教育は未知にあふれている

ソクラテスのたまご

2019.03.18

いじめ事件の防止になる? 子どもの「助けて」に応える4つのアプリ

もうすぐ新学期。進学・進級に胸躍らせる子も多いですが、一方でいじめが原因による悲しいニュースが流れる時期でもあります。いじめられている子が自分の状況や胸の内を誰かに伝えるのはとても勇気がいることです。しかし、打ち明ける相手が身近なスマホを介してならどうでしょう。現在、スマホ世代がアクセスしやすく、いじめの抑止力やいじめ被害者の相談先として期待されているのが「いじめ対策アプリ」です。今回は、その一部を紹介しましょう。

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多くの小中高で導入済! 匿名で相談や報告ができる「STOPit」

千葉県柏市、茨城県取手市、大阪高石市、奈良県奈良市をはじめ、全国約170校で導入されているアプリが、いじめの当事者以外も匿名でいじめの相談・報告ができるアプリ「STOPit(ストップイット)」です。

 

「助けたいとき、助けてほしいとき、いつでもどこでも報告・相談できる環境をつくる」というビジョンのもと開発されました。

 

「STOPit」で注目したいのは、“脱傍観者“という視点。いじめの被害者だけでなく、いじめられるのが怖くて何も言えずに苦しんでいる周囲の子どもの心も罪悪感や恐怖・不安から救うことができるのです。

 

使い方は簡単でアプリをインストールして、教育委員会を指定するだけ。いじめを目撃したことや体験談を、文章や画像で送ることができ、受け手である教育委員会の担当者が学校と連携して問題解決を図っていきます。

 

相談先に伝えられるのは、情報提供者の学校名と学年といじめ内容のみであり、特定される心配は極めて引くくなります。 いじめの新たなターゲットにする恐怖がなくなることで、子どもたちが自発的にいじめ解決へ導くという新たな流れができていくかもしれません。

 

 

 

大人の目が届きにくいネット上のいじめを通報できる「Kids’ Sign」

近年、いじめの温床として問題視されているのがSNSや掲示板。それらの場所で行われている“ネットいじめ”を匿名通報できるのが「Kids’ Sign(キッズサイン)」です。

 

最大の利点は、「LINE」のようにクローズドなコミュニティスペースでのいじめも通報できるということ。通報された内容は、専門スタッフが事実かどうかを確認して学校や教育関係者に報告されます。

 

また、通報後も悩みを聞いてほしいと望む子どもたちは、引き継がれた専門家に相談ができるのもポイントです。

 

総務省の資料によると、ネット上でのいじめである「パソコンや携帯電話等で、ひぼう・中傷や嫌なことをされる」の認知件数は、1万779件(平成28年度問題行動等調査)。

 

現在、ネットパトロールなどを行っている教育委員会もあるものの、財源や人材不足などの理由で取り組めていない県や市も多いとのこと。民間企業が取り組む活動が、ネットいじめの今後の動向を握るカギのひとつだといえるでしょう。

 

 

 

 

アメリカの少女が発案した「ReThink(再考)」

 ーこのメッセージは他人を傷つける可能性があります。本当に送りますか?ー

 

SNSへいじわるな書き込みをしようとしたり、メールやTwitterで攻撃的なメッセージを送ったりしようとすると送信前に冒頭のテキストが表示されるのが「ReThink(再考)」というアプリ。

 

相手を傷つけるつもりがなかった人には気づきを促し、悪意をもって相手を傷つけようとしていた人には行動を踏みとどまらせる効果が期待されています。

 

このアプリの発案者は、アメリカ在住の起業家トリーシャ・プラブさん。アイデアを発表した当時は、わずか14歳でした。同アプリを思いつき、同世代の子どもたちが本当に行動をためらうかを実験したところ約93%の若者が送信ボタンを押さなかったそうです。

 

すでに起きているいじめの対策に気を取られている大人たちに反して、“いじめをなくしたい”“いじめが起きないようにしたい”という視点で心理を突いたアイデアには、ハッとさせられいてしまいますね。

 

 

 

写真共有サイト「インスタグラム」いじめ投稿を発見!?

写真共有サイト 「インスタグラム」では、いじめにつながるコメント、ライブ動画を自動でブロックするフィルターが導入されていることは知っていますか。
 
インターネット上のいじめをなくす対策として「インスタグラム」が行っているのは、問題がある写真やコメントを機械が学習機能により検出するというものです。例えば、「インスタグラム」に写る誰かの外見や人格に対する攻撃、別の誰かとの比較、暮らしや健康を脅かすような嫌がらせなどが検出されます。

 

いじめとして検出された行為について、実際に問題があるかどうかを判断するのは人の目です。その役割は、社内にあるチームが担当しているとのこと。モッセリ最高経営責任者は、「ネット上のいじめは複雑な問題である。インスタグラムでのいじめを減らすために、やるべき仕事はまだある」と、以前ブログで述べていました。

 

 

匿名で報告・相談できるアプリの課題点とは

子ども自身が相談できる窓口として、各自治体では電話対応による「24時間子供SOSダイヤル」や「子ども人権110番」、「チャイルドライン」などを設置しており、いじめに限らず、さまざまな悩みを伝えるためのホットラインとなっています。

 

しかし、いじめに関わる人にとって他人に心を開いて話すというのは、とてもパワーがいることです。アプリを通じて文字で気楽に相談することができれば、救われる子どもは増えるかもしれません。

 

ただし、今回紹介したアプリは、すべての教育委員会や学校で導入されているわけではありません。

 

また、匿名で容易にいじめの報告ができるシステムだからこそ、事実とは異なるウソの情報が紛れ込んでくる可能性があります。今後、さまざまな課題が解決され、いじめ解決の糸口が少しでも増えていくと保護者としては心強いですね。

 

「ソクラテスのたまご」編集部

「ソクラテスのたまご」編集部

教育に関する有識者の皆さまと一緒に、子を持つお父さん・お母さんでもある「ソクラテスのたまご」編集部のメンバーが、子どものために大人が知っておきたいさまざまな情報を発信していきます。

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