【漫画連載】「靴履かない!帽子イヤ!」何度言っても聞いてくれないとき、どうする?
漫画家・こげのまさきさんの連載企画。第15回のテーマは「靴下や帽子を嫌がる時、どうする?」。出かける前に靴や靴下を履いてくれない、帽子をかぶってくれない…。理由を説明しても聞いてもらえず、ついイライラしてしまうことはありませんか?
実は、子どもの「嫌」の裏には、大人には見えにくい気持ちや理由が隠れていることもあるそうです。子どもの気持ちを尊重しながら関わるにはどうすればいい?専門家に聞きました。



子どもはどうして衣類の着用拒否をする?
お外遊びをするから靴や靴下を履いてほしかったり、暑いから帽子をかぶってほしいのに「履かない!」「かぶらない!」と断固拒否されたり…。こんな経験、一度はありますよね。
理由があるからやってほしいのに、それを説明してもやってくれないのはなぜなのでしょうか?子どもの発達に詳しい公認心理師の宮崎りさ先生に聞いてみました。
嫌がるのには理由がある
理由も無く拒否したり、時には大人を困らせようとしているように思えることもあるかもしれません。ですが、子ども側にも気持ちがあり、嫌がるのには必ず理由があります。
ただ、子どもは大人よりも言葉も未熟で、表現の方法や伝え方のレパートリーも多くないため「嫌」「やりたくない」などの言葉でしか伝えられないことがあります。
「嫌」の裏には「気分じゃない」「暑い」「好きじゃない」「違うことしていたのに遮られた」「今やろうとしてたのに」…など、様々な思いがあります。理由を説明しても聞いてくれない背景には、もしかしたら「理由は分かっていても嫌だ」があるのかもしれません。
ただ、この指示の通らなさの背景に「大人の指示が理解できていない」「特定のこだわりがある」などの理由があることもあります。
あまりに頻度が多い、指示が通らず日常生活に支障が出る、などの様子があれば、嫌がる場面やきっかけ、子どもにどのように伝えているのか、などを整理し、子どもがどこで躓いているのかを考える必要があるかもしれません。
子どもは“自分の意思”でやりたい
「宿題しなさい」と言われると、「今やろうと思ってたのにやる気なくなった…」という経験や、「投資は絶対にやったほうが良いよ!やらないなんて損してる」と言われると逆にやりたくなくなったりした経験はありませんか?
人は、自分の行動を制限されたり、自由を奪われたと感じた時に「その自由を回復しよう」と強く動機づけられ、反抗・反発的な感情が生じます。個人差はありますが、誰にでもある自然な感情で「心理的リアクタンス」といいます。
人は基本的には自分で考え、自分で選択したい生き物です。自分の行動や決定について「言われたからやる」では無く、「自分の意志によって自らやりたい」気持ちがあります。
子どもも、小さくても自分の考えや意見を持った一人の人間です。そのため、「大人の言う事を聞かなくて当たり前な存在」なのです。
衣類の着用拒否があった場合はどう対応する?
理由はわかりましたが、それでも夏場の帽子着用など「やってもらわないと困る」場面も多々ありますよね。そんなときにうまく対応する方法はあるのでしょうか?
先ほど説明したように、子どもも「自分でやりたい」気持ちが強く、「言われたら言われるほどやりたくない!」が発動します。そこが子どもならではの難しさで、時間感覚や段取り、気持ちのコントロールなどが難しいため、大人の声掛けが必要になります。
「やってもらわないと困る」場面では、正攻法で真正面から向き合うのではなく、いかに「子ども自らやった」雰囲気を大人が作り出せるかが大切です。
具体的には「大人が少し距離を取って見守る」方法があります。例えば「ママも準備してくるからね」と言ってあえて見えないところに移動したりすると、自分から取り組むこともあります。
また、キャラクターやお気に入りのおもちゃなど、子どもの好きなものを使って「できるかな?」「お手伝いしてほしいな」などと声を掛けるとできたりすることもありますよ。
一人で考えるのが難しい場合は、子どもをよく知る先生に園での工夫を聞いてみたり、誰かに相談しながら考えるのもおすすめです。
「言うことを聞かない」は成長の証
「大人の言う事を聞かない」という事は、子どもが大人の言う事を理解し、その上で自分の気持や考えを持って主張するようになっている「成長の証」でもあります。
ついイライラしてしまうこともあると思いますが、このことを心に留めておくと気持ちが楽になるかもしれません。
理由があるのに、言うことを聞いてもらえないとつい焦ったりイライラしたりしてしまいますが、「自分で決めたい」という気持ちも成長の証なのだと分かりました。子どもの気持ちを尊重しながら、無理のない関わり方を見つけていきたいですね。
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