を考えてみましょう。

 

【選択肢1の場合】

今日は絶対友達と遊びたい

親に事情を話して、帰ってきて何時までに宿題をするかを伝えてみる:その子と遊ぶのが楽しみなことを伝え、宿題は帰ってから18時までには終わらせる約束をする(=解決策)

 

【選択肢2の場合】

友達と遊べないのは残念だけど、時間がかかりそうな宿題だからやってしまおう

宿題が早く終わったらテレビを見よう(=他のことを選ぶ)

 

【選択肢3の場合】

明日も遊べそうだし、まぁいいか

今日は宿題をして別の日に遊びに行く約束をしよう(=譲り合う)

 

【選択肢4の場合】

雨が降りそうだし、今日はもういいや

やれることをやろう(=深く考えずに先に進む)

 

 

<ケース2(友達間の場合)>

Aに一緒に帰ろうといったのに、別の子と帰っているのを見て、頭にきたとします。怒ってもAとの関係は悪化するだけなので、選択肢1~4の場合の思考展開と行動を考えてみましょう。

 

 

【選択肢1の場合】

Aと話もあったし、今なら間に合うかも

Aに声をかけて、話があるから一緒に帰れるか声をかけてみる(=解決法)

 

【選択肢2の場合】

Aと帰りたかったけど、今日はどうしようもないかなと思う

BがいるからBと一緒に帰ろう(=他のことを選ぶ)

 

【選択肢3の場合】

明日Aと帰ればいいし、まぁいいか

今日はその子と帰りたかったのかもしれない(=譲り合う)

 

【選択肢4の場合】

今日のことはどうしようもないし、これ以上考えない

帰ったら何をしようか楽しいことを考えよう(=深く考えずに先に進む)

 

 

 

親自身がモデルとなり行動の選択肢を増やす

もちろん、どの方法を選ぶかは自分で決めることができますし、解決策は今回挙げただけに限らず複数あります。

 

とにかくイライラして、言い返したり仕返したり、誰かや何かに八つ当たりしたところで解決にはなりません。それどころか、嫌な気持ちはますますふくらんでしまったり、そうしなければよかったなと後悔してしまうことだってあります。

 

子どもが怒りを適切な方向に思考や行動をシフトチェンジできるように、親自身がモデルとなって子どもにいくつかの選択肢を示してみるなど、親自身も怒りとの関わり方を工夫していけるといいと思います。

 

子ども自身が解決志向で物事を考えていけるようになると、イライラだけでなく、困ったこと、気になること、許せないことが起きたときにも同様に自分で解決していくことができるようになります。

 

何が起きても感情に振り回されたり支配されたりすることなく、誰かのせい、何かのせいにすることもなく、未来志向・解決志向で乗り越えていく力を身につけていけるといいですね。

 

今日からできることを少しずつトレーニング。アンガーマネジメントにレッツトライ!

 

長縄史子

長縄 史子

一般社団法人日本アンガーマネジメント協会(東京)アンガーマネジメントシニアファシリテーター。子育てや教育・福祉・司法関係において、心に触れる実践的なアンガーマネジメントを伝え、一人一人が大切にされる教育社会を目指して怒りの連鎖を断ち切るために活動を続けている。著書に「マンガでわかる怒らない子育て」(永岡書店)「イラスト版子どものアンガーマネジメント~怒りをコントロールする43のスキル」(合同出版)などがある。 https://www.angermanagement.co.jp/

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